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Bank of JapanPress conferenceSep 21, 2014Haruhiko Kuroda, Governor

総裁記者会見(2014年9月21日)要旨

Original in Japanese

Full text

§1Haruhiko Kuroda

今回のG20では、日本の金融政策について、特にまとまった説明を行う機会はありませんでしたが、色々な機会を通じ、日本経済がデフレから脱却し、2%の「物価安定の目標」を実現することは、日本経済のみならず、世界経済全体に好影響をもたらすものであるということや、日本銀行の「量的・質的金融緩和」に関する国際的な理解は十分に得られていると感じました。

§2Question

声明の中で、「金利が低く資産価格の変動が小さい環境下において、金融市場に過度のリスクが蓄積する可能性に留意する」とあります。日銀がQQEを続ける中で、日本では低金利が続く状態だと思いますが、日銀が過度なリスクの蓄積を防ぐためにできることは何でしょうか。また、日銀が低金利政策を維持したとしても、他国の政策によって市場が大きく変動して、日本の長期金利が急騰してしまうリスクについては、どのようにみていますか。

§3Haruhiko Kuroda

G20では、先進国で非伝統的な金融緩和政策が続いており、金融市場においてリスク・プレミアムが縮小し、ボラティリティも低下しているため、潜在的に過度のリスクが蓄積する可能性について、注意してみていく必要があるとの議論が行われました。一方、わが国については、日本銀行の「金融システムレポート」や「展望レポート」などにおいて、金融面の不均衡について定期的に点検していますが、これまでのところ、資産市場や金融機関行動において過度な期待の強気化を示す動きは観察されていません。日本銀行としては、今後も 2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、「量的・質的金融緩和」を着実に実施していく方針に変わりはありません。長期金利については、金融政策決定会合の後の記者会見でよく質問を受けており、その時にお答えしている通りです。現在、「量的・質的金融緩和」のもとで、毎月、大量の長期国債の購入を続けており、ターム・プレミアムを圧縮し、長期金利を低位に安定させる一方で、物価上昇が続き、特に期待物価上昇率が上がっていく中で、実質金利が低下してきています。それが、経済の回復を助けており、当面、こういった政策を続けていくということに尽きると思います。

§4Question

声明文では、金融政策について、「デフレ圧力に適時に対処すべき」とあります。これによって、日本の金融政策はどのような影響を受けるのか、改めてお聞かせ下さい。

§5Haruhiko Kuroda

新興国では、インフレ率が高くて、一部の国ではインフレの抑制に取り組んでいる一方で、先進国では、インフレではなく、例えば、ユーロ圏のように、ディスインフレ傾向が続き、物価上昇率が極めて低い──確か 0.4%程度まで落ちてきている──といった国もあります。そこで、先進国については、「引き続き経済回復を支えており、中央銀行のマンデートと整合性を保ちつつ、必要な場面ではデフレ圧力に適時に対処すべきである」と、当然のことを言っているわけです。日本の場合には、「量的・質的金融緩和」を導入した昨年4月の段階で、消費者物価上昇率がマイナス 0.5%程度だったと思いますが、それがプラスになり、最近では 1%台前半で推移しています。2%の「物価安定の目標」との関係ではまだ途半ばですが、物価上昇率がマイナスであるというデフレの状況からは脱しつつあるということだと思います。以上