金融緩和の強化について(14時46分公表)
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§1
2012年10月30日日本銀行金融緩和の強化について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、金融緩和を一段と強力に推進する観点から、以下の決定を行った。(1)資産買入等の基金の増額(全員一致)長めの金利やリスク・プレミアムへのさらなる働きかけを通じて、企業や家計等の金融環境をより緩和的にするため、資産買入等の基金を 80 兆円程度から 91兆円程度に 11 兆円程度増額する。増額分の買入対象資産ごとの内訳は、以下の通りとし、2013年12月末までに増額を完了する(注)(基金の全体像は別紙1)。長期国債:5兆円程度国庫短期証券:5兆円程度CP等:0.1 兆円程度社債等:0.3 兆円程度指数連動型上場投資信託:0.5 兆円程度不動産投資信託:0.01 兆円程度(2)貸出増加を支援するための資金供給の枠組みの創設(全員一致)金融機関の一段と積極的な行動と企業や家計の前向きな資金需要の増加を促す観点から、金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその全額を低利・長期で資金供給する。資金供給の総額の上限は設定せず、無制限とする。議長は、執行部に対し、この新たな資金供給の枠組みについて具体的な検討を行い、改めて金融政策決定会合に報告するよう指示した(骨子素案は別紙2)。
§2
2.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致)。3.海外経済は、減速した状態が強まっている。国際金融資本市場では、欧州債務問題を背景とする投資家のリスク回避姿勢はやや後退した状態が続いているものの、今後の市場の展開には十分注意していく必要がある。こうした状況のもとで、わが
§3
(注)ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日本銀行法上の認可取得を条件とする。
§4
国の輸出や鉱工業生産は減少し、これまで堅調に推移してきた内需にもその影響が一部及び始めている。このため、景気は弱含みとなっている。この間、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっている。先行きについては、欧州債務問題の今後の展開や米国経済の回復力、新興国・資源国経済の持続的成長経路への円滑な移行の可能性、日中関係の影響の広がりなど、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。金融・為替市場動向の景気・物価への影響にも、引き続き注意が必要である。4.以上の景気・物価情勢を踏まえ、日本経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していく軌道を踏みはずさないようにするため、日本銀行は、金融緩和を一段と強化することが適当と判断した。5.日本銀行は、日本経済がデフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。この課題は、民間企業、金融機関等の幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しがあいまって実現されていくものである。6.政府と日本銀行は、この課題を達成するために、それぞれの役割を果たしていく必要がある。日本銀行は、上述の認識に立って、強力な金融緩和を推進していく。
§5
日本銀行としては、政府が「デフレからの脱却のためには、適切なマクロ経済政策運営に加え、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠である」との認識のもとで、日本経済の成長力強化の取組を強力に推進することを強く期待する。こうした両者の取組について、共有している認識を改めて明確に示すため、本日、政府とともに「デフレ脱却に向けた取組について」を公表することとした(別紙3)。このことは、それぞれが行う政策をより効果的なものとしていくと考えている。以上
§6
(別紙1) 「資産買入等の基金」の規模(注1)2010年10月の導入時の基金の規模は、35 兆円程度であった。(注2)資産買入等の基金の残高は、10月20日現在、62.7 兆円となっている。(注3)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。(注4)指数連動型上場投資信託および不動産投資信託の増額については、日本銀行法上の認可取得を条件とする。基金の残高(9月末)基金の規模()内は従来の規模増額幅(12年12月末)(13年6月末)(13年12月末)(13年12月末)総額(注1、2) 61.8兆円程度兆円程度(75)兆円程度(80)兆円程度+ 11兆円程度資産の買入れ 31.14053(50)(55) + 11 長期国債(注3) 18.124.031.5(29.0)39.0(34.0) + 5.0国庫短期証券 7.49.514.5(14.5)19.5(14.5) + 5.0CP等 1.42.1 → 2.2(2.1) + 0.1社債等 2.72.9 → 3.2(2.9) + 0.3指数連動型上場投資信託(注4)1.41.6 → 2.1(1.6) + 0.5不動産投資信託(注4) 0.100.12 → 0.13(0.12) +0.01固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション30.725.025.0(25.0)25.0(25.0) ―
§7
(別紙2)「貸出増加を支援するための資金供給」骨子 取引先金融機関の貸出増加額(基準時点からのネット貸出増加額)について、当該金融機関からの希望に応じて、その「全額」を日本銀行から資金供給する。 本措置による資金供給の総額の上限は、設定せず、「無制限」とする。 貸付金利は、貸付実行時の誘導目標金利(現在は0.1%とする。)による長期固定金利とする。 貸付期間は、各取引先の希望に応じて、1年、2年または3年とし、最長4年までロールオーバー可能とする。 本措置の開始後、1年程度の間、適宜の頻度で資金供給を行う。 資金供給の方式は、共通担保を担保とする貸付けとする。 対象先は、預金取扱金融機関とする。 貸出増加額を算出する対象与信は、対民間(金融機関向けを除く)貸出とし、円貨建て・外貨建てを含む。 本措置による資金供給と「成長基盤強化を支援するための資金供給」を合わせて、「貸出支援基金」とする。 (参考)「貸出支援基金」のイメージ 貸出支援基金 総枠:「無制限」 成長基盤強化を支援するための資金供給 総枠:「5.5兆円」 本則 3.5兆円ABL特則 0.5兆円小口特則 0.5兆円米ドル特則 120億米ドル(約1兆円) <現在の残高:3.4兆円> 貸出増加を支援するための資金供給<新設> 総枠:「無制限」 直近データを当てはめた場合の単純計算:「15兆円」
§8
(注)直近8月のデータによれば、取引先金融機関のうち貸出を増加させた先の貸出残高は、 1年前に比べて約15兆円増加。 (別紙3)デフレ脱却に向けた取組について
§9
政府及び日本銀行は、我が国経済のデフレ脱却に向けて、当面、以下のとおり取り組む。1.政府及び日本銀行は、我が国経済にとって、デフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であるとの認識を共有しており、一体となってこの課題の達成に最大限の努力を行う。2.日本銀行としては、上記1.の課題は、幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しがあいまって実現されていくものであると認識しており、政府が成長力強化の取組を強力に推進することを強く期待する。日本銀行としては、「中長期的な物価安定の目途」を消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。その際、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないかどうかを確認していく。日本銀行は、『経済・物価情勢の展望』(平成 24年10月30日)において消費者物価の見通しを公表した。日本銀行としては、引き続き「1%」を目指して、強力に金融緩和を推進していく。今後の物価動向については、「デフレ脱却等経済状況検討会議」において定期的に報告する。
§10
また、日本銀行は、金融政策運営の考え方を市場にわかりやすく説明していく努力を続ける。3.政府は、日本銀行に対して、上記2.の方針にしたがってデフレ脱却が確実となるまで強力な金融緩和を継続することを強く期待する。政府は、デフレからの脱却のためには、適切なマクロ経済政策運営に加え、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠であると認識している。このため、政府としては、足下の景気下押しリスクに対応し経済活性化に向けた取組を加速すべく、平成 24年10月17日の内閣総理大臣指示に基づき、経済対策を速やかに取りまとめる。また、政府は、「日本再生戦略」(平成 24年7月31日閣議決定)に基づき、平成25年度までを念頭に、「モノ」「人」「お金」をダイナミックに動かすため、規制・制度改革、予算・財政投融資、税制など最適な政策手段を動員する。デフレ状況を含めた経済状況及び経済運営については、「デフレ脱却等経済状況検討会議」において、定期的に点検を行う。平成24年10月30日日本銀行総裁内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)白川方明前原誠司財務大臣城島光力
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(参考) ・開催時間――10月30日(火)9:00~14:41 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口 秀(副総裁) 西村淸彦(副総裁) 宮尾龍蔵(審議委員) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃) 佐藤健裕(〃) 木内登英(〃) 上記のほか、武正公一財務副大臣(9:00~14:07、14:22~14:41)松山健士内閣府審議官(9:00~10:24)前原誠司経済財政政策担当大臣(10:25~14:07、14:22~14:41)が出席。 ・議事要旨の公表日時――11月26日(月)8:50以上