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Bank of JapanReportOct 31, 2013

経済・物価情勢の展望(2013年10月(基本的見解))基本的見解

Original in Japanese

Full text

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12013年10月31日日本銀行経済・物価情勢の展望(2013年10月)【基本的見解】11.わが国の経済・物価の中心的な見通し(1)経済情勢わが国の景気は、緩やかに回復している。需要面をみると、輸出は持ち直しつつもやや勢いに欠ける一方、個人消費をはじめ国内需要は堅調に推移している。こうした内外需要を反映して、生産面では、鉱工業生産の増加ペースが緩やかにとどまる一方で、サービスや建設など非製造業の活動は強めに推移している。先行きは、内需が堅調さを維持する中で、外需も緩やかながら増加していくと見込まれ、生産・所得・支出の好循環は持続すると考えられる。このため、わが国経済は、2回の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には潜在成長率を上回る成長を続けると予想される2。こうした見通しの背景にある前提は、以下のとおりである。第1に、日本銀行が「量的・質的金融緩和」を着実に推進していく中で、金融環境の緩和度合いは一段と強まっていくと考えられる。すなわち、「量的・質的金融緩和」のもとで、名目長期金利の上昇圧力は抑制されている一方、予想物価上昇率は全体として上昇しており、実質金利は低下方向に

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110月31日開催の政策委員会・金融政策決定会合で決定されたものである。2 わが国の潜在成長率を、一定の手法で推計すると、見通し期間平均では「0%台半ば」と計算されるが、見通し期間の終盤にかけて徐々に上昇していくと見込まれる。ただし、潜在成長率は、推計手法や今後蓄積されていくデータにも左右される性格のものであるため、相当幅をもってみる必要がある。

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2ある。銀行貸出残高の前年比は、緩やかにプラス幅を拡大している。このような緩和的な金融環境が民間需要を刺激する効果は、景気の改善につれて強まっていくと考えられる。第2に、海外経済については、4月の展望レポート時点の想定と比べると幾分弱めに推移しているが、国際金融資本市場が総じて落ち着いて推移するとの前提のもとで、先進国を中心に、次第に持ち直していく姿を見込んでいる。主要国・地域別にみると、米国経済については、緩和的な金融環境が維持され、財政面の下押し圧力も次第に和らいでいくことなどを背景に、回復テンポは徐々に増していくと予想される。欧州経済についても、債務問題に伴う調整圧力は残るものの、家計や企業のマインド好転などに支えられ、次第に持ち直していくと考えられる。中国経済については、当局が構造調整を進めつつも、同時に景気下支え策を講じていく中で、現状程度の安定成長が続くとみられる。一方、その他の新興国・資源国経済については、金融環境の引き締まり傾向もあって、当面、成長に勢いを欠く状態が続く可能性が高い。第3に、公共投資は、既往の各種経済対策の効果に加え、新たに策定される予定の経済対策による追加の押し上げ効果も予想されることから、2014年度上期にかけて高水準で推移するとみられる。

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第4に、政府による規制・制度改革や今後見込まれる各種の企業向け減税措置、企業による内外需要の掘り起こしなどもあって、企業や家計の中長期的な成長期待は、緩やかに高まっていくと想定している。以上を前提に、見通し期間の景気展開をやや詳しく述べると、2013年度下期については、海外経済が持ち直しに向かう中で、これまでの為替相場の動きもラグを伴いつつ下支えとなり、輸出や鉱工業生産は緩やかながらも増加していくと見込まれる。そうしたもとで、企業収益の改善に伴い設備投資は持ち直しがより明確となるとともに、個人消費も雇用・所得環境

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3の改善に支えられて底堅く推移するとみられる。加えて、個人消費や住宅投資では消費税率引き上げ前の駆け込み需要が発生するため、2013年度下期の成長率はかなり高めになると予想される3。2014年度の成長率については、上期を中心に駆け込み需要の反動が出ることから、前年度に比べればかなり鈍化するとみられる。ただし、海外経済の持ち直しが明確となる中で輸出が伸びを高めるほか、金融緩和や各種企業減税の効果などから設備投資もしっかりとした増加を続けるため、潜在成長率を上回る成長は維持されると考えられる。2015年度についても、 2回目の消費税率引き上げによる振れは予想されるが、生産・所得・支出の好循環は維持され、潜在成長率を超える成長が続くと見込まれる。以上の見通しを7月の中間評価と比べると、成長率は概ね不変である。(2)物価情勢消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、このところプラス幅を拡大しており、最近ではゼロ%台後半となっている。物価上昇率を規定する主たる要因について先行きを展望すると、第1に、マクロ的な需給バランスは、消費税率引き上げの影響による振れを伴いつつも、緩やかな改善傾向をたどり、見通し期間後半にかけて需要超過幅を拡大させていくと予想される。この間、労働需給の引き締まり傾向は明確となり、名目賃金にも次第に上昇圧力がかかっていくとみられる。

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第2に、中長期的な予想物価上昇率については、「量的・質的金融緩和」のもとで、実際の物価上昇率の高まりもあって上昇傾向をたどり、「物価安定の目標」である2%程度に向けて次第に収斂していくと考えられる。こうした予想物価上昇率の高まりは、企業や家計を含めた価格・賃金形成に徐々に浸透

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3 消費税率の引き上げが年度毎の成長率に及ぼす影響を定量的に試算すると、2013年度+0.3%ポイント程度、2014年度-0.7%ポイント程度、2015年度+0.2%ポイント程度となる。ただし、これらは、その時々の所得環境や物価動向にも左右されるなど不確実性が大きく、相当な幅をもってみる必要がある。

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4していくとみられる。第3に、輸入物価については、国際商品市況や為替相場の動きを反映して、当面は上昇要因として作用すると見込まれる。以上を踏まえ、消費者物価の前年比(消費税率引き上げの直接的な影響を除くベース)の先行きを展望すると4、マクロ的な需給バランスの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを反映して上昇傾向をたどり、見通し期間の後半にかけて、「物価安定の目標」である2%程度に達する可能性が高いとみている。こうした見通しを7月の中間評価と比較すると、概ね不変である。2.上振れ要因・下振れ要因(1)経済情勢上記の中心的な経済の見通しに対する上振れ、下振れ要因としては、第1に、海外経済の動向に関する不確実性がある。米国経済については、新型エネルギーの影響や財政問題の帰趨などによって、回復ペースが上下双方向に変化する可能性がある。欧州経済については、当面は弱さが残る中で、債務問題の今後の展開を含め引き続き注意が必要である。中国経済については、過剰設備や過剰債務といった構造問題の影響を巡って不確実性が高い。それ以外の新興国・資源国については、一部の国が経常収支赤字など構造的な課題を抱えており、国際金融資本市場の動向と併せて、注視していく必要がある。第2に、家計の雇用・所得動向がある。前述のとおり、これまでの景気回復は、個人消費を中心とした堅調な国内需要が主導してきた。

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先行きも国内需要が堅調さを維持していくためには、雇用・所得環境の改善が消費を支えるという前向きの循環が持続することが重要である。この点、企業

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42回の消費税率引き上げが物価に及ぼす影響について、税率の引き上げ分が現行の課税品目すべてにフル転嫁されると仮定して機械的に試算すると、2014年度の消費者物価は2.0%ポイント、2015年度下期の消費者物価は1.3%ポイント(2015年度全体では0.7%ポイント)押し上げられる。

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5収益が改善する一方、企業を取り巻く競争環境が引き続き厳しい中にあって、労働需給の引き締まりや予想物価上昇率の高まりに伴い賃金が上昇していくかどうか注視していく必要がある。第3は、消費税率引き上げの影響である。消費税は、消費一般に広く課税する間接税であり、税率の引き上げは家計の実質可処分所得にマイナスの影響を及ぼす。一方、①政府において各種の経済対策等が講じられる予定であること、②消費税率引き上げは家計部門で以前から相応に織り込まれているとみられること、③財政や社会保障制度に関する家計の将来不安を和らげる効果も期待されることなどから、消費へのマイナスの影響をある程度減殺する力も働くと考えられる。消費税率引き上げの影響は、駆け込み需要とその反動の規模も含め、その時々の所得環境や物価の動向によって変化し得るため注意が必要である。第4に、企業や家計の中長期的な成長期待は、規制・制度改革や税制改正の今後の展開、企業部門におけるイノベーション、家計部門の所得環境などによって、上下双方向に変化する可能性がある。また、やや長い目でみれば、2020年夏の東京オリンピック開催による押し上げ効果も期待される。第5に、財政の中長期的な持続可能性に対する信認が低下するような場合には、人々の将来不安の強まりや経済実態から乖離した長期金利の上昇などを通じて、経済の下振れにつながる惧れがある。

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一方、財政再建の道筋に対する信認が高まり、人々の将来不安が軽減されれば、経済が上振れる可能性もある。(2)物価情勢物価に固有の上振れ、下振れ要因としては、第1に、企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の動向について不確実性が高い。人々のインフレ予想が、過去にみられた物価や賃金の緩やかな下落を反映して、なかなか高

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6まらない可能性がある一方、実際の物価や賃金の上昇率が高まっていく過程で、予想物価上昇率が比較的早期に上昇する可能性もある。加えて、消費税率引き上げに伴う幅広い品目の一斉の価格上昇が、人々のインフレ予想に与える影響についても注意してみていく必要がある。第2に、マクロ的な需給バランスに対する物価の感応度についても不確実性がある。企業が、厳しい競争環境が続く中でも、財・サービスや労働の需給の引き締まりに応じて、価格や賃金を引き上げていくかどうか注意が必要である。第3に、国際商品市況や為替相場の変動などに伴う輸入物価の動向や、その国内価格への転嫁の状況についても、引き続き不確実性が高い。3.金融政策運営以上の経済・物価情勢について、「物価安定の目標」のもとで、2つの「柱」による点検を行い、先行きの金融政策運営の考え方を整理する5。まず、第1の柱、すなわち中心的な見通しについて点検すると、見通し期間の後半にかけて、日本経済は、2%程度の物価上昇率が実現し、持続的成長経路に復する可能性が高いと判断される。次に、第2の柱、すなわち金融政策運営の観点から重視すべきリスクについて点検すると、中心的な経済の見通しについては、海外経済の動向など不確実性は大きいものの、リスクは上下にバランスしていると評価できる。

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物価の中心的な見通しについても、中長期的な予想物価上昇率の動向を巡って不確実性は大きいものの、リスクは上下に概ねバランスしていると考えられる。より長期的な視点から金融面の不均衡について点検すると、現時点では、資産市場や金融機関行動において過度な期待の強気化を示す動きは観察されない。もっとも、政府債務残高が累増する中で、金融機関

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5日本銀行「金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」(2013年1月22日)参照。 7の国債保有残高は引き続き高水準である点には留意する必要がある6。金融政策運営については、「量的・質的金融緩和」のもとで、実体経済や金融市場、人々のマインドや期待など、好転の動きが幅広くみられており、わが国経済は2%の「物価安定の目標」の実現に向けた道筋を順調にたどっている。今後とも、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う。 以上 6 詳しくは「金融システムレポート」(日本銀行2013年10月)を参照。 8 (参考)▽2013~2015年度の政策委員の大勢見通し ――対前年度比、%。なお、<>内は政策委員見通しの中央値。 実質GDP 消費者物価指数(除く生鮮食品)

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消費税率引き上げの影響を除くケース2013年度+2.6~+3.0<+2.7>+0.6~+1.0<+0.7> 7月時点の見通し+2.5~+3.0<+2.8>+0.5~+0.8<+0.6>2014年度+0.9~+1.5<+1.5>+2.8~+3.6<+3.3>+0.8~+1.6<+1.3>7月時点の見通し+0.8~+1.5<+1.3>+2.7~+3.6<+3.3>+0.7~+1.6<+1.3>2015年度+1.3~+1.8<+1.5>+1.6~+2.9<+2.6>+0.9~+2.2<+1.9>7月時点の見通し+1.3~+1.9<+1.5>+1.6~+2.9<+2.6>+0.9~+2.2<+1.9>(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(注2)各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成している。(注3)今回の見通しでは、消費税率が2014年4月に8%、2015年10月に 10%に引き上げられることを織り込んでいるが、各政策委員は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いた消費者物価の見通し計数を作成している。

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(注4)消費税率引き上げの直接的な影響を含む 2014年度と 2015年度の消費者物価の見通しは、税率引き上げが現行の課税品目すべてにフル転嫁されることを前提に、物価の押し上げ寄与を機械的に計算したうえで(2014年度:+2.0%ポイント、2015年度:+0.7%ポイント)、これを上記の政策委員の見通しに足し上げたものである。(注5)政策委員全員の見通しの幅は下表の通りである。――対前年度比、%。

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実質GDP 消費者物価指数(除く生鮮食品) 消費税率引き上げの影響を除くケース2013年度+2.6~+3.0 +0.6~+1.07月時点の見通し+2.3~+3.0 +0.4~+1.02014年度+0.5~+1.6 +2.6~+3.7 +0.6~+1.77月時点の見通し+0.4~+1.5 +2.6~+3.7 +0.6~+1.72015年度+1.2~+2.0 +1.4~+2.9 +0.7~+2.27月時点の見通し+1.2~+2.1 +1.4~+3.0 +0.7~+2.3 9 ▽政策委員の見通し分布チャート

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(1)実質GDP(2)消費者物価指数(除く生鮮食品)(注1)上記の見通し分布は、各政策委員の示した確率分布の集計値(リスク・バランス・チャート)について、①上位10%と下位10%を控除したうえで、②下記の分類に従って色分けしたもの。なお、リスク・バランス・チャートの作成手順については、2008年4月の「経済・物価情勢の展望」BOXを参照。(注2)棒グラフ内の○は政策委員の見通しの中央値を表す。また、縦線は政策委員の大勢見通しを表す。(注3)消費者物価指数(除く生鮮食品)は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベース。

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-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.0-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.02006200720082009201020112012201320142015(前年比、%)年度実績値(前年比、%)-4.0-3.5-3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.04.5-4.0-3.5-3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.04.52006200720082009201020112012201320142015(前年比、%)年度実績値(前年比、%)上位40%~下位40% 上位30%~40%下位30%~40%上位20%~30%下位20%~30%上位10%~20%下位10%~20%