総裁記者会見(2023年4月13日)
全文
§1Kazuo Ueda
私から若干申し上げますと、世界経済等に関するセッションでは、世界的な食料・エネルギー不安の影響、それから最近の一部の金融機関を巡る動きなどを踏まえて、世界経済の見通しとリスク要因などについて議論がなされました。私からは、日本の物価動向や日本銀行の政策対応等について説明致しました。次に、金融セクター等に関するセッションでは、暗号資産の金融システムに対する影響等について議論がなされました。私からは、引き続きFSBにおける作業をしっかりと進めていくことが重要というふうに申し上げました。
§2Question
植田総裁には、世界経済についてIMFは、やはり金融システム不安がリセッションにつながりかねないとかなり強いトーンで警戒感を出しました。そうした世界経済を巡るリスクを踏まえて、日本経済、回復のシナリオは維持できるのか、賃金ようやく上がってきたところに悪影響を及ぼしかねない可能性もあると思うんですが、その辺りについてお考えをお聞かせください。
§3Kazuo Ueda
IMFの見通しでも、金融システムの問題がかなり厳しくなって世界経済が大幅に減速ないし不調になるというようなリスク・シナリオとしてとらえられているんだと思います。そのうえで、日本経済にとってはということであれば、日本銀行としても、世界経済がある程度減速するということは念頭に置いて見通しを立てていますけれども、厳しい不況になるというところまでがベースラインの見通しではない、むしろある程度下がっていった後、インフレ率が落ち着くとともに、また世界経済も回復していくであろうという辺りをベースの見通しに置いておりまして、そのもとでは、賃金も引き続き上がっていく可能性があるというようなふうに考えております。
§4Question
植田総裁にお聞きします。一連の会合の前に、今回の会合では海外の中銀のトップとの関係づくりの第一歩としたいということをおっしゃっておりました。昨今、ロシアの問題ですとか米銀の破綻など、中銀同士の連携、非常に求められるケース多いかと思うんですけれども、今回の会合を振り返って、各国との連携どのようなかたちでできたのか、関係づくりに当たり手応えがあったのか、お伺いします。また、初めての国際会議を終えまして、今月はいよいよ初めての決定会合にも臨むことになると思います。どのように臨んでいくのか、その辺りもお願いします。
§5Kazuo Ueda
前半ですけれども、大臣もおっしゃいましたように、G7もそうでしたが、G20でも、参加者が非常に率直かつ有益な議論をしていたというのが私の印象でございます。そのベースに参加者の間の個人的な信頼みたいなものがあって、それがゆえに、様々な議論が有益に行われている、素直に行われているということを感じました。従って、ここでうまく私としても動くためには、そういう信頼の輪の中に入っていかないといけないということを感じたわけです。ですので、全体の議論に出ているだけでなくて、それぞれの参加者と、バイであったり数人であったり、立ち話も含めて、個人的な関係を強く築いていく第一歩にできればという気持ちで何日か過ごしましたし、ある程度の成果は得られたというふうに思っております。4月のMPMについては、まだ就任して一週間にもなっておりませんので、出張中ですし、帰りましてからゆっくり考えて臨みたいと思っております。
§6Question
総裁にお伺いしたいのは、金融政策について、今回G20の中ではどのように説明されたのか、教えて頂ければと思います。
§7Kazuo Ueda
金融政策についてどういう説明をしたのかというご質問だったと思いますが、基本的には次のような説明を致しました。現状は、消費者物価指数のインフレ率が、除く生鮮でみて3%程度であるわけですけれども、今年度の後半に向けて2%以下に下がる見通しであると。下がっていく理由としては、輸入物価のインフレ率が落ち着いていくことが大きいわけですけれども、その見通しを前提としますと、2%のインフレ目標を持続的・安定的に達成するためには、現在の金融緩和を維持するという姿勢であるというふうに説明致しました。
§8Question
金融システムの安定に関しましては、昨日のG7でも話し合われたと思うんですけれども、それと比べてどの程度踏み込んだ議論がされたのかというのをお願いします。
§9Kazuo Ueda
G7に比べて、特に目新しい、あるいは突っ込んでということはなかったように思っております。
§10Question
総裁にお伺いしたいんですけれども、先ほどの総括の話にまた戻ってしまうんですけれども、大臣が総括で文書を取りまとめることが目的じゃないとおっしゃったんですけれども、金融不安に対しては、一定程度、鎮静化するためのメッセージというのも必要ではないかと思います。流動性の供給等はされていますけれども、今、流動性を供給したうえでもまだ不安が残っているということに対して、それを鎮静化するためのメッセージが必要ではないかとも考えるんですけれども、 G20がメッセージを打ち出さないことについて、市場に対する影響というものを、総裁、どのようにお考えになりますでしょうか。
§11Kazuo Ueda
現在、いったん荒れた市場が沈静化している状態であるという認識は皆さん持たれていたと思います。その中で、先ほど大臣からもお話があったように、SNS等による情報拡散の問題ですとか、あるいはバーゼルⅢが完全にインプリメントされていたのかどうか、そういうことは少し時間をかけて検証して、次の動きを考えていこうという段階にあるというふうに私は感じました。以上