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日本銀行記者会見2018年3月20日黒田東彦, 総裁

総裁記者会見(2018年3月20日)要旨

全文

§1Question

黒田総裁に 1 点お伺いしたいのですけれども、今日のコミュニケの中で、貿易の観点のところで「更なる対話や行動」と書かれていますけれど、これはどういったことを意味しているのか、幾分メッセージを強めているのか、この辺りを改めて教えて下さい。

§2Haruhiko Kuroda

日本銀行、中央銀行としては、考え方を申し上げるような立場にありませんが、私の感じとしては、まさにハンブルク・サミットで首脳間で合意されたことを確認し、それを踏まえて、今おっしゃったようなことをいっているということです。この文章でも「我々はハンブルク・サミットでの貿易に関する首脳の合意を再確認し、更なる対話や行動の必要性を認識する」といっているわけですので、ハンブルク・サミットの合意の再確認であることは間違いないと思いますが、再確認して更なる対話や行動の必要性を認識したということであろうと思います。

§3Question

黒田総裁に 2 点質問があるのですが、G20の今回のコミュニケでは、前回の財務大臣・中央銀行総裁会議、去年のバーデンバーデンの時に、これまで書いてあった金融政策について、中央銀行のマンデートに沿って経済や物価をサポートすべきというここが抜けているのですが、その抜けた背景は政策的なメッセージなどの変化があるのか、というのが 1 点目です。2 点目が、一方で、コミュニケでは、中央銀行の正常化のプロセスが与える影響についてリスクと指摘していますが、これが入ったというのは、やはりそういう市場への影響に対する懸念というのが各国から出たのか、その背景を教えて下さい。

§4Haruhiko Kuroda

前段については、全ての政策を総動員するという言い方で示されていますように、当然、金融政策を含めて、バランスのとれた inclusive(包摂的)な成長を実現していくために、金融政策も含めて政策を総動員するという考え方に変わりはないということだと思います。後段については、一般的に先進国が大幅な金融緩和をしてきたわけですが、米国が正常化のプロセスを始めたということで、それが新興国に与える影響があるのではないのかという一般的な懸念というのはあり得るわけです。他方で、米国にしてもどこにしても、経済が順調に成長し、物価安定目標が達成される状況になってくれば、正常化が進んでいくことは、ある意味当然でして、そうした意味では、世界経済に直接的にマイナスが出てくるという懸念があったとは思いません。ただ、国際金融市場に対する影響や、一部の途上国に何らかの悪影響を与えないかという懸念は従来から国際会議で示されていた通りです。それに対しては当然のことながら、従来からIMFなどが強調しているように、そういうことも含めて十分考慮しつつ、金融の正常化を進めて下さいということだと思います。私の感じでは、今回特にこの問題が大きく取り上げられたという感じはしませんでした。以上