金融市場調節方針の変更について
全文
§1
2026年9月18日日本銀行金融市場調節方針の変更について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成7反対2)(注)。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.25%程度で推移するよう促す1。2.上記の金融市場調節方針の変更に伴い、以下のとおり、各種制度の適用利率の変更を決定した2(賛成7反対2)(注)。(1)補完当座預金制度の適用利率補完当座預金制度の適用利率(日本銀行当座預金<所要準備額相当部分を除く>への付利金利)については、1.25%とする。(2)基準貸付利率3補完貸付制度については、その適用金利である基準貸付利率を1.5%とする。3.気候変動対応オペについて、金融調節の円滑な運営を確保しつつ、民間における気候変動対応を安定的に支援する観点から、貸付金利を変動金利に変更するほか、貸付総額等に上限を設定することとした4(全員一致)。4.わが国の景気は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している(別紙)。先行きも、中東情勢の影響が下押し要因となるものの、グローバルなAI関連需要の増加に加え、政府による各種施策等が経済を下支えすると考えられるため、緩やかな成長を続けるとみられる。
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物価面をみると、原油高や為替円安に加え、AI関連需要拡大の影響から、国内企業物価は前年比で高い伸びが続いている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、企業間取引における価格上昇圧力が消費者段
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1 新たな金融市場調節方針は、翌営業日(9月24日)から適用する。2 補完当座預金制度の適用利率および基準貸付利率は、翌営業日(9月24日)から適用する。3日本銀行法第15 条第1項第2号に規定する「基準となるべき貸付利率」。なお、同第1号の「基準となるべき割引率」も1.5%とする(手形割引の取り扱いは現在停止中)。4 被災地金融機関支援オペおよび共通担保資金供給オペについても、貸付金利の見直しを行うこととした。また、東日本大震災については、足もとの被災地金融機関支援オペの利用実績等を踏まえ、2027年5月の貸付をもって同オペの対象災害から解除することとした。
§4
階にも波及し始めているほか、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きも続いており、このところプラス幅が緩やかに拡大している。こうしたなか、中長期の予想物価上昇率は引き続き上昇しており、消費者物価の基調的な上昇率は2%に近づいている。以上のように、わが国の経済・物価は、「展望レポート」で示してきた中心的な見通しに概ね沿って推移している。中心的な見通しに対するリスク要因としては様々なものがあるが、中東情勢やAI関連需要の拡大、為替相場の変動が、わが国の経済・物価に及ぼす影響には、引き続き留意が必要である。基調的な物価上昇率については、企業の賃金・価格設定行動の積極化や中長期的な予想物価上昇率の上昇などを踏まえると、 2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクがある。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。実質金利は短中期ゾーンを中心になお低い水準となっている。企業等の資金需要は増加しており、金融機関の貸出態度も引き続き積極的である。CP・社債市場でも良好な発行環境が続いている。以上の経済・物価動向やリスク要因、金融環境を踏まえ、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した。政策金利の変更後も、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えている。
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5.今後の金融政策運営については、基調的な物価上昇率が2%に近づいているなか、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。そのうえで、調整のタイミングやペースについては、中東情勢やAI関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していく方針である。とくに、基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、基調的な物価上昇率を2%程度の水準で安定させていくという観点が重要になると考えている。日本銀行は、 2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営していく。以上
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(注)賛成:植田委員、氷見野委員、内田委員、高田委員、田村委員、小枝委員、増委員。反対:浅田委員、佐藤委員。浅田委員は、足もとの消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率が2%を下回るなか、経済の状況も必ずしも強いとはいえない点を踏まえると、金融市場調節方針を据え置くことが望ましいとして、佐藤委員は、経済・物価情勢が、現時点ではこれまでと比べて大きく加速している状態にあるわけではないと考えられるもとで、このタイミングでの利上げは適切ではないとして、反対した。 (別紙)経済・物価の現状と見通し
§7
1.わが国の景気は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、一部に弱めの動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長している。グローバルなAI関連需要の堅調な増加などを背景に、輸出や鉱工業生産は緩やかながらも増加に転じており、企業収益は高水準で推移している。こうしたもとで、設備投資は、建設コスト上昇の影響を受けつつも、緩やかな増加傾向にある。個人消費は、家計マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している。一方、住宅投資は減少傾向にある。公共投資は横ばい圏内の動きを続けている。この間、労働需給は、引き締まった状態が続いている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などがみられるものの、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、輸入物価上昇の影響が現れていることから、このところプラス幅が緩やかに拡大しており、足もとでは1%台後半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。
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2.先行きのわが国経済を展望すると、中東情勢の影響を受けた春先以降の原油価格上昇が下押し要因となるものの、グローバルなAI関連需要の増加に加え、政府による各種施策や緩和的な金融環境等が経済を下支えすると考えられるため、わが国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けるとみられる。その後は、原油高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まっていくことから、わが国経済は成長率を緩やかに高めていくと考えられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、賃金上昇を販売価格に転嫁する動きが続くもとで、これまでの原油価格上昇が、エネルギーや財を中心に価格を押し上げるほか、グローバルなAI関連需要の増加に伴う半導体価格等の上昇や最近の為替円安が耐久財等の価格上昇につながることから、2026年度後半以降、2%をはっきりと上回る水準まで伸び率を高めていくと予想される。その後、「展望レポート」の見通し期間後半には、原油高の影響が減衰していくもとで、2%程度に向けてプラス幅を縮小していくと考えられる。この間、人手不足感の強い状況が続くなかで、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、中長期的な予想物価上昇率は上昇していくと見込まれる。
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こうしたもとで、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、2026年度後半から 2027年度にかけて「物価安定の目標」と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移すると考えられる(注)。
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3.リスク要因としては様々なものがあるが、当面は、中東情勢が金融・為替市場やわが国の経済・物価に及ぼす影響をとくに注視する必要がある。このほか、グローバルなAI関連需要の動向や今後の為替相場の変動が、わが国の経済・物価に及ぼす影響にも留意が必要である。以上 (注)物価の見通しについて、高田委員は、基調的な物価上昇率を含め、消費者物価は既に概ね「物価安定の目標」に達する水準にあるとして、田村委員は、基調的な物価上昇率は「物価安定の目標」と既に概ね整合的な水準で推移しているとして、反対した。 (参考) ・開催時間――9月17日(木) 14:00~15:599月18日(金) 9:00~11:47 ・出席委員――議長植田和男(総裁)氷見野良三(副総裁)内田眞一(〃)高田創(審議委員)田村直樹(〃)小枝淳子(〃)増一行(〃)浅田統一郎(〃)佐藤綾野(〃) 上記のほか、9月17日財務省中山光輝大臣官房総括審議官(14:00~15:59)内閣府堤雅彦政策統括官(経済財政運営担当)(14:00~15:59) 9月18日財務省中谷真一財務副大臣(9:00~11:25、11:35~11:47)内閣府城内実経済財政政策担当大臣(9:00~11:25、11:35~11:47)が出席。
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・公表日時金融市場調節方針の変更について――9月18日(金)11:54主な意見――10月1日(木)8:50 予定議事要旨――11月5日(木)8:50 予定以上