総裁記者会見(2016年2月27日)要旨
全文
§1Question
総裁は日銀のマイナス金利政策を説明したと思いますが、それについての懸念を示す国もあるようで、先程のオランダの財務大臣とユーログループの議長を務めるダイゼルブルームのコメントでは、「正直に言うと、日本についての議論はあった。1 つの国が通貨安政策を始めると他国が追随し、通貨安競争に突入するリスクはとても大きい」といっています。総裁はどのように説明され、それがどのように受け止められたと思いますか。この政策が通貨安競争をもたらす可能性があると発言した国はあるのでしょうか。
§2Haruhiko Kuroda
まず、G20では、従来から「通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する」との考え方が共有されており、この点は、今回のコミュニケにおいても明確に示されています。日本銀行の「量的・質的金融緩和」は、従来から2%の「物価安定の目標」の早期実現を目的としたものでありまして、そのために必要があれば追加的な政策対応を行うという考え方は、これまでのG20において十分に理解されていると思います。今回のG20では、私から「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」について、あくまでも物価安定の目標の早期実現のために、「量的・質的金融緩和」を強化し、実質金利を一段と低下させることを狙ったものであること、そして、既に国債のイールドカーブは大幅に低下しており、金融機関の貸出金利も低下するなど、金利面では政策効果は現れていること、などの説明をしました。こうした説明に対しては、参加国の十分な理解が得られたものと考えています。
§3Question
マイナス金利政策について、参加国の理解が十分に得られたとおっしゃっていましたが、特に異論や意見はなかったのでしょうか。総裁が参加国の理解を得られたと思われた根拠はなんでしょうか。
§4Haruhiko Kuroda
異論や意見は全くありませんでした。根拠は、先程申し上げた説明に対して、反論や意見がなかったことです。コミュニケにも出ていますように、経済のファンダメンタルズはしっかりしているけれども、市場がかなり不安定な動きをしていました。そういうものに対して政策当局としてしっかりとしたコミュニケーションを行い、必要に応じて、金融政策、財政政策、構造改革を、個別あるいは総合的に援用していくという姿勢をきっちりと示したということで、そういう方向での議論が中心だったと思います。その意味でコミュニケが全体の議論の方向や結論を正確に示していると思いました。以上