金融政策決定会合議事要旨(3月14日開催分)
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2011.4.12日本銀行 政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2011年3月14日開催分) 本議事要旨は、日本銀行法第 20 条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2011年4月6、7日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。 公表時間4月12日(火) 8 時50 分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 1(開催要領)1.開催日時:2011年3月14日 (12:01~14:45)2.場所:日本銀行本店3.出席委員:議長白川方明(総裁)山口廣秀(副総裁)西村淸彦(〃)須田美矢子(審議委員)野田忠男(〃)中村清次(〃)亀崎英敏(〃)宮尾龍蔵(〃)森本宜久(〃)4.政府からの出席者:財務省櫻井充財務副大臣内閣府末松義規内閣府副大臣(執行部からの報告者)理事中曽宏理事雨宮正佳理事木下信行企画局長櫛田誠希企画局審議役梅森徹企画局政策企画課長加藤毅金融市場局長外山晴之調査統計局長門間一夫調査統計局経済調査課長関根敏隆国際局長大野英昭(事務局)政策委員会室長飯野裕二政策委員会室企画役橘朋廣政策委員会室副参事宮崎丈企画局企画調整課長千田英継企画局企画役奥野聡雄企画局企画役中嶋基晴
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2Ⅰ.金融政策決定会合の日程変更の承認冒頭、議長は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって大きな被害が生じている状況を踏まえ、日本銀行としても、この地震がわが国の経済・金融情勢に与える影響を点検し、金融政策運営方針を速やかに決定・公表していくことが、国民心理の安定や金融資本市場の安定を確保するうえで重要であるとの見方を示した。そのうえで、当初2日間を予定していた会合の日程を変更し、本日中に会合を終了するよう議事を進めることを提案した。本提案は、全員一致で承認された。Ⅱ.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要1.東北地方太平洋沖地震の金融・決済システム等への影響地震発生後、東北地方の太平洋沿岸地域を中心に、金融機関の一部店舗の損壊やATMの稼働停止が生じているものの、金融機関の間では、預金の支払いなど、国民のライフラインとしての金融サービスを維持するため、休日営業を実施するなどの取り組みが拡がっている。日本銀行も、こうした取り組みを支援するため、本支店において、休日にも金融機関の現金手当てに対応している。この間、日銀ネットのほか、主要金融機関の資金・決済システムは正常に稼働しており、資金・証券決済に大きな混乱は生じていない。
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当面の課題としては、被災地における日本銀行の支店の業務継続を確保し、損傷銀行券の引き換えなどに応じられる体制を整えることや、電力会社の施設被害に伴う計画停電への対応などが挙げられる。2.最近の金融市場調節の運営実績金融市場調節は、前回会合(2月14、15日)で決定された方針 1に従って、市場におけるレート形成状況等を踏まえながら、機動的な運営を実施した。資金供給オペレーションにおいては、引き続き、オファー額に対して応札額が下回る「札割れ」が発生した。この間、無
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1 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」
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3担保コールレート(オーバーナイト物)は、 0.1%を幾分下回る水準で推移した。本日は、地震発生後、初めて金融市場が開くことになる。市場参加者の予備的な資金需要が非常に高まっていることを踏まえ、金融市場の安定を確保する観点から、朝方より本日の午後にかけて、15 兆円の即日資金供給オペレーションを含む、総額 21.8 兆円の資金供給オペレーションを実施することとした。こうした日本銀行による大量の資金供給もあって、短期金融市場は、落ち着きを取り戻してきている。3.金融・為替市場動向地震発生以前の市場をみると、短期金融市場は総じて落ち着いて推移した。株価は、北アフリカ・中東情勢を巡る不透明感の高まりなどを背景に、振れを伴いつつ、小幅低下した。長期金利は、こうした株価の動きを受けて、幾分低下した。地震発生後の金融市場をみると、株価は大きく下落しており、日経平均株価は9千円台後半の水準となっている。東証REIT指数も大幅に低下している。社債の流通市場では、取引の成立がみられなくなっているが、潜在的には売り圧力が高い状態にある。わが国のソブリンCDSプレミアムや民間企業のCDSプレミアムは、大きく拡大している。このように、市場では、投資家のリスク回避姿勢が強まった状態にある。
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この間、為替市場をみると、円の対米ドル相場は、振れやすい展開となっており、一時1ドル 80 円台半ばまで円高が進んだあと、足もとは 82円台で推移している。4.海外金融経済情勢国際金融資本市場をみると、新興国のインフレ圧力の高まりに対する警戒感や、北アフリカ・中東情勢に関する不透明感の高まりなどを受けて、新興国への資金流入はこのところ鈍化している。一方、国際商品市場への資金流入は続いており、地政学リスクに対する懸念も加わって、原油価格は大きく上昇している。商品市況の上昇は、先進国・新興国ともに物価上昇率を押し上げる方向に作用しているほか、資源消費国から産出国への所得移転をもたらしている。日本の地震発生以降の動きをみると、投資家のリスク回避姿勢の強まりを受けて、原油や穀物などの商品市況は幾分低下している。株式市場や債券市場でも、全体に、様子見姿勢が強まっている。この間、日本と経済的なつながりの深いアジア新興国の株価は、総じて下落し
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4ている。実体経済面をみると、前回会合以降に公表された経済指標をみる限り、総じて良好な内容のものが多く、世界経済は、回復を続けていると考えられる。5.国内金融経済情勢(1)実体経済当面の経済情勢について、地震発生前のデータでは、輸出や生産に増加基調に復する動きがみられているほか、設備投資は持ち直している。雇用・所得環境は、引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでおり、個人消費には持ち直しの動きがみられている。住宅投資は持ち直しつつある。この間、公共投資は減少している。もっとも、今回の地震によって広範囲な被害が生じており、現時点で定量的な評価は難しいものの、少なくとも短期的には、経済に対して下押し圧力が加わる可能性が高い。東北地方は、情報通信や電子部品・デバイスの生産額における全国シェアが高い。サプライチェーンの問題もあって、現在、東北地方に限らず多くの工場が操業を停止しているほか、電力供給面の制約もかかるため、当面、生産活動に影響が生じるものとみられる。民間需要面では、設備の復興需要や食品等の必需品に対する需要の増加が生じる可能性もある一方、企業マインドの悪化が懸念されるほか、家計支出も抑制される可能性がある。また、先行き、公的な復興需要が見込まれるものの、その規模等については不確実性が高い。
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物価面について、国内企業物価を3 か月前比でみると、国際商品市況高の影響などから、上昇している。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、マクロ的な需給バランスが緩和状態にあるもとで、下落幅は縮小を続けている。(2)金融環境わが国の金融環境は、引き続き、緩和の動きが強まっているものの、今回の地震の発生により、金融環境にも一定の影響が及んでくる可能性がある。今後、企業の信用力の低下を通じて金融機関の貸出態度の厳格化や企業の資金繰りの悪化が生じないか、企業の資金調達コストの低下傾向が続いていくか、投資家のリスク回避姿勢の強まりからCP・社債の発行環境に変化が生じないか、といった点には注意が必要である。
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5Ⅲ.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要わが国の経済情勢について、委員は、東北地方太平洋沖地震の影響を定量的に評価するだけの情報が乏しい現時点では、改善テンポの鈍化した状態から脱しつつあるという判断を維持しつつも、経済・物価情勢の先行きを巡る不確実性が大きく高まっていると判断することが適当との見方で一致した。地震の影響について、何人かの委員は、東北地方を中心に、生産設備や物流施設、社会インフラ等に大きな被害が生じていると述べた。また、多くの委員は、地震による直接的な被害に加え、発電所の被災に伴い、電力の供給に制約が生じることも経済活動に影響する可能性が高いと述べた。何人かの委員は、被災地域には素材・部品工場が多く立地していることを指摘し、サプライチェーンを通じて生産活動の停滞が国内外に広く波及する可能性もあると述べた。一方、一人の委員は、わが国の設備稼働率が低位にある現状に鑑みれば、他の工場や企業への生産シフトを通じ、経済全体でみれば、生産の落ち込み幅が比較的小幅にとどまる可能性もあると指摘した。別の一人の委員は、買いだめなど、生活必需品の消費需要が押し上げられる面もあると述べた。多くの委員は、深刻な被害状況や電力の安定供給を巡る懸念の高まりなどから、企業や家計のマインドが悪化する可能性にも注意が必要であるとの見方を示した。
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複数の委員は、今回の地震が、一段の国際商品市況高によって交易条件の悪化が懸念される中で発生したことも、マインド面を通じた経済の下振れリスクをより高めていると指摘した。何人かの委員は、短期金融市場は落ち着きを維持しているものの、先行きを巡る不透明感の高まりから株価や長期金利が下落しており、今後、金融市場においてリスク回避姿勢が一段と強まる可能性があると述べた。中期的な影響について、何人かの委員は、官民による復興に向けた活動が経済を押し上げる可能性があるものの、規模や時期については、不確実性が大きいとの見方を示した。以上の議論を踏まえ、委員は、今回の地震が生産活動を中心にわが国の経済活動に及ぼす影響は小さくないほか、企業や家計のマインドの悪化を通じて、先行き、わが国の経済活動にマイナスの影響を及ぼしていく可能性があるとの認識を共有した。そのうえで、何人かの委員は、わが国経済は、時間はかかるとしても、今回の地震の影響を乗
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6り越えていくことが期待できると付け加えた。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、下落幅が縮小を続けているとの見方を示した。先行きについては、昨年4月から実施されている高校授業料の実質無償化の影響を除いたベースでは既に前年比が小幅のプラスとなっていることを踏まえると、当面、小幅のプラスに転じていく可能性が高いという認識で一致した。なお、委員は、本年8月に予定されている 2010年基準への改定に伴って、消費者物価指数の前年比が下方改定される可能性が高いとの見方を共有した。ある委員は、これに伴って人々の中長期的な予想物価上昇率が下振れるリスクについても意識する必要があると指摘した。複数の委員は、基準改定が物価上昇率に及ぼす影響についても十分意識して対外情報発信を行う必要があると述べた。Ⅳ.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要以上の金融経済に関する情勢認識のもとで、議長は、金融政策面から対応することが適当であり、今回の地震の発生以降、国民の不安心理の高まりや企業マインドの悪化、金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりなどがみられることに鑑みれば、リスク性資産を中心に資産買入等の基金の増額を行うことが考えられるとの見方を示した。
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議長は、基金の増額に関して、買入対象となっている金融資産の市場規模や市場動向、日本銀行の財務の健全性との関連などを踏まえると、具体的にどのような案が考えられるのか、という点について、執行部に説明を求めた。議長の指示を受けて、執行部は、以下のとおり説明を行った。 現在、資産買入等の基金が買入対象としている金融資産の市場規模や、日本銀行の財務の健全性に及ぼす影響等を踏まえると、仮にリスク性資産を中心に基金を前回の規模と同じ5兆円程度増額する場合には、前回の長期国債・国庫短期証券 3.5 兆円程度、リスク性資産 1.5 兆円程度という配分を入れ替えることが考えられる。その場合には、長期国債を 0.5 兆円程度、国庫短期証券を1兆円程度、CP等・社債等を各 1.5 兆円程度、指数連動型上場投資信託を 0.45兆円程度、不動産投資信託を 0.05 兆円程度、それぞれ増額することが考えられる。なお、指数連動型上場投資信託と不動産投資信託の買入を増額するには、改めて日本銀行法上の認可を取得する必要がある。
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7 買入規模を5兆円程度増額したうえで、この買入を進めていく場合には、既存の5兆円規模の資産買入と同様、1年程度の時間を要すると思われる。多くの委員は、家計・企業のマインド面の悪化や市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済へ悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を増額し、金融緩和を一段と強化することが適当であるとの認識を共有した。一人の委員は、日本銀行が、かねてから、経済・物価情勢に照らして必要と判断する場合には資産買入等の基金の増額も選択肢の一つ、と表明してきたこととも整合的であると指摘した。別の一人の委員は、リスク性資産の買入の増額は、市場を歪める可能性や日本銀行の財務の健全性への負担といったコストを伴うが、現在の経済情勢のもとでは、効果の方が上回るとの判断を示した。増額の規模について、一人の委員は、市場に十分な安心感を醸成する観点からは、相応の規模が必要であると述べた。複数の委員は、日本銀行がここまでの措置を講じることで、逆に経済の実態に対する人々の不安感を高めることにつながらないよう、周到な情報発信が必要であるとの意見を述べた。
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この間、基金を通じた国債買入の増額について、一人の委員は、長めの金利が低下傾向にある中で実施すると、財政ファイナンスであるとの疑念を招く可能性があると指摘し、資産買入の増額は全てリスク性資産で行うべきであるとの意見を述べた。次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、委員は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の方針を維持することが適当であるとの見解で一致した。何人かの委員は、こうした金融市場調節方針のもとで、金融市場の安定確保を図るため、市場の状況に応じて弾力的かつ潤沢な資金供給を実施し、資金調達を巡る安心感を市場に醸成することが重要であると述べた。先行きの政策運営について、委員は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく必要があるとの見解で一致した。また、委員は、引き続き、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要
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8と判断される場合には、適切な措置を講じていくという方針についても認識を共有した。Ⅴ.政府からの出席者の発言財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。 東北地方太平洋沖地震は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしており、政府としては、被災者の救助をはじめとする災害応急活動に総力を挙げて取り組むとともに、国民生活および経済活動が早期に回復するよう全力を尽くしているところである。災害対策においては、まずは関係省庁等において現状把握を迅速に行うことが必要であり、それを受けて必要な対策が判明すれば、予備費や補正予算により対策に万全を期していく。今後とも具体的な被害の状況や、政府の緊急災害対策本部における決定等も踏まえつつ、必要な措置を迅速に講じていく。 日本銀行におかれては、金融市場の安定および資金決済の円滑を確保するため、流動性の供給を含め、万全を期していく方針であると承知している。本日も潤沢な資金供給を行ったことは、市場情勢に応じた適切な対応であり、さらに、リスク性資産の買入額を積み増し、金融緩和を進められることについては、感謝申し上げたい。 政府としては、国民生活および経済活動が早期に回復するよう全力を尽くし、被害対策に万全を期していく。日本銀行におかれても、政府と緊密に連携を取りつつ、今後の金融経済の状況変化に応じ、機を逸することなく果断な対応を取って頂きたい。
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また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。 東北地方太平洋沖地震により、被災地において甚大な被害が発生している。政府としては、被災者の救護・救援をはじめとする災害応急活動に総力を挙げて取り組むとともに、国民生活および経済活動が早期に回復するよう、全力を挙げて取り組んでいく。 日本銀行におかれては、既に迅速に対応頂いており、感謝を申し上げる。引き続き政府との緊密な連携のもと、金融市場・金融システムの安定を確保し、被災地の生活や中小企業の経済活動を支えるため、万全の措置を今後とも講じて頂くようお願いする。
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9Ⅵ.採決1.金融市場調節方針以上の議論を踏まえ、委員は、当面の金融市場調節方針について、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の金融市場調節方針を維持することが適当である、との考え方を共有した。議長からは、このような見解を取りまとめるかたちで、以下の議案が提出され、採決に付された。 金融市場調節方針に関する議案(議長案) 1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとすること。記無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。 2.対外公表文は別途決定すること。
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採決の結果賛成:白川委員、山口委員、西村委員、須田委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員反対:なし2.「資産買入等の基金運営基本要領」の一部改正等資産買入等の基金による資産の買入残高の上限について、多くの委員は、上記執行部説明に沿って、長期国債を 0.5 兆円程度、国庫短期証券を1兆円程度、CP等・社債等を各 1.5 兆円程度、指数連動型上場投資信託を 0.45 兆円程度、不動産投資信託を 0.05 兆円程度、それぞれ増額することが適当であるとの認識を示した。これに対し、一人の委員は、資産買入等の基金の買入増額対象資産を全てリスク性資産とする旨の議案を提出したいと述べた。この結果、以下の2つの議案が採決に付されることとなった。
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10須田委員からは、資産買入等の基金による資産の買入残高の上限を5兆円程度増額し、その増額は、CP等、社債等、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託といったリスク性資産によって行う旨の議案が提出され、採決に付された。採決の結果、反対多数で否決された。採決の結果賛成:須田委員反対:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員議長からは、上記の多数意見を取りまとめるかたちで、執行部説明に基づいた議案が提出された。採決の結果、賛成多数で決定された。採決の結果賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員反対:須田委員須田委員は、①市場参加者間でリスク回避度合いが高まっている状況のもとでは、足もと金利が低下している国債ではなく、国債以外のリスク性資産の買入を増額するべきであること、②非常時の対応として国債を買入れることは、資産買入等の基金の目的にそぐわないことを理由に、議長案に反対した。
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Ⅶ.対外公表文(「金融緩和の強化について」)の検討以上の議論を踏まえ、これまでと同様の金融市場調節方針のもとで、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期していくこと、企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とすることという金融政策の運営方針に加え、須田委員の買入増額対象資産に関する反対意見の記述を含んだ対外公表文(「金融緩和の強化について」<別紙>)が検討され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。
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11Ⅷ.議事要旨の承認議事要旨(2月14、15日開催分)が全員一致で承認され、今回の会合日程の変更に伴って公表日を1日繰り上げ、3月17日に公表することとされた。以上 12
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2011年3月14日日本銀行金融緩和の強化について1.東北地方太平洋沖地震の発生後、日本銀行は、金融市場および金融機関の業務遂行への影響を把握するとともに、金融機能の維持および資金決済の円滑を確保するために、万全の措置を講じてきている。また、適切な金融市場調節の実施を通じて弾力的な資金供給を行っている。2.わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から脱しつつある。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、緩やかな回復経路に復していくという判断を維持した。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられる(注1)。もっとも、今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念される。3.以上のような情勢認識のもと、日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を実施し、金融緩和を一段と強化することを決定した。(1)当面の金融市場調節方針次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとする(全員一致(注2))。こうした調節方針のもとで、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期していく。
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無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。(2)資産買入等の基金企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済
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(注1)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。(注2)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、須田委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員。反対:なし。(別紙) 13に悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とする(注3)。増額分の買入対象資産ごとの内訳は、以下のとおりとし、2012年6月末を目途に増額を完了する。ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日銀法上の認可取得を条件とする。長期国債:0.5 兆円程度国庫短期証券:1.0 兆円程度CP等:1.5 兆円程度社債等:1.5 兆円程度指数連動型上場投資信託:0.45 兆円程度(認可取得を条件とする)不動産投資信託:0.05 兆円程度(同上)4.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。日本銀行は、引き続き、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。以上
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(注3)須田委員は、資産買入等の基金の買入増額対象資産をすべてリスク性資産とするべきとの理由から、反対した。