当面の金融政策運営について(現状維持、13時20分公表)
Full text
§1
2011年7月12日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注1))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.わが国の経済は、震災による供給面の制約が和らぐ中で、持ち直している。すなわち、震災後に大きく落ち込んだ生産活動は、供給面の制約が和らぐ中で、このところ持ち直しの動きが明確になっている。このため、輸出は増加に転じている。国内民間需要についても、家計や企業のマインドが幾分改善するもとで、持ち直しつつある。この間、金融環境をみると、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われるものの、総じて緩和の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、小幅のプラスで推移している。3.先行きのわが国経済は、供給面の制約がさらに和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、小幅のプラスで推移するとみられる(注2)。
§2
以上を踏まえると、日本経済は、やや長い目でみれば、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していくと考えられる。4.4月の「展望レポート」で示した見通しと比べると、2011年度の成長率については、震災直後の落ち込みが大きかったことが影響して、幾分下振れるとみられる。もっとも、わが国経済は、本年度後半には緩やかな回復経路に復していくとみられ、2012年度の成長率については概ね見通しに沿って推移すると予想される。物価については、国内企業物価・消費者物価(除く生鮮食品)とも、概ね見通しに沿って推移すると予想される。
§3
(注1)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:なし。(注2)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。 5.景気のリスク要因をみると、サプライチェーンに関する懸念は減じているが、震災の家計マインド等を通じる影響については、なお注意する必要がある。また、やや長い目でみた電力の供給制約については不確実性が幾分増している。海外経済については、バランスシート調整が米国経済に与える影響や、欧州のソブリン問題の帰趨について、引き続き注意が必要である。新興国・資源国については、物価安定と成長の両立に関する不確実性が大きい。物価面では、国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。6.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3 つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。今後とも、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。以上 .
§4
(参考1)▽2011~2012年度の政策委員の大勢見通し――対前年度比、%。なお、<>内は政策委員見通しの中央値。
§5
実質GDP 国内企業物価指数消費者物価指数(除く生鮮食品)2011年度+0.2~+0.6<+0.4>+2.2~+2.5<+2.4>+0.6~+0.8<+0.7>4月時点の見通し+0.5~+0.9<+0.6>+1.6~+2.6<+2.2>+0.5~+0.8<+0.7>2012年度+2.5~+3.0<+2.9>+0.5~+0.9<+0.6>+0.6~+0.7<+0.7>4月時点の見通し+2.7~+3.0<+2.9>+0.3~+0.7<+0.6>+0.5~+0.7<+0.7>(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(注2)各政策委員は、政策金利について市場金利に織り込まれたとみられる市場参加者の予想を参考にしつつ、上記の見通しを作成している。(注3)今回の消費者物価の見通しは、現行の 2005年基準の指数をベースにしているが、統計作成当局は、同指数について 2011年8月に 2010年基準の指数に切り替えるとともに、前年比計数を 2011年1月分に遡って改定する予定であることを公表している。その際には、前年比上昇率が下方改定される可能性が高い。(注4)政策委員全員の見通しの幅は下表の通りである。――対前年度比、%。
§6
実質GDP 国内企業物価指数消費者物価指数(除く生鮮食品)2011年度+0.2~+0.6 +2.2~+2.6 +0.5~+0.84月時点の見通し+0.5~+1.0 +1.5~+2.7 +0.5~+0.92012年度+2.5~+3.0 +0.3~+1.0 +0.4~+0.84月時点の見通し+2.5~+3.0 +0.1~+1.0 +0.4~+0.7
§7
(参考2)リスク・バランス・チャート
§8
(1)実質GDP (2)消費者物価指数(除く生鮮食品)<2011年度><2011年度><2012年度><2012年度>(注1)縦軸は確率(%)を、横軸は各指標の値(前年比、%)を示す。今回の確率分布は棒グラフで示されている。実線は2011年4月時点の確率分布を表す。(注2)縦の太点線は、政策委員の見通しの中央値を表す。また、○で括られた範囲は政策委員の大勢見通しを、△で括られた範囲は全員の見通しを、それぞれ表す。(注3)縦の細点線は、2011年4月時点の政策委員の見通しの中央値を表す。(注4)リスク・バランス・チャートの作成手順については、2008年4月の「経済・物価情勢の展望」BOXを参照。
§9
-6.0未満-6.0~-5.6-5.5~-5.1-5.0~-4.6-4.5~-4.1-4.0~-3.6-3.5~-3.1-3.0~-2.6-2.5~-2.1-2.0~-1.6-1.5~-1.1-1.0~-0.6-0.5~-0.10.0~0.40.5~0.91.0~1.41.5~1.92.0~2.42.5~2.93.0~3.43.5~3.94.0~4.44.5~4.95.0~5.45.5~5.96.0~6.46.5~6.97.0~7.47.5~7.98.0以上-2.0以下-1.8-1.6-1.4-1.2-1.0-0.8-0.6-0.4-0.20.00.20.40.60.81.01.21.41.61.82.02.22.42.62.83.0以上
§10
(参考) ・開催時間――7月11日(月) 14:00~16:087月12日(火) 9:00~13:15 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口秀 (副総裁) 西村淸彦(副総裁) 中村清次(審議委員) 亀崎英敏(〃) 宮尾龍蔵(〃) 森本宜久(〃) 白井早由里(〃) 石田浩二(〃) 上記のほか、7月11日木下康司財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:08)梅溪健児内閣府政策統括官(経済財政運営担当)(14:00~16:08) 7月12日櫻井充財務副大臣(9:00~13:02、13:08~13:15)福山哲郎内閣官房副長官(9:00~13:02、13:08~13:15)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――7月13日(水)14:00 ・議事要旨の公表日時――8月10日(水)8:50以上