総裁記者会見(2013年7月20日)要旨
Full text
§1Question
黒田総裁にお伺いします。先程の質問のフォローアップですが、FRBだけでなく、日銀も、いずれは「出口」に向かっていくということで、今回の議論を踏まえて、コミュニケーション、日銀としての金融政策に関する市場との対話、あるいはG20、当局間の対話、をどのように進めていくか、どのようなスケジュールで、どのようなツール建てがあるのか、等についても、これから説明していくのかどうか、その辺りの考え方をお伺いします。
§2Haruhiko Kuroda
先程麻生大臣から説明があったように、基本的には、米国を念頭に置いて、先進国の金融緩和が今後縮小していくという観測が出て、それが金融市場のボラティリティを高めたり、金融環境のタイト化という影響を新興国に与えているのではないか、という議論が中心になったということです。先程説明があった通り、コミュニケで適切な表現になっているということです。翻って、日本については、4月4日、いわゆる「量的・質的金融緩和」を導入し、まだ3か月程度が経った段階です。そもそも、「量的・質的金融緩和」は、2%の「物価安定の目標」を 2年程度の期間を念頭に置いて投入したわけであり、まだ、そうした具体的な「出口」の議論は、やはり時期尚早だろうと思っています。
§3Question
黒田総裁にお伺いします。4月の時点では、まだ、日銀として金融緩和の効果がどうか、という点には疑問があったと思いますが、麻生大臣もおっしゃったように、数字に表れてきており、G20の中で、「日銀の金融緩和は効いている」という認識が深まっているというのは感じられたのか。それから、総裁自身も、緩和効果が実体経済に影響として表れてきているというお考えをお持ちなのか、あるいは、自信を深められているのか、その点をお願いします。
§4Haruhiko Kuroda
冒頭で麻生大臣がおっしゃった通りです。日本銀行の「量的・質的金融緩和」については、既に、十分理解されており、特に、私からまとまった追加的な説明は行いませんでしたが、理解は更に深まっていると感じました。私も最近の金融政策決定会合後の記者会見で申し上げたように、金融市場の動きや実体経済の動向など、4月4日に「量的・質的金融緩和」を導入したとき、さらに、その後の金融政策決定会合で経済動向を議論した内容に概ね沿って動いているということで、着実に効果を上げていると思います。ただし、あくまでも、「物価安定の目標」である2%を達成するには、もっと時間がかかると思っています。
§5Question
今回の大きなテーマとして、やはりFRBの量的緩和策の縮小が、世界、特に新興国ですとか、経済に与える影響、それと、その縮小していくときのコミュニケーションの問題があったと思うのですが、先程もあったように、このコミュニケの中で、「引き続き注意深く測定され明確なコミュニケーションが行われるであろう」というところに集約されたのだとは思うのですが、全体として、改めて総括して頂き、麻生大臣から、全体の議論をご覧になって、緩和を縮小していくことそのものの影響に対する色々な懸念ですとか、そういうことに力点があって、色々な話し合いとか、各国、色々なそれが核となって議論がされたのか、あるいは、そのコミュニケーションが上手くいっていないという意味で、FRBに対して、もう少し上手くやって欲しいというということだったのか、議論の全体の雰囲気というか、総括されて、どのような感じだったかを伺います。
§6Haruhiko Kuroda
私から追加的に申し上げると、米国側からは、非常に詳しくFRBの出口戦略の話がありましたが、基本的に、バーナンキ議長が繰り返し述べられていることと全く同じです。すなわち、いわゆる資産買入れ計画については、経済が、FRBが考えている見通し通りに改善していけば、本年後半にかけて、少しずつ買入れペースを減速させる可能性がある。経済の状況が予想通りに進んでいけば、来年後半には、新たな資産買入れを行わなくなる可能性がある。それは、あくまでも、経済の動向次第であり、経済が予想通りに改善していかなければ、買入れペースの減速もより後になるか、あるいは、むしろ資産買入れを増額することもあるかもしれない。一方、経済が予想以上にどんどん強く回復していけば、買入れペースの減速も早めになるかも知れないということです。要するに、従来から、バーナンキ議長がおっしゃっていたことについて、より詳細な説明があったということです。以上