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Bank of JapanPress conferenceFeb 29, 2024Hajime Takata, Board Member

高田審議委員記者会見(2024年2月29日)

Original in Japanese

Full text

§1Question

高田さんに質問が二点ございまして、まず一点は、本日の懇談会ではどのようなお話、議論をされたのかという点について、もう一つは、滋賀県の金融経済情勢についてどのようなご認識、ご見解であるか。その二点をお願いします。

§2Hajime Takata

まず今日の金融経済懇談会、どのような議論がということなんですけれども、今日の場合は滋賀県の行政それから経済界、金融界を代表する方々から、こちらの金融経済情勢それから地域経済が直面する課題などについて、大変貴重なお話を伺ったということであります。また、日本銀行の金融政策運営に関するいろんなご意見、またご要望もお伺いし、大変有意義な意見交換ができたと考えています。そういう意味では、本日出席頂きました皆さま方にこの場を借りて厚く御礼申し上げたいと思っています。懇談会での話題は非常に多様なものでありますので、あまり全部を網羅することはできないんですけれども、多少簡潔にまとめてみたいというふうに思っています。まず足元の滋賀県の景気については、コロナ禍からの経済活動の正常化などを背景にしまして、売上増であったりとか、稼働率の改善を指摘する声が聞かれました。それから私、今回こちらで、例えば半導体ですとかEV関係、物流それから食品・飲食等、いろいろお邪魔させて頂いたりもしたんですけれども、非常に注目されたのは、設備投資辺りが結構出てきてるなというところでして、前向きな動きが出てきている点に非常に注目したところであります。ただ一方で、これは想定されていたんですけれども、原材料価格の上昇をなかなか販売価格に転嫁できない、特に中堅・中小については、それから思うような利益につながってない。

§3Hajime Takata

また、特に人件費の転嫁は、なかなか難しいというような声は聞かれたわけであります。ただ、そういう中で、そういう動きを通じて何とか対応していこうというような、経営者の方々の力強いご意見も伺われたということであります。ですから賃上げを通じた人材の確保・維持が重要であると、その原資を確保する意味でも、価格転嫁が重要なんだというような声が強かったかと思います。また金融面で言いますと、業績回復までの資金確保の必要性というところですとか、あとは金融機関の方からの伴走支援の重要性だとか事業承継とかですね、前向きな対応に対する声が聞かれたわけです。それから、ちょうど今、多角的レビューを行っておりますので、それに関してご質問もいろいろとお伺いしたということであります。これは私の懇談会での挨拶のときにも申し上げた通りなんですけども、地域経済に大きな影響を及ぼしたものとして国内における投資の抑制、特にバブル崩壊後10年、20年ということ[がありました]。それからバブル崩壊後の企業行動の消極化。そういうことがあったわけでありますし、またこちらの地においても、人口減の問題といったところは大きな問題としてあったかなと思います。

§4Hajime Takata

それから過去 25年の非伝統的な政策に関しては、景気を下支えするうえで一定の効果があったとして全体的には評価できるというお声を頂きましたけれども、この 10年間の大幅な金融緩和のもとで企業等のセンチメントの改善、それから国内回帰の動きということを指摘する声も聞かれたわけです。ただ一方で、こういう低金利環境ということの副作用としての金融機関収支、その辺についてのご指摘もありましたし、また一方で今後については金利がある世界になる場合へのソフトランディングというところへの期待の声も伺ったということでございます。この辺頂いた意見については、今後、ちょうど今われわれ多角的レビューを進めておりますので、そうしたところに引き続き活かさせて頂きたいなというふうに思います。それから二番目に頂いたご質問の中で、滋賀県における金融経済情勢についてということだったんですけれども、ちょうど今月9日にですね、私どもの日本銀行の京都支店の方が公表した管内の金融経済概況があるんですけれども、そこで滋賀県それから京都府の景気は持ち直しの動きが鈍化しているというような認識を示させて頂いています。

§5Hajime Takata

コロナ 5 類移行後の経済の動きをみておりますと、物価高の影響はあるんですけれども、人々の外出機会の増加、それから消費や観光需要が持ち直しているほか、企業収益も改善している中で設備投資が増加、それから雇用・所得環境も緩やかに改善していることなど、全体としての持ち直しの動きは続いております。ただ足元においては、特に供給サイドということになろうかと思いますが、一部自動車メーカーが生産出荷を停止しているというような影響もありまして、生産とそれから消費の一部が落ち込んでおりまして、そうした持ち直しの傾向にブレーキがかかった状態ということかと思います。ただ、こうした動きについては、あくまでも個社の事情によるところも大きいものですから、供給サイドの一時的なものとみておりますし、またこの間、需要サイドとしては納車待ちがまだ続いている、引き続き堅調を維持しているというふうにみております。

§6Hajime Takata

そのため、先行きについては、生産再開とともに、再び持ち直しの基調に戻ってくるんではないかと考えていますし、またもう少し長い目でみると、他の地域と同様に人口減少、それから少子高齢化といった大きな課題はあるわけではありますけれども、滋賀県の場合というのは、私もいろいろ全国、見て回ったりもさせて頂いているんですが、他と違って大都市への良好なアクセス、また琵琶湖を始めとする豊富な観光資源、それからやはり先ほども申し上げたように結構前向きな投資が、いろいろハイテクな分野も含めて出てきているということ、そういう意味での地域の強み、特色を生かした動きが出てきているというところもありますので、そういう意味では力強さを受けるというようなところもあったかなと。いずれにしてもこうした取り組みを通じて、滋賀県の経済が一段と発展することを私としても期待したいなというふうに思った次第でございます。

§7Question

二点お願いします。一つは講演の中できわめて強い金融緩和からのギアシフトという言及がありました。そのシフトした後の影響についてどのようにお考えかと。要は金融市場また実体経済に与える影響についてですね、これは利上げペースと関わってくると思うんですが、現時点でどのように考えてらっしゃるかということを教えてください。もう一点が足元の景気情勢についてなんですけども、GDPは 2 四半期連続でマイナスになっていて、個人消費も弱さがみられています。その中でですね、政策変更を検討できる段階になったというところの理由について、もう一言、ご説明頂ければと思います。

§8Hajime Takata

ギアシフトという言い方をさせて頂いたんですけれども、非常に強い緩和というような状況の中から、これだけ、私も今日のところの中で 2%の物価目標の実現をようやく見通せるような状況ということも申し上げましたので、そういう感じからすると、そこまでのギアを前向きにということから、もう少し一段下げてもいいんじゃないのかなということかと思います。ただ、あくまでもギアシフトということでありますから、別にバックにしちゃうわけじゃないということでもありますし、それからある面で言うと、あんまり低いギアに入れ過ぎちゃうとエンジンブレーキが効き過ぎちゃうということもあるわけですから、そうなっちゃうとかなりまた影響が大きくなっちゃうというか、振動が大きくなってしまうとか、ボラティリティが高まってしまうということもありますので、そういうものでもないということかと思います。それはあくまでも、その後の実体経済であり金融環境でありというものに整合的なものにしておくということで、どの辺のギアがいいのかということを考えながら、しかもあくまでも別にバックではないというような形で、それなりに経済の全体の走行が前の方向に進んでいくというようなことを進めていくことかなというふうに思っているということであります。

§9Hajime Takata

それから、二番目のところですけれども、確かにGDPが、前のところの数字も若干のマイナスであるということもあって 2期連続で[マイナス]ということになったのは確かかなというふうに思います。ただ四半期ベースで言えば確かに 2 期連続でということでありますけれども、例えば 1年前と比較してみればそれなりの水準を保っていると。ですから、基調としてはということもありますし、それから今回の状況の中で、例えば消費であったりとか、それから設備であったりとかいうところが、ちょっと伸びてないなというのは確かにあろうかとは思います。ただ、消費なんかについてみると、例えば暖冬の影響があったりとかいうこともありますし、また一方でまだ実質賃金がプラスになっていない、マイナスであるというようなところの中での状況でありますから、今後、例えば賃上げのというような期待の中で、どう回復してくるのかというところもあるでしょう。また一方で設備のところについて申し上げれば計画については結構いい数字も出てきているわけであります。

§10Hajime Takata

企業収益も非常にいいというような状況でもあるわけでありますから、そういう中で進捗が遅れているというようなところで設備投資がなかなか伸びてないということがあろうかと思いますが、先をみた場合については、ある程度基調という意味での前向きな動きが続いているというふうに考えていいんじゃないかと思っていますので、確かに足元のところのというご議論があろうかとは思いますけど、基調のところはまだ前向きな動きというかですね、緩やかな回復環境は変わってないというふうにみていいんじゃないかと私は思っております。

§11Question

日銀はこれまでの 2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になったら政策修正を検討すると発信してきたと思うんですけれども、今日の午前の講演で見通せる状況になってきたというところで、マイナス金利政策の 3月の解除論を支持されますでしょうか。例えば執行部から 3月の会合でマイナス金利政策の解除の提案が出れば、賛成されるでしょうか。

§12Hajime Takata

具体的な、実際の金融政策決定会合は、まだ 3 週間近く先ということでもありますので、そこのところでどういう判断をするかっていうところについては、その場になって私自身考えてみたいなと思っている次第であります。ただ午前中のところで私申し上げましたように 2%の物価目標の実現がある程度視野に入ってきていると、達成できるような状況に、というような状況でありますから、そういう観点からは、そういうような問題意識もしくは認識に沿って、当面、3月においてもその次においても、考えながら対応していきたいなというふうには思っておりますけれども、具体的なところについては、今後もまだ時期も先ということでもございますし、またその後の様々な追加的ないろんなファクターというものもあろうかと思いますから、そういうものを踏まえたうえで考えていきたいなと、また具体的な対応も考えたいなというふうに思っている次第です。

§13Question

高田さんに二点伺わせてください。一点目が賃上げの循環について、好循環についてです。前回 9月のときにはやはりここの持続的な賃金上昇の循環がまだ課題だということだったんですけれども、この半年間でその実現性の確度はどれぐらい高まったのか、中小企業も含めてですね、今どのようなご認識でいらっしゃるかという点が一点。あともう一点はですね、やはりこの市場では最近の植田総裁の発言だったり発信もあって、もう 3月か 4月かというような政策修正の期待というのが高まってきています。高田さんご自身はこの3月、4月というタイミングであと残り何を確認していきたいのか、どの辺りを解消して具体的な出口の議論に進んでいくのか、この距離感も含めてご認識を伺えればと思います。

§14Hajime Takata

最初に頂いたご質問の中で賃上げの好循環っていうんでしょうか、正直言ってこの問題は、私もこの 1年2年、ずっとフォローしてきたというか、多くの方々がこの辺について非常に関心を持っていたところだと思います。そういう意味で言うと、やっぱり去年の今頃だと、そろそろ去年の賃上げがどうなるかという時期だったと思いますけども、ただ本当にどうなるのかなっていうくらい。それが実際としては、去年、非常に 90年代前半以来というような高い水準だったわけですよね。その後ということで言えば、確かに昨年、2023年春はそれなりの予想以上だったけれども、来年はどうなんだろうというくらいの意識が結構強かったと思います。多分、ご指摘頂いた半年前のときっていうのもややそれに似た世の中の方々の意識だったんじゃないかなというふうに思います。それが、それから半年たった今ということで言えば、まだ実際にはその結果が出てるわけじゃないんですけれども、結構広がりが出てきたなというか、去年よりも場合によっては高いんじゃないかというような見方が結構増えてきたっていうのも実際なんじゃないかと思います。

§15Hajime Takata

実際、既にもう3月の半ば[に向けた]ところで組合辺りも要求を出したりもしてるわけですけれども、実際その組合の要求自体も去年よりも高い水準が出てるということでもありますし、また一方で、一部にはですね、既に満額での回答をしてきている企業の方々も出てきてるというようなところでもあるし、また世の中の空気というか、ある程度そういう好循環を、賃金をベースとして対応していこうというような動きというものが 1年前に比べて、もしくは半年前に比べても、そういう空気ができてきたというのではないかなと思っています。ただわれわれも、今回のいろんな懇談なんかもそうなんですけれども、そうは言ってもやっぱり中小のところは、原材料についてはある程度転嫁ができても人件費についてはというような声があるのも確かだと思います。ただ、それも半年前、1年前と比べてみると、そういう中でも対応しておこうというような、なかなかご尽力をもしくは苦労なさりながらも、それを実現していこうとする動きも中小の中でも出てきているというところは注目する動きなのではないかなというふうには思っている次第です。

§16Hajime Takata

ですから、まだもちろん今年の状況というのは来月半ばの回答以降をみないとわからない部分はもちろんありますけれども、ただ今の段階のところでも、少なくとも進捗は去年と比べても、また半年前と比べても、結構出てきてるんじゃないかなというのは一番目のご質問に対する私の意見です。二番目なんですけれども、3月、4月というような中で残り何をというふうにおっしゃったわけなんですけれども、私自身、例えばこの数字をみれば何とかっていうようなものでみてるわけでもありません。ただ、今回、皆さま方もご覧になってらっしゃると思うんですが、今日私の講演要旨のところでもご覧の通りでもあるんですけれども、私一番みているのは、バブル崩壊以降の企業の行動というんでしょうか、特にバランスシートをどういうふうに対応するか、また一方でP/Lをどういうふうに対応しようかというような。逆に言えば、バブル崩壊以降、バランスシートで言えば圧縮をする、持たないというか、一方でP/L面で言えばリストラをしていこうという動きの中で、設備も圧縮する、賃金も抑制するというような動きが続いて、こうしたものがデフレ的なスパイラルというか、なかなか賃金も上がらない、物価も上がらないというような状況だったわけですね。

§17Hajime Takata

ということは、これからみたいものも、そこのところの企業の行動にどう変化があるか、すなわち持たない経営という点から言えば、投資辺りをこれからどういうふうに新年度に向かって対応していこうとしているのか、そこの意識がどうなのか。それから賃上げですよね、それはまた先ほどの一番目の問題とも絡んじゃうんですけれども、そこのところをどうしようとしているのか、そういう点についてある程度前向きな動きがどう出てくるのか。その辺は最終的に確認をしたいなと。私自身、この春先っていうんでしょうか、確認しながら、毎回毎回対応していきたいなというふうに思っているところであります。その辺が、今のご質問のところに、この会合でということを申し上げられる立場でもありませんけれども、申し上げたい点であります。

§18Question

二点お伺いしたいんですけれども、高田委員は午前の挨拶の中で物価目標の実現が見通せるような状況になったとお話になったうえで、出口の対応も含め機動的かつ柔軟な対応に向けた検討も必要というふうにお話になりましたけれども、この機動的かつ柔軟というところで、YCCの枠組みを撤廃した後でも、例えば機動的に国債買入れを行ったり、例えばETFについても必要であれば買入れが必要だというふうにお考えなのかというのが一点と。この中でも触れられていましたその実質金利、今の短期長期それぞれマイナス圏にあるわけなんですけども、これを踏まえるとマイナス金利解除後も、段階的な利上げは可能、どんどん利上げするわけではなくても、例えばその四半期に 1 回とか、なんて言うんでしょう、段階的な利上げ、複数回の利上げは可能というふうにお考えかどうか、この二点をお願いします。

§19Hajime Takata

まず一番目のご指摘の点なんですけれども、見通せる状況になった場合、機動的にそれから柔軟にというようなことで、私も午前中の時に申し上げさせて頂いたということなんですけれども、この機動的にっていうような状況っていうのは、一般論的に申し上げても、常に考えなきゃいけない論点だろうなというふうに思っています。当然、金融政策、経済もしくは金融という非常に変動が激しいものをみてるわけでありますから、そういうような状況の中で、特に、しかもこの半年間についても、結構大きな変化というものも、先ほどから申し上げております物価環境についても、また企業の意識というところについても変化が出てきているわけでありますから、そういうものに対して機動的に対応するというのが重要かなと。ですからその点について言えば、もちろんYCCについてというと、実際問題としてYCCもこの 1年間で何回かいろんな修正、機動的な対応をしてきたということでありますから、当然その延長線上の中でどう考えるかということもあろうかと思います。それから、もちろんETFについてもということもあろうかとは思いますけれども、特に今、そこで申し上げたところについては、どの政策に対して申し上げたというよりは、より全般的な金融緩和環境に関してということでありましたんで、どの政策を明確に明示して申し上げたというわけではないというふうにお考え頂ければと思います。

§20Hajime Takata

それから、柔軟にということも、ある面ではそれと似たような部分ということかと思います。1 回やったことをまた戻すとかですね、そういうことよりも、分かりやすいというようなことも重要だろうと思いますので、そういう意味からしますと、特に今私のところで、先ほどと繰り返しになりますが、どの政策に関して紐付けて申し上げたということではないというふうにお考え頂ければと思います。それから二番目にご指摘頂いた実質金利ということについて言えば、今回もこの挨拶の中でですね、実質金利の表なんかも入れさせて頂いておりますし、また皆さんが普通にご覧になる中でも、ご認識頂いている点だろうと思いますけれども、結構なマイナス幅ですよね。ですから、それは短期であり長期でありということにもなるんですけれども、少々変更したところでそんなに実質金利のマイナス幅が大きく縮まるということではないと思います。

§21Hajime Takata

ただ、だからといって、ご指摘頂きましたように、どんどん利上げをするとかっていうようなことではありませんし、それから、対応する場合にはもちろん段階的にということにはなろうかと思いますが、それはあくまでも、繰り返しになりますけれども、実際の経済状況、その辺を毎回毎回考えながら、それに合わせた対応をとっていくということでありますから、何かターゲットみたいなところがあって、そこに対して非常に機械的に対応していくというよりは、あくまでも実際の環境に応じた、今のあるべき水準というものはどうなのかということを、これから毎回毎回考えていくということに尽きるんだろうと思うんですよね。ですから、機械的にこうした水準だからというような形の中でそういうふうなことをおっしゃる方も、われわれにご質問頂くこともあるんですけれども、それよりは今申し上げたようにその環境に応じた [対応]、特にまだ日本なんかの場合は、私もある程度見通せるということで申し上げましたけれども、まだ例えば中小のところであったりとかまだらな状況というものもあるわけでありますから、そうした状況の中でそれを定着させるためには、一定の緩やかな対応というものも必要なんじゃないかと私は思っている次第であります。

§22Question

午前の講演で、先ほどから何回も出てる話なんですが、ギアシフトの例としてですね、マイナス金利の解除、YCCの枠組みの解除、オーバーシュート型コミットメントの在り方、この三点挙げておられまして、これ三点挙げられたという意味は、解除に際してはこの三つは同時に修正を考えるべきというふうなお考えでよろしいのかというのが一点で。もう一点が、そのうちの先ほどもお話あったYCCなんですが、解除というお話をされてまして、これ見直しではなくて解除という表現されたのは、例えば目標だけではなくてですね、長期金利の、上限の目途とかその辺も撤廃ということを考えておられるのか、その辺について教えてください。

§23Hajime Takata

今日の挨拶の中で、現在のきわめて強い緩和の状況からのギアシフトということで、あくまでもこの例示として挙げさせて頂いたということなんですよね。だから、その中で例示としてイールドカーブ・コントロール、それからマイナス金利、それからオーバーシュート型のコミットメント、これ場合によっては例えばETFとかREITってこともあろうかもしれませんけれども、そこの部分についてということなんで、それが全部かどうかということよりは、あくまでもその例示としてということだと思います。ただ、一つの論点というか、課題としてはその辺がまだあるんじゃないかということは念頭に私も置いていますので、その辺をどう検討するかというのがこれからの課題ということになるんじゃないかなというふうに思っています。

§24Hajime Takata

それからYCCに関しては、ご認識の通り、これまでも何回も対応してきていますので、そういう中で解除ということを書かせては頂いておりますけれども、ただ一方で、いろんな対応の仕方というのはあろうかとは思いますので、そこの中のところはあくまでも、一定の部分のところを変えるにしても、その中をどういう形で対応するかっていうのは、様々なまだ選択肢が残っているということかと私は思っていますし、また一方で、先ほど申し上げましたギアシフトと言いましても、別に緩和を止めてしまうという前のところでもあるわけですから、その対応の中では、どういうものが緩和を続ける中でありうるのかという選択肢というものも考えながらということかなと思っています。

§25Question

今の質問ともほぼ同じと言えば同じなんですけれども、きわめて強い金融緩和からの出口の在り方というところについて、何と言うんですかね、出口から抜けて、緩和をちょっとこう変えていくっていうふうな進め方について、どういう順番にやっていくべきだとか、どういうことを優先的にやっていくべきだとか、そういったところのお考えがあればお願いします。

§26Hajime Takata

出口のところからの対応っていうのは、別に何か準備、順序があるわけでもないと思うんですよね。ですから、どういう順序でだとか、それからどういうようなやり方でというところは別に決まりがあるわけではないと思いますので、そこのところは先ほどの繰り返しになっちゃうんですけれども、ギアシフトの中にいろんなメニューがあると思いますから、そういうものをいろんな選択肢の中を考えながら、場合によってはパッケージでということもあるかもしれませんし、その辺のところは、状況に応じてというか、あるべき姿ということも含めて対応していくということになるんだろうなと思います。ですから先ほどのご質問とも絡むんですけれども、状況によっては、結果としてパッケージにみえてしまうということもあろうかとは思いますし、そこのところは別に決まりがというよりは、状況に応じてというふうに考えて頂いてもいいのかなというふうに思います。

§27Hajime Takata

ただいずれにしても、非常に強い緩和のところからのギアを少し変えていくということと、同時に、そうは言ってもある程度の緩和、サポートをまだ残さなきゃいけない部分っていうのも当然あるし、また一方でそこの中でこれも先ほど最初のご議論の中でのところにもなるんですが、そのギアを落とし過ぎちゃえば、非常に不連続的にボラティリティが上がってしまうということも起こるわけですから、その辺については大きな変動が起きないように、不連続的な、ガタガタみたいな形にならないように対応していくっていうのも重要なんじゃないかなというふうに思っている次第ですね。

§28Question

最後の方の質問と少し被ってしまうんですけれども、緩和からの出口の面で、先ほど分かりやすいことも重要だと委員おっしゃっていて、この分かりやすいことというのは、2%目標の実現が見通せたという段階で、やはりもっとシンプルに金融政策を見せていくとか、どういう意味で分かりやすさを追求していくということなんでしょうか。

§29Hajime Takata

いろんな意味での政策について言うと、非常に分かりにくいような状況っていうのは避けるべきだろうなと思っています。それはある程度市場の方とのコミュニケーションをやる場合でも、様々なところでもその意図がどういうふうに伝わるかということは、伝えなきゃいけないと思いますから、その意味であまり複雑にならないということは重要なメッセージではないかなと思っています。そういう観点からすれば、先ほどからの繰り返しになりますけれども、ある程度見通しがつくような状況になった場合での金融緩和の度合いを、どのぐらいに対応していくのかというところの、まさにメッセージというようなところと、それからそれに伴う対応というものをどういうふうにするのかというところ、今申し上げたようなメニューなんかも含めたところを出していくということも必要なんだろうと思いますし、また一方で今回の場合、私も日銀の財務の問題なんかも取り上げさせて頂きましたけれども、そういう点なんかについても、分かりやすく説明をさせて頂くということもやっぱり重要なのかなと、いろんなご指摘頂いている点なんかもありましたし、こういった点はわれわれサイドでも、これまでもいろんなレポートを使いながらでも発信をさせて頂いた部分もありましたんで、そういう点なんかも含めて対応する必要があるのかなと思ったところです。

§30Hajime Takata

ですから別にどれを指して分かりやすいということではないんですけれども、全般的な対応としてそういうことは考えなきゃということで、申し上げた次第です。以上