金融政策決定会合における主な意見(7月19、20日開催分)
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1 2017 . 7 . 28日本銀行金融政策決定会合における主な意見(2017年7月19、20日開催分)1
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Ⅰ .金融経済情勢に関する意見(経済情勢) わが国では、企業部門、家計部門の双方において、所得から支出への前向きな循環メカニズムが働き、需給ギャップのプラス基調が定着してきている。こうした状況を踏まえ、景気判断を「緩やかに拡大している」へ一歩進めることが適当である。 わが国の景気は、緩やかに拡大している。個人消費は底堅さを増しており、先行き2017 、2018年度は潜在成長率を上回る成長を続けると見込まれる。その後、2019年度は、消費税率引き上げの影響もあり、成長ペースは鈍化するとみられる。 外需から内需、都市部から地方へと、景気改善の動きに拡がりがみられている。こうしたもとで、わが国経済は、より自律的な成長過程へと移行しつつあり、外生的なショックに対する頑健性を高めている。 人手不足の深刻化がどの程度、経済の足を引っ張るかは注意してみていく必要がある。企業活動の一時的な制約となる部分はあるが、中長期的には、企業が困難を克服する努力が創意工夫やイノベーションに繋がっていくとみている。 人手不足に直面した企業は、省力化投資やビジネス・プロセスの見直しなどに取り組んでおり、こうした対応による労働生産性の上昇は、やや長い目でみれば、潜在成長率の引き上げに繋がる可能性がある。
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1 「金融政策決定会合における主な意見」は、①各政策委員および政府出席者が、金融政策決定会合で表明した意見について、発言者自身で一定の文字数以内に要約し、議長である総裁に提出する、②議長はこれを自身の責任において項目ごとに編集する、というプロセスで作成したものである。公表時間7月28日(金)8 時50分 2
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(物価) 消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。2% 程度に達する時期は、2019年度頃になる可能性が高い。 マクロ的な需給ギャップが着実に改善し、企業の賃金・価格設定スタンスが積極化して実際の物価上昇率が高まれば、「適合的な期待形成」の面から、中長期的な予想物価上昇率も高まると期待される。 現在の金融政策を続けていけば、失業率がさらに低下し、需給ギャップのプラス幅が拡大するもとで、物価は経験則に沿って上昇していく。需給ギャップと物価の関係には半年ほどのラグがあるので、需給ギャップの値が変わらなくても、物価は上がっていく。現実の物価が上昇すれば、予想物価上昇率が高まり、それがさらに現実の物価を上昇させるメカニズムも存在する。 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2%に向けて緩やかに上昇していくとみられる。しかし、マクロ的な需給ギャップはプラスである一方、資源価格や予想物価上昇率などに力強さはみられず、 2% に達するには、これまで想定していたよりは暫く時間がかかると見込まれる。
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物価が弱めの動きとなっている主因は、2014年の消費税率引き上げ後の消費の回復が弱いために、企業が、人手不足により人件費が増加する中でも、価格を引き上げることができずにいることである。2%の「物価安定の目標」の達成のためには、消費拡大により需給ギャップを改善し、企業の価格設定行動を強気化していく必要がある。 わが国では、デフレ期の環境に家計及び企業が順応してきた結果、物価の上昇に時間がかかっていると思うが、社会のノルム(規範)に変化が生じる環境は整いつつある。 企業による賃金上昇圧力の吸収努力は、短期的には物価を下押す可能性があるが、人手不足感がますます強まる中で、いずれ賃金上昇圧力がかかり始めると考えられる。 生産性の上昇余地はサービス業でなお大きく、雇用逼迫が賃金・物価の上昇に波及するまでには距離がある。 企業がコスト削減を優先して値上げを回避するのは、成長期待
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が乏しいためで、金融政策とともに成長期待を高める構造政策が重要である。 2019年度までの見通し期間中、物価上昇率は 2% を大きく下回り続け、その後も 2% に達するめどは立っていないと考える。Ⅱ.金融政策運営に関する意見 2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されている。もっとも、なお力強さに欠けることから、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、現在の強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが重要である。 足もとの物価の動きは鈍いが、景気の改善基調は強まっており、「物価安定の目標」の達成に向けたモメンタムは維持されていることから、現行の金融政策の枠組みを維持し、その効果を見守ることが肝要である。 物価の見通しは下振れているが、現時点では 2% に向けたモメンタムがしっかりと維持されていることから、追加的な緩和策は不要であり、現在の政策を維持すべきである。 息長く経済の好循環を支えて脱デフレの完遂に資するべく、現在の金融政策を継続するべきである。 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」には、時間はかかるものの、需給ギャップを確実に改善し、消費も拡大させるメカニズムが組み込まれている。2% の「物価安定の目標」が持続的に達成されるまで、この政策を続けるべきである。
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今後、景気の緩やかな拡大が続き、現実の物価上昇率が高まるにつれて、人々の経済成長や物価に対する見方も変化することが見込まれる。そうしたもとで、長短金利を維持する現行の金融緩和政策の効果は一段と強まることになる。 実質 GDP は年1%以上の成長が続いている。推計される潜在成長率も今後、おそらく1% 以上になることから、10年物金利をゼロ% 程度に固定していれば、金融政策の景気刺激効果は強まる。そこで物価が上昇すれば、金融政策の効果はさらに強まるはずである。 競争力と成長力の強化に向けた官民の取り組みに加え、日本銀行が強力な金融緩和を粘り強く推進することが重要である。そ
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の際、政府と日本銀行の足並みが揃っていることが引き続き肝要である。 2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に達成するという方針は、政策の自由度を制約しており、先行きの金融政策の正常化を困難にする。2% の「物価安定の目標」の達成は、中長期の目標と明確に位置付けるべきである。 物価目標の達成時期の先送りを繰り返すことは、日本銀行の物価見通しの信認にかかわる。「できるだけ早期に」実現するスタンスを残しつつ、物価の安定が経済・金融の安定を含む包括的な概念であることを踏まえ、「物価安定の目標」を中長期的かつ柔軟な目標と位置付けることが適当である。 物価の安定と金融システムの安定という日本銀行の 2 つの使命をともに達成するために、後者により比重を置いた金融政策を行うべきである。付利金利を+0.1% に戻すことやイールドカーブ・コントロールの廃止はそれに資する。 10年物金利の操作目標である「ゼロ % 程度」の範囲をあまりに狭く解釈するべきではない。 国債買入れペースに年間約45 兆円という目標を新たに設定し、それを秩序だって段階的に低下させることが妥当である。 年間約6兆円のETF買入れの継続の是非について、今後議論が深まることを期待する。Ⅲ.政府の意見(財務省) 先般のG 20 で、金融政策、財政政策、構造改革の全ての政策手段を個別にまた総合的に用いること等が合意された。
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先般の経済財政諮問会議で、「平成30年度予算の全体像」が決定された。総理の指示も踏まえ、平成30年度概算要求基準を決定することとしている。 日本銀行が、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に沿って、引き続き、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、「物価安定の目標」の実現に向けて努力されることを期待する。
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5 (内閣府) 財政健全化のためには、持続的な経済成長が不可欠である。働き方改革に注力し、人材投資や生産性向上等の施策に予算が重点配分されるよう、予算編成を進めていく。 日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ2%の「物価安定の目標」の実現に向け着実に取り組むことを期待する。 2%の「物価安定の目標」の達成時期の見通しの変更に関し、日本銀行としての考え方を対外的に丁寧に説明していただくことが重要と考える。 以上