中川審議委員記者会見(2024年9月11日)
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§1Question
二点お伺いします。まずは、本日の金融経済懇談会では、本県の出席者からどのような意見が出たのか、またそれに対する中川委員の受け止めも併せて教えてください。
§2Junko Nakagawa
まず、本日の懇談会には、秋田県の行政、それから経済、金融、それぞれ各界を代表する方々から、この地の現状に則した状況とか、もしくは課題に関する貴重なご意見を頂きましたし、また日銀の金融政策運営に関してもご意見を賜ることができました。大変有意義な懇談であったと思います。この場を借りまして改めて御礼を申し上げたいと思います。貴重なお時間を長く頂きましたので、全てを網羅して、ここでご報告、共有することはできませんけれども、私なりにまとめたかたちでこの場で共有させて頂きたいと思います。まず、秋田県の中小企業の業況についてですが、飲食・宿泊などでは明るい傾向がみられるほか、製造業では、高い設備投資の意欲が窺われるものの、一方、原材料やエネルギー価格、賃上げによる人件費の上昇などもあって苦しい状況にあるところが多くみられるという見方が聞かれました。そのコスト上昇分を販売価格に転嫁する動きというのは広がりがみられるものの、やはり小規模事業者を中心に取引先様との、値上げの許容スタンスということでは、交渉が依然厳しく、経済・物価が動き出す中で、売上は増えても利益に結びつかない、利益が増えないという企業も相応にあるということで、企業の収益力に二極化がみられるというご指摘がありました。
§3Junko Nakagawa
また、人手不足の問題は、当地には限らないものの、やはりこの地でも多くの企業が昨年を更に上回る賃上げ、ボーナス支給というものがありましたが、採用環境が厳しいことにも変わりがなく、こうしたことから採用環境が厳しい中での人手不足が、事業の継続・拡大にやはりボトルネックになっている、もしくはビジネスがあるのに機会損失が大きくなっていることが窺えるという話がありました。また、足元までの消費者物価の高止まりから消費者の節約志向が強まっていて、その背景の一つとしては、当地は高齢化率が高いので賃上げの効果を直接受けにくいという方が多いのではないか、という指摘もありました。当地が抱える課題への対応、将来に向けた取り組みにつきましても、多くご意見を頂戴できました。この地は人口減や高齢化が全国一に近いスピードで進んでいまして、その背景としては、若者の県内の定着、ないしはいったん県外に出られた方が戻るというのがなかなか進まないという課題を指摘されています。
§4Junko Nakagawa
この点では、情報通信関連などの企業誘致を進めて、従来以上に幅広い就職先、就職機会を県内に確保するという努力を続けておられること、それがある程度功を奏しているところも多いということ、また県内に就職した若者の奨学金返済を県と企業が肩代わりするような仕組みも紹介されたほか、他地域との賃金格差の縮小に強い問題意識、危機意識で取り組んでいるといった話も聞かれました。またユニークなところと思いましたのが、物流業界からで、2024年問題に伴う人手不足に対して、比較的早いタイミングから、農業分野を皮切りに、実証実験を重ねておられて、これを県を挙げて広い関係業界が一丸となって取り組んでおられるということの紹介も頂きました。また、将来に向けた取り組みとしましては、洋上風力発電を中心に、再エネ関連ビジネスをこの県内でいかに波及効果を広く、また根づかせていくかといった観点から、多様なご意見も聞かれました。当地は皆さまご承知の通り、2022年12月に港湾区域において、わが国初となる大型洋上風力発電の商業運転が開始されています。この点では、わが国の風力発電事業のトップランナーというふうに言っていいと思います。今後も電力の供給側にとどまらず、電力の需要側も含めて幅広い分野で創出される需要を、県内企業が積極的かつ中長期に取り込んでいけるということが、当地の経済の発展につながるというふうに思った次第です。
§5Junko Nakagawa
加えてエネルギーの地産地消というお言葉もありました。こうした課題への対応、将来に向けたお取り組みに関して、金融機関、金融界も中長期的な目線で支援を積極化されていることが伺えました。県内企業には、後継者不足から事業の継続や成長に課題を抱えるところも増えていて、事業承継や M&Aのご相談なども増えているというふうに伺います。企業収益の向上と従業員の雇用、それから所得環境の改善につながるように支援していくといったご意見も頂きました。また、前向きな動きとして、県内において、こうしたいろいろな課題が、「人を呼び込む」という表現もされましたが、若者を呼び込んで、その若者が課題を解決するための起業や創業が増えているというお話もございました。
§6Question
二点目ですけれども、今出たような課題に対してどのようなご意見をお持ちかというところと、先ほど風力発電の波及効果をというお話がありましたけれども、それがまさに課題となっていて、中川委員としてはどのような方策があるのか、何かお考えがあれば併せてお聞かせください。
§7Junko Nakagawa
まず、この地の経済の現状認識、申し上げた通りなんですが、秋田支店も 7月になりますが経済レポートをホームページの方に公表しております。回復の動きが一服というのが総じての評価になっております。雇用・所得環境というのは緩やかに改善していますけれども、個人消費が財消費を中心に、これおそらく背景は消費者の節約志向の強まりというふうにみられますが、回復の動きが一服していることがみられています。サービス消費というのは、夏祭りとか花火大会などのイベントが夏の間は県内各地で開催されていて、多くの観光客が来訪されたこともあって回復していますけれども、一方でインバウンド、いわゆる外国人の観光客の方の需要の取り込みといった面では、まだ、全国と比べると大きな動きにはなっていないというふうに見受けられます。この間、生産に関しましては、品目毎のばらつきを伴いつつも全体としては緩やかに増加していますし、何より設備投資に関しては非常に高い伸び率をみせておられます。もちろん、それが業績なりに反映されるまでには少しお時間がかかるのかもしれませんけれども、特に製造業を中心として、こういった前向きのお取り組みを続けていって頂けると、今後の経済の成長につながるのではないかなというふうに思いました。
§8Junko Nakagawa
それ以外にも新しいお取り組みとして、例えばコンパクトシティ事業ですとか、あとは人の育成に力を入れているですとか、具体的な案件のご紹介も頂きましたので、こういったものを心強く思っている次第です。風力発電に関しては課題もありますということでしたが、私がお伺いした中にあって、やはりサプライチェーンが非常に広く長く関わる、大きく構築できる産業、事業ではあるんだけれども、それを十分に県内企業が取り込めているかというと、努力はされているけれども、なかなかスムーズに、すぐに効果が出ている感じではなく、少し時間がかかる見通しであるというふうなこともお伺いしました。ただ、これも今、浮体式風力発電の実証実験を行う地域にも選定されたりということで、機会としては非常に広がりをみせていますし、重ねて申し上げますが、わが国における風力発電事業のトップランナーというところがほぼ現時点においては間違いがないというふうに思います。
§9Junko Nakagawa
ですので、大きなビジネスチャンスと既に皆さま認識されていますので、部品の製造とか、あとは発電設備の設置、また運転保守などの直接的な参入だけではなくて、港湾地域や陸上送電網とか、あとはメンテナンス、これは長く関わることが求められますので、期待もされますが求められますので、こうした人材の育成、それから関係者の方の宿泊、それから飲食、こういった広い範囲での需要の創出がみられますので、こういったものを今後引き続きなるべく多く取り込んでいきたいという意欲を伺いましたので、その意欲を十分に発揮されて現実のものとして頂きたいというふうに思います。また、更に再エネ中心の話になって申し訳ないですが、印象的でしたので少し続けさせて頂くと、再エネ工業団地の建築とか、あと蓄電システムの整備とか、水素などへの変換とか、こういった電力の需要側の議論というのも加速させておられるそうです。なかなか私自身がこの数日の中で全てをキャッチアップして理解できているかどうかわかりませんけれども、非常に先行き日本全体にとっても重要なところですし、この地がそれをリードしていかれることも期待できるものだというふうに改めて思いました。また、この洋上風力発電だけではありませんけれども、こういった再エネ関連ビジネスも含めて、この地が経済を支えて成長して頂くことを願っております。
§10Question
二点伺いたいと思います。まず今朝の講演で実質金利は大幅なマイナスっていうふうにおっしゃったんですけれども、中川さんが今お考えの中立金利の水準は今数値としてどれぐらいでしょうか。そして二つ目は、7月会合時点と比べた賃金の好循環の強まり、賃金と物価の好循環の強まり度合いをこれからも確認していくと思うんですけれども、現時点はいかがでしょうか。今後それを確認するためにどういう指標をご覧になるんでしょうか。
§11Junko Nakagawa
まず繰り返しになるようなお答えで本当に恐縮なんですが、中立金利というものは推計値でありまして、またそのレンジというのはきわめて幅が広い状態です。ですので、今ピンポイントでこのくらいと、「くらい」をつけてもお示しするのはすごく難しいというふうに理解しています。もちろん金融政策の運営において、中立金利というのはきわめて大事なものということは承知をしています。ですので、日本銀行としては、4月の展望レポートはみて頂けたかと思うんですけども、実質ベースの中立金利という、いわゆる自然利子率というかたちで、スタッフによるいくつかの推計値はお示ししています。直近の値というのが ▲1%から+0.5[%]、足元でそれを少し超えるところもモデル次第ではあったかと思いますが、この個々の推計値は非常にそれぞれ幅があるものです。8月末には多角的レビューの一環で、自然利子率の計測というワーキングペーパーも公表した次第で、こうしたものも新しいデータが追加されると過去の値が大きく変わるというような課題の指摘も一方でなされています。
§12Junko Nakagawa
こういったものと、また加えて申し上げると、推計値のパラメータとしてはちょっと違うのではないかという指摘を受けるかもしれませんが、実際の政策運営に当たりましては、やはり短期金利を引き上げた経験が長らくありませんので、こうした短期金利の変化に対して、経済・物価がどのように反応をするかも今後点検していくことも重要で、その中で水準を探ることになるというのではないか、というふうに思っています。あと 7月以降のということですが、8月にはGDPの個人消費を含むデータ、[9月には]GDPの改定値の公表がございました。それから、皆さんこれもご承知の通り[毎月]勤労統計ですね。給与の統計が6月分、7月分と足元まで出ています。ここまでみる限りは、基本的に会合時に想定した、ないしは 3月に政策変更を皮切りといいますか、変えたとき以降から、ある程度オントラックというか、想定した範囲内できているのではないかというところでは、マーケットの変動が大きくありましたけれども、今のところ、安心まではいきませんけれども、堅調にきているのではないかと、前向きには受け止めてはいます。今後みていくデータということなんですが、今日のお示ししたデータは日銀の会合メンバーのみならず執行側の助けも借りて、今日資料としてお示ししたものに関しては、常に私どもはそれをそれぞれアップデートしながら追いかけています。
§13Junko Nakagawa
みて頂いた通り、定期的にお示しできているものとしてはマクロデータが多いわけで、そこに加えてミクロの情報としては、今日のような懇談会の機会ですとか、あとは支店網を通じて細やかなヒアリングを支店の方にお願いしたものを、私どもは報告を受けるかたちで、情報を拾っていくことによって、マクロとミクロでなるべく多くの情報を得たいというふうに思っています。
§14Question
今日の講演の中でお話があったように、政策変更後の市場の動向を振り返りつつ、金融市場の変化が経済・物価の見通しに及ぼす影響を丁寧に比較してみていくとおっしゃったと思いますが、7月の追加利上げをしてからですけれども、今の状態というのを、更なる利上げをすることによって市場のボラティリティを高めてしまうというリスクっていうのは、どのようにみていらっしゃるのか。もう一点なんですけれども、今日の講演の中で賃金・物価の好循環が展望できるということについてもおっしゃっていたと思います。仮に、金融市場が安定しているというふうな状態であれば、今利上げができるという環境にあるとみていらっしゃるのか、そちらも併せて教えてください。
§15Junko Nakagawa
7月の決定会合と言って頂きました。ただ、7月の末でしたので、実質今はまだ 1 か月という経過になります。その間に出てきた統計数値自体は、あまりマイナスというよりはプラスというか、オントラックを示すデータでした、ということは申し上げられると思いますが、市場環境を丁寧にみていくということに関しては、今も、今日もおそらくそういうふうに表現しようと思えばできるかもしれませんけれども、金融市場自体の変動というのは 8月の頭は急激なものでしたけども、それ以降も非常に不安定な状況がいまだ続いているというふうに思います。今日も確か、株価も為替も少し動いたというような評価が、確かネット上でも皆さんの報道も含めて上がっていたようにも思いますし、また内外の金融市場の動向が、結果的にその経済・物価の見通し、それから実現する確度に当然影響を及ぼし得るということを思っていますので、その影響をしっかりと見極めたいというふうに思います。ですので、利上げといいますか、前回変更した金融政策の修正の影響度合いが、今引き続き、金融市場動向とともに見極めている最中ということです。それからもし仮に安定しているとした場合ということなんですが、この不安定と思っている状況の中で、少し仮説にお答えするのは難しいというふうには思います。
§16Junko Nakagawa
ただ、私ども基本感としては、2%の物価安定の目標のもとで、持続的・安定的な実現という観点から、金融政策というのを運営しているということ、それからそのときには経済・物価情勢というものが、為替とか株価がそこに与える影響も当然加味するべきだと思いますし、こういった経済・物価見通しが実現していくとすれば、その金融[緩和]度合いを調整していくという基本感自体を変えるというものではないんですが、またそのボラティリティが高いときにあっては、ボラティリティの背景の見極めも大変重要だというふうには思います。ただ、今まだ市場が非常に不安定な時期で、今後もあらゆる、私どもの日本だけではなくて、海外でいくつかの統計が控えているうえに、ちょっと申し訳ありませんが、金融政策としては会合が日本でも予定されていて、その前にはFOMCも控えていますので、これらを巡る皆さま市場関係者の方の思惑などもきっと高まっていることもかんがみれば、暫くこの金融市場の不安定さが続くと思いますので、ちょっと今の利上げの可能性ということに関してお答え、ちょっと今、難しいかなというふうに思います。利上げに関してお答えするのが難しいと思います、という趣旨です。
§17Question
二点ございまして、今日の講演のご挨拶の中で、経済・物価見通しにおけるリスク、三つご紹介あったと思うんですけど、その中の一つ目で物価安定目標を超える上振れについてのお話がありました。今、足元で円高が進んでいて、輸入物価に落ち着きもみられる中で、このタイミングでリスクとしてあげられた理由を改めてお聞かせください。
§18Junko Nakagawa
リスクというのは、可能性として想定しておかなければならないポイントだということでお伝えしています。なかなか日本語でリスク、それが大きい・小さいととらえられると、少し、私がとてもそこに不安を抱いているか、問題視しているかのように受け止められたかもしれませんが、実際には可能性として三つ挙げさせて頂いた中の一つになります。実際には、今円安(注)が確かに落ち着いている状態、ないしは円高の見通しを立てる方の方が以前よりは増えているというような声もあるんですが、一方、1年、2年単位で振り返りますと、ときにはゆっくりと、ときには急激に円安方向に為替が動いてきた、その影響が今、物価指数を、企業物価なり消費者物価をみる限り、ゆっくりとそこに波及が来て、それがいったん収まっているようにはみえるのですが、やはりミクロのヒアリングも加えますと、価格転嫁が100%なされているかというと、そういうことでもないように見受けられます。ですので、そういったものが、環境が整って価格転嫁が更に進んでいって、それが為替の変動よりも少し時間をずれて発現してくる可能性というものに関して、ここで述べさせて頂いたつもりです。
§19Question
二点目が、これもご挨拶の中でのご発言なんですけど、経済・物価の見通しが実現していけば、金融緩和度合いを調整していくと、そういうお話もあって、それが原因なのかどうかわからないんですけど、講演の後、円高が進みました。そういったご発言をちょっと今回された意図というか、狙いをお聞かせ頂けますか。
§20Junko Nakagawa
確かに為替は、一時160 円を臨むような動きをしていたときに比べますと、8月のボラティリティを越えてのことではありますけれども、今の状態で比較的落ち着いていた中で、更になぜその発言なのかというご趣旨だと思うんですが、日々の動きに関して特段反応するということよりは、もう少し中期といいますか、次の会合はまだもう少し先にありますけど、その後もずっとみていく必要がある中では、やはりこの部分は注視していかなければならないことだということでお伝えした次第です。今落ち着いているからといって、またそれがずっと安定してくれればいいのですが、そうではない動きになったときの可能性も含めて付言する方がいいのではないかというふうに思った次第です。
§21Question
先ほどの経済界の方との懇談の中でも、消費の節約志向の部分を指摘されていて、リスクのところで三点目でも触れられているかと思います。この動向について、今後消費者マインドの改善を、重石となる可能性があるというような指摘もありますけれども、今後どのように推移していくと考えられているのか、今の状況についてどの程度深刻なものかと思われているかというところを伺えますでしょうか。
§22Junko Nakagawa
個人消費に関しては大変重要な指標の一つだということは認識しています。おっしゃる通り、私のコメント、リスクのところでもマインドが悪化していかないようにということを触れさせて頂きました。実際には、お示ししました文章の中でも説明しました通り、長年、非常に比較的長い期間、実質賃金の方が物価に追い付くことが、名目賃金が後ずれになって、実質賃金がマイナスの状態が比較的長く続いていましたので、その影響が今出てきていて、消費が多少芳しくないところがあったんではないかと思います。ただ足元GDPの個人消費の方も少し反転をみせ始めているのかなと期待を込めて思いますが、加えまして、実際毎勤の調査をみましても、6月と 7月は非常に堅調な、比較的堅調な数字をみせてくれているように思いますので、こうした動きが今年度に限らず、今年度に限って言えば次のおそらく特別給与に向けた動きですとか、来年の給与に向けた動き、ただそれを支えるのは企業業績ですので、この辺りの経済情勢等を引き続き注視していきたいというふうに思っております。
§23Question
最初の方の質問で中立金利につきまして、政策金利変化の反応などを点検されていくということもお話あったんですけども、実質金利が非常に今、大きなマイナスだというお話も強調されていまして、そういった緩和調整を続けていくうえでは、今後のパスについてお伺いしたいんですけども、緩和調整を進めていく中で少なくともいわゆる引き締めに入るような状況っていうのは相当に距離があるというふうに中川さんはご認識を持っておられるのか。ちょっとこの距離感みたいなものがあればお伺いしたいっていうことが一点。あと先ほど円安のですね、物価上振れリスクについて言及されているわけですけれども、今円安修正が進んでいて、今度逆に円高ですね、といった場合に、その影響というのは円安と円高というのは対称的に考えていいのか。物価の下押し圧力について、物価を押し下げる要因として懸念材料にならないのかどうか、この辺について教えてください。
§24Junko Nakagawa
まず距離感なんですが、非常にすいません、お答えが難しいです。あくまで私どもというのは、今の時点において、最初のご質問を、一等初めのご質問の趣旨に合わせてお答えしようと思いますと、先行きの金利のパスですとか、緩和度合いを調整するペースに関しては、決まったようなお答えになって恐縮ですが、今後の経済と物価、それから金融情勢も加えてみていく、それ次第ということに尽きますので、現時点において、金融市場の環境が不安定であることも踏まえて、何ら予断を持っている状態ではないですし、持てる状況にまだない。ただ会合毎にその時点までの、直近までの状況を把握して都度判断していきたいという答えに尽きます。先ほどの私が指摘した円安と物価への影響に対して、その逆、つまり今円高傾向ではないか、ないしそれが対称的に、逆の影響を及ぼすかというご質問の趣旨だと思います。為替による影響というのは、もう申し上げるまでもなく経済主体によってプラス・マイナス様々な影響が及びます。もちろん良い反応を享受できるところもあれば、その逆の方もいらっしゃるわけです。ただ以前に比べますと、物価と経済という私どもがみているこの部分に関して言えば、以前に比べますと価格転嫁の動きが大きくなってきたことも踏まえて、為替の影響が物価に与える影響が大きくなっているということはどうもデータからは言えるようです。
§25Junko Nakagawa
では今度円高になったからどうなるということなんですが、価格転嫁の進捗がまだ道半ばだという方も、比較的、今日の懇談会でもそうですが聞かれますので、この価格転嫁が進んでいくという、まだ物価が上がる方向と、それから為替が落ち着いてっていう方向の、その打ち消し合いが、どの程度、実際の物価の数字に表れるかというのは、今、明確な数字は持っていませんので、引き続き注視をしていきたいというふうに思います。(注)会見では「円高」と発言しましたが、正しくは「円安」です。以上