【挨拶】「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(高知県金融経済懇談会)
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日本銀行政策委員会審議委員中川順子わが国の経済・物価情勢と金融政策 ── 高知県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──日本銀行2023年9月7日 11.はじめに日本銀行の中川です。本日は、高知県の行政および金融・経済界を代表される皆様との懇談の機会を賜りまして、誠にありがとうございます。皆様には日頃より、高知支店の円滑な業務運営に多大なご協力を頂いておりますこと、この場をお借りして御礼申し上げます。本日は、最初に私から、経済・物価の現状と先行き、日本銀行の金融政策運営などについてご説明させて頂き、その後、皆様から当地の実情に即したお話や、日本銀行の政策・業務運営に対するご意見をお伺いできればと存じます。
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2.経済・物価の現状(1)海外経済の現状はじめに海外経済の現状についてお話しします。海外経済は、コロナ禍後の急回復から回復ペースが鈍化しています。7月に公表された国際通貨基金(IMF)による世界の経済成長率見通しは、2022年の+3.5%から、2023年、2024年はそれぞれ+3.0%と成長ペースが鈍化することが予測されています(図表1)。企業の景況感は、サービス業は経済活動再開の動きが継続していることから改善していますが、製造業は改善・悪化の分岐点近傍での動きとなっています。主要地域別の状況を確認します。米国は、金融引き締めが不動産・住宅市場などに影響を及ぼしていますが、個人消費や雇用環境は今までのところ底堅く推移しています。欧州は、エネルギー供給懸念は緩和しているものの、ウクライナ情勢の影響が続くもとインフレ圧力は高く、緩やかに減速しています。中国は、不動産市場や外需関連に弱さがみられているほか、個人消費の回復は弱く、持ち直しのペースは鈍化しています。
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2(2)国内経済の現状続いて、国内経済の現状についてご説明します。わが国経済は、海外経済の回復ペースの鈍化の影響を受けつつも、感染症の影響で抑制されていた需要が回復しつつあり、設備投資や個人消費が緩やかに増加しています。また、春季労使交渉の結果を受けた所得環境の改善も、家計のマインド改善などを通じて、こうした景気回復を支えています。以下では、企業部門と家計部門に分けて説明します。(企業部門)まず、企業部門から確認します。企業収益は、非製造業を中心に、経済活動の回復や販売価格の引き上げが寄与し、趨勢として増益傾向にあります(図表2)。こうしたもとで、企業の景況感は、全体として緩やかに改善しています。7月に公表した日銀短観の結果をみると、非製造業の景況感がはっきり改善しました。感染症の影響緩和や価格転嫁の進展から、個人消費関連――特に飲食・宿泊サービス――で改善が明確です。一方、製造業の業況感は、コロナ禍以降の持ち直しの動きの後、足元は横ばい圏内で推移しています。海外経済の回復ペースの鈍化やIT関連財の調整圧力が引き続き下押し圧力として作用しています。設備投資は、デジタル化・省力化を企図した投資に牽引され、緩やかに増加しています(図表3)。建設投資も、インターネット通販の拡大を背景とした物流施設のほか、都市再開発案件を中心に、緩やかに増加しています。
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今年度の設備投資計画は、2022年度に続き、製造業・非製造業ともに高めの伸びが継続する見込みです。最近では、半導体関連などの大型投資のニュースが聞かれますが、こうした海外からの投資にも前向きな声が聞かれるようになってきているのも印象的です。鉱工業生産と輸出は、海外経済の回復ペース鈍化の影響を受けつつも、供給制約の緩和が進み、横ばい圏内で推移しています(図表4)。輸出について、
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3地域別にみると、先進国向けは、供給制約の影響が和らぐもとで自動車関連を中心に増加基調にあります(図表5)。中国向けは、下げ止まっているものの、引き続き低水準となっています。NIEs・ASEAN向けは、グローバルでのIT関連財の調整圧力を受けて、弱めの動きが続いています。財別にみますと、自動車関連の輸出は、車載向け半導体の供給制約の緩和が進み、はっきりと増加しています。資本財は、半導体メーカーの設備投資先送りを受けた半導体製造装置の減少から、ひと頃に比べ低水準となっています。情報関連は、自動車向けは堅調であるものの、スマートフォンやパソコン向けを中心に弱めの動きとなっており、中間財も、グローバルでのIT関連財の調整圧力の影響を受けています。(家計部門)次に、家計部門について、個人消費と雇用・所得環境の観点を中心にお話します。個人消費は、物価上昇により購入量を減らすといった動きがみられていますが、新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが見直された後のいわゆる「ペントアップ需要」や春季労使交渉の結果を受けたマインドの改善に支えられ、実質ベースでみても、着実な増加が続いています(図表6)。これを、財とサービスに分けてみますと、財のうち耐久財消費は、車載向け半導体の供給制約の緩和から新車販売が増加しているため、持ち直しつつあります。
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非耐久財消費は、飲食料品や衣料品における物価高の影響から、弱めの動きとなっています。サービス消費は、感染症の影響緩和、ペントアップ需要により、緩やかに増加しています。例えば、外食は、価格上昇が続いているもとでも、回復が遅れていた居酒屋を含めた幅広い業態で客数が増加しています。国内旅行は、感染症下で低水準となっていた遠距離旅行も回復してきており、全国旅行支援の効果が徐々に薄まるなかにおいても堅調といえます。海外旅行は、なお低水準ですが、緩やかな回復を続けています。雇用・所得環境は、緩やかに改善しています。就業者数は、正規雇用は人
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4手不足感の強い医療・福祉や情報通信、非正規雇用は対面型サービスを中心に、緩やかに増加しています。1人当たりの名目賃金も緩やかに増加しています(図表7)。所定内給与は、一般労働者において 1993年以来の高い賃金改定率となった春季労使交渉の結果が反映され始めていること、パート労働者において労働需給が引き締まるもとで時間当たり給与が伸びを高めていることから増加しています。特別給与は、企業業績の改善による賞与の増額により増加しています。以上の結果、雇用者数と1人当たり名目賃金を掛け合わせた雇用者全体の所得も増加しています。企業の賃金設定に関する経営者の声を伺うと、これまでは「賃上げする余力がない」という声が多数でした。最近になって「人材確保には賃上げが必要」との声も聞かれ始めており、労働市場の逼迫感が強まりつつある中、企業の賃金設定スタンスは変化しつつあるとみています。
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(3)国内物価の現状続いて、国内の物価情勢についてです。以下では、企業物価と消費者物価についてお話しします。(企業物価)企業物価について、輸入物価指数は、原油価格などがひと頃に比べ低めの水準で推移していることから、足元では前年対比でマイナス転化しています(図表8)。こうしたもとで、企業間取引を調査している国内企業物価指数の前年比は、既往の原材料高の影響が徐々に和らぎ、 7月は+3.6%までプラス幅が縮小しています。もっとも、既往のコスト上昇を価格転嫁する動きが、機械類や飲食料品など川下製品中心に続いているため前年比プラスの状況が続いています。企業向けサービス価格指数の前年比は、インバウンドを含む旅行需要の回復、人件費・物件費の上昇などを背景に、宿泊サービス、旅客輸送、設備投資関連などでプラス幅が拡大しており、全体でも緩やかな上昇
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5が続いています。(消費者物価)消費者物価指数の前年比は、政府の経済対策による電気代やガス代の押し下げによりひと頃に比べればプラス幅が縮小しているものの、既往の原材料コスト上昇を転嫁する動きが継続しており、7月は生鮮食品を除くベースで+3.1%と高めの伸びが続いています(図表9)。原材料価格が大きく上昇し、競合他社や幅広い業種で値上げが行われる中、企業の価格設定スタンスに変化がみられ始めているといえます。生鮮食品・エネルギーを除いたベースでみると、財は食料品や日用品など幅広い品目、サービスは宿泊料を中心にプラス幅を拡大しています。
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3.経済・物価の先行き見通しとリスク(1)経済・物価の先行き見通し続いて、国内の経済・物価の先行き見通しについてお話しします。国内経済は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、当面は、緩やかな回復を続けると考えています。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、国内経済は潜在成長率を上回る成長を続けるとみています。7月の金融政策決定会合で決定した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)でみますと、実質GDP成長率の見通しは、政策委員の中央値で 2023年度は+1.3%、2024年度は+1.2%、2025年度は+1.0%となっています(図表10)。消費者物価は、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰していくことから、今後、前年対比ではその伸び率は縮小すると考えられます。その後は、経済回復に伴うマクロ的な需給ギャップの改善に加えて、予 6想物価上昇率や賃金上昇率が高まることによって、緩やかな物価上昇に繋がっていくのがメインシナリオです。こうしたもとで、生鮮食品を除いたベースの消費者物価の見通しは、政策委員の中央値で、 2023年度は+2.5%、 2024年度は+1.9%、2025年度は+1.6%となっています(前掲図表10)。
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(2)経済・物価見通しにおけるリスクこうした経済・物価の先行きの見通しについては、様々な不確実性が存在します。以下では、経済見通しにおけるリスクを3点、物価見通しにおけるリスクを1点お話しします。(経済見通しにおけるリスク)経済見通しにおけるリスクの1点目は、海外の経済・物価情勢と国際金融資本市場の動向です。海外の物価上昇率は、ひと頃に比べれば低下していますが、依然として世界的にインフレ圧力が続いています。昨年以降、各国の中央銀行は強いインフレ圧力に対処するため、急速なペースで利上げを実施してきました。この効果もあって、グローバルなインフレ圧力は緩和傾向にあります。メインシナリオは、この利上げの効果もあってインフレ率が落ち着くもと、海外経済は緩やかに安定成長に移るというものです。しかし、先進国を中心に賃金上昇を介してサービス価格が高い伸びを続け、インフレ率が高止まりするリスクや、金融環境が一段と引き締まるリスクが残っており、海外経済が下振れることがないか、注視していく必要があります。2点目は、地政学的リスクと資源・穀物価格の動向です。資源・穀物価格は、昨年半ば頃をピークに総じて下落してきていますが、先行き、ウクライナ情勢含む様々な地政学的な要因次第では、経済活動へ下押しの影響が強まると考えられます。3点目は、企業・家計の中長期的な成長期待です。感染症の経験や人手不
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7足を背景としたデジタル化の進展、あるいは労働市場の改革の動きは、わが国の潜在的な成長力にプラスの影響を及ぼすと考えられます。他方、企業では、地政学的リスクに対する意識の高まりや、コロナ禍での供給制約の経験などを踏まえて、サプライチェーン戦略を見直す動きもみられており、これまで世界経済の成長を支えてきたグローバル化の流れに変化が生じつつあります。これらの構造的な変化が進めば、中長期的な成長期待や潜在成長力に対して上下双方向の影響を与えることになります。(物価見通しにおけるリスク)次に物価見通しにおけるリスクです。今後の企業の価格・賃金設定行動が挙げられます。長年にわたり価格改定を行ってこなかった企業にも、急激な原材料価格の上昇を受けて、販売価格を引き上げる動きが広がっています(図表 11)。こうしたもとで、家計・企業・市場参加者といった各経済主体の中長期的な予想物価上昇率も上昇しています。現実の物価上昇と予想物価上昇率の上昇が相乗効果を持ちながら進むという動きが強まれば、想定以上の物価上昇に繋がる可能性もあります。一方で、高水準の企業収益見通しが支えとなって、価格転嫁を急ぐ動きが一服することで、逆の動きが起こる可能性もあります。
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賃金についても、今年の春季労使交渉の結果は 1993年以来の高い賃金改定率となりましたが、先行きについては、人手不足感は強くあるものの企業業績次第でもあり、注視が必要と考えています。
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4.日本銀行の金融政策運営続いて、金融政策運営についてお話しします。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を目指し、金融緩和を継続しています。金融緩和の具体的な手段として、長短金利の操作を行うイールドカーブ・コントロールや各種の資産の買い入れを行っています。現在のイールドカーブ・
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8コントロールは、短期政策金利を「-0.1%」、10年物金利は「ゼロ%程度」を目標として、許容する変動幅を「±0.5%程度」とする枠組みです。これまでご説明した通り、わが国経済では前向きの動きがみられており、企業の価格・賃金設定には変化の兆しがみられていますが、「物価安定の目標」が持続的・安定的に達成されたと判断するまでは至っていません。従いまして、当面の金融政策に関しては、金融緩和を維持することが適当であると考えています。(イールドカーブ・コントロールの運用見直し)しかしながら、金融緩和には様々な副作用が伴います。日本銀行では、この点にも配慮した政策運営を行っています。例えば、昨年12月の金融政策決定会合では、イールドカーブ・コントロールの運用の一部見直しを行い、10年物金利の変動幅を、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大しました。当時は、海外において非常に高いインフレ率が継続するもと、各国中銀が短期間のうちに大幅な利上げを行っていました。このため、わが国の国債市場でも、近いうちに金利が上昇するのではとの思惑が広がり、強い売り圧力がかかりました。
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日本銀行は、10年物金利については 0.25%で無制限買い入れを行う「連続指値オペ」によって、金利の上昇圧力を抑えることができていましたが、10年物以外の年限の国債との価格差が大きくなることで、イールドカーブの歪みが強まりました。この結果、例えば、ベンチマークの金利としてみなされている 10年物金利の指標性が薄れてしまい、社債発行時の値決めが難くなるといった副作用が顕在化しました。昨年12月の措置は、こうした副作用に対応したものです。この措置を講じた後、海外金利の低下もあって、イールドカーブの歪みは解消し、社債の発行環境は改善に向かいました。
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9さらに、7月の決定会合では、イールドカーブ・コントロールの運用を柔軟化することを決定しています(図表 12)。具体的には、10年物金利の変動幅を「±0.5%程度」としたままで、変動幅の位置づけを「目途」として柔軟に運用することで、市場の状況によっては、この範囲を超えることを許容することにしました。ただし、1.0%では、そのレートで無制限の国債買い入れを行うことで、金利がそれ以上上昇しないよう抑制するとともに、0.5%から1.0%の間では、金利の水準や変化のスピードなどに応じて機動的なオペを実施します。当時は、昨年12月ほどのストレスが国債市場にみられていたわけではありませんが、市場参加者の一部には、先行きの金利動向を巡る不確実性が高いとみて、債券投資を控える動きもみられていました。経済・物価を巡る不確実性がきわめて大きいことを踏まえますと、先行き、物価や予想物価の上振れ方向の動きが続き、こうした動きが強まることも考えられます。こうした中で 0.5%での「連続指値オペ」で金利を厳格に抑えつけようとした場合、昨年12月と同じように、イールドカーブの歪みや、意図しない混乱を金融市場に引き起こしてしまう可能性があります。今回の措置は、そうした状況における市場機能面での副作用の軽減に資するものと考えています。
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長期金利の上昇を許容することは、事実上の金融引き締めではないかという意見も聞かれますが、長期金利上昇の背景で中長期の予想物価上昇率が上昇しているならば、実質金利でみた金融緩和の度合いは弱まるわけではありません。市場機能にも配慮しながら、緩和的な金融政策を粘り強く行うことは両立するものと考えています。ここまでは、物価や予想物価が上振れる場合について、お話ししてきました。一方、経済・物価の下振れリスクが顕在化した場合には、現在のイールドカーブ・コントロールの枠組みのもとでは、長期金利が低下することで、緩和効果が維持されるよう配慮されています。このように、今回の措置によ
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10って、先々の上下両方向のリスクに機動的に対応できるようにすることで、金融緩和の持続性は高まったと考えています。(「多角的レビュー」の実施)続いて、日本銀行にて現在実施している「多角的レビュー」についてご説明します。このレビューは、わが国経済がデフレ陥った過去 25年間の金融政策運営をその効果だけではなく、副作用も含めて考察するものです。実施に際しては、日本銀行内の分析だけでなく、多様な知見を取り入れていく方針です。その意味で本日の懇談会は大変貴重な機会だと思っております。皆様方からは後程、当地の経済情勢に加えて、過去25年間の金融政策運営や企業行動の変化などについて、是非ご意見を賜れれば幸いです。5.高知県経済について最後に、高知県の経済について、高知支店を通じて得た情報も踏まえつつお話ししたいと思います。高知県の景気は、全国同様、生産など一部に海外経済の回復ペースの鈍化の影響がみられますが、内需を中心に持ち直しています。雇用・所得環境が緩やかに改善するもとで、個人消費は着実に持ち直しています。観光需要については、当地出身の植物学者をモデルとするドラマの放映効果もあって国内客は増加しています。また、海外とのチャーター便の開設、クルーズ船の寄港等により訪日外国人客数も増加しています。
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また今年は、夏の「よさこい祭り」が記念すべき 70 回目を迎え、4年振りの通常開催となる中で、全国から人が集まり、大いに盛り上がったと聞いています。このように、今年は高知県が全国的にも注目度を高めていると思われます。一方、少子高齢化や人口減少といった課題は、当地においては全国よりも早い段階から顕在化しており、県内市場の維持や当地経済を担う人材の育成は急務となっています。この点、高知県では、令和5年度版の「第2期高知
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11県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で、魅力のある仕事をつくり、新しい人の流れをつくることで、若者の定着・増加や、女性の活躍の場の拡大、安心して住み続けられる中山間地域の維持・創生などに注力されています。また、産業振興計画では、地場産業の強化と県外・海外への販路拡大による「地産外商」を戦略の柱に掲げ、一次産業等のデジタル化の推進や関西圏との経済連携の強化に取り組んでおられます。さらに、台風や南海トラフ地震など、自然災害に対する防災意識の高さを活かして、防災関連産業の育成にも取り組んでおられます。観光面では、高知城をはじめとする歴史遺産や地域食材を活かした食事などに加え、今年度は「歩ける植物図鑑」をテーマとして様々なイベントやキャンペーンを企画し、高知の自然の魅力を国内外にPRすることで、観光客の誘致を図っておられます。各経済団体においても、デジタル化推進、外国人留学生等の就職促進、カーボンニュートラルの達成等に関する提言や各種支援を通じて、当地が構造的に抱える問題への解決を図るための取り組みを後押しされています。こうした構造的な課題の解決は容易ではないと思われますが、土佐の「おきゃく文化」や「よさこい祭り」に代表される明るい県民性、幕末に国をも動かした進取に富む気風といった当地の強みが、今後、全国に先駆けて課題解決を実現させていくことに繋がることが期待されます。
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高知県経済が今後、更なる発展を遂げられることを祈念しまして、挨拶の言葉とさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。以上
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わが国の経済・物価情勢と金融政策2023年9月7日日本銀行政策委員会審議委員中川順子― 高知県金融経済懇談会における挨拶 ―海外経済(図表1)<世界経済見通し><グローバルPMI>-4-20246890950005101520世界全体(前年比、%)(出所)IMF年IMF予測2025303540455055600810121416182022製造業サービス業(季節調整済、DI)(注)製造業は、J.P.Morganグローバル製造業PMI。サービス業は、J.P.Morganグローバルサービス業PMI事業活動指数。(出所)Copyright © 2023 by S&P Global Market Intelligence,a division of S&P Global Inc. All rights reserved.年
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国内経済(企業部門)(図表2)<企業収益><業況判断>-60-40-20020406090950005101520全産業製造業非製造業(「良い」-「悪い」、DI、%ポイント)年(注)1. 短観の業況判断DI(全規模ベース)。2003/12月調査には、調査の枠組み見直しによる不連続が生じている。2. シャドー部分は、景気後退局面。(出所)日本銀行良い悪い05101520253028030032034036038010121416182022売上高(左目盛)経常利益(右目盛)(季節調整済、兆円)年(注)1. 法人季報ベース。金融業、保険業を除く。2. シャドー部分は、景気後退局面。(出所)財務省(季節調整済、兆円)国内経済(企業部門)(図表3)<設備投資一致指標><設備投資計画>60708090100110120130657075808590950810121416182022民間企業設備投資(GDPベース、実質、左目盛)資本財総供給(右目盛)建設工事出来高(民間非居住用、実質、右目盛)(季節調整済年率換算、兆円)(季節調整済、2015年=100)年(注)建設工事出来高の実質値は、建設工事費デフレーターを用いて日本銀行スタッフが算出。
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(出所)内閣府、経済産業省、国土交通省-20-15-10-5051015200810121416182022GDP民間企業設備投資(名目)短観(実績)短観(6月調査時点の当年度計画値)(注)1. 短観は、ソフトウェア投資額・研究開発投資額を含み、土地投資額は含まない(2016/12月調査以前は、研究開発投資額を含まない)。全産業+金融機関の値。2. GDP民間企業設備投資の2023年度は、2023/2Qの値。(出所)日本銀行、内閣府年度(前年比、%)
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国内経済(企業部門)(図表4)<鉱工業生産><実質輸出入>-4-202468607080901001101200810121416182022実質貿易収支(対実質GDP比率、右目盛)実質輸出(左目盛)実質輸入(左目盛)(季節調整済、2020年=100)年(注)日本銀行スタッフ算出。2023/3Qは、7月の値。(出所)日本銀行、財務省、内閣府(季節調整済、%)80901001101201301400810121416182022生産(季節調整済、2020年=100)(注)1. シャドー部分は、景気後退局面。2. 2023/3Qは、7月の値。(出所)経済産業省年国内経済(企業部門)(図表5)<地域別実質輸出><財別実質輸出>30405060708090100110120130181920212223米国<18.6>EU<9.5>(季節調整済、2018/1Q=100)(注)1. 日本銀行スタッフ算出。<>内は、2022年通関輸出額に占める各国・地域のウエイト。2023/3Qは、7月の値。2. EUは、全期間において、英国を含まない。
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(出所)日本銀行、財務省年30405060708090100110120130181920212223中国<19.4>NIEs・ASEAN等<37.1>その他<15.4>(季節調整済、2018/1Q=100)年405060708090100110120130181920212223中間財<21.8>自動車関連<20.5>(注)日本銀行スタッフ算出。<>内は、2022年通関輸出額に占める各財のウエイト。2023/3Qは、7月の値。(出所)日本銀行、財務省(季節調整済、2018/1Q=100)年405060708090100110120130181920212223情報関連<20.2>資本財<17.5>(季節調整済、2018/1Q=100)年
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国内経済(個人消費)(図表6)<個人消費とマインド指標><消費活動指数(実質)>707580859095100105110115181920212223耐久財<8.9>(注)1. 日本銀行スタッフ算出。<>内は、消費活動指数におけるウエイト。2. 非耐久財は、GDP統計において半耐久財に分類される品目を含む。(出所)日本銀行等(季節調整済、2018/1Q=100)年707580859095100105110115181920212223非耐久財<40.5>サービス<50.7>(季節調整済、2018/1Q=100)年0102030405060808590951001051101151201314151617181920212223消費活動指数(旅行収支調整済、左目盛)景気ウォッチャー(家計動向関連、右目盛)(季節調整済、2015年=100)(注)1. 消費活動指数(旅行収支調整済)は、除くインバウンド消費・含むアウトバウンド消費(日本銀行スタッフ算出)。2. 景気ウォッチャーは、景気の現状判断DI。
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(出所)日本銀行、内閣府等年(季節調整済、DI)国内経済(雇用・所得環境)(図表7)<名目賃金><雇用者所得>-2-101231314151617181920212223特別給与所定外給与所定内給与名目賃金(前年比、%)年(注)1. 各四半期は、1Q:3~5月、2Q:6~8月、3Q:9~11月、4Q:12~2月。2023/2Qは、6月の値。2. 2016/1Q以降は、共通事業所ベース。(出所)厚生労働省-4-20241314151617181920212223名目賃金雇用者数雇用者所得(前年比、%)(注)1. 各四半期は、1Q:3~5月、2Q:6~8月、3Q:9~11月、4Q:12~2月。2023/2Qは、6月の値。2. 雇用者所得=名目賃金(毎月勤労統計)×雇用者数(労働力調査)3. 毎月勤労統計の2016/1Q以降は、共通事業所ベース。(出所)厚生労働省、総務省年
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企業物価(図表8)<輸入物価><財・サービス物価>-20-100102030405060181920212223円ベース契約通貨ベース(前年比、%)年(出所)日本銀行-6-4-2024681012151617181920212223国内企業物価指数企業向けサービス価格指数(前年比、%)(注)消費税を除くベース。(出所)日本銀行年消費者物価(図表9)<CPI(除く生鮮)><CPI(一時的な要因を除く)>-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.04.5181920212223財(除く食料品)食料品一般サービス(除く家賃)家賃公共料金CPI(除く生鮮・エネルギー)(前年比、%)(注)1. 食料品(除く生鮮)=「農水畜産物」+「食料工業製品」2. 公共料金(除くエネルギー)=「公共サービス」+「水道料」3. CPIは、消費税率引き上げ・教育無償化政策、旅行支援策、携帯電話通信料の影響を除いた日本銀行スタッフによる試算値。(出所)総務省年-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.04.5181920212223携帯電話通信料旅行支援策の影響消費税・教育無償化の影響エネルギー上記の要因を除くベースCPI(除く生鮮)(前年比、%)(注)1. エネルギーは、石油製品・電気代・都市ガス代。
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2. 2020/4月以降の消費税・教育無償化の影響は、高等教育無償化等の影響も加味した日本銀行スタッフによる試算値。(出所)総務省年
§32
国内経済・物価見通し(図表10)<展望レポートの経済・物価見通し(2023年7月)>(出所)日本銀行(対前年比、%、<>内は政策委員見通しの中央値)実質GDP 消費者物価指数(除く生鮮食品)(参考)消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー)2023年度 +1.2 ~ +1.5<+1.3>+2.4 ~ +2.7<+2.5>+3.1 ~ +3.3<+3.2>4月時点の見通し +1.1 ~ +1.5<+1.4>+1.7 ~ +2.0<+1.8>+2.5 ~ +2.7<+2.5>2024年度 +1.0 ~ +1.3<+1.2>+1.8 ~ +2.2<+1.9>+1.5 ~ +2.0<+1.7>4月時点の見通し +1.0 ~ +1.3<+1.2>+1.8 ~ +2.1<+2.0>+1.5 ~ +1.8<+1.7>2025年度 +1.0 ~ +1.2<+1.0>+1.6 ~ +2.0<+1.6>+1.8 ~ +2.2<+1.8>4月時点の見通し +1.0 ~ +1.1<+1.0>+1.6 ~ +1.9<+1.6>+1.8 ~ +2.0<+1.8>物価を取り巻く環境(図表11)<販売価格判断><予想物価上昇率>-50-40-30-20-100102030405074788286909498020610141822製造業非製造業(「上昇」-「下落」、DI、%ポイント)年(注)短観の販売価格判断DI。
§33
全規模ベース。2003/12月調査には、調査の枠組み見直しによる不連続が生じている。(出所)日本銀行0.00.51.01.52.02.505070911131517192123市場参加者(QUICK、2年先~10年後までの8年間)家計(生活意識アンケート調査、今後5年間)企業(短観、5年後)(前年比、年率平均、%)年(注)1. 家計は、5択選択肢情報を用いた修正カールソン・パーキン法による。2. 企業は、全産業全規模ベースの物価全般の見通し(平均値)。(出所)日本銀行、QUICK「QUICK月次調査<債券>」
§34
イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の柔軟化運用の柔軟化により金融緩和の持続性を高める 経済・物価が上振れる場合 実質金利は低下 市場機能等への影響を軽減 長期金利は低下2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っておらず、粘り強く金融緩和を継続する経済・物価を巡る不確実性がきわめて高い中、YCCの運用を柔軟化し、金融緩和の持続性を高める-1.5-1.0-0.50.00.51.01.5%指値オペで10年金利を厳格に抑制↓-1.5-1.0-0.50.00.51.01.5% 指値オペで10年金利を厳格に抑制↓長期金利の変動幅長期金利の変動幅の目途従来機動的なオペで対応柔軟化後(図表12) 経済・物価が下振れる場合