当面の金融政策運営について(成長基盤強化を支援するための米ドル資金供給の実施、12時09分公表)
Full text
§1
2012年4月10日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.海外経済は全体としてなお減速した状態から脱していないが、米国経済では緩やかな改善の動きが続いているほか、欧州経済も停滞感の強まりに歯止めがかかっている。国際金融資本市場も、総じて落ち着いている。3.わが国の経済は、なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている。輸出は、これまでのところ横ばい圏内にとどまっている。国内需要をみると、設備投資は、被災した設備の修復などから、緩やかな増加基調にある。個人消費は、自動車に対する需要刺激策の効果もあって、底堅さを増しているほか、住宅投資も持ち直し傾向にある。公共投資も、ここにきて増加に転じている。以上の内外需要を反映して、生産は、なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている。こうしたもとで、企業の業況感をみると、輸出関連業種に慎重さが残っているものの、内需関連業種が改善を続けており、全体として概ね横ばいとなっている。この間、わが国の金融環境は、緩和の動きが続いている。
§2
物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっている。4.先行きのわが国経済については、新興国・資源国に牽引されるかたちで海外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強まっていくにつれて、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。5.景気のリスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開、国際商品市況の動向、新興国・資源国の物価安定と成長の両立の可能性など、世界経済を巡る不確実性が引き続き大きい。
§3
(注)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:なし。 物価面では、国際商品市況や中長期的な予想物価上昇率の動向などに、注視する必要がある。6.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。デフレからの脱却は、成長力強化の努力と金融面からの後押しの双方を通じて実現されていくものである。こうした認識のもと、日本銀行としては、強力に金融緩和を推進していくとともに、成長基盤強化を支援するための資金供給を通じて、日本経済の成長基盤強化に向けた民間金融機関による取り組みを支援していく。本日の会合では、前回3月の会合において骨子素案を決定した日本銀行が保有する米ドル資金を用いた新たな1兆円の資金供給枠(米ドル特則)について、別紙のとおり詳細を決定し、実施することとした。以上 (別紙)成長基盤強化を支援するための米ドル資金供給の概要
§4
1.対象とする投融資わが国経済の成長基盤強化に資すると認められる、1年以上の外貨建て投融資。各対象先金融機関は、対象投融資についての取り組み方針を策定し、日本銀行の確認を受ける。―― 海外向け投融資については、以下の例示に該当するなど、わが国経済の成長基盤強化に資するものであること。① 国内における生産・サービス活動、設備投資または雇用の増加に資することが見込まれるもの② 国内における企画・研究開発機能の強化、新規事業の立ち上げ、業務継続態勢の強化等を伴う国際的分業態勢の構築に資することが見込まれるもの③ 国内において使用する原材料の安定調達に資することが見込まれるもの 2.対象先金融機関成長基盤強化を支援するための資金供給の対象先金融機関のうち、ニューヨーク連邦準備銀行に米ドル口座を保有する先および同行に口座を保有する先へ米ドル決済を委託している先。 3.資金供給方式米ドル資金の有担保貸し付け(注)。 4.貸付期間1年とし、3回の借り換えを可能とする(最長4年)。 5.貸付利率米ドル・6か月物LIBORとし、半年毎に金利を見直す。 6.貸付総額日本銀行が保有する米ドル資金のうち、120億ドル。―― 新規貸付は、四半期に1回の頻度で実施し、1回当りの貸付額は20億ドル程度とする予定。 (注)金融機関が日本銀行との間の各種取引のために差入れる担保を使用。
§5
7.対象先金融機関毎の貸付限度額対象先金融機関毎の貸付残高の上限は10億ドル。各対象先金融機関は、2012年4月以降に行った個別投融資の残高の範囲内で、借り入れを行うことができる。 8.貸付受付期限2014年3月末(新規貸付の最終実行期限は同年6月末)。以上 (参考) ・開催時間――4月9日(月) 14:00~16:084月10日(火) 8:59~12:04 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口 秀(副総裁) 西村淸彦(副総裁) 宮尾龍蔵(審議委員) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃) 上記のほか、4月9日佐藤慎一財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:08)松山健士内閣府審議官(14:00~16:08) 4月10日藤田幸久財務副大臣(8:59~11:53、11:57~12:04)石田勝之内閣府副大臣(8:59~11:53、11:57~12:04)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――4月11日(水)14:00 ・議事要旨の公表日時――5月7日(月)8:50以上