← Back
Bank of JapanStatementJan 25, 2011

当面の金融政策運営について(現状維持、12時29分公表)

Original in Japanese

Full text

§1

2011年1月25日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.わが国の景気は、緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる。すなわち、設備投資は持ち直しつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。個人消費は一部の財に駆け込み需要の反動がみられるが、住宅投資は持ち直しに転じつつある。一方、輸出はやや弱めとなっている。こうした内外需要のもとで、生産はやや減少している。この間、金融環境をみると、引き続き、緩和の動きが強まっている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、マクロ的な需給バランスが緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている。3.先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、世界経済の成長率が、新興国・資源国に牽引される形で再び高まっていくと考えられることなどから、景気改善テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる。物価面では、引き続き、消費者物価の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。

§2

4.10月の「展望レポート」で示した見通しと比べると、2010年度の成長率は、過去の実績値の改定の影響もあって上振れるものの、2011年度、2012年度の成長率は、概ね見通しに沿って推移すると予想される。物価については、国内企業物価・消費者物価(除く生鮮食品)とも、2011年度は、国際商品市況高の影響などから、やや上振れるとみられる一方、2012年度は概ね見通しに沿って推移するものと予想される。5.リスク要因をみると、景気については、上振れ要因として、旺盛な内需や海外か

§3

(注)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、須田委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員。反対:なし。 らの資本流入を受けた新興国・資源国の経済の強まりなどがある。一方、下振れ要因としては、米国経済に対する懸念は一頃に比べて後退しているものの、米欧経済の先行きや国際金融市場の動向を巡る不確実性がある。物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。6.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3 つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。今後とも、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、適切に政策対応を行っていく方針である。 以上 (参考1)▽2010~2012年度の政策委員の大勢見通し――対前年度比、%。なお、<>内は政策委員見通しの中央値。

§4

実質GDP 国内企業物価指数消費者物価指数(除く生鮮食品)2010年度+3.3~+3.4<+3.3>+0.5~+0.6<+0.5>-0.4~-0.3<-0.3>10月時点の見通し+2.0~+2.3<+2.1>+0.7~+0.9<+0.9>-0.5~-0.3<-0.4>2011年度+1.4~+1.7<+1.6>+0.7~+1.2<+1.0>0.0~+0.4<+0.3>10月時点の見通し+1.5~+1.9<+1.8>+0.4~+0.7<+0.5>0.0~+0.3<+0.1>2012年度+1.9~+2.2<+2.0>+0.5~+0.8<+0.7>+0.2~+0.8<+0.6>10月時点の見通し+2.0~+2.4<+2.1>+0.3~+0.8<+0.6>+0.2~+0.8<+0.6>(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(注2)各政策委員は、政策金利について市場金利に織り込まれたとみられる市場参加者の予想を参考にしつつ、上記の見通しを作成している。(注3)2010年度の実質GDP成長率の修正は、過去の実績値の改定に伴う影響が大きい。

§5

(注4)2010年度の消費者物価指数については、前年比を 1年間大きく押し下げる要因となる高校授業料の影響を除いている。高校授業料については、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比を 0.5%程度押し下げると試算される。(注5)今回の消費者物価の見通しは、現行の 2005年基準の指数をベースにしているが、統計作成当局は、同指数について 2011年8月に 2010年基準の指数に切り替えるとともに、前年比計数を 2011年1月分に遡って改定する予定であることを公表している。その際には、前年比上昇率が下方改定される可能性が高い。(注6)政策委員全員の見通しの幅は下表の通りである。――対前年度比、%。

§6

実質GDP 国内企業物価指数消費者物価指数(除く生鮮食品)2010年度+3.2~+3.5 +0.4~+0.6 -0.4~-0.210月時点の見通し+2.0~+2.3 +0.5~+0.9 -0.5~-0.22011年度+1.4~+1.8 +0.6~+1.2 -0.1~+0.410月時点の見通し+1.5~+1.9 +0.4~+1.0 -0.2~+0.42012年度+1.8~+2.4 +0.3~+1.00.0~+0.810月時点の見通し+2.0~+2.4 +0.3~+1.00.0~+0.8

§7

(参考2)(1)実質GDP (2)消費者物価指数(除く生鮮食品)<2010年度><2010年度>リスク・バランス・チャート5030<2011年度><2011年度><2012年度><2012年度>.0未満~-3.6~-3.1~-2.6~-2.1~-1.6~-1.1~-0.6~-0.10~0.45~0.90~1.45~1.90~2.45~2.90~3.45~3.90~4.45~4.90~5.45~5.90~6.45~6.9.0以上.0以下-1.8-1.6-1.4-1.2-1.0-0.8-0.6-0.4-0.20.00.20.40.60.81.01.21.41.61.82.02.22.42.62.8.0以上(注1)縦軸は確率(%)を、横軸は各指標の値(前年比、%)を示す。今回の確率分布は棒グラフで示されている。実線は2010年10月時点の確率分布を表す。(注2)縦の太点線は、政策委員の見通しの中央値を表す。また、○で括られた範囲は政策委員の大勢見通しを、△で括られた範囲は全員の見通しを、それぞれ表す。(注3)縦の細点線は、2010年10月時点の政策委員の見通しの中央値を表す。(注4)リスク・バランス・チャートの作成手順については、2008年4月の「経済・物価情勢の展望」BOXを参照。

§8

-4.-4.0-3.5-3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.-2.3.

§9

(参考) ・開催時間――1月24日(月) 14:00~16:311月25日(火) 9:02~12:24 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口 秀(副総裁) 西村淸彦(副総裁) 須田美矢子(審議委員) 野田忠男(〃) 中村清次 ( 〃) 亀崎英敏(〃) 宮尾龍蔵(〃) 森本宜久(〃) 上記のほか、1月24日木下康司財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:31)梅溪健児内閣府政策統括官(経済財政運営担当)(14:00~16:31) 1月25日櫻井充財務副大臣(9:02~12:11、12:16~12:24)末松義規内閣府副大臣(9:02~12:11、12:16~12:24)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――1月26日(水)14:00 ・議事要旨の公表日時――2月18日(金)8:50以上