金融緩和の強化について(13時01分公表)
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§1
2012年12月20日日本銀行金融緩和の強化について1.日本銀行は、本日の政策委員会・金融政策決定会合において、金融緩和を一段と強力に推進する観点から、以下の決定等を行った(注)。この結果、「資産買入等の基金」と「貸出支援基金」を合わせて、今後1年余の間に 50 兆円超の資金供給を新たに行うことになり、その残高は 120 兆円超となる(別紙1)。また、次回の会合において、日本銀行が金融政策運営に当たり目指す中長期的な物価の安定について、検討を行うこととした。(1)「資産買入等の基金」の増額決定(全員一致)「資産買入等の基金」を91 兆円程度から 101 兆円程度に 10 兆円程度増額する。基金増額の対象については、別紙2のとおり、短期国債を5兆円程度、長期国債を5兆円程度とする。「資産買入等の基金」を通じた今後1年間の追加的な資産買入れ額は、既に決定したものと合わせ、36 兆円程度となる。このほかに、日本銀行は、年間21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。(2)「貸出増加を支援するための資金供給」の詳細決定(全員一致)「貸出増加を支援するための資金供給」は、金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその全額を低利・長期で無制限に資金供給するものである。その詳細について、実施期間を2014年3月末までの 15 か月間とすることなど、別紙3のとおり決定した。
§2
「貸出増加を支援するための資金供給」による供給額は、様々な要素に依存するが、最近の貸出実績を前提にすると、15 兆円を上回ると想定できる。(3)物価安定についての考え方に関する議長指示日本銀行は、「中長期的な物価安定の目途」について、原則としてほぼ1年ごとに点検していくこととしている。次回金融政策決定会合において、金融政策運営に当たり目指す中長期的な物価の安定について検討を行うこととし、議長は、必要な論点を整理し、次回の会合で報告するよう、執行部に指示した。2.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、 0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致)。
§3
(注)これらとは別に、石田委員より、補完当座預金制度における適用利率をゼロ%とする議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:石田委員、反対:白川委員、山口委員、西村委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、佐藤委員、木内委員)。
§4
3.海外経済は、減速した状態が続いている。国際金融資本市場では、欧州債務問題を背景とする投資家のリスク回避姿勢はこのところ後退しているものの、今後の市場の展開には十分注意していく必要がある。こうした状況のもとで、わが国の輸出や鉱工業生産は減少し、設備投資などの内需にもその影響が及んできている。企業の業況感は、製造業を中心に慎重化している。以上を背景に、日本経済は、一段と弱含んでおり、当面そうした動きが続くとみられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。4.リスク要因をみると、欧州債務問題の今後の展開や米国経済の回復力、新興国・資源国経済の持続的成長経路への円滑な移行の可能性、日中関係の影響など、日本経済を巡る不確実性は引き続き大きい。金融・為替市場動向の景気・物価への影響にも、引き続き注意が必要である。5.以上の景気・物価情勢を踏まえ、日本経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していく軌道を踏みはずさないようにするため、日本銀行は、金融緩和を一段と強化することが適当と判断した。6.日本銀行は、日本経済がデフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。この課題は、幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しがあいまって実現されていくものである。
§5
こうした認識のもとで、日本銀行は、金融機関による成長基盤強化の取り組みおよび貸出の増加を支援するとともに、実質的なゼロ金利政策と資産買入等の基金の着実な積み上げを通じて、強力な金融緩和を間断なく推進していく。日本銀行としては、引き続き適切な金融政策運営に努めるとともに、国際金融資本市場の状況を十分注視し、わが国の金融システムの安定確保に万全を期していく方針である。以上
§6
(別紙1)各基金の規模と今後の追加資金供給 本年末の残高今後1年余りにおける追加資金供給基金の規模(完了時期)資産買入等の基金 65 兆円程度 36 兆円程度101 兆円程度(注1)(2013年12月末)貸出支援基金成長基盤強化支援資金供給3.5 兆円程度 5.5 兆円(2014年3月末)(注2)貸出増加支援資金供給── 15 兆円超(注3)無制限<15 兆円超>(2014年3月末)(注4)合計 68.5 兆円程度 50 兆円超 120 兆円超(注1)2010年10月の導入時の「資産買入等の基金」の規模は、35 兆円程度であった。(注2)2014年3月末を受付期限として、資金供給を実施。(注3)本措置による資金供給額は、貸出の増加に向けた金融機関の今後の取り組みや企業の資金需要など様々な要素に依存するが、最近の貸出実績を前提にすると、15 兆円を上回ると想定できる。(注4)2014年3月末までの貸出増加額を対象に、資金供給を実施。 (別紙2)「資産買入等の基金」の規模
§7
(注1)資産買入等の基金の残高は、12月10日現在、67.0 兆円となっている。(注2)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。基金の残高(12年11月末)基金の規模( )内は従来の規模増額幅(積み上げ完了の目途)(12年12月末)(13年6月末)(13年12月末)(13年12月末)総額(注1) 64.6兆円程度兆円程度85.5(78)兆円程度(91)兆円程度+10兆円程度資産の買入れ 37.64060.5(53)(66) +10.0 長期国債(注2) 22.124.034.0(31.5)44.0(39.0) + 5.0国庫短期証券 9.09.519.5(14.5)24.5(19.5) + 5.0CP等 1.92.1 → 2.2 ―社債等 3.02.9 → 3.2 ―指数連動型上場投資信託 1.51.6 → 2.1 ―不動産投資信託 0.110.12 → 0.13 ―固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション27.025.025.025.0 ― (別紙3) 貸出増加を支援するための資金供給の概要
§8
「貸出増加を支援するための資金供給」は、金融機関の一段と積極的な行動と企業や家計の前向きな資金需要の増加を促す観点から、金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその全額を低利・長期で無制限に資金供給するものである。本措置による資金供給額は、貸出の増加に向けた金融機関の今後の取り組みや企業の資金需要など様々な要素に依存するが、最近の貸出実績を前提にすると、15兆円を上回ると想定できる。
§9
1.対象先預金取扱金融機関(外国銀行の在日支店を含む)である共通担保オペ(全店貸付)(注)の対象先のうち、希望する先。(注)国債や民間企業債務といった幅広い適格金融資産を担保(共通担保)として用いる資金供給手段であり、地域金融機関を含む幅広い金融機関が参加するオペ。2.貸付総額貸付総額および対象先毎の貸付額に上限額は設定せず、無制限とする。3.新規貸付の実施期間・頻度実施期間は 15 か月間とする。2013年1~3月から 2014年1~3月分までの貸出増加額を対象とし、四半期に1回の頻度で、合計5回実施する。―― 第1回を 2013年6月頃に実施する予定。4.貸付期間貸付期間は、各対象先の希望に応じて、1年、2年または3年とし、最長4年まで借り換えを可能とする。―― 貸付期間中に、貸出残高が減少しても、期日前返済は求めない。5.貸付利率貸付けの通知日における無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標水準(現在は、年0.1%とする)。
§10
6.対象先の借入可能額基準時点を 2012年10~12月期とし、資金供給毎に貸出増加額の算定時点として定めた四半期における、基準時点からのネット貸出増加額とする。―― 各四半期の月末貸出残高の平均額同士を比較する。―― 外貨建て貸出については、外貨ベースで算出した貸出増加額に、毎回共通の為替レート(2012年12月の為替レート)を乗じて円換算する。7.貸出増加額の算定対象とする貸出対象先が行った総貸出のうち、政府、地方自治体および金融機関向けを除いたものとする。―― 企業、家計向けであれば、貸出の債務者、実行店舗の国内外や、表示通貨を問わない。―― 算定対象のベースについて、総貸出(海外店を含む全店舗・全通貨分)ではなく、円貨建ての貸出のみ、国内店の貸出のみといった選択を行うことも認める。―― 控除する金融機関向けは、広義の民間金融機関、公的金融機関および預金保険機構等のセーフティネット関連向け(国外法人については、これらに相当するもの)とする。8.資金供給の方式共通担保を担保とする円資金の貸付け(電子貸付方式)。(参考)資金供給の実施予定回号貸出増加額の算定対象時期資金供給の実施時期第1回 2013年1~3月2013年6月頃第2回 4~6月9月頃第3回 7~9月12月頃第4回 10~12月2014年3月頃第5回 2014年1~3月6月頃 以上 (参考)
§11
・開催時間――12月19日(水)14:00~16:3212月20日(木) 9:00~12:56 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口 秀(副総裁) 西村淸彦(副総裁) 宮尾龍蔵(審議委員) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃) 佐藤健裕(〃) 木内登英(〃) 上記のほか、12月19日佐藤慎一財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:32)松山健士内閣府審議官(14:00~16:32) 12月20日武正公一財務副大臣(9:00~12:37、12:46~12:56)松山健士内閣府審議官(9:00~12:37、12:46~12:56)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――12月21日(金)14:00 ・議事要旨の公表日時――1月25日(金)8:50以上