氷見野副総裁記者会見(2026年8月27日)
全文
§1Question
地元の関係で二点ほど、冒頭お伺いしたいと思います。まず、今日出席されていました埼玉県の関係者の皆さまからどのような意見があったか、主なものをご紹介頂ければと思います。もう一点、埼玉の経済についてどのようにご覧になっているか、ご見解を頂ければと思います。
§2Ryozo Himino
二つ関係しますのでまとめてお答えさせて頂ければと思います。今日、大変いろんなお話を伺いまして、非常に貴重な機会だったと思います。全部紹介できませんが、印象の強かった点について申し上げますと、一つは、本社の流入増が全国一であるとか、あるいは中小企業団体の方でも会員企業が増えているとか、あるいは自治体によっては若年人口の社会的な流入がプラスであるとか、非常に日本の各都道府県の中では恵まれている印象を私は受けました。ただ、それは、交通網の利便性、これも七つの新幹線のうち六つが来ているとか、今日伺った話では、1 時間以内に5,000 万人に辿りつける都市というのは世界に六つしかなくて、その一つがさいたま[市]であるというお話も聞いたんですけれども、そういう交通網の利便性だけではなくて、様々な取り組みの成果なんだということもよく分かりました。例えば、そういう交通の要衝からかなり離れた自治体、町でも、スタートアップ支援で人口の社会増があるとか、そういったようなお話も聞きました。それが非常に印象に残りました。
§3Ryozo Himino
そのうえで、足元の課題として一番聞かれたのが二点でありまして、一つは資材、原材料、エネルギーの確保と価格の話、もう一つは人手不足の話だったわけですけれども、資材、原材料の話は、入手自体はもうあまり問題なくできるようになっていて、価格の問題、価格転嫁ということなわけですけれども、この価格転嫁については、有名な価格転嫁の埼玉モデルというのを取り組んでおられるわけですが、価格転嫁交渉に使えるアプリというのを県で作っておられるんですが、そのアプリに使われている中心的なデータの一つは、わが日本銀行の作成している統計であるというお話も聞いて、大変心強く思ったわけですけれども、そうした価格転嫁についての取り組み、更に人手不足についても、いろんなマッチングの仕組み、更には新卒の学生さんが自分の適性を AⅠに聞くとどんなところでインターンができるか分かるとか、いろんな取り組みをされておられるということで、大変素晴らしいなというふうに思いました。こういった取り組みの成果が発揮されて、埼玉県経済が更に発展していかれることを祈念しているところでございます。
§4Ryozo Himino
また、日本銀行に対しましては、金融政策の運営に当たっては、全国の平均の統計だけではなくて地域の現場の声も幅広く拾いながら考えていってほしいという話ですとか、あるいは政策意図に関する丁寧なコミュニケーションに努めてほしいとか、そうしたご指摘を頂いたところです。
§5Question
市場では、早ければ 9月に追加利上げに踏み切るとの見方が広がっております。副総裁はこうした市場の観測をどのように受け止めているでしょうか。また、利上げのペースについて、これまでは半年に一度程度との見方が強かったわけですが、最近ではより加速するとの見方も出ております。利上げペースを加速させる必要について副総裁はどのようにお考えでしょうか。
§6Ryozo Himino
市場における利上げの織り込み度合いは、最近も、例えば原油の価格が変わったところでまたいったん少し変わったりとか、いろんな変化があるわけですけれども、市場の評価について直接具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。そのうえで、ご質問のありました利上げのタイミングとかペースにつきましては、中東情勢やAⅠ関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していきたいというふうに考えております。特に、現状、基調的な物価上昇率が 2%に近づいていることを踏まえますと、これまで以上に物価の上振れリスクを意識する必要があると考えておりまして、こうした基本的な考え方に立って、経済・物価・金融情勢を点検しながら、毎回の決定会合において、しっかり議論してまいりたいと考えております。
§7Question
今の質問にも関連するんですけれど、利上げについてですね、先ほどの講演で副総裁は、毎会合での議論というお話でしたけれど、これ毎回というのは、次の 9月も選択肢に入るというふうに理解していいのか、また一方で毎回というと連続利上げもあるのかというような受け止めもできるんですけれども、今の金融政策が基本的にビハインド・ザ・カーブにならないようにという前提だとは思うんですが、そのビハインド・ザ・カーブになる前の時点でそうした連続利上げというのは選択肢になり得るんでしょうか。
§8Ryozo Himino
まず利上げのタイミングとペースについては、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していくということに尽きるかと思いますけれども、それを毎回の会合、これは次回会合も含めてということになりますけれども、毎回の会合でそういった検討をしっかりしていくということに尽きるかと思います。
§9Question
午前の講演で、今後は基調物価が 2%を超える可能性も考えながら、政策判断をしなくてはならない局面に変わってきていると、そういうふうなご発言をされました。そうした局面に変化している中で、かつ物価の上振れリスクを意識しなければならない状況ということはですね、利上げに関しても従来のペースを速めたり、もしくはビハインド・ザ・カーブに陥るリスクというのが高まっているということになるのか、副総裁のご見解をお願いします。そのうえで、この局面変化によって日銀の姿勢なんですけども、よりインフレファイター的なものになった、なりつつある、そういうふうに理解してよろしいのか、この二点お願いします。
§10Ryozo Himino
まずビハインド・ザ・カーブかどうかということは、事後的に基調的な物価上昇率が明らかに 2%を超えて上昇していくという事態に仮に将来なるとすれば、その時点から振り返ってみればビハインド・ザ・カーブになっていたということになるんだろうと思いますけれども、現在、私どもは適切に政策を運営することで、うまく2%に基調を着地させていきたいというふうに考えておりますので、それが実現できるようなタイミング、ペースを毎回の会合でしっかり検討していくということに尽きるかと思います。それでインフレファイター度が高まったのかということなわけですけれども、もちろん講演でも、これまでちゃんと物価の基調が 2[%]に向かって上がっていくのか、定着するのかというところに注目して運営をしてきたけれども、これからはそれを超えて上振れしていくリスクについても注意しながらやっていく必要があるということを申し上げたわけですけれども、それは必ずしも何か日銀の特性が変化したというよりは、まさに物価の基調の状況をよくみているうえで注意すべき点がそういうふうに変わってきている、というふうに認識しているということであります。
§11Question
物価上昇リスクについて、講演で三つ、円安、AI、原油高を挙げられたと思うんですけども、このリスクの大きさみたいなのは、7月会合と比べてですね、どの程度変化があったのかということとですね、あとそのリスクが大きくなってくるっていうことと、これが発現している、顕在化するっていうのは、また別だと思うんですけども、この間、その顕在化の度合いみたいなのをどうご覧になっているのかっていうのをまず一つお伺いしたいのと、この間に発表された経済統計、物価指標を含めてですね、日銀としての 7月時点の予想からどういう感じで、オントラックで来ているのかどうなのか、その辺併せて伺えますでしょうか。
§12Ryozo Himino
7月の展望レポートの時点の認識と現時点の認識を比べたときに、私自身について言いますと、大きく変化していないと。むしろ 7月時点の見通しで考えていって大丈夫だという確度は時間の経過とともに高まっているかもしれませんけれども、むしろ 7月の認識を変えずに現時点でいるということであります。そのうえで、その間に発表された経済統計ということですけれども、概ね見通し通りの統計だったわけですけれども、 GDP統計の内需が弱めだったではないかという点も気になるところなわけですけれども、私は経済の状況についての見方を変える必要はない、主に技術的な要因による変化だというふうに考えておりまして、例えば設備投資の数字は私どもの短観ベースに比べると弱かったわけですけれども、実はあの実物投資は統計上ほとんど見通し通りでありまして、一番大きな理由は、知的所有権についての取引が海外への売却があって、それがあの統計の技術的な仕組みとしては設備投資のマイナス要因に計上されているということでありますし、個人消費の数字もGDP統計だけみると弱めだったわけですけれども、これは例えば給食を無償化すると、これまで個人消費だった給食が政府消費に移る、その結果、今回政府消費はすごく伸びが強まっているわけですけれども、その他の主に技術的な要因で説明できるところでありまして。
§13Ryozo Himino
従って、経済の動きについての見方は、特に 7月から大きく変える必要は感じていないというところであります。
§14Question
金融環境についてお伺いしたいんですけども、氷見野副総裁は挨拶の中で金融環境を緩和した状態が維持されているというご発言をされましたけれども、植田総裁は7月の決定会合後の記者会見で、物価情勢をにらみながら、このままでは金融環境が緩和的に過ぎると思えば利上げのペースを速めるということも十分あり得るというお話をされていました。氷見野副総裁は、金融環境の現状を緩和的に過ぎるというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうかというのが一点目です。二点目ですけれども、日銀が利上げしていく中でも、この金融環境というのを緩和した状態っていう評価を続けているわけなんですけれども、今後、金融環境を緩和した状態を落としていくというか、金融市場で例えば株安とか円高とか金利低下につながるようなそういう積極的な利上げをして、ひいては基調物価を 2%に安定させていくと、そういう手段に出る、その必要性についてはどうお考えでしょうか。
§15Ryozo Himino
大変論点が多くて落ちていたら後でご指摘を頂ければと思いますが、一つは、7月の会見で、植田総裁が、物価情勢をにらみながらこのままでは金融環境が緩和的に過ぎるというふうに思えば、利上げのペースを速めるということも十分あり得るというふうに申し上げていて、私も同じ考えですが、それは何か金融環境だけを単独でとってということではなくて、いろんな影響も点検しながら物価情勢もみながら金融環境がそれとの対比で緩和的であればということですので、ある意味利上げのペースを速めなきゃいかん環境だと判断すれば速めるということであると私は受け止めておりまして、ではそういう環境にあると思っているかと言われれば、タイミングやペースについては毎回の会合でしっかり検討してまいりたい、という以上はちょっと申し上げられないというところになるわけですけれども、金融環境の緩和度合いを修正するといったときに、何か金融市場にショックを与えて修正するということを考える中央銀行というのは、よほどの環境でなければあまりないと思います。基本的には、金利というものが経済主体の判断に与える影響を通じて経済に影響を与えていくという経路を主に考えて、何か市場に攪乱的な影響を及ぼすことをあえて意図するということではなくて、淡々と経済に金融政策が波及していくのを期待して進めるということではないかと思います。
§16Question
質問二つございまして、先ほど次回の 9月の会合でも利上げについて検討していくというお話がございました。経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検していくというお話でしたけれども、その経済・物価の中心的な見通しが具体的にどのような状況であれば、次回 9月の決定会合でも利上げになり得るかと、その判断を具体的に教えて頂きたいのが一つと。これまで市場では概ね半年に 1 回ぐらいのペースでの利上げを想定されており、実際、前回 6月の更に前は 12月と、実際に半年ぐらいのペースで利上げ判断がされてきています。植田総裁も前回の決定会合後の記者会見で、場合によってはペースを速めることもあり得ると。これが先ほど事後的にある時点からみれば、当時はビハインド・ザ・カーブに陥っていたかもしれないという評価がなされるというお話でしたけれども、この現時点でもそのペースが早まる可能性があるというのは、既に市場に対して金融政策が後手に回っているという評価を現時点で下せないかっていうそこの辺りの受け止めを教えてください。
§17Ryozo Himino
何か特定の会合で何をするかということについて申し上げることが適当とは思わないんですけれども、毎回の会合でどういう検討の基準で判断していくかということであれば、中東情勢、AI関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、特に物価の上振れリスクも意識しながら判断するという以上のことは、何かこの条件が満たされたらやるけど、これだったらやらないとか、そういうことを毎回の会合について言えるかというと、現在の時点で言えることは、展望レポートに書いてあるのが、私どもの方の判断基準であるということだと思います。あとは 7月会合後の植田総裁の発言で、こういうふうに思えば、利上げのペースを速めるということも十分あり得るというふうなことは、何か後手に回っているということを示唆したというふうには私は受け止めておりませんで、物価情勢、金融環境を総合的にみたうえで速める必要があると思えば速めるという、当然のことを申し上げたということではないかなと想像しておりますが、本人に確かめたわけではないので、私はそう思っているということです。
§18Question
二点あるんですが、いろいろみていく中で、とりわけ副総裁が今後注目している指標等あるのか、総裁は予想インフレの上昇についてとりわけ意識しているとのご発言でしたが、そういった点も含めて今後の注目点っていうのをお願いできればと思います。もう一点は、最近長期金利の上昇が世界的に起こっていて、日本の金利も、今少し落ち着いていますが、上昇トレンドで 10年債金利が 3%に近づく局面もありました。こうした動きが、ある意味、ファンダメンタルズに沿ったものということなのか、また今後日銀がバランスシートの適切なサイズを考えていくにあたって、今起きている長期金利の動きがどういう影響を及ぼすのか、及ぼさないのか、その辺りをお願いします。
§19Ryozo Himino
注目している指標は何かということで、これはある意味、 7月にみていた見通しに概ね沿ってこれまで展開しているので、あらゆる指標をみて想定からずれている兆しがないかというのは、幅広くみていくということになると思いますけれども、一つは、三つリスクを挙げておったわけですけれども、中東情勢についてはそもそも中東情勢の展開、足元でもいろんなことが起きておりますし、その原油価格とか、アベイラビリティとか、そういったようなことで想定外のことが起こらないかというのは、これはいろんなどちらの方向にも展開があり得るわけですが、みていくようにしたいと思っております。二つ目が AI関連ですけれども、これは実は今日講演でも申し上げましたけれども、経済に局地的に影響があるものなのか、あるいは日本全体に影響があるのか、更に世界でこのAIブームがどうなっていくのかとか、いくつか着眼点がありますので、それはぜひみていきたいというふうに思っております。三つ目は為替相場の動向ですけれども、これも経済・物価には影響が大きいですので、どういう動きをしていくかというのはよくみていきたいと思いますけれども、だからどれがどうなったらどうするということではなくて全体に、中心的な見通しが実現する確度を評価するうえでは、こうした点が大事ではないかなというふうに思っているということであります。
§20Ryozo Himino
次に、長期金利の動向についてのご質問だったと思いますけれども、これは市場がどうして動いているというところはなかなか特定できるわけではありませんけれども、中東情勢を背景としたインフレ圧力の高まりですとか、AI関連企業による大型の社債発行ですとか、あるいは世界各国における財政政策についての市場の見方とか、いろんなものが背景にあるんじゃないかというのが市場参加者の人からよく聞くところでありまして、それによって生じた世界的な金利上昇がわが国の長期金利にも影響しているんではないかというお話を伺うことが多いような気が致します。そのうえで、本行のバランスシートをどうしていくかというのについて、何かこの長期金利の足元の動向が直接影響するかと言いますと、何か、現在、国債市場、長期金利市場で機能に特段の問題がみられるというようなことでもありませんので、基本的には既に公表している方針に沿って、粛々と進めていくということではないかと考えております。
§21Question
二点伺います。まず政策金利を1%に引き上げた前々回の6月会合で決定会合の議長代行をされましたけど、そのときのちょっと議論の雰囲気を教えて頂きたいです。特に利上げの判断に関して 6月会合までいろいろあった局面があったんで、タイミングが少し遅れ気味だったのか、それとも適時のタイミング、場合によっては物価の上振れリスクを意識した前もっての対応だったのか、その辺りを伺いたいと思います。二問目は金融システム面なんですけれども、元金融庁長官というお立場だったってことで伺いたいんですが、金利の正常化が徐々に進む中で、この夏に大阪のクレジット決済代行で全東信の破産がありましたが、地元以外を含めて幅広い地域金融機関の貸出債権も明るみになっています。この事象をどうとらえていらっしゃるのかっていうのと、また、この金利ある世界におけるその金融機関の信用リスク管理をどうみられているのか、今のご見解を伺えればと思います。
§22Ryozo Himino
まず6月(注)の決定会合の模様がどうだったかということですけれども、これについては定められた形で公表するということになっておりまして、特にそれで公表しているものに追加して申し上げるということは差し控えたいと思いますけれども、遅れ気味だという感じだったのか、前もって対応するという感じだったのかということですけれども、これにつきましては、より早い会合で利上げ提案をされていた委員の方もありますし、6月の利上げに反対された委員の方もあったわけですので、委員の中で様々な見方がある中で、多数は 6月に上げるのが適切であるという議長提案を支持されたというふうに申し上げておきたいと思います。二つ目ですけれども、全東信の事案が金融システム全体の何か兆しみたいなものを示しているかというと、私は必ずしもそうは受け止めておりませんで、個別の事案として考えておりますけれども、金利ある世界における信用リスクの管理はいかにあるべきかというご質問が第二質問の後半としてあったと思います。
§23Ryozo Himino
基本的には金利ある世界の方が利鞘は取りやすいですし、また、かつては資金需要自体が非常に乏しかったのが、現在では資金需要は結構活発であるということ、むしろ預金の調達の方が大変だといったようなことも含めますと、全体としては金利ある世界の方が金融機関のビジネスモデルというのは作りやすいと、何かよほど無理をして信用リスクを取らないと経営が成り立つ絵が描けないといったようなことではなくなっているというふうに思いますけれども、他方、金利のある世界というのは、ある意味金融機関の間の競争が厳しくなるということでもありますし、変化への対応というのもより求められるということになりますので、金融機関の側ではリスク管理とか、経営戦略とかいろいろ努力されていくと思いますので、日本銀行と致しましても、金融庁ともよく連携して適切なサポートに努めていきたいと考えております。
§24Question
まだ 9月決定会合で何をするかとかそういったことはまだ決まっていないということは理解しているんですけれども、2025年の 1月の利上げの前に氷見野副総裁は講演をされて、そこでその時に利上げの是非について議論し判断するということをおっしゃっていました。ただ今日に限って言えば毎回の決定会合においてしっかり議論していきますというコメントをされています。このコミュニケーションの違いについてどう市場、私達はとらえたらいいのかということがまず一点と。あと仮に9月に利上げをするとすると、6月に利上げしたことを考えると、これまで日銀は利上げの金融システムへの影響というのはすごく注意深くみてこられたと思います。そうすると、ちょっと 9月ではその辺の影響についてはまだ見極めは難しいんじゃないかという見方があると思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。
§25Ryozo Himino
一つ目は、各回の講演で表現ぶりが違うのをどう解釈したらいいかという大変ごもっともなご質問だったと思うんですが、確か私の記憶が正しければ、25年1月の講演でも何か予告みたいなことをしてるつもりはありませんよということがはっきり書いてあったと思いますので、あまりそこを詰めて聞かないでください、と思いますが、毎回の決定会合においてしっかりと議論してまいりたいというふうに考えているということに尽きるということだと思います。利上げのペースを考えたときに金融システムへの影響を見極めるための時間が十分取れるのかということなんですけれども、これは今日会見で申し上げたのは、経済・物価に対する影響がピークまで待つと1年、2年かかるということを申し上げましたけれども、金融システムへの影響も即時に出るものではありませんので、これはやはりできるだけ幅広くいろんな方のご意見も聞き、指標もみて、そのうえで、各会合の時点で、その時点で判断できるベストな予測を持ってやっていくということで、何か完全情報が得られるまで一歩も踏み出さないということでやっていくということではないと思います。
§26Ryozo Himino
しかも基調的な物価上昇率が 2%に近づいているという状況の場合は、見極めをどこまで確実にやるかということと、タイムリーに行動しない場合にビハインドになるリスクがあるぞといういろんなことを比較しながら、総合的に判断していくことになるわけですけれども、そのバランスも、近づいていることを踏まえると、そういったことも踏まえてバランスの判断をして、毎回の決定会合でしっかり議論していく必要があるだろうというふうに考えております。(注)会見では1月と発言しましたが、正しくは 6月です。以上