総裁記者会見(2025年10月16日)
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§1Kazuo Ueda
私からは一言だけ、G20に関する感想といいますか、G20の世界経済に関するところ、議論に関するまとめないし感想のようなことを申し上げます。世界経済についてですが、これまでのところは、英語で言いますとresilient ですかね、強靱さをみせているわけですけれども、引き続き高い不確実性や、あるいは進行中の戦争および紛争、それから地政学や貿易の緊張といった複雑な課題に直面していまして、こうした課題が中期的な成長に下方リスクをもたらすほか、金融や物価の安定へのリスクを高める可能性があるとの認識が示されたと思います。そのうえで、こうした世界経済に関する課題、リスクに対処するために多国間協力を強化することの重要性を強調した議長総括に支持が集まったところでございます。
§2Question
植田総裁にお願い致します。海外経済についてなんですけれども、IMFの世界経済見通しでは、世界経済の成長率、上方修正されましたが、直近では米中貿易摩擦の再燃ということで、先行きの不透明感も高まっています。今回の一連の国際会議や当局者の方々とのやりとりを経て、海外経済、とりわけアメリカ経済の先行きや日本経済への影響をどうみているのか、訪米前と何か変化があったのか新しい発見があったのか、その辺り教えてください。
§3Kazuo Ueda
まだ会議全体はIMF分がこれからですので、半分ぐらい過ぎたところですので、今後も情報収集にあたるというところですけれども、全般的な世界経済、アメリカ経済の印象としましては、日本で思っていた姿とそれほどのギャップはないということであります。つまり、例えば3月、4月ぐらいの見方と比べますと、ここまでの経済動向はさっきのresilient という言葉がぴったりするような底堅さをみせているということだと思います。その一つの理由が、関税の影響の発現がやや遅れている、従って、他の強さもある中で、世界経済、アメリカ経済がかなり好調に推移している面がある。ただ、遅れているということなので、今後出てくるかもしれない。その分は依然として見通しに織り込んだり、下方リスクとして織り込まざるを得ないというのが、いろんな機関あるいは人々の世界経済、アメリカ経済に対する評価ということだと思います。取りあえず簡単ですが。
§4Question
植田総裁に一点お伺いしたいと思います。今回の会見が 10月の政策決定会合前の総裁の公の場での最後の発言機会となる可能性があることを踏まえまして、こちらも伺いたいと思います。総裁はこれまで、経済・物価が日銀の見通し通りに確度が十分高まれば利上げをするというかたちで発言されているかと思います。その一方で、主に昨今の日本国内の政治状況を受けて、10月会合での市場の利上げの織り込み度合いが大きく低下しておりまして、もし利上げとなった場合、混乱を招くリスクがあります。国内政治情勢が不安定化することで金融政策運営が難しくなるのではないかどうかという点に加えて、会合に向けての確度の高まり具合、利上げの可能性等、市場に何かメッセージがあればお願い致します。
§5Kazuo Ueda
まず基本的なスタンスとしまして、私どもとしましては、経済・物価見通し、そしてそれを巡るリスク、そして見通しの確度、こういうものに従って金融政策を決定していくということでございます。従って、おっしゃったように、見通しの確度が上がっていけば、その度合いに応じて、適宜金融緩和の度合いを調整していくという姿に全く変わりはございません。そのうえで今回の会合との関連で、10月の会合に向けてどうかということですが、これは先ほど申し上げましたように、まだワシントンでの会合は途中ですので、もう少し情報収集にあたり、それから 10月末にかけて出てくるデータあるいは情報も加味したうえで、10月の会合であれば、その時点での情報、データ、人々の見方、メンバーの見方をまとめて議論して、そこで決定するということでございます。以上