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Bank of JapanPress conferenceMay 11, 2013Haruhiko Kuroda, Governor

総裁記者会見(2013年5月11日)要旨

Original in Japanese

Full text

§1Haruhiko Kuroda

私からは、主として「量的・質的金融緩和」の狙いとその波及メカニズムについて説明しました。すなわち、「量的・質的金融緩和」は、第1に、長めの金利や資産価格のプレミアムに働き掛ける効果、第2に、民間金融機関に対しリスク資産運用や貸出の増加を促す、いわゆる「ポートフォリオ・リバランス効果」、第3に、市場や経済主体の期待を抜本的に転換させる効果、が期待できると説明しました。その上で、「量的・質的金融緩和」は、こうした3つの効果を通じて、15年近く続くデフレからの脱却という国内目的の達成に資するものであることを説明しました。

§2Question

円安が進んで日本では株高になって結果的に資金が債券から株に移るということが今起こっているような気がします。そうなると、日本では、長期金利の上昇が起こるだろうと思っているのですが、それは金融緩和の効果をある程度削ぐ可能性も出てくると思うのですが、こういう資金の流れが債券売りの加速につながって長期金利が上昇した場合、その悪影響というのが懸念されると思うのですが、今の時点でどうなのでしょうか。特に金曜日、債券売りが相当加速したようなので、そういう懸念が今強まっているのかどうかも含めてお願いします。

§3Haruhiko Kuroda

先ほど申し上げた通り、「量的・質的金融緩和」が実体経済に与える影響については、3つのチャネルがあると考えています。そのうち、2番目の「ポートフォリオ・リバランス効果」については、確かに国債から他の資産へあるいは貸出へシフトすることが考えられるわけで、それは既に起こっていると思います。一方、日本銀行は、今後、年間50 兆円のペースで国債の保有残高を増やしていくわけで、それだけ国債を市場から買い取っていくということです。私どもは、短期的なボラティリティの高まりという形で価格が乱高下したことに対しては、オペのやり方を若干調整し、ボラティリティも低下してきており、長期金利が跳ねるようなことは予想していません。もちろん、長い目でみて、経済が成長し、特に物価上昇率が2%に向けて徐々に上昇していく中で、名目金利が若干上がっていく可能性はあると思いますが、それは、ある意味で自然なことです。当面は、「量的・質的金融緩和」によって長期金利が跳ねることはないだろうと思っています。

§4Question

黒田総裁は、日本の「量的・質的金融緩和」について説明されたということですが、各国からの反応、あるいは、説明に対する突っ込んだ質問など何かありましたら教えて下さい。

§5Haruhiko Kuroda

数週間前、ワシントンでG20あるいはIMFC(国際通貨金融委員会)の会議があり、麻生副総理とともに参加しました。それから、つい先頃、ニューデリーでASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁会議があり、これにも麻生副総理とともに参加し、日本銀行の「量的・質的金融緩和」に関する理解は相当深まってきていると思いました。今回は、G7ということで、より小規模の会議であり、よりインフォーマルで率直な意見交換ができました。会議では、先ほど申し上げたように、「量的・質的金融緩和」の背景、狙い、その波及チャネル、そして今の日本の金融資本市場や経済の反応などについても十分に説明できたと思いますし、理解がさらに深まったと思いました。以上