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Bank of JapanReportMar 30, 2026

金融政策決定会合における主な意見(3月18、19日開催分)

Original in Japanese

Full text

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1 2026 . 3 . 30日本銀行金融政策決定会合における主な意見(2026年3月18、19日開催分)1 Ⅰ .金融経済情勢に関する意見(経済情勢)⚫ わが国経済は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。先行きは、各国の通商政策等の影響を受けつつも、海外経済が成長経路に復していくもとで、政府の経済対策や緩和的な金融環境などにも支えられて、緩やかな成長を続けるとみられる。⚫ 春季労使交渉の動向をみると、多くの大企業が組合側の要求に対して満額またはそれに近い水準で回答しており、本年も幅広い企業でしっかりとした賃上げが実施される可能性が高い。⚫ 大企業の賃上げの状況はしっかりしているものの、中東情勢を踏まえ、中小・零細企業も含めた着地に向けて、今後もみていきたい。⚫ 中東情勢とそれに端を発した原油価格の上昇は、リスクシナリオとして意識すべきであり、市場や経済に及ぼす影響を丹念に点検していく必要がある。現時点では、政府の政策に対する期待等から国内の過剰な反応は抑えられているほか、今後の展開次第の面もあることから、今回、経済・物価のメインシナリオを変更する必要はないと考えている。⚫ わが国経済は、底堅さを維持しているものの、ガソリン価格の上昇など、中東情勢の緊迫化による経済的悪影響が表れ始めており、予断を許さない局面にある。

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1 「金融政策決定会合における主な意見」は、①各政策委員および政府出席者が、金融政策決定会合で表明した意見について、発言者自身で一定の文字数以内に要約し、議長である総裁に提出する、②議長はこれを自身の責任において項目ごとに編集する、というプロセスで作成したものである。公表時間3月30日(月)8 時50分 2

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⚫ 中東情勢の緊迫化が、交易条件の悪化やそれに伴う企業収益の下押し、マインドの慎重化などを通じて国内の景気に与える影響に留意する必要がある。⚫ 近年の潜在成長率は、 T F P の底堅さに支えられている。一方で先行きは、労働時間の上昇余地がどの程度あるか、また、情勢が変化する中で投資が適切に行われるかも論点になる。(物価)⚫ 消費者物価の基調的な上昇率は、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが維持されるもとで、緩やかな上昇が続くとみられ、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、原油価格上昇が基調的な物価上昇率の見通しに及ぼす影響についても、留意が必要である。⚫ 食料とエネルギーを除く財やサービスの価格は、 1% 台半ばの上昇率となっており、いずれも 2% よりも低位で安定している。食料品価格の上昇が落ち着くことが前提であるが、基調的な物価上昇率はまだ 2% の手前にあるものと思われ、急激な上昇を心配するほどの状況ではない。⚫ 基調的なインフレ率の 2% への定着度は、まだ十分とはいえない。従来の下振れリスクだけでなく、今後の中東情勢次第では、逆に 2% を超える可能性もあるだろう。⚫ 中東情勢の緊迫化により、落ち着きをみせていたエネルギー価格が上昇し、ヘッドライン C P I が再び上昇に転じる展開が懸念される。

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⚫ 日本の輸入 L N G の多くは、中東原油価格と連動する契約となっている。このため、中東原油価格の高騰は、ガソリン・プラスチックのみならず、電気・ガスなど広範囲での物価上昇につながる。⚫ 中東情勢の緊迫が長期化する場合、直接的なインパクトは、米価格高騰時よりはるかに大きいが、ロシアによるウクライナ侵攻後の輸入物価上昇時との大小は現時点では判断しがたい。そのうえで、ショックの波及や二次的な影響については、物価についても成長についても、ウクライナ侵攻後よりは注意すべき度合いが高い。

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⚫ ① 2% 程度まで上昇してきたインフレ予想、 ② 企業の積極的な価格設定行動、 ③ 供給力不足の状況等を踏まえると、原油価格高騰や円安が、継続的かつ大きくインフレを押し上げる懸念がある。⚫ 今日のような原油価格上昇に伴う物価上昇局面でも、政府の価格転嫁・賃金上昇に向けた施策による慣性が働きやすく、物価上昇期待を強めやすい。⚫ 欧州など多くの国では、2022年に物価上昇をルックスルーして批判を受けた教訓から、今日、利上げ観測が浮上しており、円安圧力が生じやすい状況にある。⚫ 政府の物価高対策や原油価格上昇の影響などにより、消費者物価が短期的に振れやすくなることを踏まえると、物価の基調を捕捉する観点から、消費者物価指数のコア指標を拡充して公表するなど、より丁寧な説明を行っていくことが望ましい。Ⅱ.金融政策運営に関する意見⚫ 現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適切である。⚫ これまでの利上げにもかかわらず、緩和的な金融環境は維持されている。国内投資への影響という点でも、金利上昇を理由に投資を取りやめるという例は殆どみられず、その多くは人手不足や資材価格上昇が原因である。

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⚫ 足もと、中東情勢の不確実性が高まり、市場のセンチメントは大幅に悪化している状況の中で、政策金利については、今回は現状維持でよいと考えている。⚫ 今後の利上げのタイミングについては、中東情勢の影響のほか、賃金、物価、金融環境などを確認しながら判断していくことになる。具体的には、次回会合以降、賃上げや期初の値上げの広がりなどを見極めつつ、前回の利上げ以降もなお金融環境が緩和的であることを仔細に確認していくことが適当である。⚫ 中東情勢は物価上昇と経済の下押しにつながり得るものの、現在の金融環境のもとでは、物価の上昇基調は維持されると見込まれるほか、人手不足を受けた賃上げの継続や企業の投資意欲

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の高さ等を踏まえると、今後も間を長く空けずに金融緩和の度合いの調整を検討することになると考えている。⚫ 基調的な物価上昇率が 2% を超えて上昇し続けることは避けなければならない。経済環境や中小企業の賃上げスタンスが大きく崩れる兆しがみられなければ、躊躇なく利上げに進むことが必要である。⚫ 中立金利までまだまだ距離がある状況でビハインドザカーブに陥ると、急激かつ大幅な金融引き締めを余儀なくされ、わが国経済に大きなショックを与えてしまうことになる。中東情勢の進展や短観、支店長会議での報告、企業ヒアリング等を踏まえ、利上げ幅を含め、利上げについて検討したい。⚫ 原油高によるコストプッシュは、物価上昇を伴う経済低迷、すなわち 1970年代的なスタグフレーションをもたらし得るが、一過性のインフレに対しては、むやみに動かずにコストプッシュ要因の剥落を待つことが基本と考える。ただし、過度な円安進行によりコストプッシュがさらに深刻化する場合、あるいは、二次的波及の本格化により賃金が上振れする場合には、金融引き締めが必要になる可能性もある。⚫ 仮に中東情勢の緊迫が長期化する場合には、従来の想定に沿って利上げ・緩和度合いの調整を緩やかに進めていくことを中心的な選択肢としつつ、従来の想定よりも利上げを加速させ、金融環境を中立ないし引き締めに持っていく必要性がないかにも注意を払っていくことが適当である。

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⚫ 円安のパススルーの強まりに加え、物価に関するノルムが転換する下で企業の賃金・価格設定行動は積極化しており、海外要因による二次的波及、基調的物価上昇が生じやすく、意図せざるビハインドザカーブが生じるリスクがある。時間軸上、原油価格上昇による不確実性から将来的には景気下押しはあるとしても、当面は二次的波及やインフレ期待の上昇に伴う物価上振れを重視した対応が必要である。⚫ 金融政策によってまずは物価を安定させ、それによって、景気の下振れリスクを最小限に抑えることが、「物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資する」という理念に沿った行動である。

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5 Ⅲ .政府の意見(財務省)⚫ 経済の先行きについては、中東情勢を受けたエネルギー価格の高騰等が経済の下押しリスクとなり得る点を懸念している。また、金融市場の動向も高い緊張感を持って注視する必要がある。⚫ 日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、中東情勢がわが国経済に与える影響を含め、内外の経済情勢等を十分に注視し、市場とのコミュニケーションを図りつつ、 2% の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を期待する。(内閣府)⚫ 中東情勢が経済に与える影響や金融市場の動向を高い緊張感を持って注視する必要がある。⚫ 政府は足元の中東情勢を受けて、緊急的激変緩和措置や備蓄石油の放出を行っており、引き続き、経済・物価動向に応じ、経済財政運営に万全を期す。⚫ 日本銀行には、内外の経済情勢等を十分に注視しつつ、日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、 2% の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け、適切な金融政策運営を期待する。 以上