総裁記者会見(2016年4月15日)要旨
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§1Question
地震についてですが、九州新幹線が脱線して復旧の目途が立たない中、人の移動への影響やゴールデンウィークを前にしての国内旅行や訪日外国人への影響が心配されるところです。現時点では、評価できない部分もあると思いますが、景気に対する影響をどうみていますか。
§2Haruhiko Kuroda
日本銀行は、熊本支店を含め全支店で窓口業務は通常通り行っており、日銀ネットも通常通り稼動しています。その上で、九州財務局長と日本銀行熊本支店長の連名で、金融上の特別措置も実施しております。15日の金融市場には特段の影響がなく、金融機関の業務状況はほぼ通常通りですが、ご指摘の経済活動については―― 一部の工場に影響が出たと報道されていますけれども――十分に注視し、関係当局と連携しながら適切に対応していきたいと思っています。ただ、経済的な影響について、今の段階で具体的に申し上げることはできないと思います。
§3Question
総裁は、最近進んでいるドル安・円高については、リスク回避的な動きが背景にあるとおっしゃっていますが、 FRBの利上げのペースが当初の想定よりも遅いのではないかとの市場の見方も、ドル安の背景にあるのではないかと思います。イエレン議長をはじめ、FRBの発言もずいぶんハト派的に動いたことで、それをきっかけにドル安が進んだとも思えますが、それに対してどのように思っていらっしゃるのか、結果的に円高が進んで、不満に感じていることはないのか、お尋ねします。
§4Haruhiko Kuroda
為替の動向については、むしろ麻生副総理にお聞きになった方が良いと思いますが、ご指摘になったようなことが市場で色々言われているということはあると思います。日本銀行としては、為替市場も含めて金融・資本市場の動向は十分注視し、仮にそうしたことが経済・物価、特に2%の「物価安定の目標」の達成にマイナスになるということがあれば、躊躇なく追加的な措置を検討するということに尽きます。私どもの金融政策は、あくまでも「物価安定の目標」との関係で考えられることであって、為替をターゲットしたものではありませんが、為替市場の動向は経済・物価に影響がありますので、当然、十分注視し、「物価安定の目標」の達成に必要であれば、躊躇なく追加的な措置を検討するということに尽きます。
§5Question
コミュニケには今回、前回と同様に、金融政策のみでは均衡ある成長に繋がらないという文言が入っています。その通りだとは思っていますが、金融政策だけではどういった限界があるのか、均衡ある成長には何が必要か、その点を少し噛み砕いて教えて下さい。
§6Haruhiko Kuroda
金融政策については、ご指摘のように、コミュニケに、「金融政策は、中央銀行のマンデートと整合的に、引き続き経済活動と物価安定を支える。しかしながら、金融政策のみでは、均衡ある成長に繋がらない」と書かれています。これはある意味、常識的な内容であり、前回のG20でもそう書かれていましたし、今回のG20のコミュニケでも、金融・財政・構造政策を個別に、あるいは総合的に活用するということです。従って、金融政策だけでなく、財政政策あるいは構造政策といったものを――それぞれの国で必要な政策は違うとは思いますが――、それぞれの国に適切な形で活用して均衡ある成長を達成しようということが、 G20で言われていることだろうと思います。
§7Question
昨日、麻生副総理が、G20とルー財務長官とのバイ面談のなかでも、G20の為替についての合意は、マイナス金利や日銀の金融政策に当てはまらないとおっしゃったようですが、それを受けて、大臣の前でコメントするのは難しいかもしれませんが、マイナス金利をさらに引き下げるとか、さらに緩和することがやりやすくなったといったご見解をお持ちですか。
§8Haruhiko Kuroda
今回のG20のコミュニケで、通貨の競争的な切り下げを回避する旨が書いてあるわけですが、これは何らかの新しい方針の合意ではなく、従来の方針を繰り返したものです。金融政策については、先程読み上げたような形で、経済活動をサポートし、物価の安定を実現するという国内の政策目的のために運営するという考え方は広く共有されていますし、今回もコミュニケに明記されております。そういう意味で、マイナス金利政策も含め、各国における金融政策運営が制約されることはないと思っています。以上