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日本銀行記者会見2023年4月12日植田和男, 総裁

総裁記者会見(2023年4月12日)

全文

§1Kazuo Ueda

私からは、今の鈴木大臣のお話の中の金融面のところについて少し補足させて頂きます。最近の一部の金融機関を巡る動きに対して、関係当局による迅速かつ適切な対応がなされた結果、金融システムの安定性は維持されているという認識が共有されました。その一方で、SNS等を通じた情報拡散の速さといった新たな要素には留意が必要だという見方も示されました。また、先行きをみた場合に、依然として不確実性が高いので留意が必要であるという指摘もございました。そのうえで、私からは、日本の消費者物価の動きについて若干コメント致しました。日本の消費者物価指数は、コスト高を背景に 3%程度の上昇率となっていますけれども、今年度半ばにかけて 2%を下回る水準に低下していくとみているというふうに説明致しました。そうしたことですので、日本銀行は物価安定の目標の持続的・安定的な実現を目指して金融緩和を継続するというふうに申し上げたところでございます。取りあえず私からは以上です。

§2Question

鈴木大臣と植田総裁にお伺いしたいと思います。まず金融システム不安の関係なんですけれども、共同声明の中で金融システムの安定を維持するために適切な行動をとる用意があるというふうに言及されていますが、具体的にどのようなことを想定していらっしゃるかというのをまずお伺いしたいのが一問です。もう一点なんですけれども、同じく金融システム不安の関係で、先日、IMFの経済見通しでも、これが世界経済に与える影響などを言及されていますけれども、今後、この件が世界経済の下振れリスクについてどのように影響していくかというふうにご覧になっていらっしゃるのか、ひいては日本の経済への影響についてもどのようにみていらっしゃるのかというところについてお伺いしたいと思います。

§3Kazuo Ueda

多少付け加えさせて頂きますと、大臣がおっしゃったことに加えまして、バーゼルⅢ以降は、バーゼルⅢに含まれるような様々な規制について、必ずしも完璧にインプリメントがされていない部分もあるということですので、これがもう少しきちんとインプリメントされていくというようなことを中期的に準備していかないといけない、あるいは努力していかないといけないということが一つあるかなと思います。それから、今後のリスクということでは、IMFのワールド・エコノミック・アウトルックにもありますように、クレジット周りがどれぐらいということを、定量的にIMFが一つのシナリオを出しているわけですが、縮小していくかというのは難しいですが、その可能性について目配りをずっと続けていかないといけないということだと思います。

§4Question

植田総裁にお伺いします。先ほど、消費者物価についてのご説明がありましたけれども、欧米がビハインド・ザ・カーブに陥った結果、足元のインフレとか金融不安を招いたという指摘があります。足元、先ほどご紹介頂いた通り、日本でも 3%の物価の伸びが記録されて基調的な物価も上昇する中で、日本も金融引き締めに遅れてビハインド・ザ・カーブに陥るというリスクをどの程度みていらっしゃるのか、お聞かせください。

§5Kazuo Ueda

インフレ率が 2%を上回ってビハインド・ザ・カーブというふうにおっしゃいましたが、そういうことになるリスクをどうみているかというご質問だったと思いますが、もちろん将来は不確実ですので、そういうことが絶対起こらないというふうに言い切れるとは思っておりません。ただ、現在の経済情勢を前提としますと、2%をインフレ率がずっと上回ってそれが大きな問題を引き起こすというリスクと、2%を下回ってしまって物価目標の達成が遠のいてしまう、それによるいろいろなコスト、両方を比較した場合にやはり後者の問題に焦点を当てた金融政策を行うのが適切であるというふうに、今のところ考えています。

§6Question

総裁にお伺いしたいんですけれども、今回金融政策の基本的な考え方をご説明されたということでした。総裁が今回金融政策の基本的な考え方を説明されたのは、他の中央銀行の、あるいは他のG7の国々がどういうふうに日本をみているからだというふうにお考えでしょうか。あと、今朝のぶら下がりの際に、ほかの中央銀行の首脳との連携を強化したいということをおっしゃいましたけれども、実際、何か、例えばパウエルさんですとか、そうした出席された方々とどういう交流があったのか、そちらのご披露もお願いしたいなというふうに思います。

§7Kazuo Ueda

申し上げましたように、日本のインフレ動向および関連して金融政策についてコメントしたわけですけれども、その意図ないし背景はどういうことだったのかという趣旨のご質問だったと思いますが、毎回そうだと思いますが、今回も出席されたG7の多くの国の代表が、自国のインフレ・経済動向および自国の金融政策を含む経済政策動向についてご発言される予定、ないし、されていましたので、私からもインフレ動向および金融政策についてお話ししたということでございます。あえて申し上げれば、他の多くの国ではインフレ率は非常に高い、そして下がってきているにしても満足のいくところまではまだなかなか下がってこないというのが大きな問題意識だったわけですが、それと日本がだいぶ違う状態にあるというコントラストが重要かと思いますので、日本からもお話ししたということでございます。それに対する反応も含めて、他のG7の代表の人たちとどういう話を個別にしたのかというご質問が後半だったと思いますけれども、これは非常に多くのG7の参加国の首脳と個別に、あるいは立ち話的にお話しすることが昨日今日できました。ただ、どなたとどういうお話をしたかということについては申し上げられないことになっていますので、取りあえずそこで止めさせて頂けたらと思います。以上