総裁記者会見(2019年4月12日)要旨(G20・議長国記者会見)
Full text
§1Question
世界経済について、減速を指摘する声や下振れリスクが大きいといった声が多く聞かれています。黒田総裁は、今週のぶら下がり会見において、世界経済は減速しているものの、今年後半には中国経済が回復を始めるだろうとの見方を示され、欧州に関しても幾分楽観的な見解を示されました。こうした点について、もう少し詳しくお話し頂けますか。また、そのようにならないリスクについてはいかがでしょうか。
§2Haruhiko Kuroda
世界経済は拡大を続けていますが、確かに、昨年後半から減速してきています。地域的にみますと、中国や欧州での景気の減速が目立っています。また、グローバルにみますと、 IT関連財、資本財、自動車を中心に製造業の生産が低下して、貿易量も減速しています。もっとも、世界経済は、本年後半には成長率を高めていくとみられています。その背景としては、緩和的な金融環境が維持される中で、中国などにおける景気刺激策の効果が徐々に現れるほか、欧州における自動車の排ガス規制強化の影響など一時的に世界経済を下押ししている圧力が徐々に剥落していくと考えられるからです。ただ、こうした先行きの見通しについては引き続き下振れリスクが大きい、ということは事実でありまして、貿易摩擦など政策に関する不確実性が高く、企業マインドの悪化を通じて、世界経済が一段と下振れるリスクはあります。そういう状況のもとでは、各国がそれぞれの状況に応じて、タイムリーな政策対応を行う必要があるという点では、皆さんの認識が一致していたと思います。また、私自身も、世界経済は本年後半から回復し、IMFの世界経済見通しで示されているように、今年は3.3%成長かもしれませんが、来年には 3.6%に回復していくというメインシナリオが実現する可能性は高いと思っています。
§3Haruhiko Kuroda
ただ、リスクについては十分注意していく必要がありますし、G20各国はそういったリスクを大きくしない、むしろ小さくするよう、必要な対応をとることが必要だと思います。
§4Question
先程黒田総裁が、今後の世界経済の動向において、リスクについて十分に認識したうえでタイムリーな政策が必要であるということをおっしゃったのですが、例えば、金融・財政面で、世界同時減速を防ぐために、どういった協調ができると考えられるのでしょうか。
§5Haruhiko Kuroda
それぞれの国について、具体的な議論が行われたというわけではありません。常にG20が言っていますように、それぞれの国の置かれた状況に即して対応策を考えていくべきであり、その場合には、あらゆる政策を総動員する用意がなければならないということですが、個別の国についてどういう政策をとるべきという議論が行われたわけではありません。また、現時点では、IMFの見通しにもありますように、今年は特に前半の成長率がやや落ちていますが、後半から徐々に回復し、来年は世界経済も3.6%の成長になるという見通しであり、これは多くの人がそういうIMFの考え方に同意していたと思います。リスクがあることは事実なのですが、そのリスクを悪化させるような、あるいは現実化させるようなことはせず、そして、仮に何らかのリスクが顕在化して影響が出てきた場合は、それぞれの国がそれぞれの国の置かれた状況に応じて、あらゆる政策を考慮すべきということだと思います。ですから、現時点で、個々の国について何か今こういうことをやるべきだということを議論したわけではないということです。以上