総裁定例記者会見(2012年4月10日)要旨
Full text
§1Question
本日の金融政策決定会合の決定について、先の短観結果なども踏まえながら、ご説明頂けますか。
§2Masaaki Shirakawa
本日の決定会合では、「無担保コールレート・オーバーナイト物を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」というこれまでの金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定しました。あわせて、本日の会合では、成長基盤強化を支援するための資金供給のうち、前回3月の会合において骨子素案を決定していた外貨建て投融資を対象とした資金供給枠について、詳細を決定しました。具体的には、第 1 に、米ドル資金供給枠の総額を 120 億米ドルとした上で、幅広い金融機関に活用されるよう、1 金融機関当たりの利用限度額を 10 億ドルとしました。第2 に、適用する金利は、米ドル・6 か月物 LIBOR の変動金利としました。第 3 に、対象とする外貨建て投融資がわが国経済の成長基盤の強化に資するかどうかの判断基準として、「国内における生産・サービス活動、設備投資または雇用の増加に資することが見込まれるもの」など、3 つの着眼点をお示しすることにしました。次に、本日の金融市場調節方針の決定の背景となる経済・物価情勢について、ご説明します。まず、海外経済をみると、全体としてなお減速した状態から脱していませんが、米国経済では緩やかな改善の動きが続いているほか、欧州経済も停滞感の強まりに歯止めが掛かってきています。
§3Masaaki Shirakawa
国際金融資本市場も、最近では、総じて落ち着いており、欧州債務問題が国際金融資本市場ひいては世界経済に甚大な影響を及ぼすという、いわゆるテイル・リスクは低下しています。こうしたもとで、わが国の景気の現状については、「なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている」と判断しています。需要項目別の動きをみると、輸出は、これまでのところ横ばい圏内にとどまっています。国内需要では、設備投資は、被災した設備の修復などから、緩やかな増加基調にあります。個人消費は、自動車に対する需要刺激策の効果もあって、底堅さを増しているほか、住宅投資も持ち直し傾向にあります。景気回復シナリオを支える重要な要素の 1 つと期待していた公共投資についても、震災復興関連の需要を背景に増加に転じていることが、最近の公共工事出来高統計によっても確認されました。以上の内外需要を反映して、生産は、なお横ばい圏内にありますが、予測指数の動きがしっかりしてきているなど、持ち直しに向かう動きがみられています。先日公表した 3月短観の結果をみると、企業の業況感は、輸出関連業種に慎重さが残っている一方、内需関連業種は、復興関連の需要や、個人消費の底堅さなどを反映して、改善を続けており、全体としてみれば概ね横ばいとなっています。
§4Masaaki Shirakawa
収益計画については、業種・規模によるばらつきを伴いつつも、次第に増益基調に復していくと見込まれています。設備投資計画についても、緩やかな増加基調にあり、2012年度については、当初計画としては、例年に比べて高めの伸びとなっています。この間、わが国の金融環境は、緩和の動きが続いています。すなわち、コールレートが極めて低い水準で推移する中で、企業の資金調達コストは、緩やかに低下しています。CP市場では、良好な発行環境が続いており、社債市場の発行環境も、総じてみれば、良好な状態が続いています。また、企業からみた金融機関の貸出態度は、改善傾向が続いており、企業の資金繰りも、総じてみれば改善した状態にあります。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっています。わが国経済の先行きについては、新興国・資源国に牽引される形で海外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強まっていくにつれ、緩やかな回復経路に復していくと考えられます。こうした見通しについて、先程申し上げた欧州発のテイル・リスクの低下によって、実現の蓋然性が高まりつつあるように思います。ただ、この点については、今月末にお示しする展望レポートにおいて、改めてしっかりと確認したいと思います。物価面では、消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられます。
§5Masaaki Shirakawa
もっとも、以上の中心的な見通しを巡っては、なお様々な不確実性があることには注意が必要です。まず、欧州債務問題については、テイル・リスクが低下したとは言え、緊縮財政の影響を含め、今後どのように展開していくかは、引き続き大きなリスク要因だと考えられます。原油価格上昇の影響も懸念されます。さらには、世界経済の牽引役として期待される新興国・資源国についても、新興国が物価安定と成長を両立する形で経済がソフトランディングできるかどうか、なお不透明感が高い状況が続いています。物価面では、国際商品市況や中長期的な予想物価上昇率の動向などを、注視する必要があります。日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識しています。デフレからの脱却は、いつも申し上げている通り、成長力の強化と金融面からの後押しの双方を通じて実現されていくものです。そのためには、民間企業、金融機関、政府および日本銀行がそれぞれの役割に則して、日本経済の課題克服に積極的かつ強力に取り組むことが重要です。日本銀行としては、こうした認識のもとで、強力に金融緩和を推進していくとともに、成長基盤強化を支援するための資金供給を通じて、日本経済の成長基盤強化に向けた民間金融機関による取組みを支援していく方針です。
§6Question
米国経済について、緩やかな回復が続いているとおっしゃいましたが、一方で、バーナンキ議長は先行きについては引き続き厳しい見方をしています。米国経済の現状と見通しについて、お考えを伺えますか。
§7Masaaki Shirakawa
ご質問にあった、バーナンキ議長の米国経済の見通しと、私どもの見通しは、基本的には同じであると感じています。米国経済をみると、バランスシート調整の影響から、回復テンポは緩やかです。もっとも、年明け以降の変化でみると、堅調な企業収益を背景に、設備投資が増加基調を維持しているほか、個人消費も、自動車販売が増加するなど、緩やかな改善の動きが続いています。先週末に公表された雇用統計では、暖冬による押し上げ寄与の剥落もあって、雇用者数の増加ペースが幾分鈍化しましたが、失業保険の申請件数が減尐するなど、雇用情勢も緩やかながら改善傾向を続けていると判断しています。こうしたこともあって、消費者マインドや株価は、昨年夏前の水準を回復しています。これが最近の変化ですが、米国経済の先行きについては、プラス・マイナス双方の材料があります。まずプラス材料をみると、緩和的な金融環境が、景気の回復を後押しすることを挙げることができます。低金利のもとで、社債発行は高水準になっており、大企業・優良企業を中心に、資金調達コストは着実に低下しています。緩和的な金融環境は、先行き、企業収益を下支えしていくとみられます。こうした中で、底堅い新興国需要も相俟って、企業部門は堅調に推移する可能性が高いと思っています。また、堅調な企業収益に伴う株価上昇や雇用の緩やかな改善も、所得面から経済を下支えしていくとみられます。
§8Masaaki Shirakawa
一方、マイナス材料としては、住宅市場の低迷は続いており、家計のバランスシート調整にはなお時間を要するとみられる点が気掛かりです。家計債務は、所得対比では高水準ながらも緩やかに低下し、住宅ローンの利払い負担も減尐するなど、以前と比べると幾分明るい面もみられてきています。しかし、住宅の在庫は、差し押さえ物件など潜在的なものを含めるとなお高水準であり、住宅価格は軟調な動きを続けています。家計のバランスシートは、引き続き修復途上にあることから、当面、家計の支出スタンスは慎重なものに止まるとみられます。さらに、目先のリスクとしては、原油価格上昇の影響が挙げられます。イランを中心とした中東情勢の緊張が続くもと、ガソリン価格は昨年春の高騰局面とほぼ同水準まで上昇しています。現在のところ、消費者マインドは堅調さを維持していますが、先行き、ガソリン価格がさらに上昇し、実質購買力やマインドの低下などを通じて、個人消費を抑制する可能性がある点には注意が必要です。このように各種のプラス・マイナス要因を整理すると、消費や雇用を中心とする改善の動きは、確かに明るい材料です。しかし、バーナンキ議長も述べているように、また、日本銀行も繰り返し申し上げている通り、バランスシート調整の重石はなお大きく、経済の成長ペースは、当面、緩やかなものとなる可能性が高いとみています。
§9Question
今月、追加の金融緩和を見送られたわけですが、このままいくと 2月に設定された物価上昇率 1%という目途、事実上のインフレ目標は達成できるとお考えなのかを伺います。また、以前から、デフレ脱却に真剣であると繰り返しおっしゃっていると思いますが、改めてこの気持ちは変わっていないかを教えて下さい。
§10Masaaki Shirakawa
日本銀行の金融政策の基本スタンス、つまり、デフレから脱却し物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要であるという政策の基本スタンスは、一貫して変わっていません。金融政策を運営していく上で、先行きの経済・物価の見通し、これが一番基本となる要因です。この点について、本日の決定会合でも入念な点検を行いましたが、次回の決定会合は展望レポートの会合ということで、特に念入りに点検し、そうした経済・物価の見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたいと考えています。
§11Question
1%の達成は可能とお考えですか。
§12Masaaki Shirakawa
1月の中間見通しでは、2012年度についてはプラス 0.1%、2013年度についてはプラス 0.5%という見通しを公表しました。この見通しがどういう計数になるかということについては、次回展望レポートの作成作業の中で検討し発表していきたいと思っています。大事なことは、物価がどういう方向に向かっているかということだと思います。日本の経済が緩やかなデフレ状態になって、長い期間になっているわけですが、そうした長いプロセスを経て現在の姿があるわけです。従って、この先の経済・物価がどういう方向に向かっているのかということが大事なわけですが、物価情勢をみると、2009年の夏から秋、この時期が一番悪かったと思います。これは、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比、刈込平均の物価指数の前年比、あるいは消費者物価指数の中で上昇・下落の品目数の差など、様々な数字からみると、今申し上げたようなことが言えると思います。そうした状況と現在を比較してみると、確実に物価情勢が改善していく方向になっています。先行きの見通しについては、こうした物価の動きがどのように改善していくのか、しっかり点検していきたいと思っています。
§13Question
白川総裁の任期が残り 1年となりましたが、総裁は残り1年の課題をどのようにお考えでしょうか。また、今もおっしゃったように、現時点の見通しでは、2013年度まで 1%の物価上昇率はまだ見込めないという状況ですが、引き続き、総裁職に留まってデフレ脱却の陣頭指揮を執り続けたいというお気持ちをお持ちかどうか、お伺いします。
§14Masaaki Shirakawa
任期が残り 1年ということでの特別な感想はありません。これまでと同様、物価の安定と金融システムの安定という日本銀行に課せられた使命をしっかり遂行していきたいという一点に尽きます。
§15Question
先般、日銀審議委員の人事が否決され、その理由の 1 つとして、金融緩和に消極的であるという声も挙がったのですが、その点をどのように受け止めていますか。
§16Masaaki Shirakawa
国会における議論や決定について、私がコメントすることは差し控えたいと思います。日本銀行の政策委員会を構成するメンバーである審議委員は、非常に重要な仕事に携わる委員です。そうした仕事を遂行するにふさわしい、立派な人が審議委員になって頂きたいということです。具体的なコメントは差し控えたいと思います。
§17Question
今月下旪に展望レポートが出ると思いますが、このレポートで示す物価上昇率の見通しに関して伺います。現時点で、2013年度の物価上昇率の見通しは 0.5%ですが、今月下旪のレポートで「物価安定の目途」としている 1%に届かない見通ししか出ない場合には、デフレ脱却の姿勢を明確に示すために、追加金融緩和を含めてきちんとした姿勢を示さないといけないなど、具体的な手段を含めて、こうしなければいけないというお考えをお持ちかどうか、お聞かせ下さい。
§18Masaaki Shirakawa
決定会合における金融政策の議論は、毎回その時点での経済・物価・金融のデータに即して判断するものです。現時点で、次回会合での決定について予断を持つということは、慎まなければいけないと思っています。大事なことは、経済・物価の軌道が望ましい方向に向かっているかということです。私どもとしては、この 1%の実現を目指して、金融政策の面から強力な金融緩和を行っていくという方針を既に明らかにしています。このような物価の望ましい姿を実現していくためには、成長力の強化と金融面からの下支え、この両方が不可欠です。それから、物価上昇率と金融政策の関係ということでは、おそらく、ご質問の方の問題意識には、いわゆるインフレーションターゲットの導入国における金融政策の運営があると考えます。例えば、英国について考えてみると、目標が 2%で、その上下 1%を超えて物価が変動している場合には財務大臣に対して公開書簡を出すというシステムになっていますが、現在、英国では、3%を超えた状態が長く続いています。しかし、 2%の達成に向けて短期間に急激な金融引締めを行うことは避けています。日本銀行としては、英国とは方向は逆ですが、望ましい姿を実現していくこと、「どういう方向に向かっているのか」ということ、それが非常に大事なポイントだと思っています。
§19Masaaki Shirakawa
いずれにせよ、今申し上げたことは、次回の会合での政策決定の具体的なあり方についてコメントしたわけではなく、基本的な考え方として、成長力の強化も大事であるということ、それから、短期間に一気に実現するということでは必ずしもないとすれば、「どういう方向に向かっているのか」が大事だということを、申し上げた次第です。
§20Question
「中長期的な物価安定の目途」については、これは中長期的なものということで、短期的に実現すると、色々な不均衡とか色々な問題が多いというお考えでしょうか。
§21Masaaki Shirakawa
「中長期的な物価安定の目途」というのは、達成する時期が中長期で遠い先でいいという意味ではもちろんありません。物価安定は、瞬間的に実現する物価安定ではなく、中長期的に持続可能な物価安定であるべきだということで、「中長期的な物価安定の目途」という言葉を使ったわけです。その望ましい状況を実現していくために、どの程度のスピードが最適であるのかということは、その時の経済の情勢に依存してくると思っています。私どもの公表文でも、2 つのことを言っています。つまり、物価上昇率 1%を目指して強力な金融緩和を行っていくということ、それから、金融面での不均衡の蓄積を含めてリスク要因を点検し、問題が生じていないことを条件とするということです。そうした姿、そうした条件を満たす最適な政策を追求していきたいということです。
§22Question
政府との関係についてお伺いします。消費税増税の法案には、成長率を努力目標で入れている。一方で、国家戦略室がデフレ関係の閣僚会議を開いて、総裁もオブザーバーとして参加されるというように、色々協力が求められるようになっています。あるいは、圧力という言い方もあるのかもしれません。その「政府との協力」について、どのようにやっていかれるのかについて、お考えをお聞かせ下さい。
§23Masaaki Shirakawa
ご質問の中にあった国家戦略会議で、デフレ脱却等に関する新たな会議の開催が決まったこととの関係でお答えした方が良いと思います。もちろん、ご質問の趣旨は理解しましたが、かなり抽象的な問題意識も沢山おありと思いますので。日本銀行として、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することは、極めて重要な課題であると認識しています。そうした認識を持って、私どもとしては、現在、強力な金融緩和政策を展開しています。同時に、わが国経済は現在、急速な高齢化のもとにあり、この状況に対する社会全体としての対応が遅れている結果、趨勢的な成長率が低下しているという、長期的・構造的な課題に直面しています。このことが、日本のデフレの問題の根源にあると思っています。そういう意味で、繰り返しになって恐縮ですが、成長力の強化と、金融面からの下支え、この両方が不可欠であり、関係する当事者、つまり、企業、金融機関、政府、日本銀行が、それぞれの役割や持ち場に則して、全力を尽くしていくことが大事だと思っています。国家戦略会議には、昨日も出席しました。新たに開催される会合では、デフレを生みやすい日本経済の構造に関する検討が行われると聞いています。
§24Masaaki Shirakawa
日本銀行としては、日本銀行としての職責をしっかり果たすと同時に、こうしたデフレを生みやすい日本経済の構造に関する検討が行われ、しっかりとした取組みが政府からなされることを、強く期待しています。成長力の強化について、今般、日本銀行は更なる措置を講じ、その結果、大口・小口、外貨・円貨、それからABLと、色々な道具を揃えました。こうした成長力の強化という面でも、中央銀行の立場から、出来ることはしっかりやっていきたいと思っています。
§25Question
2年弱振りに審議委員が空席となりました。政策決定の過程において、この先どのような影響があるとお考えになっているかお聞かせ下さい。
§26Masaaki Shirakawa
どのような影響があるかというお尋ねですが、一般論として申し上げると、政策委員会における意見の多様性の確保や、業務の円滑な運営の観点から、欠員状態は望ましくないと考えています。ただし本件は、国会における手続きを経て決まっていくことですので、この点について、私の方からこれ以上申し上げることは差し控えたいと思っています。いずれにせよ、現在の体制のもとで、日本銀行の政策運営、業務執行に支障がないように、しっかりとやっていきたいと思っています。
§27Question
欧州のテイル・リスクが低下し、日本経済が、新興国に牽引されて回復していく蓋然性が高まるというお話でしたが、最近では、原油も含めむしろ鉱物資源その他の商品市況が下落トレンドに入ったようにもみえます。これについて、趨勢的に新興国が期待されたほどの成長はしないという見方もあると思うのですが、その辺について、総裁のご見解をお願いします。
§28Masaaki Shirakawa
新興国といっても、国・地域によってかなり状況が違っていると思います。中国、ASEAN、NIEs、欧州新興国、ラ米、資源国とわかれていると思いますが、ご質問の背後には、中国経済の見方が投影されているのかなと思いました。中国経済について、私どもも、本日の決定会合でも随分と議論を行いました。最近の中国経済をみると、欧州向けを中心に輸出が減速しており、生産の伸びは幾分鈍化しています。一方、内需については、自動車や家電などの耐久消費財には減速感が窺われるものの、固定資産投資は増加を続けています。中国経済には一部に減速感がみられますが、全体としては高成長を続けていると判断しています。一方で、日本から中国への輸出は、このところ弱めとなっています。この点について、日本の企業から中国経済について慎重な見方が聞かれるということも事実です。ただこれは、中国の輸出や生産の鈍化傾向などを反映して、中国国内で生産される最終製品の材料となる鉄鋼や化学製品などの中間財や、資本財・部品への需要が弱めとなっていることが主因ではないかとみています。尐し長い目で中国経済をみた場合、私どもとしては現在、大きく減速していくとはみていません。NIEs、ASEANについては、輸出・生産面で尐しずつ改善の動きがでていますし、もともと内需は強かったわけです。インフレ率が低下してきており、金融緩和の余地も生まれてきています。
§29Masaaki Shirakawa
資源国については――もちろん資源価格の動きをどうみるかについては様々な要因がありますが――、全体的に資源価格が上がってきている結果、資源国の経済についても、ある程度、牽引役として期待できると思っています。いずれにせよ、新興国の経済状況については、ご指摘のような点も含め、注意深くみていきたいと思っています。
§30Question
金融緩和の効果に関してお伺いします。もちろん、金融政策の効果に関しては、時間がかかることは分かっていますが、2月の直後、総裁をはじめ審議委員の方々がそれ相応の効果があったことを認めておられるように、米国経済の明るさと欧州の金融市場の安定によって為替市場でも円高が修正され、株価も上昇し、マインドも改善するような動きがしばらくあったかと思います。これが、先程言及された先週の雇用統計を受け、米国での追加的な金融緩和期待、金利差の縮小、それによって円高修正の動きが再び円高方向に振れたり、株価も一頃は 1 万円を超えていたのが、ここへきて下がっています。先日の短観をみても、やはり円高の修正や株価の上昇がすぐには経営者のマインドには影響していないと思いますが、その辺を含め、2月の金融緩和の効果が減衰しているのかどうか、お伺いします。
§31Masaaki Shirakawa
金融政策の効果について、金融市場での価格の変化に力点を置いたご質問かと思います。金融市場における為替あるいは株価の動きは、経済に影響を与える1 つの要因です。しかし、この金融市場における価格形成については、日本銀行の金融政策だけでなく、様々な要因で変動するものです。従って、金融市場の変化と金融政策のスタンスを、いわば1 対1 で対応付けて考えることは、必ずしも適切ではないと思います。前回の記者会見で、2月以降の為替あるいは株価の動きについて、基本的には、世界的なリスクオンの流れの中で生じているということを申し上げました。振り返ってみると、世界経済を考えていく上で最大のリスク要因は欧州の債務問題でしたが、これが最も深刻であったのは、昨年11月から 12月でした。その後、欧州のリスクは尐しずつ緩和され、現在は、大きくみればテイル・リスクが後退しています。そうした中で、従来、安全資産として買われていた円から、それ以外の資産へのシフトが生じたことがまず基本的な流れであり、そうした大きなリスクオンの流れの中で、日本銀行の金融緩和政策の効果もあったと思います。この数週間の変化でみると、このリスクオンの流れが、スペインの問題、イタリアの問題、あるいは米国の雇用統計の解釈を巡って、また尐しリスクオフの流れ、モードになってきていると思います。
§32Masaaki Shirakawa
私どもの金融政策は、ベースとして金利に働き掛け、これが経済全体に影響を及ぼしていくと考えています。現在、私どもが行っている政策について、よく「非伝統的金融政策」と言われます。確かに、非伝統的な金融政策を行っていますが、効果波及のメカニズム自体は、非伝統的というわけではなく、伝統的なメカニズムです。つまり、短期金利が既にゼロになっているため、長期金利、あるいはリスクプレミアムに働き掛けていくという、金利を通じて影響を行使しているわけです。この面でみると、私どもが基金の買入れを行っているゾーンの金利は低下していますし、それがベースとなって為替あるいは株価へも影響を与えていると思います。最後に、短観の業況判断について、直近の為替・株価の動きが反映されていないというご疑問であったと思います。これは――過去の短観もそうですが――、業況判断とその時の市況は、実はあまり関係がありません。企業経営者は、自らの収益が基調的にどうなっていくのかということで業況を判断しており、必ずしも足許の動向には左右されていないということです。
§33Question
次回の展望レポートについて、尐し整理させて頂きたいと思います。展望レポートは、経済成長や物価の見通しを示すものだと理解していますが、その一方で、最近、2月に示した「目途」について、具体的にどのようなステップを経て 1%を達成していくのかということを日本銀行に示して欲しい、という声もあると思います。そうした中で、今月下旪に展望レポートを公表するということですので、具体的な「道筋」を示して欲しいという声が出ていることに対して、展望レポートの作業の中でそういう声に答えることを考えていく必要があるのかについて、総裁自身はどのように整理していらっしゃるかを教えて下さい。
§34Masaaki Shirakawa
「道筋」というものが多尐文学的なので、どのようにお答えしていいか分かりませんが・・・。従来もお示ししていますが、2012年度と 2013年度にどのような物価上昇率の経路を辿っていくのか、あるいはその見通しを巡って委員の間の見通しがどのように散らばっているのかということを、数値あるいはグラフでお示しすると同時に、なぜそのような違いがあるのかについての分析または見方についても、従来から行っているように丁寧にしっかりと説明をしていきたいと思っています。物価の動きを規定するもう1 つのファクター、すなわち、成長力の強化という取組みがどうなっていくのかについては、これは日本銀行自身が直接操作できる変数ではありませんので、ここについては、日本銀行としての独自の見通しを置くのはなかなか難しいわけですが、定性的にはそうしたことも物価のパスには影響していくということは、再々申し上げている通りです。
§35Question
残り任期 1年で、またお伺いしたいのですが、これまでの任期4年間を振り返られて、リーマン・ショックや欧州危機の深刻化等々あって、その都度、包括緩和や、政策対応を打ち出されてきたと思うのですが、海外の中央銀行の対応と比較した上で、これまでの日銀の政策対応を、ご自身でどう評価・分析されているか教えて頂けますか。
§36Masaaki Shirakawa
残り任期との関係で過去 4年を振り返るという思考様式は、私自身はあまり好きではありません。現在、経済・金融情勢が非常に厳しい中で、4年間振り返ってということではなく、先程申し上げた通りですが、しっかりと政策運営をしていきたいと思っているということです。過去を振り返ってということではなく、海外の中央銀行も日本銀行も、同じような問題に直面しています。若干、時間が早い遅いという違いはありますが、同じような問題に直面していると同時に、それぞれまた固有の問題にも直面しています。ユーロ圏は、通貨は 1 つであるが政府は 17 あるという中で、難しい政策運営を行っていますし、日本は、先進国に例を見ない急速な高齢化のもとで、経済の難しい問題に――財政の問題も含めてですが――直面しています。従って、直面している問題の個々の原因を考えた場合、多尐の違いはありますが、どの中央銀行も、金利はほぼゼロ、中央銀行のバランスシートは非常に拡大しています。バランスシートの中身を見ても、非伝統的で、従来であれば買っていなかったような資産もたくさん買っています。そういう中で、どうやって中央銀行の使命を遂行していくかについて皆が努力をしている、そういうことだと思っています。
§37Question
総裁は、先月のワシントンでのFRB主催会合で、金融緩和を長期間続けると副作用もあることを考えなければならないというお話をされたかと思います。現在、日本銀行も随分と長く金融緩和を続けており、非伝統的政策も長いわけですが、現在、この副作用が現に起こっているのか、また、今、具体的な副作用として最も懸念しなければいけないものは何か、総裁の中で整理されているのであれば、尐しご紹介頂けますか。
§38Masaaki Shirakawa
日本銀行を含め、どの中央銀行も常に効果と副作用を点検しながら、最適と判断する金融政策運営に努めています。そうしたもとで――先程のご質問でも申し上げた通り――、現在、多くの中央銀行では、金融危機への対応をきっかけに異例とも言える金融緩和を続けています。それだけに、そうした金融緩和にどのような副作用があり得るのかという点も、各国中央銀行の共通した関心事項になっていると思います。今回私が出席したFRBのカンファレンスでは、そうした認識を背景に議論が行われ、私の発言も、そうした議論の中で、一般論として申し上げたものです。わが国においては、デフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復帰することが重要な課題であり、そうした観点から、日本銀行としては、現在、最適と判断する強力な金融緩和を推進しています。こうした強力な金融緩和政策の意味を改めて考えてみると、経済の下支えに努めるという重要な役割を果たしていると思います。そうした下支えが行われている間に、その時間を有効に活用して根本的な取組みが進められることが重要です。時間が無駄に過ぎてしまうと、財政状況の一段の悪化や非効率な資源配分の温存といった問題も次第に無視できなくなってしまいます。そうしたことを一般的な問題意識として申し上げました。
§39Masaaki Shirakawa
それだけに――これは私の結論ですが――、強力な金融緩和を推進すると同時に、わが国が全体として、日本経済の成長力強化や財政健全化への取組みをしっかりと進めていくことが重要ということです。
§40Question
一部の政党や市場関係者の間では、物価上昇の目途について、「日銀は今1%と言っているが、2%が、米欧でも採用されているので良いのではないか」と言っています。一方、総裁は国会で答弁された際に、「金利が 2%上昇した場合、日本の場合は、金融機関がたくさん国債を保有していることもあり、12 兆8 千億円くらいの打撃が国内銀行にある」という試算を示されたと思います。日本の場合、急に金利水準が上がると、様々な弊害が起きると思います。2%と設定すると、そういう面でかなり強い歪みが出るリスクもあると思います。一般論で結構ですが、総裁は、その点についてどうお考えですか。
§41Masaaki Shirakawa
過去の日本の消費者物価上昇率を振り返ってみると、日本が緩やかなデフレあるいは物価下落に転ずる以前、つまり 1997年以前をみても、日本の物価上昇率は海外に比べて低い状態が長く続いてきました。1980年代後半のバブルの時期でも、他の先進国に比べてかなり低いということが言えます。従って、海外が2%だから日本も自動的に直ちに2%だという議論は適切ではない、と思います。過去数十年間実現していなかった物価の上昇率をいきなり掲げて、これを目標に金融政策を運営していきますと言った場合、多くの経済主体からすると、過去経験のない時代が突然出てくることになり、これは大変に不確実性が高い状況です。そうなると、経済活動にも悪影響が出ますし、文字通り2%を人々が信用した場合には、金利だけが上がってしまうことになり、国債を多く保有する金融機関にとっても望ましくないと思います。そういう意味で、日本銀行としては、当面 1%を目指して強力に金融緩和を推進していくことが、経済全体の健全な発展を考えていく上で望ましいと申し上げているわけです。一方で、様々な構造的な改革の努力を積み重ねていけば、日本経済の成長力が高まっていき、その結果として中長期的に持続可能な物価上昇率が上がっていく可能性も意識しています。
§42Masaaki Shirakawa
従って、私ども自身は、中長期的に持続可能な物価安定の姿について、2%以下で、当面は1%だと申し上げて、毎年点検していくことにしました。
§43Question
今、国会で消費税が1 つの大きなトピックとなっていますが、その議論がなかなか進んでいません。総裁も国会で、長期金利が上がった時に金融機関にどういった影響があるかを話されています。改めて、日本の財政リスクに対する総裁の懸念と、長期金利が上がった時に、金融機関そして経済にとってどういった影響があるかについて、ご見解をお願いします。
§44Masaaki Shirakawa
2 つの質問は、関連していると思います。まず、消費税法案は、今後、国会において議論が進められていくものであり、私の立場から具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、一般論として申し上げると、わが国では、大幅な財政赤字が続き、既に一般政府債務残高が極めて高い水準となっています。成長率の引上げとともに、財政の持続可能性を確保するための取組みを着実に進めていくことは、市場の信認を確保していく観点から極めて重要であると思います。こうした取組みを通じて、将来の財政に対する不確実性が軽減されていくと、人々がより前向きに消費や投資を行いやすい環境を整えることにつながり、ひいては経済成長力の強化にも資すると考えられます。
§45Question
成長基盤強化支援のドル建て融資の件ですが、一部の人の見方では、国内産業の空洞化を加速させるのではないかという懸念があるかと思います。日銀として、今回のドル建て融資にどのような思いを込めているかという点を改めてお伺いしたいのと、金利が市場金利よりもやや低く提供されると思いますが、それによって市場への副作用がないのか教えて下さい。
§46Masaaki Shirakawa
まず、私どもの外貨による成長基盤強化支援のための融資ですが、もちろん、空洞化につながっていくものではありません。経済のグローバル化が進展する中、企業の海外業務展開は、わが国の成長基盤強化にとり非常に重要と思っています。例えば、わが国の企業が拡大するグローバル事業を取り込んだり、国内における企画・研究開発機能の強化等を伴う国際分業態勢を築くことは、国内における取組みと相互に補完し合うことを通じて、わが国経済の成長基盤強化につながると考えられます。この席でいつも申し上げていますが、需要が拡大している地域が新興国等の海外の市場である場合、そうした地域に拠点を設けていくこと自体は経営上の自然な選択だと思います。それと同時に、日本国内でしか提供できない資本財、あるいは部材・部品を作っていく形で分業態勢が作られていくことは日本の成長力の強化につながっていくと思います。その時に――もちろん、メインは円での融資であると思いますが――、外貨での融資についても、そうした余地があり得ると判断しました。次に、金利設定が市場を歪めるのではないかというご質問ですが、今回の適応金利は LIBOR という市場金利をベースとして、6 か月毎に見直していく方式を採っています。従って、私どもの金利設定が市場を歪めることはないと判断しています。
§47Question
先程のやりとりを伺っていると、物価上昇率 1%というのは、達成できなくてもそういう方向に向かっていればいい、というふうにも聞こえたのですが、そういう認識で正しいですか。
§48Masaaki Shirakawa
いいえ、私どもは、1%を目指して、強力に金融緩和政策を推進していくということです。どういうタイミングで、どういうタイムホライズンの中でそれが実現していくかという意味でのお尋ねであったと思います。私どもは1%を目指して行っていく、この点については全く変わっていません。
§49Question
今まで長い間、金融緩和を続けてこられましたが、その中で「時間を買う」と以前からよくおっしゃっていました。この時間というのは、どのくらいの期間で買っているものなのでしょうか。1年分を買っているのか、それとも 5年なのか 10年なのか。結局、長期金利に影響してくる話だと思うのですが、いつまでも政府・日銀が金融緩和を続けて、時間を買えるとはとても思えないのです。この時間は、どれくらい買えているのか。逆に言うと、時間を使い切ってしまった後は、どうなってしまうのでしょうか。
§50Masaaki Shirakawa
経済の大きな落込みがあった後、金融緩和政策によってしっかり下支えをしていくことは、非常に大事な仕事だと思います。そうした大きなショックが去った後、経済にのし掛かっている基本的な負の力に対して、しっかり対処していかなければならないということです。現在は、先程来申し上げている急速な高齢化に対して、様々な仕組みが、まだうまく適合できていません。そのために、本来、潜在的には様々な需要があると思うのですが、そうした需要が十分に実現できていないということだと思います。それから、財政状況も悪化しており、そのことが経済の下押し圧力にもなっていますし、そうした状況が長く放置されると、金融市場に対して様々な変化をもたらし得ます。従って、そうした事態にならないよう、しっかりと様々な改革努力に真剣に取り組む必要があるということです。「何年」というように、具体的な数値で言うことはなかなか難しいのですが、しっかりと取り組む必要があるということを申し上げているわけです。
§51Question
市場とのコミュニケーションについてお伺いします。先程から出ている展望レポートにあわせて金融緩和という観測が、市場では非常に根強いわけですが、そうした観測に対して、いちいち応えていると大変だと思います。かといって、全く無視できるのかということも含め、市場の期待や観測に対して、どのようにコミュニケーションをとっていくべきとお考えでしょうか。
§52Masaaki Shirakawa
私どもにとって、展望レポートは非常に大事なレポートです。日本銀行の経済・物価に対する見通しを体系的・包括的に伝えていくための媒体です。そうした経済・物価の見通しを基に、政策運営を考えていくということです。記者の方が言われた「市場との対話」とは非常に漠然としていますので、何が対話なのか、何が対話でないのかはよく分かりませんが、いずれにせよ、私どもとして、展望レポートの見通しとそれを踏まえた政策運営の考え方をしっかり市場に対して説明していくことが、非常に大事だと思っています。
§53Question
2 点お伺いします。1 点目は、先程の質問にあった1%の目途の件ですが、どういうタイムホライズンか、一体いつまでにできるのか、ということです。中長期ということについて、先程、遠い先のことではなく、持続的に 1%の物価上昇を見込める状態をつくりたいというお話でしたが、どういった道筋で、いつできるのかという疑問が、非常に多いと思います。そうしたきちんとした具体的な目途というか、時期的なものを、今後出していくお考えがあるのかどうかについてお伺いします。2 点目は、2月の決定会合における物価上昇の目途と追加緩和の効果について、その後、非常に円安なり株高が進んで、効果が出ていると、マーケットなり政治家なり、国民の中では受け止められていると思います。それにより、もっと日銀が緩和すればいいではないか、効果があるからもっとやれ、という声が非常に強まっていると思います。それに応じて、逆にやらないことが失望感を強めかねない状況に陥っているように思います。そうした現状について、どのように受け止めておられるのかお伺いします。
§54Masaaki Shirakawa
1 点目の時期的な目途については、先程、別のご質問で答えたつもりです。どの中央銀行にとっても、望ましい状況を実現していく、そのタイムホライズンの長さは、非常に大事な要素です。先程、英国の例を申し上げましたが、FRBの場合について考えてみると、FRBはデュアルマンデートで、物価の安定と雇用の最大化が目標です。FRBの現状見通しでは、先々3年経っても望ましい状況に到達しないという姿です。そうであるからといって、機械的に政策を運営しているわけではなく、どの程度のスピードで望ましい状況を実現していくかということ自体を、中央銀行が判断しているということです。必ずしも機械的に行っているわけではないということです。日本銀行の行っている政策についても、できるだけ誠実に、望ましい姿へのパスを示していきたいと思っています。しかし、先程申し上げた通り、金融緩和からの下支えと、様々な成長力強化の取組み、この2 つがあって初めて実現するものです。従って、日本銀行だけでいついつに完成します、と明確に示せるというものではなく、私どもとしては、ある程度の姿を示していくということです。そして、できるだけ早く実現していきたいという思いは、もちろん再々申し上げている通りです。2 点目については、先程、2月の政策変更による金融緩和強化以降の金融市場の動きについてご説明しました。
§55Masaaki Shirakawa
この間、金融市場に影響した一番大きな要因は、何といっても欧州債務問題が改善し、リスクオンのモードに切り替わっていたということだと思います。一昨年秋に包括緩和を始めて、基金を設けて以来、4 回に亘り基金を増額しました。全部で5 回の措置の後のマーケットの反応をみると、非常にはっきりしていますが、例えば円安・株高の方向に向かっている時もあれば、そうでない時もあって、全体として必ずしもそこに1 対 1 の関係があるわけではありません。ただ、為替なり株価の当面の反応は別として、私どもが金利に働き掛けることにより、そのことが経済全体に対して影響を及ぼしているものと判断しています。マーケットの短期的な反応だけをみて金融政策を運営すると、長い目で見た経済の安定ということにむしろ背馳することも多いと考えています。あくまでも軸足は、物価と景気の姿をみて政策運営を行っていくということです。以上