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Bank of JapanReportMay 12, 2026

金融政策決定会合における主な意見(4月27、28日開催分)

Original in Japanese

Full text

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1 2026 . 5 . 12日本銀行金融政策決定会合における主な意見(2026年4月27、28日開催分)1

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Ⅰ .金融経済情勢に関する意見(経済情勢)⚫ わが国経済は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。2026年度は、原油価格上昇に伴う交易条件の悪化などから、成長ペースは減速するものの、政府による各種施策や緩和的な金融環境などが経済を下支えするため、緩やかな成長を続けるとみられる。2027年度以降は、原油高のマイナスの影響が減衰し、成長率を緩やかに高めていくと考えられる。⚫ 企業の価格転嫁や政府のガソリン補助金などによって、交易条件悪化による負担増は、企業・家計・政府の間で分散されている。企業部門に蓄積された高水準の収益や、春闘による賃金上昇が期待される中で、わが国経済は、下押し圧力に対してある程度の耐性を有していると考えられる。⚫ 交易条件悪化については、石油・化学産業では中東情勢の影響から輸入価格が大幅に上昇している一方、 I T産業では強いグローバルの需要を背景に円建ての輸出価格が上昇する等、産業別に違いが生じる中、わが国全体の状況をみていく必要がある。⚫ 中東情勢のわが国経済への影響は、原油をはじめとする供給制約の状況とその長さに依存するだけでなく、中東諸国に損害が広がることに伴うその他の資源供給への影響も相当にある。⚫ 石油化学製品の量的制約が生じる可能性もあり、これが経済を

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1 「金融政策決定会合における主な意見」は、①各政策委員および政府出席者が、金融政策決定会合で表明した意見について、発言者自身で一定の文字数以内に要約し、議長である総裁に提出する、②議長はこれを自身の責任において項目ごとに編集する、というプロセスで作成したものである。公表時間5月12日(火)8 時50分 2

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どこまで下押しするのかを見通すことは難しいが、基幹産業への影響もあり得る。(物価)⚫ 消費者物価の基調的な上昇率は、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが維持されるもとで、徐々に高まっていくとみられ、2026年度後半から2027年度にかけて「物価安定の目標」と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移すると考えられる。⚫ 物価の基調に対する中東情勢の影響は、迅速に原油価格が戻ればあまりないが、原油等の供給回復が緩やかとなれば上下双方向となる。事態が長期化すれば、基調的な物価上昇率の上振れのリスクが増すが、本格的なサプライチェーンの混乱を伴うならば下押し圧力の方が大きくなる。⚫ わが国のインフレ予想は適合的に形成される傾向があり、中東情勢を受けた今年度の物価上昇は、基調的な物価上昇率の上振れに繋がり得る。⚫ 燃料費の高騰で国内物流費が更に上昇することは避けられず、これによって基調的な物価上昇率が 2% に届く時期が早まることが考えられる。⚫ 石油危機時の経験上、今次局面の金融財政環境や価格転嫁・賃上げ動向は、物価高騰を抑制した第二次石油危機時と異なり、原油価格上昇を起点とした二次的波及を生じさせやすくなっている。⚫ ホルムズ海峡が商業的に航行可能になるまでには時間を要するため、原油価格がしばらくの間高止まりするシナリオも視野に入れるべきである。

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⚫ 中東情勢の今後の展開次第では、原油価格が想定以上に高止まりした場合に、企業収益や家計の実質所得が大きく下振れることで、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが弱まる可能性がある。もっとも、実際には、原油価格の上昇は、エネルギー価格だけでなく、幅広い価格において、物価を押し上げる上振れリスクの方が大きいと考えられる。⚫ 原油高による経済下押しがあるとしても、その実現には時間を要する。海外のマクロ環境のサポートもあるだけに、時間軸上、

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まずは物価・インフレ予想の上昇が生じる可能性が高い。⚫ 物価の見通しが大きく上方修正される中、中東情勢を巡る不確実性は大きいが、いずれのシナリオも、物価の更なる上振れリスクに繋がる。加えて、供給制約が顕在化する場合には、非常に強い物価上押し圧力になる。⚫ 長年、脱デフレに向け金融財政政策が総動員されてきたもとで、政府の各種施策が制度として定着し、賃上げ・価格転嫁の慣性が働く中で、原油価格上昇により物価が更に上振れるリスクが存在する。Ⅱ.金融政策運営に関する意見⚫ 基調的な物価上昇率が 2% に近づいている中、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当である。⚫ 成長率の見通しは、当面、潜在成長率と同程度になる一方、物価上昇リスクに対応する必要があり得ることなどを踏まえると、金融政策運営の指針に関して、従来の「経済・物価情勢の改善に応じて」という文言は変更することが望ましい。⚫ 中東情勢の影響は見通しがたく、今回は様子見せざるを得ない。⚫ 既往の食料品価格上昇の剥落等もあって、 3月の消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比が引き続き 2% を下回っている中、わが国のインフレ予想もある程度は適合的と考えられることから、政策金利については今回は現状維持で良いと考える。

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⚫ 足もと、インフレ抑制を優先した利上げは、雇用・生産などへの悪影響をもたらす可能性が高いが、他方で、現在は利下げできる環境にもない。中東情勢の帰結が不透明であることを踏まえると、金融政策は現状維持が最善である。⚫ 中東情勢はなお不透明であり、急いで利上げをしなければならないほど切迫した状況ではないが、今後、国内経済への影響がある程度みえてくることを踏まえると、仮に中東情勢の帰趨が不透明な状況が続いたとしても、次回以降の決定会合での利上げの判断は十分にあり得る。⚫ 現在の国内産業では、賃金と物価の強いスパイラルが起こるこ

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とは考えにくく、また、現在の基調的な物価上昇率からすれば今の時点で慌てる必要はないが、景気減速の明らかな兆候がない限り、早期に利上げに進むべきである。⚫ 中東情勢の影響が小さく短期に止まるとはいえない中、原油価格が上昇するもとでも、株価からみたセンチメントは堅調さを保っている。物価上昇に対する企業の価格改定行動は積極化しており、物価の上振れリスクは高い。物価の安定という日本銀行の使命と、国民の暮らしを守り、安心を支える観点から、金融緩和度合いを調整することが適当と考えている。⚫ わが国の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準にあり、物価上昇の二次的波及に備えて、マイナスの実質金利の調整を続ける必要がある。⚫ 経済の下振れリスクや物価の上振れリスクがともに高まることも考えられるが、金融政策運営においては、とくに、物価上昇率が大きく上振れるリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、十分に留意する必要がある。⚫ 経済の下振れリスクの主因は物価上昇であり、まずは、物価の安定に努めて経済の下振れを和らげることが、物価の番人としての日本銀行の使命である。⚫ 潜在成長率が底堅く推移し、わが国経済が緩やかに回復するもとでは、先行き物価上昇に伴い実質金利の低下が生じた場合に、利上げを通じて金利の正常化をより進めていくことが適切だと考えている。

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⚫ 中立金利までまだ距離があり、今後、数か月に一度のペースで利上げを続ける必要がある。更に、物価の上振れリスクが高まる場合には、利上げペースを躊躇なく加速する必要がある。⚫ 今後、原油供給の回復が見通せるようになれば、従来の利上げペースに戻ることが適切である。また、中東情勢の緊迫した状況が長期化すれば、基調物価の上振れを防ぐため、より早く政策金利を中立金利にまで引き上げる必要が生ずる。ただし、本格的なサプライチェーンの混乱となれば、利上げを行わずに緩和的な環境を維持することが望ましい。⚫ 「利上げ前には日本銀行が必ずシグナルを出す」と受け止められているとすれば、それは好ましくなく、コミュニケーションのあり方を工夫していく必要がある。

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5 Ⅲ .政府の意見(財務省)⚫ 中東情勢について、政府としては、関係閣僚の緊密な連携のもと、経済活動への影響を最小限に抑えるべく、全力で対応している。⚫ 日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、中東情勢がわが国経済に与える影響を含め、内外の経済情勢等を十分に注視し、市場とのコミュニケーションを図りつつ、 2% の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を期待する。(内閣府)⚫ 政府は中東情勢を受けて、緊急的激変緩和措置を講じるとともに、原油や重要物資の安定供給の確保や流通の円滑化等に努めており、経済財政運営に万全を期す。⚫ 強い経済成長と安定的な物価上昇の両立に向け、適切な金融政策運営が重要である。日本銀行には、内外の経済情勢等を十分に注視しつつ、日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、 2% の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け、適切な金融政策運営を期待する。 以上