総裁記者会見(2023年5月2日)
全文
§1Question
植田総裁、ステートメントでいくつかのアジア経済についての下振れリスクに触れています。この地域は中国の再開の好影響を受けておりますけれども、経済の見通しはどちらかというと下振れなのでしょうか。あるいは、ほかの地域と比べてバランスが取れているのでしょうか。
§2Kazuo Ueda
ASEAN+3地域のマクロ経済について、リスク、特に下方リスクが他の地域に比べて大きいかどうかというご質問だったと思います。これは既にガバナー・ペリーとスリ・ムルヤニ財務大臣の話にもあったところだと思いますけれども、私の感じでは、下方リスクは他のリージョンに比べて低いというふうに一応判断できるかと思います。理由としては、既にお二人の話にも出てきましたけれども、一つは、2023年の、これからの世界経済の成長について、この地域(注)の成長への寄与が世界全体の3 分の2 くらい見込まれるという非常に強いものになっているという報告も今日ございました。そのうえでですが、これは今、ガバナー・ペリーもおっしゃいましたが、欧米の金融不安の波及効果というのは、一応、今後も含めて注意しておかないといけないわけですが、ご指摘がありましたように資本が十分に備えられている、アジアの銀行等ですね、それから欧米の問題の金融機関に対するエクスポージャーも少ないというようなことから、ここもダウンサイドリスクは他の地域に比べれば限定されているというふうに思います。更に欧米経済が今後どうなるか分からないというリスク、それによるスピルオーバーは一応注意しておかなければならないとは思います。
§3Kazuo Ueda
そのうえで、アジア独自の要因として、例えば今日の議論の中に出てきた一つだけをご紹介しますと、中国経済、足元はリオープニングで好調であるわけですが、もう少し中長期をみた場合に、例えばジオポリティカルなリスクが深刻に中国経済に影響を及ぼすことによって、経済成長率にマイナスの影響が及び、それがリージョン全体に悪い影響を及ぼすというリスクについては、一応念頭に置いておかないといけないという議論もございました。(注)「この地域」は、アジア太平洋地域です。以上