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Bank of JapanMinutesJul 15, 2011

金融政策決定会合議事要旨(6月13、14日開催分)

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2011.7.15日本銀行 政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2011年6月13、14日開催分) 本議事要旨は、日本銀行法第 20 条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2011年7月11、12日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。 公表時間7月15日(金) 8 時50 分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

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1(開催要領)1.開催日時:2011年6月13日 (14:00~16:32)6月14日( 9:00~12:37)2.場所:日本銀行本店3.出席委員:議長白川方明(総裁)山口廣秀(副総裁)西村淸彦(〃)野田忠男(審議委員)中村清次(〃)亀崎英敏(〃)宮尾龍蔵(〃)森本宜久(〃)白井早由里(〃)4.政府からの出席者:財務省木下康司大臣官房総括審議官(13日)櫻井充財務副大臣(14日)内閣府梅溪健児政策統括官(経済財政運営担当)(13日)末松義規内閣府副大臣(14日)(執行部からの報告者)理事山本謙三理事中曽宏理事雨宮正佳理事木下信行企画局長門間一夫企画局審議役梅森徹(14日)企画局政策企画課長加藤毅金融市場局長青木周平調査統計局長前田栄治調査統計局経済調査課長関根敏隆国際局長大野英昭(事務局)政策委員会室長飯野裕二政策委員会室企画役橘朋廣企画局企画調整課長千田英継企画局企画役大山慎介企画局企画役中嶋基晴

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2Ⅰ.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要1.最近の金融市場調節の運営実績金融市場調節は、前回会合(5月19~20日)で決定された方針 1のもとで、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期した。こうした中、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、概ね 0.06%台で推移した。2.金融・為替市場動向短期金融市場は、日本銀行による潤沢な資金供給のもとで、落ち着いて推移している。GCレポレートは、 0.1%近傍で推移している。ターム物金利をみると、短国レートは、1年物まで含めて、0.1%を小幅に上回る水準で推移している。長めのターム物の銀行間取引金利は、横ばい圏内で推移している。長期金利は、総じて 1.1%台前半の狭いレンジで推移している。株価は、一時上昇する場面もあったが、米国経済の減速懸念を背景に米国株価が軟調な展開を辿る中、為替の円高傾向もあって幾分弱めの動きとなり、足もとでは日経平均株価は9千円台半ばで推移している。為替市場をみると、円の対米ドル相場は、米国金利が低下する中、円高方向の動きとなり、足もとでは 80 円前後で推移している。3.海外金融経済情勢世界経済は、減速しつつも回復を続けている。米国経済は、減速しつつも回復を続けている。

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個人消費は、雇用環境の緩やかな改善を背景に増加を続けているが、バランスシート問題が引き続き重石となる中、既往の原油高による実質購買力の低下を受けて、伸びが足もと鈍化している。住宅投資については、住宅価格が軟調に推移する中、なお低水準で推移している。一方、輸出は増加を続け、設備投資も緩やかに増加している。こうしたもとで、生産は、日本の震災に伴うサプライチェーン障害による下押し

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1 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」

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3もあって減速しているが、増加基調を維持している。物価面では、財市場や労働市場の緩和的な需給環境を背景に、エネルギーと食品を除いたベースの消費者物価の上昇テンポは緩やかなものにとどまっているが、既往の国際商品市況上昇の影響から、総合ベースの消費者物価の前年比プラス幅は拡大している。欧州経済をみると、ユーロエリア経済は、国ごとのばらつきを伴いながらも、全体としてみれば、緩やかに回復している。輸出が新興国向けを中心に増加を続けているほか、個人消費や民間設備投資も緩やかに増加している。物価面をみると、緩和的な需給環境や賃金の伸び鈍化が、なお物価押し下げ圧力として作用しているが、既往のユーロ安や国際商品市況上昇の影響を受けて、総合ベースの消費者物価の前年比プラス幅は拡大している。この間、英国経済は、減速しつつも回復基調を辿っている。アジア経済をみると、中国経済は、高成長を続けている。自動車販売や生産が幾分減速しているものの、固定資産投資が高い伸びを続けるなど、内需は全体として堅調に推移している。インド経済も、高めの成長を続けている。NIEs、ASEAN経済は、日系自動車メーカーの減産の影響などから、生産全体の伸びは減速しているが、輸出が増加基調を維持し、内需も底堅く推移するもとで、景気の回復が続いている。

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物価面をみると、これらの国・地域の多くで、国際商品市況の上昇を受けた食料品・原材料価格の上昇や、労働・資本など生産要素の稼働水準の高まりから、物価上昇圧力が強い状態が続いている。海外の金融資本市場をみると、米欧の金融市場では、景気の減速感が徐々に拡がっていく中で、株価は前回会合対比で下落し、長期金利も米国を中心に低下した。ただし、欧州周縁国では、ギリシャの債務問題に関する不透明感を受けて国債利回りの対独スプレッドが既往ピーク圏内で高止まるなど、不安定な動きを続けている。4.国内金融経済情勢(1)実体経済輸出は、震災後、大幅に減少している。先行きについては、海外経済の改善が続くもとで、供給面からの制約がさらに和らぐにつれ、増加に転じるとみられる。公共投資は、減少幅が縮小しつつある。先行きについては、被災

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4した社会資本の復旧などから、徐々に増加していくとみられる。国内民間需要をみると、設備投資は、震災後弱い動きとなっているが、先行指標などからは企業の設備投資スタンスに底堅さが窺われる。先行きについては、被災した設備の修復もあって、徐々に増加していくとみられる。雇用・所得環境は、震災の影響が一因となり、厳しさがやや増している。個人消費は、震災後弱い動きとなっているが、家計のマインドは幾分改善しつつあるもとで、耐久財やサービス消費にも増加の動きが出始めるなど、持ち直しの動きもみられている。先行きは、生産活動が回復するにつれて、家計のマインドの改善も加わり、持ち直していくとみられる。住宅投資は震災の影響により弱めとなっている。先行きは、供給制約の緩和や被災住宅の再建などから、徐々に増加していくと予想される。生産は、震災後は供給面の制約を背景に大きく低下したが、最近では、供給面の制約が和らぎ始めるもとで、持ち直しの動きもみられている。先行きについては、供給面での制約がさらに和らぐにつれ、増加が明確になっていくと考えられる。物価面をみると、国際商品市況は、高値圏での横ばい推移となっている。国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況高の影響などから、上昇している。先行きについては、国際商品市況の動きを反映して、当面、上昇幅が縮小していくとみられる。

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消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、小幅のプラスとなっている。先行きも、小幅のプラスで推移するとみられる。(2)金融環境わが国の金融環境は、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。コールレートがきわめて低い水準で推移する中、企業の資金調達コストは、低下傾向が続いている。実体経済活動や物価との関係でみると、低金利の緩和効果はなお減殺されている面がある。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、改善傾向が続いている。CP市場では、良好な発行環境が続いているほか、社債市場

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5でも、全体としてみれば、発行環境が改善し、良好となっている。資金需要面をみると、このところ運転資金需要が増加する動きがみられている。以上のような環境のもとで、企業の資金調達動向をみると、銀行貸出は減少幅が縮小している。社債の残高は前年を上回っており、CPの残高は概ね前年並みとなっている。こうした中、企業の資金繰りをみると、総じてみれば、改善した状態にあるが、震災後、中小企業を中心に一部で資金繰りが厳しくなったとする先がみられている。この間、マネーストックは、前年比2%台後半の伸びとなっている。(3)「成長基盤強化を支援するための資金供給」について「成長基盤強化を支援するための資金供給」は、6月8日に、第4回目として、8,296 億円の貸付を実施した。その結果、総貸付残高は 29,424 億円と、新規貸付の最終実行期限まで1年間を残し、上限である3兆円にほぼ達した。

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本資金供給の特徴としては、①対象先が 153 先まで増加していること、 ②各金融機関が設定した投融資枠の総額は 8.4 兆円と、本資金供給の上限額の3倍に近い水準となったこと、③投融資の対象分野は、例示 18 分野に加え、地場産業への取り組みなど、広範に及んでいること、④投融資の平均期間は 6.4年と、本資金供給の最長貸付可能期間である4年を超えていること、⑤貸出運営が積極化した先の理由として「成長分野への取り組み強化」を掲げる先が多いことを指摘できる。これらの点を踏まえると、本資金供給は、金融機関による成長分野向け融資について、呼び水としての役割を相応に果たしてきたといえる。一方、出資については、少額にとどまっており、効果が限定的であった。また、一部金融機関から、本資金供給が金利引き下げ競争を助長しているとの批判が聞かれている。今後の取扱いについては、貸付枠をほぼ使い切った状態を最終実行期限まで続けるかどうか、また、本資金供給を増額するとすれば、これまでの状況を踏まえてどのような工夫を講じることができるかが、論点である。Ⅱ.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要1.経済情勢委員は、海外の金融経済情勢について議論を行い、海外経済は、減速しつつも、新興国・資源国の高成長に牽引されるかたちで回復

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6を続けており、先行きも回復を続けていくという見方を共有した。ただし、多くの委員は、海外経済の先行きを巡る下振れリスクが幾分高まっているとの認識を示した。米国経済について、委員は、減速しつつも回復を続けているとの認識で一致した。個人消費について、大方の委員は、増加が続いているものの、バランスシート問題が引き続き重石となる中、既往の原油高による実質購買力の低下を受けて、増加テンポが足もと鈍化しているとの見方を示した。多くの委員は、住宅価格が軟調に推移し、住宅投資は低水準であると述べた。何人かの委員は、生産は増加基調にあるが、日本の震災に伴うサプライチェーン障害による下押しもあって減速していると指摘した。先行きについて、委員は、原油高が一服する中、サプライチェーン障害の影響が剥落すれば、新興国経済の高成長や緩和的な金融環境に支えられ、米国経済は回復を続けるとの見通しを共有した。ただし、何人かの委員は、家計はバランスシート問題を抱え、住宅市場の調整圧力が強いほか、原油価格を巡る不確実性が高いことを勘案すると、米国経済の回復テンポは緩く、下振れリスクに注意が必要であると指摘した。

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米国の金融市場について、何人かの委員は、事前予想対比下振れた経済指標の公表などを受けて、長期金利が幾分低下し、株価が軟調に推移するなど、米国経済の先行きに関する市場の見方がこのところ再び悲観的な方向に振れていると評価した。こうした中、何人かの委員は、米国経済の先行きに対する見方が楽観論と悲観論の間で大きく振れること自体が、先行きの不透明感を増すことを通じて、米国の企業や家計の成長期待を下押しする可能性があると述べた。ユーロエリア経済について、委員は、ドイツなど中心国とソブリン問題を抱えた周縁国との格差が大きい状態にあるものの、全体としては緩やかに回復しているという認識を共有した。ただし、複数の委員は、各国の財政再建の動きが重石となることもあって、ユーロエリアの回復テンポは緩やかにとどまると述べた。ギリシャのソブリン問題について、多くの委員は、債務再編を巡る各国政府やECBの意見の違いなどを受けて、金融・為替市場では先行き不透明感が強い状況が続いていると指摘した。また、何人かの委員は、ギリシャは当面の流動性を確保できるかもしれないが、政府債務の問題自体が解消しているわけではないと述べた。その上で、何人かの委員は、ECBは、インフレ圧力への対処が必要である一方、銀行の流動性需要に対応するための措置も求められており、難しい政策

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7運営を迫られているとの見方を示した。中国経済について、委員は高成長が続いているという認識で一致した。多くの委員は、自動車販売や生産が幾分減速しているものの、固定資産投資が高い伸びを続けるなど、内需は全体として堅調に推移していると指摘した。大方の委員は、既往の金融引き締めの効果などから、中国経済の成長がやや鈍化していることについて、持続的な成長経路に移行していく可能性を高めるという点で望ましい動きと評価できると述べた。物価面については、何人かの委員が、金融引き締めにもかかわらず、インフレ圧力が高まった状態にあるとの懸念を示し、その中の複数の委員は、中国経済が物価と賃金の上昇スパイラルに入りつつある可能性に注意が必要であると述べた。中国経済の先行きのリスクについて、何人かの委員は、金融政策面からの対応の遅れが、短期的には景気を上振れさせる一方、やや長い目でみれば、景気の振幅を拡大し、結果として持続的成長を損なう可能性に、引き続き注意が必要であるとの見解を示した。また、ある委員は、中国経済が持続的成長を実現するためには、金融政策だけではなく、財政政策やマクロ・プルーデンス政策からの対応も望まれると付言した。NIEs、ASEAN経済について、何人かの委員は、日本からの部品出荷の停滞が一部の生産に影響しているものの、内外需とも総じて堅調であるとの見方を示した。

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こうした海外の金融経済情勢を踏まえて、わが国の経済情勢に関する議論が行われた。委員は、景気の現状について、震災の影響により生産面を中心に下押し圧力が続いているが、持ち直しの動きもみられているとの認識で一致した。景気の現状について、委員は、前回会合後に公表された経済指標をみると、震災直後の3~4月の落ち込みはきわめて大きなものであったが、最近では供給面の制約が和らぎ始め、家計や企業のマインドも幾分改善しつつあるもとで、生産活動や国内民間需要に持ち直しの動きもみられているとの見方で一致した。また、大方の委員は、こうした生産活動の持ち直しの動き等は、震災直後の見通しと比べてやや前倒しで進捗していると述べた。生産について、多くの委員は、電力制約の緩和やサプライチェーンの修復を背景に、4月の鉱工業生産が小幅のプラスに転じたことを前向きに評価した。また、多くの委員は、企業からのヒアリング情報などを踏まえ、自動

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8車メーカーが生産水準を引き上げる動きを本格化させていることに言及した。何人かの委員は、企業の成長期待は変化しておらず、機械受注や建築着工といった設備投資の先行指標は底堅さを維持していると述べた。家計について、多くの委員は、家計のマインドが幾分持ち直しており、百貨店売上高や新車販売、外食といった個人消費関連の指標も持ち直していると指摘した。ただし、何人かの委員は、外国人旅行客の減少もあって、旅行関連の戻りが鈍いことに対する懸念を示した。また、ある委員は、足もと、多くの経済指標が持ち直しているが、その水準はなお低いと指摘した。景気の先行きについては、委員は、当面、生産面を中心に下押し圧力が残るとみられるが、その後は、供給面での制約がさらに和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、緩やかな回復経路に復していくという見方を共有した。多くの委員は、サプライチェーンの復旧が進むほか、夏場の電力供給も、当初懸念していたほど大きな制約要因とはならないという見方が増えていることを勘案し、7~9月期には生産が震災前の水準に復帰する蓋然性が高まっていると指摘した。また、何人かの委員は、生産が持ち直してくれば、輸出も、海外経済の改善傾向を背景に、増加に転じるとの見方を示した。

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これらの点について、委員は、展望レポートで示した中心的な見通しに概ね沿ったものであるとの認識を示した。景気の先行きを巡るリスクについて、委員は、震災の影響を中心に、当面、下振れリスクを意識する必要があるとの認識を共有した。海外経済を巡るリスクとして、何人かの委員は、米欧経済の先行き不透明感の高まりや欧州のソブリン問題の帰趨に注意が必要であると指摘した。また、多くの委員は、新興国・資源国については、このところ減速の兆しもみられるが、依然として上振れの可能性にも注意が必要であると述べた。多くの委員は、震災前と比べて経済活動の水準が低いことが所得形成を下押しする可能性などを指摘した。また、複数の委員は、円高基調が輸出企業のマインドに及ぼす影響への懸念を示した。ある委員は、中東・北アフリカの政治情勢が一段と緊迫したものになれば、国際商品市況が一段と上昇し、国内民間需要を下押しするリスクがあると述べた。やや長い目でみたリスクとして、大方の委員は、定期点検後の原子力発電所の運転が再開されない状況が続くことになれば、厳しい供給面の制約が長期間残

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9り、企業の中長期的な成長期待が低下するおそれがあると述べた。その中のある委員は、震災前から人口動態の問題があることを加味すると、わが国の潜在成長率をやや厳しめに見積もる必要があるかもしれないと付言した。また、何人かの委員は、サプライチェーンの再構築・複線化の動きの中で、わが国製品の世界的なシェアが低下したり、生産拠点や部材調達先の海外シフトが加速するかもしれないとの見方を示した。一方、ある委員は、このところ、円高を追い風に日本企業が海外企業を買収するという動きが増えていると指摘した。こうした中、ある委員は、重要であるのは、足もとの回復に向けたモメンタムが年度後半以降も維持できるかどうかであるとしたうえで、景気回復の経路は、水準でみて震災前の想定よりも低くなる可能性が高く、リスクの面でも、下振れリスクをより強く意識していると述べた。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、これまでの動きは4月の展望レポート時の見通しに沿った動きであり、先行きも、マクロ的な需給バランスが基調的に改善していく中で、小幅のプラスで推移するとの見方で一致した。

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ただし、複数の委員は、4月の生鮮食品を除く消費者物価の前年比がプラスとなったのは、高校授業料無償化の影響の剥落と、エネルギー価格の上昇によるものであり、それらを除いてみれば、消費者物価の実勢はなお弱く、「中長期的な物価安定の理解」に基づいて物価の安定が展望できる情勢になったと判断されるまでには、なお時間を要すると指摘した。先行きの物価を巡るリスク評価について、委員は、展望レポート時点から変化していないとの見方で一致した。また、委員は、消費者物価の前年比が、8月に予定されている基準改定の結果、下方改定される可能性が高いとの認識を共有した。2.金融面の動向わが国の金融環境について、委員は、総じて緩和の動きが続いているが、中小企業を中心に一部で資金繰りに厳しさが窺われるとの見方で一致した。短期金融市場について、委員は、日本銀行による潤沢な資金供給のもとで、落ち着いて推移しているとの見方を共有した。多くの委員は、企業の資金調達コストは低下傾向が続いており、企業からみた銀行の貸出態度についても、改善傾向が続いているとの見方を示した。企業金融について、多くの委員は、CP市場の発行環境は良

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10好であり、発行レートも、震災前の水準に復していると述べた。大方の委員は、社債市場では、電力会社は発行できていないが、全体としてみると、発行量が着実に積み上がるなど、発行環境が改善し、良好となっていると指摘した。社債の発行レートについて、複数の委員は、震災前の水準に概ね戻っていると述べた。この間、大方の委員は、震災後、中小企業を中心に一部企業の資金繰りの厳しさが窺われる点には、引き続き、十分な注意が必要であると述べた。Ⅲ.当面の金融政策運営等に関する委員会の検討の概要1.当面の金融政策運営次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、委員は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の方針を維持することが適当であるとの見解で一致した。先行きの金融政策運営について、委員は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく必要があるとの見解で一致した。そのうえで、委員は、今後とも、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていくとの方針を確認した。

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資産買入等の基金の運営について、一人の委員は、足もとの持ち直しを勘案すると、現時点では基金の増額でマインドに働きかける切迫性はないが、物価の安定がなかなか展望できないリスクなどを考慮すると、長めの金利に働きかける追加緩和の潜在的な必要性は減じていないと述べた。別のある委員は、経済物価の見通しを踏まえると、景気回復のモメンタムを維持していく観点から、追加緩和の必要性は低下しておらず、その適切なタイミングを見極めていくことが重要であるとの見解を示した。一方、大方の委員は、震災直後に決定した追加緩和の枠組みのもとで、多様な金融資産の買入れを着実に進め、その効果波及を確認していくことが引き続き適当であるとの考えを示した。この間、被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションについて、ある委員は、第2回以降の入札の応札状況や金融機関

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11の動向などをみながら、政策効果を見極めていく必要があると述べた。2.「成長基盤強化を支援するための資金供給」の取扱い委員は、成長基盤強化を支援するための資金供給の実績についての評価として、金融機関がわが国経済の成長基盤強化に向けた自主的な取り組みを進めるうえでの、「呼び水」としての役割を果たしてきたという認識で一致した。この点に関して、多くの委員は、資金供給の対象先数が増加したことや、各金融機関の投融資枠の総額が本資金供給の貸出総額を大きく上回っていること、個別融資の平均期間が本資金供給の最長貸付可能期間を超えていることなどを指摘した。また、何人かの委員は、本資金供給は、日本経済全体の成長力の引き上げが重要であるという問題意識を高めた点でも、大きな役割を果たしたと述べた。他方、多くの委員は、本資金供給の副作用として、金融機関間の貸出金利の引き下げ競争や他行融資の肩代わりを助長しているとの批判があることも指摘した。この点、ある委員は、金融緩和政策を進める中で、本資金供給だけを金融機関間の利下げ競争激化の原因とする議論はバランスを欠いていると述べた。また、別のある委員は、金融機関が本資金供給を活用しながら成長分野の発掘に向けて競争的に取り組むこと自体は、否定的に捉えることではなく、むしろ政策の狙いでもあったとの見解を示した。

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何人かの委員は、対象先数・投融資枠の増加ペースが鈍化していることを踏まえると、競争助長という批判を招いていることは、現行措置の呼び水効果が逓減していることの表れの可能性もあると述べた。また、何人かの委員は、成長分野への出資などの取り組みについては、件数、金額をみても、呼び水効果が限定的であったとの評価を示した。今後の取扱いについて、委員は、既に貸付枠の3兆円をほぼ使い切り、このままでは新規貸付が殆ど行えない状態にある中、金融機関が、金融面の手法を一段と広げ、わが国経済の成長基盤の強化に向けて、さらに活発に取り組むことを支援する観点から、何らかの措置を講じることが適当であるとの見解を共有した。何人かの委員は、追加的な措置を講じることは、日本経済にとって成長力の引き上げが重要であるとのメッセージを引き続き発信していくためにも重要であると述べた。その際の方向性として、多くの委員は、従来の枠組みによる効果

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12が減衰していることなどを勘案すると、既存の枠組みにより単純に増額することは適当ではなく、出資等の資本性を有する資金供給や、従来型の担保・保証に依存しない融資を活発化させる工夫を行うことが適当ではないかと指摘した。こうした議論を受けて、議長は、より具体的に討議を進めるため、執行部に対して、委員の意見を踏まえて本資金供給に何らかの措置を講じるとすれば、どのような仕組みが考えられるかについて、補足説明を求めた。執行部は、補足説明として、以下の点を指摘した。 委員の意見を踏まえると、従来の貸付枠とは別に、資本性資金の供給や従来型の担保・保証に依存しない融資などを対象とする貸付枠を新設することが考えられる。 対象とする投融資としては、出資等の資本性を有する投融資や動産・債権担保融資(いわゆる「ABL」)等が考えられる。資本性資金の供給は、潜在的な成長性は高いものの、資本不足が制約となっている企業に、成長機会を与えることにつながる。ABLは、不動産担保や人的保証に乏しい中小・新興企業等の資金調達の円滑化に資することに加え、金融機関が企業の成長性や収益性を見極める機能を強化することにもつながる。 貸付期間は、投融資を支援する観点と本行財務の健全性等への考慮のバランスをとれば、1回の貸付期間を従来の2倍の2年とすることが考えられる。

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また、借り換え可能回数は1回とし、最長の貸付可能期間は従来と同じく4年間とすることが適当と考えられる。 貸付総額は、金融機関における出資やABL等の実施状況も踏まえ、5,000 億円としてはどうか。その場合、極端な集中が生じないよう、対象先金融機関毎の貸付額は 500 億円を上限とすることが考えられる。 対象投融資の期間や最低金額などにつき、金融機関が利用しやすいような工夫を加えることが考えられる。委員は、具体的な制度設計について追加的な議論を行い、基本的には、執行部の説明した仕組みで追加的な措置を講じることが適当との見解で一致した。この間、貸付総額については、ある委員が、既に対象となった出資の実績が少額であること等を勘案すると、金

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13額はさほど大きくなくてよいのではないかと指摘した。これに対し、何人かの委員は、日本銀行の取り組み姿勢を示す観点から、5,000 億円程度の規模は必要であり、結果として実績がこれを大きく下回ったとしてもかまわないとの意見を述べた。また、ある委員は、貸付期間について、投融資を支援する観点から、2年という期間は適当であるが、これは日本銀行の資金供給手段としては歴史的にみても異例の長さであることも意識する必要があると指摘した。新規貸付の受付期限について、多くの委員は、出資もABLも従来の枠組みで排除されていないことも考慮すると、従来の資金供給と同じ 2012年3月末とすることが適当であるとの見方を示した。何人かの委員は、出資やABL等の実情に合わせて、最低額の引下げに加え、対象となる個別投融資を残高ベースで把握することや、具体的な投資案件が未決定の段階でも、投資ファンドへの出資を対象とするなどの工夫も必要であると述べた。何人かの委員は、ABLが日本で普及していくためには、動産担保の評価などのノウハウの蓄積や環境整備などに向けて、日本銀行を含む関係者の努力が必要であることを指摘した。この間、本資金供給と復旧・復興支援との関係を巡って、何人かの委員は、復興に関連した資金需要が本格的に強まる時期は、しばらく後になる可能性が高いと指摘した。

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こうした認識を踏まえて、複数の委員は、復興支援については、今後の復興資金需要の出方や、それに対する民間金融機関の取り組み、あるいは政府等による支援の状況も踏まえつつ、日本銀行としてどのような貢献の仕方があり得るのか、改めて検討していくことが適当であると述べた。以上の議論を踏まえて、議長は、成長基盤強化を支援するための資金供給の取扱いに関する委員の意見がほぼ収斂しているとの見解を示し、他の委員がそれに同意したことから、本会合において、基本要領を含む具体的な制度の詳細を決定することとなった。これを受けて、執行部は基本要領の案を作成し、説明を行った。その後、政策委員による検討が行われ、最終的な付議文案として「『成長基盤強化を支援するための資金供給における出資等に関する特則』の制定に関する件」が作成された。Ⅳ.政府からの出席者の発言財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。

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14 わが国の経済情勢をみると、東日本大震災の影響により、弱い動きとなっている。先行きについても、当面弱い動きが続くと見込まれている。また、原発の問題の影響等を背景としたマインドの悪化も含め、不確実性がきわめて高い状況にある。海外経済の動向や為替レートの変動などにより、景気が下押しされるリスクにも注意が必要である。 現在、平成 23年度第1次補正予算を活用し、仮設住宅や被災者の雇用の確保等の生活支援、瓦礫処理・インフラ施設の復旧等に全力で取り組んでいる。その上で、足らないものがないか、復興をどうするかを、第2次補正予算も含め、しっかり検討していく。 政府としては、財政・社会保障の持続可能性の確保、信認維持についても着実な取り組みを進めることとしている。現在、議論を進めている社会保障と税の一体改革については、6月2日の社会保障改革に関する集中検討会議において、社会保障の維持・強化とそれを支える必要財源の確保のあり方に関する社会保障改革案が取りまとめられ、6月末までに成案を得るべく議論を進めていく。また、中期財政フレームについては、年央に改定し、経済成長、社会保障改革と一体的に財政健全化を着実に推進していく。さらに、政府は、電力制約の克服、安全対策の強化に加え、短期・中期・長期からなる革新的エネルギー、環境戦略を検討することとしている。

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 日本銀行におかれては、必要と判断される場合には適切な措置を講じていく方針を示されているが、今後とも、震災が経済や市場に与える影響や復興の状況、海外経済の動向等を踏まえ、果断な金融政策対応をお願いしたい。また、本日、提案があった成長基盤強化のための資金供給の新たな貸付枠の設定については、政府の新たな成長を実現するための取り組みを後押しするだけではなく、金融面の新たな手法を拡げることで、日本経済の活性化に資するものと考えている。また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。 1~3月期の実質GDP成長率は、年率-3.5%となった。わが国の景気は、当面は弱い動きが続くと見込まれるが、その後は、サプライチェーンが今後も着実に復旧していくなど、生産活動の回復に伴い持ち直していくことが期待される。ただし、電力供給の制約や原発問題、世界経済の動向などの景気下振れリスクが存在することには、十分留意が必要である。

§30

15 物価については、エネルギー価格やその他の特殊要因を除いた物価の基調については下落が続いているなど、依然として緩やかなデフレ状況にある。当面、震災の影響により景気の弱さが続くことが懸念される中で、供給制約やエネルギー価格などの高騰によるコスト上昇圧力が実体経済に与える影響については、十分注意していく必要がある。 政府としては、震災からの早期立ち直りのため、平成 23年度第1次補正予算を迅速に執行するとともに、今後の補正予算等については、復興のあり方を踏まえ、構じるべき施策の必要性・緊急性などを見極めつつ、着実に検討していく。同時に、政府推進指針に基づき、日本経済の潜在的な成長力を回復するための取り組みを強化していく。なお、社会保障・税一体改革は6月20日には政府・与党で成案をまとめる方針である。 日本銀行におかれては、被災地の復旧・復興を金融面から支えるため、引き続き、被災地金融機関支援のための資金供給オペレーションを着実に実施するようお願いする。また、本日提案のあった新たな成長基盤強化支援の取り組みについては、時宜にかなったものと評価する。日本銀行におかれては、政府と政策推進指針に示されたマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、引き続き、政府との緊密な情報交換・連携のもと、適切かつ機動的な金融政策運営により経済を下支えするようお願いする。

§31

Ⅴ.採決1.金融市場調節方針以上の議論を踏まえ、委員は、当面の金融市場調節方針について、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の金融市場調節方針を維持することが適当である、との考え方を共有した。議長からは、このような見解を取りまとめるかたちで、以下の議案が提出され、採決に付された。

§32

16金融市場調節方針に関する議案(議長案) 1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとすること。記無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。 2.対外公表文は別途決定すること。 採決の結果賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員反対:なし 2.「成長基盤強化を支援するための資金供給における出資等に関する特則」の制定に関する件次に、「『成長基盤強化を支援するための資金供給における出資等に関する特則』の制定に関する件」が、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、適宜の方法で公表することとされた。Ⅵ.対外公表文(「当面の金融政策運営について」)の検討対外公表文(「当面の金融政策運営について」<別紙1>)が検討され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。Ⅶ.議事要旨の承認議事要旨(5月19、20日開催分)が全員一致で承認され、6月17日に公表することとされた。 17Ⅷ.先行き1年間の金融政策決定会合の開催予定日の承認最後に、 2011年7月~2012年6月の金融政策決定会合の開催予定日が、別紙2のとおり、承認され、即日公表することとされた。以上 18

§33

2011年6月14日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注1))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力が続いているが、持ち直しの動きもみられている。すなわち、生産や輸出は、震災後に大きく低下し、国内民間需要も弱い動きとなった。こうした下押し圧力はなお続いているが、最近は供給面の制約が和らぎ始め、家計や企業のマインドも幾分改善しつつあるもとで、生産活動や国内民間需要に持ち直しの動きもみられている。この間、金融環境をみると、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、小幅のプラスとなっている。3.先行きのわが国経済は、当面、生産面を中心に下押し圧力が残るとみられる。その後は、供給面での制約がさらに和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。

§34

消費者物価の前年比は、小幅のプラスで推移するとみられる(注2)。以上を踏まえると、日本経済は、やや長い目でみれば、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していくと考えられる。4.リスク要因をみると、景気については、震災がわが国経済に及ぼす影響の不確実性が大きい。海外経済については、バランスシート調整が米国経済に与える影響や、

§35

(注1)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員。反対:なし。(注2)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。別紙1

§36

19欧州のソブリン問題の帰趨について、引き続き注意が必要である。新興国・資源国については、このところ減速の兆しもみられるが、依然として上振れの可能性にも注意が必要である。この間、国際商品市況の上昇については、その背景にある新興国・資源国の高成長が輸出の増加につながる一方、交易条件の悪化に伴う実質購買力の低下が国内民間需要を下押しする面もある。以上様々な要因はあるが、当面は、震災の影響を中心に、下振れリスクを意識する必要がある。物価面では、国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。5.昨年夏以来実施している成長基盤強化を支援するための資金供給は、金融機関の自主的な取り組みを進めるうえでの「呼び水」としての役割を果たしてきている。金融機関の取り組みをさらに後押ししていく観点から、資本性資金の供給や従来型の担保・保証に依存しない融資に着目し、今後、これを支援していくことが適当と考えられる。こうした判断に基づき、今回の会合では、出資や動産・債権担保融資(いわゆる「ABL」)などを対象として、新たな貸付枠を設定することを決定した(別添参照)。

§37

日本銀行としては、今回の措置によって、金融機関が、金融面の手法を一段と広げ、わが国経済の成長基盤の強化に向けて、さらに活発に取り組むことを期待している。6.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3 つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。今後とも、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検した上で、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。以上

§38

20別添 成長基盤強化支援資金供給における新たな貸付枠の概要1.対象とする投融資(1)出資等(資本性を有する投融資)(2)動産・債権担保融資(いわゆる「ABL」)等、不動産担保および人的保証に依存しない融資2.対象先金融機関成長基盤強化支援資金供給の対象先金融機関3.資金供給方式共通担保を担保とする貸し付け4.貸付期間原則2年とし、1回の借り換えを可能とする(最長4年)。―― 新規貸付は、四半期に1回の頻度で実施する予定。5.貸付利率0.1%6.貸付総額5千億円(従来の3兆円の貸付総額とは別に設定する)7.対象先金融機関毎の貸付限度額(1)貸付残高の上限は 500 億円(従来の 1,500 億円の上限とは別に設定する)(2)各対象先金融機関は、2010年4月以降に行った出資等とABL等の残高の範囲内で、借り入れを行うことができる。 21―― 本貸付枠の対象となる個別投融資の期間は限定しない(従来は、1年以上)。また、対象となる1件当たりの金額を1百万円以上まで引き下げる(従来は、1千万円以上)。―― 投資ファンド向けは、具体的な投資案件が未決定の段階でも、出資した時点で資金供給の対象とする(但し、1年後を目途に確認を行い、投融資実績がない場合には期日前返済となる)。8.貸付受付期限2012年3月末(新規貸付の最終実行期限は同年6月末) 以上 22 2011年6月14日日本銀行

§39

金融政策決定会合等の日程(2011年7月~2012年6月)

§40

会合開催議事要旨公表経済・物価情勢の展望(基本的見解)公表(参考)金融経済月報公表2011年7月11日<月>・12日<火> 8月10日<水> ―― 13日<水>8月4日<木>・5日<金> 9月12日<月> ―― 8日<月>9月6日<火>・7日<水> 10月13日<木> ―― 8日<木>10月6日<木>・7日<金> 11月1日<火> ―― 11日<火>27日<木> 11月21日<月> 27日<木> ――11月15日<火>・16日<水> 12月27日<火> ―― 17日<木>12月20日<火>・21日<水> 1月27日<金> ―― 22日<木>2012年1月23日<月>・24日<火> 2月17日<金> ―― 25日<水>2月13日<月>・14日<火> 3月16日<金> ―― 15日<水>3月12日<月>・13日<火> 4月13日<金> ―― 14日<水>4月9日<月>・10日<火> 5月7日<月> ―― 11日<水>27日<金> 5月28日<月> 27日<金> ――5月22日<火>・23日<水> 6月20日<水> ―― 24日<木>6月14日<木>・15日<金> 未定 ―― 18日<月>(注)各公表資料の公表時間は原則として以下のとおり。

§41

「議事要旨」・・・・・・・・・・・・・・・・・8時 50 分「経済・物価情勢の展望」基本的見解・・・・・・15 時背景説明を含む全文・・・翌営業日の 14 時(ただし、「経済・物価情勢の展望(2012年4月)」の背景説明を含む全文は4月28日<土>の 14 時に公表)「金融経済月報」・・・・・・・・・・・・・・・・14 時(「概要」の英訳は 14 時、全文の英訳は翌営業日の 16 時 30 分)別紙2