← Back
Bank of JapanPress conferenceMar 7, 2024Junko Nakagawa, Board Member

中川審議委員記者会見(2024年3月7日)

Original in Japanese

Full text

§1Question

二点ご質問させて頂きます。一点目が本日の金融経済懇談会で出席者の皆様とどういった議論をされたのかというところをまずお伺いできたらと思います。あともう一点がマイナス金利解除の見通しについて、3月の 18、19日の決定会合でするのではないかという見方が強まっていますが、果たしてそこでの、実際に解除というのがあるのかどうかと、そういうところを含めてお伺いできたらと思います。

§2Junko Nakagawa

ありがとうございます。まず一つ目のご質問の今日の金融経済懇談会ですが、島根県の行政、それから金融、それから経済界を代表する方々から、この地の経済、それから課題、それから産業振興に向けた取り組みなどの状況をお伺いすることができました。また日本銀行の金融政策運営についてもご意見を頂き、大変有意義な意見交換ができました。この場をお借りして、ご出席頂きました皆様に改めて御礼を申し上げます。本日の金融経済懇談会では非常に多岐にわたるご意見を伺いましたので、その全てをこの席上でご紹介することはなかなか時間的にも難しいものですが、私なりに少しまとめたかたちで共有させて頂ければと思います。まず、島根県の足元の景気につきましては、持ち直しつつあるというものの、全国の回復に比べますと、そのペースは控え目なものにとどまっているというご意見が多く聞かれました。例えば、観光需要面では、外国からの来県客数が全国に比べてその回復が遅れているといった点を指摘する方が多くありました。また、賃上げにつきましては、当地の企業でも、業績の悪化によって十分な賃上げができない先を除いて、賃上げの動きは強まっているということでしたが、一方、人手不足に対応する防衛的な賃上げであるという指摘がありました。

§3Junko Nakagawa

こうした中で、物価上昇が個人消費を下押ししているというお声や、特に中小企業において原材料費、それから光熱費・人件費といった、これまでのコスト上昇分を十分に価格に転嫁できておらず、その改善のために、国や大企業に一段の取り組みを求めたいという声がありました。この地では、全国に先駆けて少子高齢化と人口減少が進行していて、これによる労働力の不足がきわめて深刻化しているとの強い懸念の声も多く聞かれました。これらの問題に関しては、地域の行政・金融・産業界が懸命な取り組みをそれぞれ進めておられることについてご説明を伺うとともに、地域の自助努力だけでは限界があるとして、こちらも国や大企業に対して、地域の実情を踏まえた、一段と強力な手立てを講じるように求める声があったことも紹介させて頂きます。日本銀行の金融政策運営につきましては、引き続き緩和的な金融環境が経済を下支えしているとのご意見を頂く一方、円安基調が定着していることや、物価上昇のもとでも大規模な金融緩和を継続していることに関するご意見を承りました。日本銀行と致しましては、こうしたご意見を踏まえて、松江支店を通じまして引き続き情報収集と分析を丹念に行いますとともに、中央銀行の立場として、島根県経済の活性化に向けた取り組みをサポートしてまいりたいと思います。

§4Junko Nakagawa

また、二点目に関しましては、マイナス金利の解除についてということなんですが、こちらは、おそらく 2%の物価目標の達成に向けた確度と併せてお答えする必要があるかと思います。まず基調的な物価の上昇率に関してですが、25年度にかけて2%に向けて徐々に高まっていく、その見通しの実現の確度は引き続き少しずつ高まっているというふうに思っています。すなわち物価から賃金への波及の面におきましては、この春の労使交渉に向けて、労働組合の方からは昨年を上回る賃上げを要求するという方針が示されているようですし、また大企業を中心に経営者から賃上げに前向きな発言もみられています。また、賃金から販売価格への波及に関して言えば、サービスを含む価格が緩やかながら上昇傾向にあるということを踏まえますと、こちらも動きが出てきているように見受けられます。この点は、こうした労使交渉の動向も含めて、これからも出てまいります各種のデータや情報を丹念に分析して、いわゆる賃金と物価の好循環と言っていますが、こういったものが強まっていくかどうか確認したうえで判断してまいりたいというふうに思っています。

§5Question

今日の講演の中で企業の賃金設定に明確な変化の兆しがみられるや、賃金と物価の好循環が展望できるというお話をされたと思います。金融政策の正常化への条件は整いつつあるというようなご認識でしょうか、ご見解をお聞かせください。また、もし不足している点があるとか、注視する必要がある部分があるとすれば、どういった点になるか教えてください。

§6Junko Nakagawa

まず一点目のご質問についてですが、繰り返しになりますけれども、この物価目標の達成というのが、基調的な物価上昇が 2%の安定的な基調が続くかどうかということの見極めにかかっているかと思います。その点においては、先ほど申し上げました通り、賃金交渉に関しては、おそらく 1年前の同時期に比べますと、賃上げに対して前向きなご意見や、またその要求に向けた動きが強まっているように感じているところではあります。この点で先ほど申し上げました通り、こうしたことを背景に、見通しの実現の確度が引き続き少しずつ高まっているというふうには判断しています。不足する点とそれから注視したい点ということですが、これもおそらく前回のこの席でもお答えした中に入っていたかもしれませんが、皆さんもご承知の通り、GDP――マクロの数字――でみますと、個人消費の数字が実質、それから名目値でみてもなかなか人流の回復のデータに比べますと弱くみえております。この辺りは引き続き賃金の動向と併せてみていく必要があるというふうに思っております。

§7Question

今後の物価の見極めの確度を高めていくうえで、春闘、賃金が大事ってことは重々承知しているんですけれども、中小企業の賃金も大事だと思うんですが、どこら辺までデータっていうのは見極めることができればというふうにお考えでしょうか。

§8Junko Nakagawa

はい。この春に関しては、春闘に関して 3月以降も順次、組合からの[要求に対する]回答ですとか、それに対する経営者側の判断ですとかこういったものが出てくると思いますが、おっしゃる通りそれでも相対的には比較的大きな規模の企業からのお声の方が中心になろうかと思います。中小企業のデータが全部整うというところを考えますと、おそらく秋ないしは秋以降までかかるということになろうかと思います。どこまで慎重に見極める時期を延ばしていく方がいいのか、ということはこれから慎重に判断してまいりたいというふうに思います。

§9Question

二点伺いたいと思います。まずマイナス金利解除について、3月にマイナス金利解除の案が決定会合で出たら支持されますでしょうか。マイナス金利とYCCの同時解除についてどうお考えでしょうか。そして二点目について、物価見通しについて、2月29日に高田委員が 2%目標の実現が見通せるようになってきたと発言されたんですけれども、中川さんは、今は見通せる状況になったとお考えでしょうか。

§10Junko Nakagawa

一点目については、ウェブ等で、全部は拝見できていないと思いますが、今言って頂いたご意見が世の中で出ていることは把握しております。そのうえで、まだ決定会合まで 10日間ありますし、先ほど申し上げました通り、賃金の動向自体、大企業のかつ組合ベースでのお話が出てきているところですので、この辺りは引き続きみつつ、3月の決定会合に臨みたいというふうに思います。もう一つのご質問を申し上げると、YCCを、マイナス金利を仮に解除するとしたときに、同時に解除するものであるかということの考え方ですが、これもマイナス金利が仮に解除できるという状況になったときの市場環境ですとか、市場はおそらく市場参加者の方々の動きなどにも影響を受けますし、日本のみならず海外のそのときの経済情勢の影響も受けるものですので、そのときどきで適切な方法、そのときに一番いいと思う方法を選択して実行していくものだというふうに思いますので、今何か特別に決めてかかっているものは特にございません。それと各委員、それぞれの場でご発言されていることは承知しておりますが、ちょっと表現におそらくどういう捉え方をされるかということは、それぞれ多少、捉え方に差が出てくると思います。

§11Junko Nakagawa

私自身は今、基調的な物価の上昇率というのが、25年度にかけて 2%に向けて徐々に高まっていくと、そしてその見通しの実現の確度が引き続き基調としては高まっているというふうな捉え方をしています。私からは以上になります。

§12Question

二点お願いします。消費について先ほど、やはり人流の回復に比べると少し弱めということだったと思います。実際に出てきている今のデータなんかをみても弱いものが多いんですけれども、マイナス金利の解除によって、そういうまだ脆弱な消費や消費マインドが腰折れしてしまうリスクについてどの程度大きなものと思われていて、この点、つまり消費の動向がマイナス金利解除の時期の判断にどのように影響すると中川委員は思われているのかという点が一点目です。二点目が講演の中で、仮に 2%の物価安定目標が見通せる状況になったと判断したら、いろいろな緩和的なツールを修正の要否を判断ということで、これが非伝統的なものであることを念頭に置きながら議論すべきとあるんですが、これは非伝統的な政策であるからこの副作用が大きい、この点を意識しながらやるべきなのか、そういう含意なのか、どういう点に留意すべきというコンテキストでおっしゃっているのか少し説明頂ければと思います。

§13Junko Nakagawa

まず一点目ですが、個人消費に関しては、私の実生活をちょっと考えても、やはり身近なものの物価上昇率が非常に高い状態が続いていましたので、生活防衛的な動きが強まっているということに関しては、あり得べしことというふうにして受け止めています。この件に関して、仮にマイナス金利が解除できるというふうに判断するに向かうに当たって、この動向自体は非常に重要視する点ではありますけれども、一方でこれをマインドも含めて支えてくれるのが、おそらく賃金上昇それから、今後も賃金上昇が継続するであろうことの期待感、こういったものが非常に重要であると考えていまして、その点におきましても繰り返しになって恐縮ですが、この春の賃金交渉自体、それからその決着自体は非常に重要な要素になるだろうというふうに考えています。二つ目に関しては、非伝統的な金融政策に関してということですけれども、特段すごく深い意味を持ってそれを書かせて頂いたわけではありませんが、当然にマイナス金利の解除が非常に今話題には上っていますものの、当然に大規模の金融緩和というものにおいてはいろんなツールを使ってまいっております。ですので、こういったものも特に除外することなく、マイナス金利の解除を検討できる状況になったらこういったものも併せてどうするべきかというのを机上に載せて、皆で議論するべきものというふうな脈絡で、この表現にさせて頂いています。

§14Question

二点お願い致します。一点目が、委員、本日の講演の中でも非伝統的なというところに加えて、金融市場への影響も議論していきながらというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、今市場の中で、3月にもマイナス金利を解除するんじゃないかというような意識が高まっている状況かと思われます、報道等も通じてですね。こういったことが高まっている中で変更する、しないということが、市場がどう動いてしまうかっていうのをどこまで意識されているかというのが一点。この 3月にしろ 4月にしろ、賃上げに関して中小企業のところはまだ決まってないところも多いと思います。特に 3月ですと大企業の集中回答はありますけれども、多くの中小企業それからっていう中で、賃上げの動向に解除っていうことが影響してしまう可能性についてはどれぐらい意識されているか、二点お願い致します。

§15Junko Nakagawa

まず非伝統的な金融政策についてということですけれども、今の、噂というと少し語弊があり正しくないんですかね、今のマーケットでのそういう思い、思惑が、予想が 3月解除に向けて高まっている場合において、その政策に係る影響ないしは市場に係る影響がどういうものかっていうご質問だと思うんですけれど、あくまで私どもは当然にそのときの市場動向等は勘案して決めるものではありますが、それはあくまで決めた金融政策下におけるオペレーション、執行の中での工夫の問題だというふうに、今の時点で、順番としてはそういうふうに考えます。ですので、まずは大前提としては、日本の物価、それから経済情勢が、特に私どもの今マンデートにしています基調的な物価上昇が今年度に限らず、24年度、25年度にかけて 2%に向けて徐々に高まっていくというもの、その確度に関して議論をまず深めて進めていくということが一番になっています。そのうえで実際の次のステップ、次の検討、考慮事項としては当然そのときの市場環境等々は念頭には入れるべきものだというふうには承知はしています。それから賃金動向に関しましては、先ほどご質問頂いた方にも重複し、近いお話だと思います。おっしゃいます通り 3月、たとえ 4月だとしても、賃金が確定する、妥結するところまでには相当今からみても、何回かのステップは踏む必要があるでしょうし、その間に情報もまた多くなってきます。

§16Junko Nakagawa

もちろん時間が経てば経つほどその情報というのは確度が高まってきますし、正確性も高まってくるとは思います。ただ、私どもとしてはもう一つ、2%の基調的な物価上昇率っていうことに関して言いますと、少なくとも、前年度は非常に比較的強い賃金上昇でしたと、今年度もそれに向けていろんなお声が去年以上に高まっているように感じます、というのは挨拶要旨でも書かせて頂いた通りではあるのですが、決してこの 2年だけのことを想定して、それで良いと思っているわけではなく、ですので基調としてこのトレンドが、少なくとも大きな経済環境がない限りにおいて、比較的続くであろうということが想定される経済環境下において、この物価目標も 2%に向けて高まっていてそれが維持ができるということと表裏一体といいますか、ペアになっているものと考えますので、必ずしも確定的に全部の中小企業、それから零細企業までのデータが全部出揃わないと、ということを絶対的な必要条件にすることは、これも前回、確か私はこの席上で申し上げたと思いますが、そこまでは最低限の条件として絶対的な条件として掲げているわけではありません。ただ見極めるためには、何らかデータが必ず必要になりますので、それに向けて引き続きいろんな方からのヒアリングが非常に重要になってくると思いますので、情報収集に努めたいというふうに思います。

§17Question

少し専門的な金融政策の話からは離れるんですが、もう少し一般的な視点から質問したいと思っています。今、日本の現状、この前株価が過去最高を更新しているんですが、その一方で、生活保護の申請者が最近増えていまして、ここ数ヶ月過去最高という記録を辿っています。一方で過去最高の株高、一方で過去最大の生活保護と、やはり非常に対照的な現象が同時進行をしています。生活保護の申請の理由としては物価高が一番大きくて、これが特に低所得者の方の生活を直撃しているという現実があります。一方、株高で資産家は潤っているんだけども、底辺の方は非常に困っていらっしゃると、非常にきわめて対照的な動きとなっているんですが、この物価高の原因が、やはり日銀の金融政策でですね、内外の金利差で円安を招いていて、それが輸入物価になっていて、それを起点となって全体の物価高を招いていると。特に食品とかですね、そういった身近な商品が高いと。これが国民生活を直撃していて、その結果、生活保護の方が増えていると。こういった低金利政策の副作用として、一方でそういった生活保護といった底辺の方の生活を直撃しているんじゃないかと、そういった副作用も懸念しています。そこら辺は、中川さんはどうみていらっしゃるんですか。

§18Question

やっぱり日銀の金融政策の副作用として、そういった犠牲者とは言いませんけども、ヴィクティムが発生しているということも事実なので、それをどういうふうに認識していらっしゃるのか、いくつかそういった事態を今後の金融政策でどう活かしていこうと思っていらっしゃるのか、その辺をお聞かせください。

§19Junko Nakagawa

直接的にお答えするのが少し難しい面もありますが、できる限りお答えしたいと思います。金融緩和、しかも大規模な金融緩和というものを始めてから非常に長くなっていまして、少しちょっと論点が別のところから入らせて頂きますと、コロナ禍の発生時にもありましたが、非常に金融環境を緩和的な状況に置くということを、コロナ禍という理由である場合には、ゼロゼロ融資とか、日銀においてはその対応するオペというのをやって、これに関しては雇用の維持ないしは拡大、そしてその時点においては、不安軽減には役に立ったとは思いますし、それに対して失業が増えるとか社会的不安が増幅するということを緩和するに多少役には立ったのではないかなというふうには思っています。今のご質問の趣旨からしますと、そういうイベントがあったということの対応だけではなくて、長く金融緩和を続けてきたことの緩和状態に対するメリットもあったかもしれないが、副作用というものもあったのではないかというご指摘なんですが、私どもも[多角的]レビューの方をご覧頂けているかどうかちょっとまだ分かりませんが、これも私ども[多角的]レビューのまだ過程にありますので、もしお時間あれば是非ホームページなどを訪れて頂ければ幸いですが、当然作用のいいものだけがあったわけではなく、副作用もあったことは承知しているわけです。

§20Junko Nakagawa

ただ、それに関して深い分析を、いろんな先行研究なんかも参考にして進めていることもありますし、また逆に副作用と作用、いい面のメリット、ここの大小ですね、これの優先順位ですとか、そのときの状況に応じて、そのバランスを常に各決定会合で、皆でそれぞれが確認しながら、今の金融緩和を継続する方がまだメリットが大きい、ないしは必要とされているであろうということを確認して現在に至っております。まさしくおっしゃった点というのは、金融緩和だけの影響なのか、間接的なものであるのかは問わず、事実としてそういう状況があることは承知はしておりますが、この辺りは金融政策の及ぶ範囲、もともと金融政策の役割ということのみならず、当然金融政策も万能、何にでも効果がいいように効くというものではありませんので、この辺りは金融政策のやるべき範囲、それからできる範囲、及ぶ範囲というのを常に私自身は確認をしながらやっているつもりですし、その中にあっては、マクロ的なお話自体はよくさせては頂きますが、今言って頂いたような、少し個々の方々に対する手当という部分は、やはり行政ですとか、それから特にセーフティネットにかかるところはそういった別の役割の方にお願いするのが適当であるというふうには思います。

§21Junko Nakagawa

ただ、もちろん私どもは常に金融政策においてそういったものを無視していることではなく、マクロの数字の中では取り上げて、バランスをみて決定を常にしているつもりではおります。

§22Question

先ほど 3月の会合までに 10日間とおっしゃいましたけれども、出てくるデータというのは限られているかと思います。このままメインシナリオ通りに進めば、マイナス金利の解除について議論することも可能だというふうにお考えでしょうか。それとも 10日後までに出てくるデータでは難しいと考えられますでしょうか、お伺いできればと思います。

§23Junko Nakagawa

毎回、各会合において、全ての金融政策、現在執行している、発表している金融政策のその全ての項目において常に賛否確認を取っているのは皆さん、公表文なんかも見て頂いている通り、公表文にあるからというだけではなくて実際に本当にきちんと議論をしたうえでその時々判断をしているものを公表しておりますので、今回その 3月までに 10日間しかないですが、でもまだ 10日間あります。もちろんその間に環境変化があると言い出すときりがないわけですが、その間にもヒアリングですとか各執行部の調査が引き続き行われていますので、こういったものを聴取する時間としては十分にあるのではないかというふうに思います。その中で議論可能かというご質問に関して言えば、常に議論はしていますので、議論を厭うことはないという、避けることはないという意味では、それは全ての今の金融政策下にある全てのツールに対して議論を続けるという意味においては議論をすることになると思います。いつもの通りだというふうな回答です。

§24Question

3月会合についてちょっとしつこいようなんですけど、お伺いできればと思います。前回の金融経済懇談会での会見でですね、春闘だけではなく、その全体をみていきたいというお話を確かされてたと思うんですけれども、今回着実に 2%に向けて歩を進めているということですが、3月15日にですね、春闘の結果、初期、一番最初の結果が出てきたときに、もうそれをみて、もしそれが良ければですね、大丈夫だと言えるようなところまで来ているのか、それとももう少し見極めが必要と考えてらっしゃるのか、中川さん個人のお考えはいかがでしょうか。

§25Junko Nakagawa

全体をみたいというのは先ほど申し上げた話に同じなんですが、決して去年が賃上げが比較的いい数字でなされて、今年度も昨年度に比べても比較的賃上げに係る前向きな話題が多いという点ですが、決して昨年[度]と今年[度]がいいからと、それでゴールと、完全なるゴールというわけではないというのはまず前提にはなります。とはいっても今話題になっています3月についてということなんですが、3月15日にいろんなデータ、組合からの[要求に対する]回答が出るとかいうところを多分言って頂いてるんだと思いますが、私ども先ほどのご質問の答えにも近いですけれども、まだ 10日間ありますし、その間にはヒアリング情報も集められますし、また各種デイリーで最近は取れるデータもありますので、そういったものを精一杯取りにいく努力も執行部の協力も得ながらやれるところではありますので、この辺りはいろんな情報を複合的、総合的にみて 3月の会合に臨みたいというふうに思っています。

§26Question

島根県の視点からお尋ねしたいんですけれども、島根県の人口減少が最大の課題ということで他の地域よりも加速して進んでいる。なおかつ、経済規模が縮小していく中で今、ほとんど中小企業が多い中で、実質賃金もマイナスが続いているということで、そういった中である種取り組まなければいけない課題が多くある地域に対して、こんな取り組みをしてほしいですとか、あるいは期待したいっていうところを伺いたいなっていうのと、二つになって恐縮ですけれども、先ほどヒアリングの中での中小企業の見極めたいってお話があったと思うんですけれども、中川委員はいろんな各地を島根県だけでなくて地方を回ってる中で、どの程度地方の企業はその中で重視されるのかっていうのも併せて伺えたら嬉しいです。

§27Junko Nakagawa

先ほど、今日の金融経済懇談会でどんなお話を私が伺ったかっていうことを非常に時間限られた中で簡潔にお答え致しました。全てお答えできないっていうのはその通りで、実はそういう厳しい環境下においても、非常に厳しい中で前向きに取り組んでおられるお話を実はこちらに一昨日の夜から入っていますので、昨日 1日使ってお伺いすることができました。地元の方にとってはもうご承知のことばかりですけども、例えば、大きく分けて産業とおそらく観光戦略っていうことだと思うんですが、その産業の活性化に至りましては、産学官金――金融の金まで――一緒になっていろんな取り組みをできる限りのことをしており、その中では中小企業、それからそれよりも更に小さい企業さんに対しても事業承継などの取り組みを、金融だけではなくいろんな経済団体の方々もサポートを始めているということでした。また、伝統の承継に関しては「職人商店街」、これは若手の承継者の育成にもなりますし、何より伝統の承継にも当然に役に立つということでは新しいお取り組みであると思いますし、また観光資源に関しては城下町と水の都ということで、こういった潤沢な資源の活用も積極的に今後更に進めていきたいと、それに当たってはDXだったりITだったり、それから他の企業さんとのコラボレーションで効率性も高めながら、かつ、その認知度も更に高めたいというお声も頂きました。

§28Junko Nakagawa

それから、他地域でももちろんされていることではありますけどもIターン・Uターンを積極的に受け入れられているというところは非常に印象的ではありましたし、県外の方からの留学の受け入れ、大人になられてからの留学の受け入れ等で県の魅力というのも訴えているということでした。もう一つは海外の方を含むIT人材の協力、それから協業、それから逆に言うと就職までお手伝いをされているというのが定着も図られているというのも伺いました。こういったことはその人材、単に労働者としての数の問題だけではなくて明らかに人材の多様化ですとか、その中からイノベーションを生んでくれるということも先を見据えて期待されている活動だということで、ある意味非常に心強く感じた次第です。以上