金融緩和の強化について(12時43分公表)
Full text
§1
2012年2月14日日本銀行金融緩和の強化について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の決定を行った。(1)中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率として、「中長期的な物価安定の目途」を示すこととする(注1)。日本銀行としては、「中長期的な物価安定の目途」は、消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を目途とする。(2)当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。ただし、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないことを条件とする。(3)資産買入等の基金を 55 兆円程度から 65 兆円程度に 10 兆円程度増額する。買入れの対象は長期国債とする(注2)。現在、資産買入等の基金の残高は 43 兆円程度であるため、今回の増額分と併せ、本年末までに残高は 22 兆円程度増加することになる(注3)。2.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、 0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致(注4))。
§2
3.わが国経済は、海外経済の減速や円高の影響などから、横ばい圏内の動きとなっている。一方、わが国の金融環境については、緩和の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっている。
§3
(注1)「『中長期的な物価安定の目途』について」を参照。(注2)基金の内容等については別紙参照。(注3)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。(注4)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:なし。
§4
4.わが国経済の先行きについては、欧州債務問題の今後の展開やその帰趨、電力需給の動向や円高の影響など、引き続き不確実性が大きい。もっとも、最近では、欧州債務問題を巡る国際金融資本市場の緊張は、昨年末頃に比べると幾分和らいでいる。米国経済では、バランスシート調整の重石はあるものの、このところ改善の動きがみられている。わが国についても、内需は震災復興関連の需要もあって底堅い展開を辿っている。5.日本銀行は、先行きの内外経済の不確実性がなお大きい中で、最近みられている前向きの動きを金融面からさらに強力に支援し、わが国経済の緩やかな回復経路への復帰をより確実なものとすることが必要と判断した。このため、今回、わが国経済のデフレ脱却と物価安定のもとでの持続的な成長の実現に向けて、日本銀行の政策姿勢をより明確化するとともに、金融緩和を一段と強化することを決定した。日本銀行としては、引き続き強力な金融緩和を推進していく。併せて、わが国経済の成長基盤強化にも、中央銀行の立場から取り組んでいく。この間、欧州債務問題がわが国の金融市場ひいては金融システムの安定を脅かすことのないよう、万全を期していく。6.わが国経済は、現在、急速な高齢化のもとで、趨勢的な成長率の低下という長期的・構造的な課題に直面している。この課題への取り組みは、わが国経済の新たな経済成長の基礎を築いていくうえで不可欠である。
§5
デフレからの脱却は、こうした成長力強化の努力と金融面からの後押しを通じて実現されていくものである。以上を念頭に、民間企業、金融機関、そして政府、日本銀行がそれぞれの役割に即して取り組みを続けていくことが、重要である。以上
§6
別紙 今回の「資産買入等の基金」の増額について 1.増額の内容導入時の規模従来の規模今回の増額幅増額後の規模総額 35兆円程度 55兆円程度+10兆円程度 65兆円程度資産の買入れ 5 .020.0 +10.030.0 長期国債(注) 1 .59.0 +10.019.0国庫短期証券 2 .04.5 ― 4.5CP等 0 .52.1 ― 2.1社債等 0 .52.9 ― 2.9指数連動型上場投資信託 0 .451.4 ― 1.4不動産投資信託 0 .050.11 ― 0.11固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション30 .035.0 ― 35.0 期間3か月20 .020.0 ― 20.0期間6か月10 .015.0 ― 15.0 (注)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。 2.2012年末を目途に増額を完了する。 以上 (参考) ・開催時間――2月13日(月) 14:00~16:342月14日(火) 9:01~12:38 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口 秀(副総裁) 西村淸彦(副総裁) 中村清次(審議委員) 亀崎英敏(〃) 宮尾龍蔵(〃) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃)
§7
上記のほか、2月13日佐藤慎一財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:34)松山健士内閣府審議官(14:00~16:34) 2月14日藤田幸久財務副大臣(9:01~12:20、12:28~12:38)石田勝之内閣府副大臣(9:01~12:20、12:28~12:38)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――2月15日(水)14:00 ・議事要旨の公表日時――3月16日(金)8:50以上