当面の金融政策運営について(現状維持、議長から執行部への指示、13時10分公表)
全文
§1
2011年4月7日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注1))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.東日本大震災の発生後、日本銀行は、金融市場の安定確保のため、市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行ってきた。また、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、金融緩和を一段と強化した。こうした措置に加えて、本日、日本銀行は、被災地の金融機関を対象に、今後予想される復旧・復興に向けた資金需要への初期対応を支援するため、長めの資金供給オペレーションを実施することが必要と判断し、別紙の通り骨子素案を取り纏めた。また、日本銀行は、今後の被災地の金融機関の資金調達余力確保の観点から、担保適格要件の緩和を図ることが適当と判断した。議長は、執行部に対し、これら2つの措置について具体的な検討を行い、次回の金融政策決定会合において報告するよう指示した。3.わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にある。
§2
すなわち、震災後、生産設備の毀損、サプライチェーンにおける障害、電力供給の制約などから、一部の生産活動が大きく低下しており、輸出や国内民間需要にも相応の影響が及んでいる。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。震災後の金融動向をみると、金融機能は維持されており、資金決済の円滑も確保されている。金融市場は、全体として安定している。この間、金融環境は、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に、一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。4.先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、当面、生産面を中心に下押し圧力が強い状態が続いたあと、供給面での制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた
§3
(注1)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員。反対:なし。 需要の顕現化などから、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられる(注2)。5.リスク要因をみると、景気については、上振れ要因として、旺盛な内需や海外からの資本流入を受けた新興国・資源国の経済の強まりなどがある。一方、下振れ要因としては、国際金融市場の動向や、一頃に比べて低下しているとはいえ、米欧経済の先行きを巡る不確実性がある。さらに、震災がわが国経済に及ぼす影響については、不確実性が大きい。この間、国際商品市況の上昇については、その背景にある新興国・資源国の高成長が輸出の増加につながる一方、交易条件の悪化に伴う実質購買力の低下が国内民間需要を下押しする面もある。物価面では、国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。6.日本銀行は、引き続き、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。以上 (注2)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。 (別紙)
§4
「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」の骨子素案 1.対象先被災地に営業所を有する金融機関で、共通担保資金供給オペ(全店貸付)の対象先のうち希望する先系統金融機関については、共通担保資金供給オペ(全店貸付)の非対象先や非当座預金取引先についても取引先金融機関を通じて資金供給を行うことを検討(注)被災地は、東日本大震災にかかる災害救助法の適用指定を受けている地域(岩手県、宮城県、福島県の全域、青森県、茨城県、栃木県、千葉県の一部)2.資金供給方式共通担保を担保とする貸し付け3.貸付期間1年4.貸付利率0.1%5.貸付総額1兆円6.対象先毎の貸付限度額、貸付受付期間対象先の被災地での貸出状況等を踏まえ、対象先毎の貸付限度額、貸付受付期間を定める (参考) ・開催時間――4月6日(水) 14:00~16:474月7日(木) 9:00~13:05 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口秀 (副総裁) 西村淸彦(副総裁) 野田忠男(審議委員) 中村清次(〃) 亀崎英敏(〃) 宮尾龍蔵(〃) 森本宜久(〃) 白井早由里(〃) 上記のほか、4月6日木下康司財務省大臣官房総括審議官(14:00~16:47)梅溪健児内閣府政策統括官(経済財政運営担当)(14:00~16:47)
§5
4月7日櫻井充財務副大臣(9:00~12:52、13:00~13:05)末松義規内閣府副大臣(9:00~12:52、13:00~13:05)が出席。 ・金融経済月報の公表日時――4月8日(金)14:00 ・議事要旨の公表日時――5月9日(月)8:50以上