【挨拶】「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(愛媛県金融経済懇談会)
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日本銀行2026年2月6日日本銀行政策委員会審議委員増一行わが国の経済・物価情勢と金融政策── 愛媛県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──
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11.はじめに日本銀行の増と申します。本日は愛媛県の行政、財界、金融界を代表される皆様との懇談の機会を賜りましたこと、誠にありがとうございます。皆様には日頃より松山支店の円滑な業務運営に多大なご協力をいただいておりますこと、この場をお借りして御礼申し上げます。さてここでは先ず、私から最近の経済・物価情勢、金融政策についてお話しし、その上で皆様の方から、当地のお話や日本銀行に対するご意見などを伺えればと存じます。日本銀行がどういうところに重点的に注意を払って金融政策を運営しているのかを、個人的な見解も交えて簡単にご説明させていただくこととします。2.経済・物価情勢(米国の関税政策)まず米国の関税政策です。昨年の春から世界中がこの問題に翻弄された訳ですが、意外なことに、景気を大きく崩さないまま収束しそうです。もちろん日本の米国向け輸出の主力である自動車産業は、関税が 12.5% も上がったので影響が少ないはずもありませんが、自動車会社の業績も、円安によって収益が下支えされている面があるようです。我々としては米国で日本製品のシェアが下がることと同時に、米国の景気そのものが悪化してこれが世界中に波及することを恐れていたのですが、まず米国の状況をお話しします。図表 1 左は米国の個人消費の動向でインフレ率を引いた実質の伸び、図表 1 中は雇用の状況です。
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この国は消費や雇用に景気がハッキリ現れます。景気が良いと日本人以上にどんどん買い物をしますし、悪いと解雇に踏み切ります。日本と違って別の会社に移っていくのもごく普通のことで
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2すからそう心配は要らないのですが、景気を測る数値としては分かり易いものが早くに出て来ます。ご覧のように雇用が弱めですが極端な悪化ではなく、消費は堅調です。日本や欧州などの自動車メーカーは、関税が上がった分の多くを自ら負担し、現地での販売価格を据え置くという行動に出ているのですが、これはかなり例外的で、全体では図表 1 右にあるように、関税分だけ輸入物価が高くなっております。即ち、関税が米国内の企業にまでは転嫁されているものです。関税分の多くをまだ米国内の企業が負担したままですので、いずれ販売価格への転嫁が進み消費にも影響が出るとか、企業が関税負担を続けることで企業の支出行動への下押しが出る可能性はありますが、もっと早く大きなインパクトが出ると予想されていたことと比べると、余程良い状況にあると考えられます。そもそも米国が目指したのは膨大な貿易赤字の圧縮で、最近は貿易赤字の縮小という動きもみられましたが、医薬品の駆け込み輸入の反動減などの面もあり、もう少し様子を見るべきです。現状では、米国の貿易赤字が思ったように減らず、関税を米国内の企業と米国民が負担するだけの結果に終わる可能性があるようにもみえますが、米国内への生産の移転には時間も掛かりますので、全体的な評価はもっと先に行われることになるでしょう。では日本への影響はどうか。
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本来、経済成長は GDP で観るべきですが、四半期ごとのデータには大きなバラツキが出ます。昨年7 ~ 9月の GDP はその前の3か月からはマイナスとなりましたが、関税の影響が大きく下押しに働いて景気が減速した訳ではなく、新築住宅に対する新しい規制の影響や駆け込み輸出の反動減などによる一時的なものと思われます。GDP も年度単位でみればバラツキはなくなるのですが、その時点時点での速報性という点では、日銀が実施している短観における企業の業況感調査が有用ですので、図表 2 左にお示ししました。短観は 9 千社近くの企業に回答いただいているもので、大企業から中
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3小企業まで広くカバーし、回答率も 99% 以上と高いものです。業況が良いと答えた企業の比率から、悪いと答えた企業の比率を引いた値が全産業でプラスの17 と、 2018年以来の高い水準となっております。図表 2 右は同じく日銀が出している指標ですが、様々なデータを組み合わせた全体的な消費動向でして、こちらも緩やかに良い方に向かっていることを示しております。関税問題は、ほぼ悪い影響を与えないまま通り過ぎつつあるとの印象です。(インフレ)次はインフレです。図表 3 左は消費者物価指数の推移です。リーマンショック以降マイナスになった時期も多く、正真正銘のデフレでしたが、最近は 2% を上回る状況が続いており、ハッキリとインフレの状況に切り替わっております。ただ今後の見通しとしては、先月日銀から公表した展望レポートでは、「米などの食料品価格上昇の影響が減衰していくもとで、政府による物価高対策の効果もあり、本年前半には、 2% を下回る水準までプラス幅を縮小していくと考えられる。」としており、 12月の消費者物価指数も 2.1% まで上昇幅を縮小しています。インフレにも色々なものがありまして、需要の増加をきっかけとしたものとして分かり易いのが、最近ですとホテル宿泊料でしょう。インバウンド観光の影響もあって、以前に比べると宿泊料は大幅に上昇しています。
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このほか、供給不足をきっかけとしたインフレもあり、人手不足のような生産能力によるものが典型です。さらに、原料の高騰によるいわゆるコストプッシュ型といわれている供給ショックもあります。これに戦争や災害などのような、特別な供給ショックが絡まることがあります。まず生産能力によるインフレですが、現在の日本では人手不足と物流コストの上昇がこれに当たります。物流問題も根底はドライバー不足にあるので、この
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4二つは根が共通のものとも言え、人手不足は全国各地で深刻なものとなっています。ただ、人手不足だけでは最近の高いインフレ率は説明し切れません。なんと言っても大きな要因となっているのが、食料品価格の高騰です。図表 3中は消費者物価指数の最近の部分を、要因別に分解したものです。ご覧の通り、凡例に米・生鮮・食料とある下から 3 区分を併せた食料品価格の値上がりの占める部分が圧倒的です。3年ほど前には円安に加えて、ウクライナ戦争の影響で原油の他に小麦などの食料品の輸入物価が高騰しました。また昨年にはコメ価格が2倍になるという歴史的な事態が生じました。どちらも典型的なコストプッシュショックの要素が大きいものです。私も総合商社に勤務していたので、新聞で毎日商品相場を見ることが長年の習慣となっており、原油や小麦などの価格を見続けていますが、食品原料の国際相場は、コーヒーなどを除いては結構元の価格へ戻っています。3年前の輸入価格の上昇は、おそらくもう価格転嫁が終わっているでしょうし、コメ価格も下がらなくても横這いになれば、前年同期比でみる消費者物価指数は上昇しないことになります。即ち、このあとコメ価格さえ落ち着けば、現在の食料を中心とした大きなインフレは収まるものと思っている向きも多いのですが、どこまで下がるのかが問題です。
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図表 3 右にコメと、コメを原料とする弁当・お握り・レトルト・煎餅などを除いたコメを使わない加工食品の価格上昇率を示しました。どうしてもコメが目立ちますが、コメを使わない食品も、 5% 台と非常に高い上昇率が続いています。この状態が続くと、コメ価格さえ落ち着けばという見通しはやや甘いということになります。因みに、図表 3 中では、一番上の通信やホテルや教育などのサービス価格の占める割合も大きいですが、この部分の上昇率は 1% 半ばです。食べ物は買わない訳には行きませんし、コメ価格の高騰により、ほかの食品の値上げ
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5も受け入れられやすい環境になっているのかも知れず、自分としては、コメ以外の加工食品の価格が、今後のインフレのカギを握るものとして非常に気にしています。また、本当に供給要因だけのインフレなのか、需要との複合的なものなのかも、よく観ていく必要があるとも思っています。例えば高くてもブランド米を買い求める消費者にとって、価格上昇は単にコスト要因なのか、需要の要素が混じっているのではないか。この辺りの判断は重要になると思っています。(実質金利)さてここで、昨今よく政策金利との関係で引き合いに出される二つの金利、実質金利と中立金利について、ご説明させていただきます。まず実質金利で、名目の金利からインフレ率を引いたものですが、大きなマイナスという状況にあります。借入で支払う利息よりも、その借入で賄った財やサービスの値上がりの方が大きくなります。実質金利には、名目金利と同様に、多様な年限があります。例として、翌日物、1年物、 10年物の3つを図表 4 に示しました。日銀の決める政策金利はオーバーナイト、翌日物でして、昨年12月に引き上げて現在 0.75% です。これから消費者物価指数、 12月の統計で 2.1% を引きますと▲ 1.35% となります。新聞によく書かれるのはこれですが、消費者物価指数は、足もとの一時的なブレも含まれますので、現時点での数字は割り引いてみる必要があります。
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そこで、よく見られているのが、いくつかの統計データを合成して算出した 1年間のインフレ予想を用いて、これを 1年物国債の現在の利回りから引いたもの、即ち 1年という期間で算定した実質金利です。この数字は現在では凡そ▲ 1.1% となり、先ほどのオーバーナイトよりはマイナス幅が狭まりますが、それでもかなり低いところにあります。
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6長期の実質金利も同じように 10年国債金利から 10年のインフレ予想値を引いて求められます。これは現在ではほぼゼロ近辺にあると考えられます。均衡しているようにも見えますが、 10年間も資金を寝かせてプラマイゼロということになり、これはこれで緩やかな成長にとどまる今の日本経済を象徴するような状況とも思えます。(中立金利)次に中立金利ですが、金融政策運営にあたって、各国の中央銀行が常に念頭に置いている指標です。そうは言ってもズバリ何パーセントと明確な数字が示せるものではありません。中立金利の算定は、まず景気を熱しも冷ましもしない実質金利である自然利子率を推計して、これにインフレ率を足して名目ベースにするのですが、自然利子率は図表 5 左にあるようなかなり広いレンジを持ったものとして推計されています。これは 2年前に公表された数字ですが、最新の推計でも大きくは変わっていないとみられます。ご覧の通り自然利子率が大体 ▲ 1.0~ 0.5% というレンジにありまして、これに日銀のインフレ目標である 2% を加えて名目ベースにしたものが 1.0~ 2.5% となり、これが中立金利として報道等で眼にするものとなります。
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現在の政策金利が 0.75% ですから、中立金利のレンジ下限である 1.0% に近づいたので、利上げの余地は限られるのではないか、いやいや中立金利はもっと高いレンジになるべきで最終的な金利、すなわちターミナルレートはもっと上まで行くべきだとかが、昨年12月の利上げの前後から世の中で話題となっていたものです。それぞれが様々な推定を置いて算定されていて、広いレンジでしか示せないものですので、中立金利はあくまで一つの参考指標です。特に、この 2年間の利
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7上げで推定値のレンジに近づいて来ていることから、今後は物価、雇用、金融環境などをより細かく点検して行くことが必要になります。図表 5 右にありますように、日本は欧米と異なって政策金利が中立金利を下回っています。最近、世界各国では、中立金利に向けて利下げが続き、日本とは逆の方向に進んでいました。なぜ日本だけレンジの下にいるのかは、コロナ禍の後、世界的に起きたインフレとその対応の違いでご理解いただけると思います。図表 6 にある様に、日本では欧米ほどの高いインフレ率にならなかったことから、長期金利を低位に安定させるイールドカーブコントロールを柔軟化させつつも、マイナス金利が続けられていました。長いデフレの所為で、簡単に原料の値上がりを価格に転嫁できなかったことが影響したのだとも言われています。米国の関税政策以降、世界中で同じ景気悪化への懸念を抱きながら、利上げと利下げという逆の方向での金融政策を取らなければならない状況からの脱却に向けて、さらなる利上げを進めていくことが、金融正常化の完成には求められている一面だと思います。(為替)為替政策は政府の管轄で、日銀の金融政策の対象ではありませんが、円安に端を発した物価上昇が、世の中のインフレ予想を引き上げ、その結果、後ほど述べます「基調的な物価上昇率」に影響する可能性がないか、十分に留意する必要があります。
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このため、日銀でも、為替市場の動向やそれが経済・物価に及ぼす影響について、注意深くみております。(賃金)昨年12月の政策金利の引き上げに向けて、この春の賃上げを引き合いに出していたのは、賃上げ率からインフレ率を引いた実質賃金が、家計の点では最も重要な要素となるからです。図表 7 がその推移ですが、賃金が上がってもインフレ
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8に追いつけなければ、家計トータルではマイナスです。賃金上昇を価格に転嫁する、その物価上昇を賃上げがカバーする、という緩やかな循環があってこそ、経済が安定して回って行くものです。今年の春闘に向けた労使の対応方針や、日銀の本支店を通じたヒアリング情報等を踏まえて、今年もしっかりとした賃上げが実施される可能性が高いと考え、利上げを実施しました。最近の水準の賃上げが続く一方で、インフレ率が2% 程度にまで収まれば、実質賃金がプラスになるものと思います。3.最近の金融政策運営ここからは金融政策についてお話しします。図表 8 にお示ししたように、長く続いた異次元緩和から抜け出し、一昨年の 3月以降 4 回の利上げを行っております。先月の金融政策決定会合では、いま暫くデータを観ていくべきという意見が大宗で、政策金利を据え置くという結論になりました。先ほどご説明したのは我々が観ているデータのごく一部で、ほかに設備投資や金融市場情勢など、多くのデータに基づいて議論していくこととなります。実質金利や中立金利でお話ししたように、いまだに緩和的な環境であることは確かですので、金融政策の正常化を完成させるプロセスとして、展望レポートで示している経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整して行くことになると思います。
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我々は基調的な物価上昇率という概念を使っておりますので少しご説明します。最近のコメ価格上昇の様な一時的な要因を除いた持続的な物価上昇率が、目
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9標とする 2% となることを目指して、金融政策を行っているものです。これも自然利子率と同じで、ズバリひとつの数値で示すことができないもので、図表 9 にその一部を例示しましたが、数多くの指標を観て総合判断しています 1。この基調的な物価上昇率はまだ 2% の下にいるものの、かなり 2% に近付きつつあると考えています。もはやデフレ的な慣行は解消されつつあり、インフレに入ってきていることは確かですから、ここから大切なことは、適時・適切な利上げによって基調的な物価上昇率が 2% を超えないように抑えることです。一方で、過度な利上げによって、ようやく回り始めた物価と賃金の緩やかな上昇という循環を壊さないことも必要で、慎重に取り進めて行くことになります。(バランスシート)昨年9月の決定会合で、 ETF の売却方針を決定いたしました。ETF は 2010年から買い入れを始めたものですが、その大半は 2013年からの量的質的緩和、いわゆる異次元緩和で購入したものです。図表 10 左にその推移を載せております。いつまでも日銀が投資家と一緒に保有しているのもおかしな話であり、市場機能を歪めているとの批判も多かったものです。
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尚、コーポレートガバナンスに関しては、株式の発行体にいた者としての個人的な考えですが、いわゆる政策保有株とは違い、議決には信託会社による公正な投票が行われておりますし、議決を任せることの是非でいえば、逆に日銀が株主として個別企業への積極的な関与を行うことの方が問題だと思います。そもそも日銀が株を保有していることで、企業のガバナンスが緩むとも思えません。一方、以前は日銀が買い入れた ETF の多くが日経平均に連動するものであったため買われる銘柄には歪みがあ1 基調的な物価上昇率を捕捉するための指標には、図表9に例示したもののほか、予想物価上昇率を合成したものや、トレンドインフレ率などモデル推計による指標も存在する。
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10りました。すなわち、日経平均はプライム上場約 1,600 社のうち 225 社だけの、しかも株価の単純平均ですから、 ETF も日経平均に採用されていない会社は買わないですし、発行済み株式数や流動株が少なく、株価水準が高い会社は、逆に多めに買われることになります。日銀の保有する ETF はプライム市場の時価総額の 8% 程度ですが、それ以上に保有している銘柄があったり、買われない銘柄があったりした訳で、この点を改めるべく、後に TOPIX連動型にシフトすることで適正化を図ってきた経緯があります。ETF の処分に 100年以上掛かるということには、いろいろご意見もあろうかと思いますが、どうやって金額を決めたかと言いますと、 ETF に先立つこと2000年代に、銀行を株価下落による経営リスクから解き放つために、銀行が保有していた企業の株式約 2 兆円を日銀が買い取って、マーケットで売却されないようにしました。この個別株についてはここ 9年ほどをかけて継続的に売却され、昨年7月にすべて売却が終わりました。この売却は殆どマーケットに意識されずに終わったと思うのですが、今回の ETF の売却方針も、この個別株の売却と同じ規模であれば、マーケットに大きな混乱を及ぼすことがないという判断で決められたものです。この規模では単純計算すると 100年以上掛かるということになります。
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これは個別株に比べて、保有していた規模が大きく異なるためであり、公表している昨年9月末の簿価は 37 兆円となっており、一気に売ってはマーケットに甚大な影響を与えますので、慎重な対応が必要となっています。(国債)次に国債ですが、国債の発行残高に占める日銀の保有割合は5割程度と、他の先進国の中銀と比べても高いことから、国債市場の安定に配慮する形で、購入額を段階的に減額しています。ピーク時には年間 130 兆円以上購入していたもの
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11が、来年度には年間 30 兆円弱となり、わが国の国債発行は年間 180 兆円 2の規模ですので、その比率は大分下がっております。国債には満期がありますから、 ETF と違って購入額を減らすだけで残高は減って行きますので、 ETF と比べれば相応のスピードで残高が減っていくことになります。図表 10 右に示しましたが、来年3月までの買い入れ減額のペースは決まっていますので、その時点でピーク時に 590 兆円近くあった国債保有残高は 2割弱ほど減っていることになります。この先の買い入れのペースについては、マーケットの状況も見極めながら、しっかりと検討していく必要があると考えています。4.愛媛県経済について最後に、愛媛県経済についてお話しします。愛媛県経済は、一部に弱めの動きはみられるものの、基調としては持ち直しの動きが続いています。米国の通商政策が県内企業に及ぼす影響も、現時点では限定的です。こうした中、愛媛県では、地域活性化に向けた様々な取り組みが進められています。観光業では、松山市の観光名所の一つである道後温泉の本館が、約5年にわたる保存修理工事を経て、 24年7月に営業を再開し、国内外から多くの観光客を引き寄せています。風光明媚な瀬戸内海の島々を巡るしまなみ海道も、多くの自転車愛好家や観光客を魅了しています。
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また、東予地区の今治市は、国内最大の海事クラスターを形成しており、国内船舶建造量を倍増するという政府目標の達成に向けた海事関連企業の取り組みが注目されるところです。紙・パルプ産業では、高付加価値製品への注力や環境負荷低減の取り組みに加え、先端素材2 割引短期国債を含む合計額。
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12の開発に向けた研究が行われているほか 3、タオル産業も、高い品質基準をクリアした「今治タオル」のブランドを武器に、国内外に販路を拡大しています。さらに第一次産業、とりわけ当県が全国に誇る柑橘業においては、昨年3月に、高級柑橘である「紅まどんな」と「甘平(かんぺい)」を掛け合わせた新品種である「紅プリンセス」の出荷が始まりました。甘みの強い濃厚な味わいと、なめらかな食感が特徴で、新たなブランド柑橘として知名度の高まりが期待されます。他方で、愛媛県の人口減少は深刻な状況にあり、人手不足は共通の課題です。県内企業は、デジタル技術の活用や製造ラインの自動化、働き方の見直し、外国人労働者の活用など、人手不足の克服に向けた様々な施策を講じています。愛媛県も、中期的な課題・施策を示した「愛媛県総合計画」の中で、地域企業・事業者の生産性向上を図ることや、移住・定住の促進を通じた労働力人口の確保などを通じて、こうした動きを後押ししています。愛媛県は優れた技術と豊富な地域資源を有しており、今後も発展の余地は大きいと考えています。企業や自治体による努力が実を結んで、愛媛県経済がますます発展することを祈念しております。以上3 例えば、軽量で強度が高く、樹脂の高性能補強材といった用途が期待されるセルロースナノファイバー( CNF)を用いた製品開発など。
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わが国の経済・物価情勢と金融政策── 愛媛県金融経済懇談会における挨拶 ──2026年2月6日日本銀行政策委員会審議委員増一行-0.50.00.51.01.522232425(季節調整済、前期比、%)年-2002040608010022232425非農業部門雇用者数(季節調整済、前月差、万人)年-10-505101522232425関税込み関税除く(前年比、%)年米国経済(注)右図の 2025/10月は、 9月と 11月の値を用いて線形補間。関税込みベースは、輸入物価の公表値に実効関税率を乗じて日本銀行スタッフが算出。(出所) Haver図表1実質個人消費雇用者数輸入物価
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-60-40-2002040600510152025(「良い」-「悪い」、DI、%ポイント)年良い悪い808590951001051100510152025(季節調整済、 2015年= 100)年日本経済(注) 1. 左図は、短観の業況判断DI(全規模・全産業ベース)。2. 右図の消費活動指数(旅行収支調整済)は、除くインバウンド消費・含むアウトバウンド消費(日本銀行スタッフ算出)。(出所)日本銀行図表2業況判断消費活動指数(旅行収支調整済)-3-2-1012345091113151719212325(前年比、%)年-3-2-1012345232425サービスエネルギー財(除く食エネ)米関連生鮮食品食料(除く生鮮、米関連)総合(前年比、%)年-505101520253035402122232425米関連食料(除く生鮮、米関連)(前年比、%)年日本の消費者物価上昇率(注)「米関連」は、うるち米、もち、だいふく餅、せんべい、すし(弁当)、弁当、おにぎり、冷凍米飯、無菌包装米飯。(出所)総務省図表3総合寄与度分解食料
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-5-4-3-2-101231012141618202224(%)年-5-4-3-2-101231012141618202224(%)年-5-4-3-2-101231012141618202224(%)年日本の実質金利図表4(注) 1. 左図の実質金利は、無担保コールレートからCPI(除く生鮮食品)前年比を差し引いて算出。消費税率引き上げの影響を除く。2. 中央図および右図の実質金利は、各年限の国債利回りから予想物価上昇率を差し引いて算出。予想物価上昇率は、様々な経済主体(企業・家計・専門家)の年限ごとのインフレ予想の情報を用いて日本銀行スタッフが推計。具体的には、企業は短観、家計は生活意識に関するアンケート調査、専門家は QUICK調査、コンセンサス・フォーキャスト、インフレ・スワップ・レートのデータを使用。
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(出所)日本銀行、総務省、 QUICK「 QUICK月次調査<債券>」、 Consensus Economics「コンセンサス・フォーキャスト」、 Bloomberg翌日物 1年10年(実質金利=名目金利ーインフレ率)-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.510121416182022Holston・Laubach・Williams[2023]モデルNakajima et al.[2023]モデル今久保・小島・中島 [2015]モデル岡崎・須藤 [2018]モデルDel Negro et al.[2017]モデルGoy・Iwasaki[2024]モデル(%)年0.51.01.52.02.53.03.54.04.5日本米国ユーロ圏中立金利のレンジ政策金利(%)(注) 1. 左図は、各モデルをベースに推計した試算値。シャドーは推計された自然利子率の最小値から最大値のバンド。2. 右図の米国は、FEDが公式に中立金利のレンジを公表しているわけではないことから、 2025年12月FOMCの Summary of EconomicProjectionにおける、FF金利の「 Longer run」に関するFOMCメンバーの見通しのレンジを利用。
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ユーロ圏は、ECBの EconomicBulletin Issue 1, 2025において示された中立金利の推計レンジ。(出所)日本銀行、財務省、厚生労働省、総務省、内閣府、 Bloomberg、 Consensus Economics「コンセンサス・フォーキャスト」、FED、ECB日本の自然利子率・中立金利・政策金利図表5自然利子率主要中央銀行の中立金利のレンジと政策金利
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-2024681012151719212325CPI(前年比、%)年2024/3月マイナス金利政策終了インフレ率: 2.7%-2024681012151719212325PCEデフレーター(前年比、%)年2022/3月利上げ: 0.25%→ 0.5%インフレ率: 6.9%-2024681012151719212325HICP(前年比、%)年2022/7月利上げ: -0.5%→ 0%インフレ率: 8.9%(注)インフレ率は、総合ベース。日本のCPIは、消費税率引き上げ・教育無償化政策の影響を除いた日本銀行スタッフによる試算値。米国の政策金利は誘導目標の上限、欧州の政策金利は中銀預け金金利を表示。(出所)日本銀行、 Haver日米欧のインフレ率図表6日本米国ユーロ圏-5-4-3-2-1012345202122232425(前年比、%)年(出所)厚生労働省日本の実質賃金図表7
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-0.50.00.51.008101214161820222426(%)年(注)無担保O/Nコールレート。(出所)日本銀行日本の政策金利図表8-0.50.00.51.01.52.02.53.03.5151719212325刈込平均値加重中央値最頻値(前年比、%)年-0.50.00.51.01.52.02.53.03.5151719212325市場参加者( QUICK、2年先~ 10年後までの8年間)エコノミスト①(6~ 10暦年先)エコノミスト②(7~ 11年度先)家計(生活意識アンケート調査、今後5年間)企業(短観、5年後)(前年比、年率平均、%)年-0.50.00.51.01.52.02.53.03.5151719212325BEI(固定利付国債< 10年物>利回り-物価連動国債< 10年物>利回り)年(%)基調的な物価上昇率図表9(注) 1. 左図は、CPI(消費税率引き上げ・教育無償化政策、旅行支援策の影響を除く)を用いて日本銀行スタッフが算出。2020/4月以降のCPIは、高等教育無償化等の影響も除いた日本銀行スタッフによる試算値。2. 中央図のエコノミスト①はコンセンサス・フォーキャスト、②はESPフォーキャスト。家計は、5択選択肢情報を用いた修正カールソン・パーキン法による。企業は、全産業全規模ベースの物価全般の見通し(平均値)。
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(出所)日本銀行、総務省、 Bloomberg、 QUICK「 QUICK月次調査<債券>」、 JCER「ESPフォーキャスト」、 Consensus Economics「コンセンサス・フォーキャスト」予想物価上昇率(各種調査)刈込平均値等予想物価上昇率(市場)
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05101520253035401113151719212325(兆円)年01002003004005006007001113151719212325(兆円)年(出所)日本銀行日本銀行のバランスシート図表 10保有ETF残高保有国債残高