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Bank of JapanSpeechFeb 6, 2013Takehiro Sato, Board Member

【挨拶】「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(群馬県金融経済懇談会)

Original in Japanese

Full text

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日本銀行政策委員会審議委員佐藤健裕わが国の経済・物価情勢と金融政策── 群馬県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──日本銀行2013年2月6日 11.はじめに日本銀行は1月21~22日の金融政策決定会合で金融緩和を思い切って前進させることとし、「物価安定の目標」を新たに導入し、これを消費者物価の前年比上昇率で2%とするとともに、資産買入等の基金について「期限を定めない資産買入れ方式」を導入すること等を決定した。また、政府との政策連携の強化に向けた共同声明を公表することとした(図表1)。既に公表されているように、私は「物価安定の目標」を消費者物価前年比上昇率で2%とすることに反対票を投じた。しかし、金融政策決定会合では多数決により政策を決定することとなっており、前述の決定となっている。したがって、以下では、私は日本銀行が今般決定した2%の「物価安定の目標」達成を念頭に置きながら、今後の日本銀行の金融政策運営のあり方について話を進めてまいりたい。

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2.最近の金融政策運営(「中長期的な物価安定の目途」から「物価安定の目標」へ)日本銀行は「物価の安定」を数値で表現するに当たり、2012年2月に定めた「中長期的な物価安定の目途」(消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域で当面は1%)に代えて、今回新たに「物価安定の目標」を導入し、これを消費者物価の前年比上昇率で2%とした。昨年2月からの文言の変更点は「中長期的な」という修飾語を取ったこと、及び「目途」を「目標」としたことである。これらは柔軟なインフレ目標政策に対する理解がわが国でも浸透してきたという情勢変化を踏まえたものである。すなわち、今日ではインフレ目標政策の導入国でも目標インフレ率に応じて政策を機械的に運営するというスタンスはとられていない(図表2)。これは、近年の多くの信用バブルが、その時点では物価が安定しているとの認識のもとで発生し、バブル崩壊後は経済と物価の大幅な変動に見舞われたという苦い経験に基づく知見である。また、特にリーマン・ショック以降、多くの海外主要

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2国は、金融システムの安定への配慮の重要性を対外的に明確にするなど、金融政策運営の柔軟性確保という視点を強く意識するようになってきている(図表3)。こうした情勢変化を踏まえれば、「中長期的な」という修飾語を敢えて入れる必要はないし、「目途」か「目標」かといった言葉の違いも本質的な問題でなくなってきていると言えるであろう。

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(物価安定の目標を2%とした理由)先般1月22日の対外公表文にあるように日本銀行は日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取り組みの進展に伴い、持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している(図表4)。2%という目標は現状の物価上昇率を前提とすると高く見えるが、日本銀行としては、幅広い主体による競争力と成長力強化の取り組みの成果を確認する前にまず自らが先んじて物価目標を設定することが適当であるとの判断のもと、今回の決定を行った。そもそも現在の家計・企業あるいは市場の予想物価上昇率は過去に長く続いた、諸外国よりも一貫して低い物価上昇率をベースに形成されてきたものである(図表5)。日本銀行は、今後、政府・日本銀行や民間の取り組みにより成長力の強化が進展していくにつれて、現実の物価上昇率が徐々に高まり、そのもとで家計・企業や市場の予想物価上昇率も上昇していくと認識している。さらに、日本銀行が先んじて2%という高い物価目標を設定することで他の幅広い経済主体の期待に働きかけ、競争力・成長力強化に向けた取り組みを促し、家計・企業や市場の予想物価上昇率に影響を及ぼす効果も期待される。

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一方、仮に先行き物価がオーバーシュートして2%を上回るような局面があるとしても、日本銀行が2%という目標を明確にしておくことで、予想インフレ率をアンカーし、持続可能な物価上昇率の安定を図ることに資すると考えられる。

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3ただし、このように消費者物価の前年比上昇率が2%でアンカーされるためには日本銀行の政策運営に対する信認が確保されていることが非常に重要である。1月会合後の記者会見で総裁が言及したように、私は、①消費者物価の上昇率2%は、現状、持続可能な物価の安定と整合的であると判断される物価上昇率を大きく上回ること、②また2%の目標値を掲げる上では、成長力強化に向けた幅広い主体の取組みが進む必要があるが、現に取組みが進む前に2%の目標値を掲げると金融政策の信認を毀損する惧れがあること、から木内委員とともにこの目標の決定に反対した。しかし、冒頭申し述べたとおり、私は日本銀行の決定を履行し、それに責任を負う立場にある。2%の物価安定の目標達成の蓋然性を高め、目標の信認を高めていくことは、先行き私を含めた政策委員に課せられた重要な政策課題である。

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(過去において2%は相当高い物価上昇率であった)では、この2%という数字はどういう数字であろうか。日本経済において、石油ショック以降、2%超の消費者物価上昇を実現した時期はわずかであったし、それらは総じて日本経済が厳しい状況に直面していた時期であった(図表6)。過去 20年余りの例では、消費税要因を除くと、1980年代後半の資産バブルの余熱があった 1990年4月~92年12月とリーマン・ショック直前の2008年7月~9月がそれに当たる。前者はディマンドプル型インフレではあったが、異常な資産価格高騰後のいわば余熱であり、また相前後して起こった資産価格の崩落は金融危機を誘発し、その後の日本経済の長期低迷の一因となった。後者は典型的なコストプッシュ型インフレで、交易条件悪化による購買力の海外流出を伴い、経済厚生は却って低下した。このように、過去20年余りの間にほとんど実現しなかった高いインフレ率を物価の安定と整合的な物価上昇率と定義して目指すことは、日本銀行にとり大きな意識変革を迫るものであり、挑戦でもある。

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4そもそも、日本銀行は2000年代半ばまで物価安定を数値で示してこなかった。例えば、2000年10月、ゼロ金利解除の直後に日本銀行は「『物価の安定』についての考え方」という文書を発表したが1、その中で日本銀行は「『物価の安定』の定義を数値で表すことは適当でない」と結論付けている。日本銀行が物価の安定についての数値表現に踏み込んだのは、2006年3月に「中長期的な物価安定の理解」という形で、各政策委員が中長期的にみて物価が安定していると理解するレンジの和集合として「0~2%」の範囲を示したのが最初である2。その後、こうした数値表現を各委員の考えるレンジの和集合でなく、「中長期的な物価安定の目途」という形で、日本銀行として中長期的に持続可能な物価の安定と整合的と判断する物価上昇率を打ち出したのは、そこから更に約6年を経た2012年2月のことであった3。その間、日本経済は程度の差こそあれ緩やかなデフレが続いていた訳だが、物価安定の数値表現にこれだけ時間を要したのは、名目ゼロ金利制約のもとでインフレ率引き上げへの決定打を欠いたことが大きい。そもそも諸外国におけるインフレ目標政策は、高すぎるインフレ率を目標内に収束させることを目的としていたが、日本では、インフレ目標政策は低すぎるインフレ率を引き上げるための手段と認識されている。

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しかし、緩み切った「紐を押す」ことは困難との比喩にもある通り、デフレ下の金融政策運営はインフレ下のそれよりもはるかに困難である。人口減少や高齢化という経済への逆風が強まるなかで、 2%という物価安定の目標は正直申し上げてかなり野心的である。先行き年間1%弱の労働力人口の持続的な減少が見込まれており、何の手も打たなければ、日本経済は毎年1%弱、GDP が減少し続けることが明白な経済である。こうした状況下で、2%の物価上昇が見込めるところまで需給ギャップを引き上げるためには、これまで以上に成長力強化の取り組みを進め、需要創出を図っていく必要がある。更に、

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1 http://www.boj.or.jp/announcements/release_2000/k001013a.htm/2 http://www.boj.or.jp/announcements/release_2006/mpo0603a.htm/3 http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/k120214b.pdf 5そうした物価上昇を目指すに当たっては、経済のIT化やグローバル化に伴う世界的なフィリップス曲線のフラット化の進行、すなわち需給ギャップの改善に対する物価の反応速度の一段の鈍化という現実を踏まえる必要もある(図表7)。すなわち、目標の実現は先行きますます厳しいチャレンジとなってきているのである。

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(必要なのは賃金の回復)それにしても、日本はなぜ 10数年もの間、デフレから抜け出せないのであろうか。1990年代後半、デフレの初期段階では資産価格の大幅な下落や金融危機による信用収縮、生産性の低い企業の退出が遅れたことによる過剰供給力の温存などが主因であった。もっとも、2000年代半ば以降、金融システム問題を克服した後のデフレは新たなフェーズに入っており、その主因は賃金にあると考えている。財やサービスの価格はそれを生産するための費用の影響を受ける。生産費用が人件費と原材料費からなるとすると、多くの原材料費は国際競争のなかで決まるため、その価格の変動は為替相場の動きを別にすれば、ほぼ世界共通に影響を与えるはずで、日本だけがデフレになる理由にはならない。原因は生産費用を決めるもう一つの要素である賃金にあると考えられる。実際、消費者物価と賃金は密接に相関している(図表8)。そもそも消費者物価の構成品目の約半分はサービスで、サービス価格はサービス業の賃金と概ね連動している(前掲図表8)。サービス業は労働集約的で賃金の動向が価格に反映されやすい。従って、物価安定の目標である2%の消費者物価上昇率を目指すには、とにもかくにも賃金の回復が重要である。もっとも、年間の名目雇用者報酬はリーマン・ショック後に10兆円超減少した後もほとんど回復らしい回復を示していない(図表9)。

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賃金の回復をみるためには、その原資である企業収益を拡大させると同時に、企業が労働分配率を引き下げないことが肝要である。賃金回復のチャンスは2000年代半ばに実際にあった。新興国の需要が火付け役となり、信用バブルも手伝って世界経済が過熱し、製造業中心に企

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6業収益が過去最高益を更新するなか、企業は雇用者への還元を増やすことが期待された。しかし、この時期、企業は内部留保の積み上げを優先し、労働分配率は低下した(前掲図表9)。主要労組も企業の分配政策に異を唱えなかったため、賃金はほとんど上がらなかった。足許はいわゆる企業を取り巻く6重苦4の逆風のなか、主要製造業の一部で競争力が顕著に低下したこともあり、分配を増やそうにも原資が増えない状況にある。

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(米国は雇用者数で調整、日本は賃金で調整)日米におけるこれまでの雇用調整のあり方の違いも、賃金のパフォーマンスに影響しているとみられる。米国では、雇用調整を行う際には、賃金ではなく雇用者数を大胆にカットし、不採算部門からの撤退を比較的迅速に行う。結果的に、名目賃金は景気循環にかかわらず2~4%前後の伸びを保っているし、経済に超過供給力が温存されにくいためデフレになりにくい。横軸に失業率、縦軸に賃金上昇率をとった賃金版フィリップスカーブをみても同様のことが言える(図表 10)。こうした景気後退下で厳しいレイオフを行っても賃金を削減しないという米国流の雇用調整は日本ではなかなか理解されにくいであろう。一方、日本では、労働法制の違いもあって、失業率は相対的に安定しているが、失業率の変化に対する賃金の反応スピードは大きい。すなわち、景気後退下でも解雇による雇用調整は相対的に限定的であり、調整される場合には主に賃金の削減によってなされる傾向にある。結果的に、日本では非効率な部門の整理・再編が遅れ、労働分配率が高止まりし、経済の新陳代謝が進まず、過剰供給力が温存されやすい。このように雇用調整のコストを広く薄く負担しあう構造となっていることが緩やかなデフレからなかなか脱することができない一因となっている可能性がある。

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4 一般的には、円高、高い法人税率、FTAへの対応の遅れ、製造業の派遣禁止などの労働規制、環境規制の強化、電力不足を指す。 7では、日本は景気拡大下で雇用市場が逼迫すれば賃金の伸びも高まりやすいと言えるのであろうか。悲観的かもしれないが、足許では日本企業の競争力が低下し、企業の稼ぐ力そのものが弱っており、必ずしもそうとは言えない可能性がある。先行きの成長見通しが低下した産業や不採算部門を時間をかけて整理していくうちに、企業や産業自体がいつの間にか競争力を失っているかもしれない。企業の価格支配力が弱まり、仕入れ値の上昇を売り値に転嫁できていない状況はこうした競争力の低下を端的に示している可能性が高い(図表11)。いずれにせよ、2%の物価上昇率を目指すには4%程度の賃金の伸びを生みだす経済の基礎体力をまずつけることが肝要である。様々な経済主体による成長力や競争力強化の取り組みへの期待はそれだけ大きい。

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(現実的には何ができるか?)では、2%の物価安定のため、金融政策面からは、どのような貢献ができるだろうか。本来的には経済の活動水準が高まり、需給ギャップが縮小することで賃金とともに一般物価水準が上昇していくのがバランスの取れた物価上昇である。かつ、そうした物価上昇は持続的でなければならない。幅広い経済主体が競争力強化と成長力強化に取り組むことでそうした物価安定を実現するにせよ、政府や日本銀行はこれまでも成長力強化に取り組んできた。しかし、これまでの延長線上の政策で2%という数字はなかなか現実感を持って受け止めにくく、これまでとは次元の異なる相互の取り組みが必要とされている。一般論として、名目ゼロ金利制約下でデフレに陥った経済が刺激され、物価の回復に至る経路として有望と考えられるのは、第一に為替市場を通じた経路、第二に資産市場を通じた経路であろう。前者については、昨年12月の会合で日本銀行は短期国債と中長期国債の買入れ増額を図っているが、これは、現行の付利体系を維持するもとでも金利低下による内外金利差の縮小や逆転を通じて間接的にせよ為替相場への働きかけを

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8強めるものと考えている。また、先の1月会合で導入を決定した期限を設けない買入れ方式は、そうしたスタンスをさらに強めるものと考えている。後者については、日本銀行は 12月会合で貸出支援基金を正式に立ち上げ、銀行の貸出増加を資金供給面から強力に後押しする政策を取っている。この政策は民間銀行による貸出増加への取り組みが前提であり、日本銀行ができることはそうした民間の取り組みを後押しすることである。足許資金需要が低迷し、民間銀行に資金のアベイラビリティ面でのボトルネックが存在しないなかでは、日本銀行が貸出増加を強力にサポートすることへの限界も指摘される。もっとも、かかる銀行貸出が実体経済や資産市場に向かえば資産価格を通じた物価への波及効果が期待できるかもしれない。特に経済に対する前向きのモメンタムが実際に働き始めると、この貸出支援の効果は強まると期待している。また、かかる貸出が借り手の円投により企業や銀行の海外での設備投資や M&A に向かうことになれば、為替円安に向けた動きを間接的に促すことにも繋がる。いずれにせよ、金利などへの働きかけを通じて、為替市場や資産市場へ間接的に働きかけていく観点も重要である。

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(実質ゼロ金利下で間接的に為替レートに働きかけるための方策)2001年3月から 2006年3月までの量的緩和期は先進国中で日本のみがゼロ金利であったため、為替円安を通じて緩和効果が発現しやすかった(図表12)。もっとも、リーマン・ショック以降、足許まで先進国中銀が概ねゼロ金利政策を取るなか、金利差の面から円安効果は発現しにくく、日本銀行の緩和努力は報われにくい面がある。しかし、かかる状況でも金利を通じたパスはわずかでも働きうる。例えば、資産買入等の基金による買入れの結果、付利体系を維持するもとでも、これまで米国よりも金利が高かった短期国債利回り(3か月物)は直近最低値で 0.093%と米国と同程度まで接近してきた。折しも、昨年12月の FOMC(連邦公開市場委員会)において資産買入れの規模の縮小や停止について議論されるなど米国の金融政策に転機の兆しが見え始めたことは日本にと

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9り追い風である。こうしたなか、今後も中長期及び短期国債の買入れを進め、基金を積み上げていくなかで、長短市場金利がどの程度低下するかを我々は注視している。一方、先行きの資産買入等の基金の積み上げは、決して容易なオペレーションではない。すなわち、基金積み上げ等が順調に進捗すれば、足許65兆円台の基金残高は本年末には 100兆円を超える水準に積み上がる(図表 13、14)。こうした規模の資金供給は日本銀行にとって未踏の領域であり、仮に民間銀行が財務戦略上の理由から、あるいはコーポレート・ガバナンスの観点といった非経済的要因からバランスシートの肥大化を避け日本銀行当座預金の積み上げスタンスを消極化すれば、基金の積み上げは円滑に進まなくなるリスクがある。もっとも、基金積み上げの際、金融機関が日本銀行の資産買入れのオファーに応じるかどうかは金利水準次第という面もあるはずである。今後の基金積み上げの過程では、未踏の領域だけにいろいろと想定外のことが起こる可能性はあるが、そこは臨機応変かつ柔軟に情勢変化に対処していくことで確実な基金の積み上げを図りたい。

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(リスク性資産買入れの大幅増額は有望なオプションか?)一方、リスク性資産を大幅に買い増すべきとの意見もある。日本銀行は 2010年10月に導入した包括緩和のもと、社債、CP、さらには政府の認可を得てETF、REITといったリスク性資産を買い入れているが、主要国の中央銀行でこうしたリスク性資産の買入れを自己勘定で行っているのは日本銀行のみである。ただし、日本銀行は資産市場への大規模介入を行うという考え方を取らず、あくまで市場の呼び水となることを念頭に置いている。一方でリスク性資産の買入れを大幅に増やす、すなわち市場に大規模介入すべきとの論調が一部にみられるが、こうした政策は果たして有効なオプションであろうか。私の考えでは、こうしたリスク性資産買入れを一層増やすことについては、日本銀行の自己資本を毀損するリスクがあることから、やや懐疑的である。仮

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10に日本銀行が保有するリスク性資産が値下がりして損失が発生すると、政府への納付金が減少する。自己資本との比較でリスク性資産のボリュームが大きければ、日本銀行が債務超過に陥るリスクも想定される。前者は財政支出増大と同値であるし、そうしたリスクがあるが故に日本銀行は日本銀行法第43条に基づき政府に認可を申請して ETF や REIT の買入れを行っている。後者の場合、日本銀行は債務超過の穴埋めのための増資を政府に仰ぐことにもなるかもしれず、日本銀行や円の信認、あるいは金融政策の独立性に影響し得る大きな問題となり得る。こうした観点から、大幅なリスク性資産買入れ増額の是非は日本銀行のみならず政府全体にも関係する議論である。リスク性資産の買入れが金融政策の独立性に影響することを避けるためには、損失が発生した際の損失負担のあり方について、政府と日本銀行の間で事前にルールを定めておくといった方法もあり得よう。

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(外債購入は有望なオプションか?)私は昨年7月の就任会見で外債購入も一案と発言したが、この実現には様々な留保条件がつく。すなわち、現行の日本銀行法では日本銀行は外国為替の売買にあたっては、専ら政府の代理人として事務のみを請け負うと規定されており(日本銀行法第 40 条)、日本銀行は円相場の安定を目的とする外国為替の売買に関し主体的に意思決定を行うことはできない(図表15)。では、ETFや REITの買入れと同様、日本銀行が日本銀行法第43条の規定に基づき政府の認可を得れば、外債を買い入れることができるであろうか。日本銀行法第40条の規定は、円相場への介入目的とした外国為替の売買を禁じており、第43条をもってしても日本銀行はこうした目的で外債を買い入れることができないと解するのが自然だろう。それでは、金融市場調節の一環としての定時定額の外債購入はどうだろうか?これもその目的が為替相場の操作と看做されれば、同じく第40条の規定に抵触する惧れがあるということだろう。

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11こうした法律上の制約を踏まえた上で、先の総選挙では自民党が官民共同の外債購入ファンドを立ち上げることを公約の一つとした。政府にせよ日本銀行にせよ、仮に外債を買い入れるのであれば経済効果は同じであるので、私としては買い入れの主体が敢えて日本銀行である必然性はないと考えている。ただし、こうした政策は通貨外交上の問題をはらんでいるので、まずは各国通貨当局と緊密に協議してコンセンサスを得る努力が欠かせないであろう。

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(円安だけで物価が上がっても経済厚生は増大しない可能性)私自身は円の対ドルレート 10%の変化による消費者物価指数への影響は数年間の累積でも1%を大きく下回るとみており、現状ゼロ近傍にある消費者物価指数を円安だけで2%程度に引き上げるには、大幅な円安が必要であまり現実的とは思えない。そもそも金利政策でかかる大幅な円安を実現できるかは不確実性があるし、仮に政策的に目指すとしても通貨外交面で問題を惹起する可能性がある。さらに、円安による輸入物価の上昇や交易条件の悪化は購買力の海外流出をもたらす。物価上昇率が見かけ上高まったとしても、GDI (国内総所得)や GNI(国民総所得)が悪化し、国民は「デフレ脱却」を実感できないであろう(図表 16)。結局、為替レートが物価に及ぼす影響は重要だが、為替レートだけで2%という高い物価安定の目標を達成するという考え方はバランスを欠いている。目指すべきはやはり所得の増加とともに生じる物価上昇である。ただし、現在起こっている為替円安による資産市場への刺激効果を過小評価することもまたバランスを欠くであろう。資産市場、とりわけ国内の株式市場は、リーマン・ショック後に名目実効レートで約4割上昇した円の過大評価の影響から海外市場をアンダーパフォームしてきた。

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しかし、足許は円の過大評価が是正される過程で国内株式市場のバリュエーションに見直しが入り、資産市場は久々に活況を呈している。前述のように、資産価格の回復は、企業や家計のリスク耐性を強め、経済の活動水準を引き上げることを通じて、需給ギャ

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12ップの改善、ひいては物価の回復に繋がり得るだけに、私としては金融政策を通じた為替レートへの間接的な働きかけというチャネルを引き続き重視したい。 3.内外の金融経済情勢(世界経済の先行き)IMFによる世界経済見通し(2013年1月時点)によれば、2013年、14年の見通しはそれぞれ 3.5%、4.1%と過去 30年間の平均成長率 3.4%並みかそれをやや上回ることが期待されている(図表 17)。同見通しは欧州債務問題の深刻化や中国経済の減速等を受け、このところ下方修正が続いた。しかし、この間、米国経済が低空飛行ながらも底堅さを保ったこと、また昨年夏場以降は、欧州における各種政策の進展でテールリスクが後退したほか、中国経済の底入れもあり、先行きの世界経済の見通しが大幅に切り下がる状況ではなくなってきた。しかし、IMFの見通しどおり過去 30年の平均をやや上回る4%の成長軌道に復帰するかどうかはなお不確実性がある。細かな問題を挙げればきりがないが、大枠として世界経済は依然、2000年代半ばから後半にかけ過剰に拡大した信用バブルの調整過程にあり、民間及び公的部門のバランスシート調整が経済パフォーマンスを抑制する方向に作用すると見込まれるためである。

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(バランスシート調整は道半ば)主要国の民間債務(名目 GDP 比率)の長期推移をみると、民間債務の拡大と調整は世界的にシンクロナイズしており、大まかに見て10年の周期で拡大とその後の調整というクレジットサイクルを経験している(図表 18-1)。1980年代は一部の例外を除き債務の拡大期、 1990年代はその調整期であったが、2000年代は再び拡大期となった。リーマン・ショック後の金融危機で債務拡大は終わり、足許 2010年代は世界的な民間債務の調整期と言える。しかしながら、米国の家計部門に典型的に示されるように、ストック調整は道半ばである。

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13一方、民間債務と公的債務を合わせた総債務の長期推移をみると、振れ幅が小さくなり、とくに1990年代のカナダを除けば、主要国の総債務にはこれといったデレバレッジング期が見当たらない(図表 18-2)。これは民間がデレバレッジングする時期に、公的債務が拡大していることが影響していると考えられる。公的債務をネットベースとしたうえで総債務の長期推移をみると、①1980年代に多くの国で上昇したこと、② 1990年代は総じて安定期であったこと、③2000年代に入ると、スペイン・米英が先導し、後半以降、日本が追随する格好で増加したこと、が確認できる。また、ネットベースでみると、グロスとは異なり、債務水準についての日本の特異性がなくなる点は興味深い。このように民間債務と公的債務が逆相関して動きやすく、総債務が低下しにくいことは債務と成長率との関係を論じる上で含意を持つ。日米英スペインなどでは、高水準にある総債務を減らせなければ、家計・企業・政府の何れかの債務は、「債務が成長を抑制する」とされる閾値を超えざるを得ない状況にある。世界経済の先行きや政策運営を考えるにあたっては、しばらくの間、高水準にある総債務が世界経済の重石として作用し続ける可能性があるという点を意識しておく必要があるように思われる。

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(緩やかな回復軌道への復帰が期待される日本経済)欧州の景気後退や中国の減速に加え、外需の力不足を内需で補えず、昨年4月以降の日本経済は製造業を中心に弱めの動きとなった。足許も輸出のベクトルは引き続き下向きながら、その角度は昨年7~9月期頃と比べて緩やかになっている。こうした動きは米中の持ち直しを映じた足許のグローバル PMIとも整合的である。輸出の下げ止まりに向けた動きを受け、製造業の生産活動も下げ止まりつつあると認識している(図表 19)。内需に目を転じて個人消費の動向をみると、エコカー補助金受付の終了による需要減の影響は足許減衰しており、冬季賞与の減少等、所得環境が不芳ななかでも底堅さを維持している(図

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14表 20、21)。雇用情勢も製造業は引き続き不芳ながら、製造業の悪化が内需関連部門にスパイラル的に波及していくほどの悪さは見受けられない。こうした中、足許まで全体として弱めの設備投資も、先行きは緩やかな増加基調に転じていくと期待される(図表 22)。生産予測調査にみる生産の先行きは、1~3月期特有の季節調整による押し上げの影響に加え、2月は中国の春節の影響も加わるため実勢が見えにくくなるが、少なくとも一段と水準を切り下げていく展開とはならないであろう。海外経済ではテールリスクの大きかった昨年夏場頃までとは違い、回復の蓋然性の度合いが幾分高まっていることや、国内経済では財政刺激策の効果も見込まれることを勘案すると、目先4~6月期以降の景気は、短期的にせよそれなりの浮揚感が出ると期待している。先行きを手放しで楽観している訳ではないが、景気動向指数から見て、昨年4月以降の景気後退は振り返ってみれば昨年11月が底で、持続期間8カ月のミニ景気後退で済んだと総括できるかもしれない。無論、リスク要因として米国では財政の崖や債務上限の問題を先送りした後もFiscal drag の影響がなお見通しがたいこと、欧州では選挙等、イベントの展開次第で世界的なリスク回避傾向が再び強まるといったことが想定され、テールリスクへの配慮は引き続き怠れない。

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また、前述のように世界的に過剰に積み上がった債務の調整の結果、先行きの世界経済の回復パスは大枠として緩やかなものにとどまるであろう。なお、以上の内外需要の動向を踏まえ、今回の中間評価では、成長率の見通しについて、2012年度は昨年10月の展望レポート時と比べ幾分下振れるものの、2013年度は上振れると予想している(図表23)。物価については、消費者物価総合(除く生鮮食品)の前年比上昇率は足許ゼロ近傍で推移している。先行きについては、もともと食料加工品などの非耐久財のスーパーによる値下げ競争の影響などから弱めに推移していたところに、昨年に大きく上昇していたエネルギー関連や、昨年同時期に一部品目の銘柄変更に伴ってマイナスが縮小していた耐久消費財関連での反動が出ることによるテクニカルな下げが見込まれること、またこれまでの景気下振れによる需給ギ

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15ャップ悪化の影響が先行きラグを伴って現れると見込まれることなどを勘案すると、目先はむしろマイナス幅が拡大することが見込まれる。日本銀行は2%の物価安定の目標を掲げたばかりだが、物価情勢は目先一段と険しいものになるであろう。こうした中にあっても、足許の為替円安や株高など資産市場の変動が実体経済の改善を通じて物価に好影響をもたらすことも期待される。いずれにせよ、金融政策だけでなく、あらゆる政策を総動員することにより、実体経済の前向きな力を育てていくことが肝要であろう。

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4.結語最後に群馬県経済について一言触れて講演を終えたい。県内景気は、海外景気の減速が長引いていることに伴い、持ち直しの動きが一服し、横這い圏内の動きが続いている。もっとも、全国と比べると、輸送用機械が牽引役となって良好な状況にある。先行きは、海外経済が緩やかな回復に転じていくもとで、輸出が増加し、再び緩やかに持ち直していくことが期待される。当地は、地震などの自然災害の少なさ、豊富な水資源、首都圏との良好なアクセス環境など、強固な産業基盤を有している。県や各市町を中心に、こうした強みを生かしたバックアップ拠点としての当地の優位性をアピールする活動も奏功して、ここ数年の工場立地件数および立地面積は全国トップレベルとなっている。また、観光分野にも期待できる。湿原で有名な尾瀬、世界遺産登録を申請している富岡製糸場などの文化財、草津、水上、伊香保、四万を含む温泉地などの観光資源を抱えている。こうした観光資源を活用し、内外からの観光客を引き付けるための取り組みが行われており、こうした取り組みが当地の観光業の発展を更に促すことを期待している。以上 政府・日本銀行の共同声明 平成25年1月22日内閣府財務省日本銀行デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のため、政府・日本銀行は別紙のとおり政策連携を強化し、これを共同して公表するものとする。 (別紙)

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デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)

§35

1.デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、以下のとおり、政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組む。2.日本銀行は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として金融政策を運営するとともに、金融システムの安定確保を図る責務を負っている。その際、物価は短期的には様々な要因から影響を受けることを踏まえ、持続可能な物価の安定の実現を目指している。日本銀行は、今後、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取組の進展に伴い持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している。この認識に立って、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする。日本銀行は、上記の物価安定の目標の下、金融緩和を推進し、これをできるだけ早期に実現することを目指す。その際、日本銀行は、金融政策の効果波及には相応の時間を要することを踏まえ、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないかどうかを確認していく。

§36

3.政府は、我が国経済の再生のため、機動的なマクロ経済政策運営に努めるとともに、日本経済再生本部の下、革新的研究開発への集中投入、イノベーション基盤の強化、大胆な規制・制度改革、税制の活用など思い切った政策を総動員し、経済構造の変革を図るなど、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた取組を具体化し、これを強力に推進する。また、政府は、日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する。4.経済財政諮問会議は、金融政策を含むマクロ経済政策運営の状況、その下での物価安定の目標に照らした物価の現状と今後の見通し、雇用情勢を含む経済・財政状況、経済構造改革の取組状況などについて、定期的に検証を行うものとする。(図表 1)

§37

各国の金融政策運営の枠組み(1) 国名名称・指標数値数値の設定主体期間インフレ・ターゲティング導入国英国Target消費者物価 <CPI>(総合)2% 政府妥当な期間内(中期)カナダTarget消費者物価 <CPI>(総合)2%(1-3%の中心値)政府と中央銀行一般に18-24 か月オーストラリアTarget消費者物価 <CPI>(総合)2-3% 政府と中央銀行中期ニュージーランドTarget 消費者物価 <CPI>(総合)2%近傍(1-3%の中心値)政府と中央銀行中期スウェーデンTarget消費者物価 <CPI>(総合)2% 中央銀行通常 2年インフレ・ターゲティング非導入国米国Longer-run goal個人消費デフレータ<PCE デフレータ>(総合)2% 中央銀行長期ユーロエリアQuantitativeDefinition消費者物価 <HICP>(総合)2%未満かつ2%近傍中央銀行中期スイスDefinition消費者物価<CPI>(総合)2%未満中央銀行中長期(図表2-1) 各国の金融政策運営の枠組み(2)

§38

国名改訂頻度未達時の対応義務等留意事項(数値の柔軟性)インフレ・ターゲティング導入国英国毎年(少なくとも 12 か月に1回)CPI 前年比が上下1%以上目標から乖離した場合、BOE 総裁は、乖離の理由等を示した公開書簡を財務大臣宛に送付。インフレ率が目標から乖離することも想定カナダ 5年ごとなし状況に応じて達成期間が変動し得る事を許容オーストラリア総裁の任命(再任)時、および首相交代の前後に締結なし景気循環を通じて平均的に達成。一時的な乖離を許容ニュージーランド総裁就任・再任時に財務大臣と総裁の合意に盛り込まれる。・目標から乖離した場合、もしくは乖離が予測される場合、その理由及び目標に回帰させる手続きについて声明文で説明。・政策目標達成に向けた総裁の働きが不適切な場合、総裁は、財務大臣の助言により解任され得る。国際商品市況の例外的変動、間接税の変化等による乖離を許容スウェーデン不定なし一時的な乖離を許容インフレ・ターゲティング非導入国米国毎年1月に再確認される予定なし物価と雇用の両方を考慮ユーロエリア不定なし単一指標に依拠せずに、幅広い指標を利用スイス不定なし原油価格や為替相場の変動等による一時的な乖離を許容(図表2-2)

§39

(図表 3)金融システム面への配慮など柔軟性確保に向けた金融政策の枠組み見直し[米国連邦準備制度]「物価上昇率、雇用、そして長期金利は、経済や金融情勢の動きに応じて、変動する。さらに、金融政策が経済活動や物価に影響を及ぼすのに時間がかかる(ラグがある)。したがって、FOMCの政策は、FOMCの長期的目標、中期的な見通しおよびFOMCの目標実現の妨げとなり得る金融システムのリスクを含むリスクバランスにかかる評価を踏まえて決定される」(「長期目標と政策ストラテジー」、2012年1月25日)[オーストラリア準備銀行]「この声明は、金融システムの安定に関してオーストラリア準備銀行が担ってきた責任に関する共通理解についても書き記している。(中略)物価の安定という目標を損なわない範囲で、オーストラリア準備銀行は、金融システム安定を促進するための適切な措置を講じる」(「金融政策運営にかかる声明」、2010年9月30日)

§40

[カナダ銀行]「直近のインフレ目標の取り決めの見直しにおいて、カナダ銀行は、インフレ目標を達成するまでの期間について、ある程度の柔軟性が必要かもしれないと認識した。これは、金融システムの不均衡が経済や物価に影響を及ぼすのに長期間を要することがあり得るためである。この柔軟性は、政策期間中の物価上昇率の達成率を犠牲にするかもしれないが、より長い目でみた金融、経済、そして最終的には物価の安定をもたらすと考えられる」(「インフレ・ターゲティングのレビューに関する背景説明」、2011年11月9日) [ニュージーランド準備銀行]「政策目標に関する合意において、ニュージーランド準備銀行が点検する様々な指標に資産価格に関するものも含むこととし、金融政策の遂行に当たり、金融システムの健全性と効率性も考慮することを通じて、金融システムの安定性により強く焦点を当てることを含めた。English 財務大臣は、『現在の政策目標に関する合意は、うまく機能しており、連続性を維持する便益もあると考えられる。したがって、大きな変更は不要である。しかし、国際金融危機は、金融政策の枠組みに注目を集めさせており、政策目標に関する合意が、引き続き国際的なベストプラクティスを反映したものとなることを確保したいと考えた。』と述べた」(「本日の政策目標に関する合意」に関する対外公表文、2012年9月20日)

§41

金融緩和の思い切った前進(2013年1月22日決定) 日本銀行は、今後、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取組の進展に伴い持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している。この認識に立って、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする。日本銀行は、上記の物価安定の目標の下、金融緩和を推進し、これをできるだけ早期に実現することを目指す。その際、日本銀行は、金融政策の効果波及には相応の時間を要することを踏まえ、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないかどうかを確認していく。  「物価安定の目標」の実現を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置を、それぞれ必要と判断される時点まで継続することを通じて、強力に金融緩和を推進 資産買入等の基金の運営について、現行方式での買入れが完了した後、2014年初から、期限を定めず毎月一定額の資産を買入れる方式を導入 当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13 兆円程度の金融資産の買入れを行う。これにより、基金の残高は 2014年中に 10 兆円程度増加する見込み

§42

(政府・日本銀行の共同声明)1.「物価安定の目標」の導入2.「期限を定めない買入れ方式」の導入政府・日本銀行は、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」を公表(図表 4) (図表 5)先進国の物価上昇率(1)1985~1995年 (2)1996~2011年 (3)1985~2011年 (注 1)消費者物価指数(総合)を用いている。(注 2)ドイツの計数は、1990年までは旧西ドイツの値。(注 3)各年の前年比変化率の単純平均値。(資料)OECD1.43.52.54.42.95.73.40123456日本米国ドイツ英国フランスイタリアカナダ(年平均変化率、%)G7平均:3.3%-0.12.51.52.11.62.32.0-10123日本米国ドイツ英国フランスイタリアカナダ(年平均変化率、%)G7平均:1.9%0.52.91.93.02.13.72.601234日本米国ドイツ英国フランスイタリアカナダ(年平均変化率、%)G7平均:2.5% (図表 6)消費者物価の推移 (注)消費税調整済。(資料)総務省‐3.0‐2.0‐1.00.01.02.03.04.0909294969800020406081012CPI総合(除く生鮮食品)年(前年比、%) (図表 7)需給ギャップとインフレ率の推移

§43

(注1)消費者物価指数の前年比は、消費税調整済み。(注2)需給ギャップは日本銀行調査統計局の試算値。具体的な計測方法については、日銀レビュー「GDPギャップと潜在成長率の新推計」(2006年5月)を参照。(注3)需給ギャップのラグは全期間で消費者物価との時差相関が最も高くなる時点を選択。(資料)総務省、内閣府等 1983/1Q-2012/4Qy = 0.35x + 0.71983/1Q-1999/4Qy = 0.24x + 1.32000/1Q-2012/4Qy = 0.12x - 0.4-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.5-9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -10123456781983/1Q~1999/4Q2000/1Q~2012/4Q消費者物価指数(総合<除く食料・エネルギー>、前年比、%)需給ギャップ<4四半期先行>(%) (図表 8)物価と賃金の推移(1)物価と賃金 (資料)総務省、厚生労働省 (2)サービス価格とサービス業の賃金

§44

(注1)サービス業(除く建設)の賃金は、非製造業(5人以上)の定期給与を総実労働時間で除して時間当たり賃金に換算したもの。サービス業(除く建設)は、調査産業計から製造業、鉱業,採石業等、建設業を除いたもの。(注2)CPI サービスは、サービス全体から家賃および公共サービスを除いたもの。(資料)総務省、厚生労働省‐3.0‐2.0‐1.00.01.02.03.0010203040506070809101112サービス業除く建設CPIサービス(家賃及び公共サービスを除く)(前年比、%)年02040608010012070年7580859095000510CPI総合現金給与総額(30人以上)(2005年 =100) (図表 9)雇用者報酬と労働分配率(1)名目雇用者報酬 (注)GDPベース。年換算。(資料)内閣府 (2)労働分配率 (注)労働分配率=雇用者報酬÷国民所得(資料)内閣府24024525025526004年度 0506070809101112(季調済、兆円)5860626466687072747680年度 8590950005102000年基準2005年基準(%) (図表10)日米のフィリップス曲線(1)賃金上昇率と失業率 (2)インフレ率と失業率

§45

(注1)期間は 1985/1Q~2012/3Q。(注2)賃金は時間当たり賃金。日本は「現金給与総額÷総実労働時間(事業所規模 30 人以上)」、米国は“Average hourly earnings of production and nonsupervisory employees: total private”。(注3)インフレ率は、日本はCPI(総合除く生鮮食品)、米国は“PCE excluding food and energy”。(注4)日本のCPIは消費税の導入(1989年、3%)と引上げ(1997年、3%→5%)の影響を調整している。(資料)厚生労働省、総務省、BEA、BLS-6-4-202468024681012日本失業率(%)米国賃金上昇率(前年比、%)-3-2-1012345024681012日本失業率(%)米国インフレ率(前年比、%) (図表11)企業の価格支配力(1)小売業(全規模) (2)サービス業(全規模)

§46

(注)2010年以降のサービス業は、対事業所サービス、対個人サービスを有効回答社数を用いて加重平均した値。(資料)日本銀行-40-30-20-100102030405085年87899193959799010305070911販売価格判断D.I.仕入価格判断D.I.(「上昇」―「下落」、%ポイント)-40-30-20-100102030405085年87899193959799010305070911販売価格判断D.I.仕入価格判断D.I.(「上昇」―「下落」、%ポイント) (図表12)日米金利差(1)日米の短期国債金利の推移(3か月物) (2)日米の短期国債金利差の推移(3か月物) (注)金利差=米国短期国債金利(3か月物)-日本短期国債金利(3か月物)(資料)Bloomberg‐10123456798年9900010203040506070809101112金利差(%)‐10123456798年9900010203040506070809101112日本米国(%) (図表13)「資産買入等の基金」の運営(1)「資産等買入の基金」の積み上げ実績と予定 (2)「資産買入等の基金」の内訳

§47

導入時直近残高(1月20日時点)13年末 2014年初以降総額 35兆円程度65.3兆円101兆円程度期限を定めない資産買入れ方式(毎月、長期国債2兆円程度を含む 13 兆円程度)資産の買入れ 5.040.276.0 長期国債(注) 1.524.644.0国庫短期証券 2.09.424.5CP等 0.51.82.2社債等 0.52.93.2指数連動型上場投資信託 0.451.52.1不動産投資信託 0.050.110.13固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション30.025.025.00102030405060708090100110120基金の積み上げ(実績)基金の積み上げ(予定)(兆円)2010年2011年2012年2013年2014年当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13兆円程度の買入れを行う物価安定の目標の実現を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置を、それぞれ必要と判断される時点まで継続する(注)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。 (図表14)日本銀行当預の推移と資産買入等基金等の積み上げ状況(1)日本銀行当預残高の推移の比較:量的緩和期と包括緩和期 (2)資産買入等の基金等の積み上げ状況

§48

(注 1)資産買入等の基金には、基金創設以前の固定金利方式での共通担保資金供給オペを含む。(注2)企業金融支援特別オペ等には、CP 等買入オペ(ABS 等買入オペを含む)、社債買入オペ、CP等買現先オペを含む。(注3)共通担保資金供給オペ(固定金利方式のものは除く)には、手形買入オペ、社債等担保手形買入オペを含む。(注4)国債買現先オペには、長期国債借入(レポ)オペを含む。(注5)その他には、引受国庫短期証券を含む。(資料)日本銀行0510152025303540455001/3月691202/3月691203/3月691204/3月6912その他信託外銀地域銀行都銀計(参考)計(量的緩和期)(兆円)10/10月11/1月4 7 10 12/1月4 7 10 13/1月02040608010012014016018020000010203040506070809101112その他長期国債買入買入国庫短期証券共通担保資金供給オペ国債買現先オペ企業金融支援特別オペ等資産買入等の基金(兆円)年 (図表15)外債購入の論点

§49

(1)日本銀行法第 40 条(抜粋)第四十条日本銀行は、必要に応じ自ら、又は第三十六条第一項の規定により国の事務の取扱いをする者として、外国為替の売買を行うほか、我が国の中央銀行としての外国中央銀行等又は国際機関との協力を図るため、これらの者による外国為替の売買の事務の取扱いをする者として、外国為替の売買を行うことができる。2日本銀行は、その行う外国為替の売買であって本邦通貨の外国為替相場の安定を目的とするものについては、第三十六条第一項の規定により国の事務の取扱いをする者として行うものとする。 (2)日本銀行法第 43 条(抜粋)第四十三条日本銀行は、この法律の規定により日本銀行の業務とされた業務以外の業務を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない。 (図表16)実質GDPと実質GDI (注)実質GDI=実質GDP+交易利得(資料)内閣府 ‐5‐4‐3‐2‐1012338040042044046048050052054094年959697989900010203040506070809101112実質GDP(左目盛)実質GDI(左目盛)交易利得/実質GDP(右目盛)(兆円)(対実質GDP比、%)

§50

2013年2014年(見通し)(見通し)3.54.1(-0.1) (-0.1)1.42.2(-0.2) (-0.1)2.03.0(-0.1) (0.1)-0.21.0(-0.3) (-0.1)1.20.7(0.0) (-0.4)5.55.9(-0.1) (0.0)7.17.5(-0.1) (0.0)8.28.5(0.0) (0.0)3.54.0(-0.4) (-0.2)(実質GDP成長率、%、%ポイント)中国ブラジル世界2.7先進国ユーロエリア米国日本新興国・途上国アジア6.38.09.31.81.4-0.62011年3.91.65.16.67.81.03.22012年1.32.32.0-0.4(図表17)海外経済(1)世界経済の実質成長率 (2)IMF予測(2013年1月時点) (注1)IMF 公表の GDP ウェイト(購買力平価基準)を用いて算出。(注2)括弧内は 2012年10月時点からの変化。(資料)IMF‐3.0‐2.0‐1.00.01.02.03.04.05.06.08183858789919395979901030507091113新興国・途上国先進国世界年(前年比寄与度、%)IMF予測平均成長率(1980年~2011年):+3.4% (図表18-1)民間債務残高

§51

(注 1)民間部門は、家計+非金融法人企業。何れも、資金循環統計ベース。(注 2)債務(debt)は、借入と金融市場からの調達(社債、CP など)の合計。(注 3)日本については、家計と民間非金融法人企業の合計。また、非金融機関貸出は含まない。(注 4)スウェーデンについては、非金融法人企業部門間の貸出を含まない。(資料)BEA、FRB、日本銀行、ONS、Bundesbank、EC、Eurostat、Statistics Canada、SCB、OECD、IMF 0501001502002504550556065707580859095000510米国日本英国ドイツカナダスペインスウェーデン(対名目GDP比率、%)年 (図表18-2)総債務残高(1)総債務残高(民間+公的、対名目 GDP 比率) (2)総債務残高(民間+公的<ネットベース>、対名目 GDP 比率)

§52

(注)公的債務残高のグロスは各国統計ベース、ネットは OECD ベース。総債務残高は、各国統計ベースの民間債務と公的債務(グロスおよびネット)の合計。(出所)BEA、FRB、日本銀行、ONS、Bundesbank、EC、Eurostat、Statistics Canada、SCB、OECD、IMF0501001502002503003504004504550556065707580859095000510米国日本英国ドイツカナダスペインスウェーデン(対名目GDP比率、%)年0501001502002503004550556065707580859095000510(対名目GDP比率、%)年 6570758085909510010511011504年050607080910111213鉱工業生産鉱工業生産(調整ベース)予測指数(季調済、2005年=100)(図表19)輸出入と鉱工業生産(1)実質輸出入 (注1)各計数は、X-12-ARIMA による季節調整値。(注2)の実質輸出(入)は、通関輸出(入)金額を輸出(入)物価指数で各々デフレートし、指数化したもの。なお、2012/5月以降は、 2005年基準企業物価指数ベースのデフレーターを、 2010年基準企業物価指数の前月比を用いて延長したものを使用している。(資料)財務省、日本銀行 (2)鉱工業生産

§53

(注)鉱工業生産(調整ベース)は、リーマン・ショック後の大幅な経済変動を異常値として、検出・処理するといった調整を行った季節調整値(日本銀行調査統計局による試算値)。(資料)経済産業省0100200300400500600700708090100110120130140040506070809101112実質貿易収支(右目盛)実質輸出(左目盛)実質輸入(左目盛)(季調済、2005年=100)年(季調済、2005年=100) (図表20)所定外労働時間と賞与調査(1)所定外労働時間 (注)毎月勤労統計の計数は、事業所規模5人以上。(資料)厚生労働省。 (2)賞与調査

§54

(注1)毎月勤労統計は、賞与支給月の特別給与の合計の前年比(夏季:6~8月、冬季:11~翌 1月)。(注2)毎月勤労統計の計数は、事業所規模5人以上。2012年度の冬季賞与は 2012/11~12月の前年同期比。(注3)日本経済団体連合会の調査対象は主要 21 業種、大手 247 社。2012年度冬季賞与は、12月26日時点の最終集計。(注4)日本経済新聞社の調査対象は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で、合計 3,759 社。2012年度冬季賞与は、12月3日時点の最終集計。(注5)労務行政研究所の調査対象は、東証1部上場企業のうち、労働組合が主要な単産に加盟している企業。単純平均による集計値。2012年度冬季賞与の集計日は、9月12日時点。(資料)厚生労働省、日本経済団体連合会、日本経済新聞社、労務行政研究所6070809010011012013004年0506070809101112調査産業計製造業(季調済、2010年=100)-2.95-3.08-2.8-1.1-20-15-10-5051091929394959697989900010203040506070809101112日本経済団体連合会日本経済新聞社毎月勤労統計・特別給与労務行政研究所(前年比、%)年 (図表21)個人消費(1)家計調査・家計消費状況調査・商業販売統計(実質)

§55

(2)耐久消費財(2)耐久消費財

§56

(注1)支出総額、小売業販売額、家電販売額及び新車登録台数は X-12-ARIMA による季節調整値。(注2)消費水準指数は、二人以上の世帯(世帯人員及び世帯主の年齢分布調整済)ベース。(注3)支出総額は二人以上の世帯ベース。CPI「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化。(注4)小売業販売額は、CPI(「財」から「電気・都市ガス・水道」を除いたもの)で実質化。家電販売額は、商業販売統計の機械器具小売業販売額指数を、各種家電関連商品のCPIを幾何平均して算出したデフレーターで実質化。(注5) 2012/4Q の支出総額は 10~11月の値。

§57

(資料)総務省、経済産業省、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会1030507090110130150170506070809010011012013014015004050607080910111213(季調済、2010年=100)(季調済、2010年=100)年新車登録台数(乗用車<除く軽>、左目盛)新車登録台数(乗用車<含む軽>、左目盛)家電販売額(実質・商業販売統計、右目盛)9598101104107110889092949698100102104106108040506070809101112小売業販売額(商業販売統計、右目盛)消費水準指数(家計調査<除く住居等>、左目盛)支出総額(家計消費状況調査、左目盛)(季調済、2010年=100)(季調済、2010年=100)消費水準指数(家計調査、左目盛)年

§58

(図表22)機械投資 (注1)資本財総供給は、国内向けの国産品と輸入品を合わせたもの。(注2)実質機械受注(民需除く船舶・電力)の実質化には CGPI「国内品・資本財」を使用。機械受注の 2004年度以前は、内閣府による参考系列。(注3)資本財総供給の 2012/4Q は、10~11月の計数。実質機械受注の 2012/4Q は、10~11月の計数を四半期換算。 (資料)内閣府、経済産業省、日本銀行1.61.82.02.22.42.62.83.03.26070809010011012004年0506070809101112資本財総供給(左目盛)資本財総供給(除く輸送機械、左目盛)実質機械受注(民需除く船舶・電力、右目盛)(季調済、兆円)(季調済、2005年=100)

§59

展望レポート中間評価(2013年1月)の経済・物価見通し中心的な見通し【景気】当面横ばい圏内となったあと、国内需要が各種経済対策の効果もあって底堅く推移し、海外経済が減速した状態から次第に脱していくにつれて、緩やかな回復経路に復していく。【物価】消費者物価の前年比は、当面、前年の反動からマイナスとなったあと、再びゼロ%近傍で推移。その後は、マクロ的な需給バランスの改善を反映して、徐々に緩やかな上昇に転じていく。 10月の「展望レポート」と比べると、成長率については、2012年度は幾分下振れるものの、2013年度は各種経済対策の効果などから上振れ、2014年度は概ね見通しに沿って推移。消費者物価は、概ね見通しに沿って推移。

§60

▽ 政策委員見通しの中央値(対前年度比、%)実質GDP 国内企業物価指数消費者物価指数(除く生鮮食品)2013年度+2.3 +0.8 +0.4(10月の見通し)(+1.6)(+0.5)(+0.4)2014年度+0.8 +4.1 +2.9(10月の見通し)(+0.6)(+4.2)(+2.8)消費税引き上げの影響を除くベース+1.2 +0.9(10月の見通し)(+1.3)(+0.8)見通しの上振れ・下振れ要因【景気】 ① 国際金融資本市場と海外経済の動向(欧州債務問題の今後の展開や米国経済の回復力、新興国・資源国経済の持続的成長経路への円滑な移行の可能性、日中関係の影響など)② 企業や家計の中長期的な成長期待③ 消費税率引き上げの影響④ わが国の財政の持続可能性を巡る様々な問題【物価】① マクロ的な需給バランスに対する物価の感応度② 企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の動向③ 輸入物価の動向(図表23-1)

§61

展望レポート中間評価(2013年1月)の経済・物価見通し分布

§62

(1)実質GDP(2)消費者物価指数(除く生鮮食品)(注1)上記の見通し分布は、各政策委員の示した確率分布の集計値(リスク・バランス・チャート)について、①上位10%と下位10%を控除したうえで、②下記の分類に従って色分けしたもの。なお、リスク・バランス・チャートの作成手順については、2008年4月の「経済・物価情勢の展望」BOXを参照。(注2)棒グラフ内の○は政策委員の見通しの中央値を表す。また、縦線は政策委員の大勢見通しを表す。(注3)消費者物価指数(除く生鮮食品)は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベース。

§63

-1.8-1.6-1.4-1.2-1.0-0.8-0.6-0.4-0.20.00.20.40.60.81.01.21.4-1.8-1.6-1.4-1.2-1.0-0.8-0.6-0.4-0.20.00.20.40.60.81.01.21.4200620072008200920102011201220132014(前年比、%)年度実績値(前年比、%)-4.0-3.5-3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.0-4.0-3.5-3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.0200620072008200920102011201220132014(前年比、%)年度実績値(前年比、%)上位40%~下位40% 上位30%~40%下位30%~40%上位20%~30%下位20%~30%上位10%~20%下位10%~20%(図表23-2)