「量的・質的金融緩和」の拡大(13時44分公表)
Full text
§1
2014年10月31日日本銀行「量的・質的金融緩和」の拡大
§2
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を決定した。(1)マネタリーベース増加額の拡大(賛成5反対4)(注1)マネタリーベースが、年間約80兆円(約 10~20兆円追加)に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。(2)資産買入れ額の拡大および長期国債買入れの平均残存年限の長期化(賛成5反対4)(注2)① 長期国債について、保有残高が年間約80兆円(約30兆円追加)に相当するペースで増加するよう買入れを行う。ただし、イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から、金融市場の状況に応じて柔軟に運営する。買入れの平均残存期間を7年~10年程度に延長する(最大3年程度延長)。② ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約3兆円(3倍増)、年間約900億円(3倍増)に相当するペースで増加するよう買入れを行う。新たにJPX日経 400 に連動するETFを買入れの対象に加える 1。2.わが国経済は、基調的には緩やかな回復を続けており、先行きも潜在成長率を上回る成長を続けると予想される。ただし、物価面では、このところ、消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている。
§3
このうち、需要の一時的な弱さはすでに和らぎはじめているほか、原油価格の下落は、やや長い目でみれば経済活動に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用する。しかし、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある。日本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成のモメンタムを維持するため、ここで、「量的・質的金融緩和」を拡大することが適当と判断した。
§4
1 CP等、社債等については、それぞれ約2.2 兆円、約3.2 兆円の残高を維持する(従来通り)。 3.今後も、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う 2(注3)。 以上 (注1)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員。反対:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員。反対した委員は、これまでの金融市場調節方針を維持することが適当であるとした。(注2)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、白井委員。反対:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員。反対した委員は、これまでの資産買入れ方針を維持することが適当であるとした。(注3)木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、「量的・質的金融緩和」を2年間程度の集中対応措置と位置付けるとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員)。
§5
2 「量的・質的金融緩和」は、こうした方針のもとでオープンエンドで実施している。現在の金融市場調節方針および資産買入れ方針を継続した場合の本年末のバランスシートの見込みおよび今後の各項目の年間増加ペースは別紙のとおり。 日本銀行のバランスシートの見通し (単位:兆円)13年末(実績)14年末(見通し)今後の年間増加ペース マネタリーベース 202275 +約80兆円 (バランスシート項目の内訳) 長期国債 142200 +約80兆円CP等 2.22.2 残高維持社債等 3.23.2 残高維持ETF 2.53.8 +約3兆円J-REIT 0.140.18 +約 900 億円その他とも資産計 224297 銀行券 9093当座預金 107177その他とも負債・純資産計 224297 (別紙) (参考) ・開催時間――10月31日(金) 9:00~13:39 ・出席委員――議長黒田東彦(総裁) 岩田規久男(副総裁) 中曽宏(〃) 宮尾龍蔵(審議委員) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃) 佐藤健裕(〃) 木内登英(〃) 上記のほか、財務省宮下一郎財務副大臣(9:00~12:46、12:52~13:39)内閣府前川守政策統括官(経済財政運営担当)(9:00~12:46、12:52~13:39)が出席。 ・議事要旨の公表日時――11月25日(火)8:50以上