金融政策決定会合議事要旨(4月6、7日開催分)
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2011.5.9日本銀行政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2011年4月6、7日開催分)本議事要旨は、日本銀行法第 20 条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2011年4月28日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。公表時間5月9日(月) 8時50分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
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(開催要領)1.開催日時:2011年4月6日(14:00~16:47)4月7日( 9:00~13:05)2.場所:日本銀行本店3.出席委員:議長白川方明(総裁)山口廣秀(副総裁)西村淸彦(〃)野田忠男(審議委員)中村清次(〃)亀崎英敏(〃)宮尾龍蔵(〃)森本宜久(〃)白井早由里(〃)4.政府からの出席者:財務省木下康司大臣官房総括審議官(6日)櫻井充財務副大臣(7日)内閣府梅溪健児政策統括官(経済財政運営担当)(6日)末松義規内閣府副大臣(7日)(執行部からの報告者)理事山本謙三(6日 14:00~14:50、7日)理事中曽宏理事雨宮正佳理事木下信行企画局長櫛田誠希企画局審議役梅森徹(7日)企画局政策企画課長加藤毅金融市場局長外山晴之調査統計局長門間一夫調査統計局経済調査課長関根敏隆国際局長大野英昭(事務局)政策委員会室長飯野裕二政策委員会室企画役橘朋廣企画局企画調整課長千田英継(7日)企画局企画役大山慎介企画局企画役奥野聡雄
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Ⅰ.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要1.被災地の金融情勢今回の震災により、東北地方に所在する金融機関の本支店には甚大な被害が生じている。4月1日時点における政府の集計によると、同地方の店舗の6%に相当する約 150 の店舗がなお閉鎖されている。こうした中、金融機関では、閉鎖店舗の復旧とともに、当該店舗の業務を近隣店に移管するなどして、窓口業務の継続に努めている。現在、被災地では、生活必需品購入のための現金需要が増加しており、各金融機関は、休日を含めて、預金の引出に応じている。預金動向は全体として安定的な状況が続いているが、金融機関の中には、先行きの預金受入れの動向を不透明とする先もみられる。被災地では、企業による借入金の返済猶予の要請や、当座の運転資金を中心とする融資相談も急増している。金融機関もこれに積極的に応じている。もっとも、多くの企業は、自社の被害状況を完全には把握できておらず、今後の経営再建の方針を固める段階に至っていない。このため、金融機関としても、資金需要の全体像を把握できる状況ではない。今後、復旧・復興に向けた動きが本格化してくれば、借入需要は更に増加すると見込まれるが、現時点では、その規模やタイミングは不確実である。
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2.最近の金融市場調節の運営実績金融市場調節は、前回会合(3月14日)で決定された方針1のもとで、連日、即日物の資金供給オペレーションを実施するなど、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期した。こうした中、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、地震発生後の週明け以降、低下傾向を辿り、足もとでは、0.06%程度で推移している。
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1 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」
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3.金融・為替市場動向短期金融市場では、震災後、資金の出し手が一時的に資金放出を慎重化させる一方、金融機関の予備的な資金需要が高まったことから、金利がやや強含んだ。これに対し、日本銀行が大量の資金供給を実施したことから、金利は総じて落ち着きを取り戻している。GCレポレートは、このところ 0.1%をやや下回る水準で推移している。短国レートは、幾分強含んだあと、低下に転じ、最近では、1年物まで含めて 0.1%台前半で推移している。長めのターム物の銀行間取引金利は、横ばい圏内の動きとなっている。長期金利は、株価が下落した局面で幾分低下したが、その後は、海外金利の持ち直しや国債増発への警戒感などから、上昇しており、足もとでは 1.3%前後で推移している。社債の流通市場では、投資家が様子見姿勢をみせる中で、取引の薄い状態となっており、社債の対国債スプレッドは、電力銘柄を中心に拡大している。株価は、震災後、一旦大幅に下落したが、その後は幾分戻しており、最近では、9千円台半ばで推移している。東証REIT指数は、一旦大きく下落したあと、買い戻しの動きが拡がり、下落幅が縮小している。民間企業のCDSプレミアムも、大幅に拡大した後、株価が反発するもとで、実勢としては縮小方向に転じている。
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このように、市場では、震災後に投資家のリスク回避姿勢が強まったが、最近では、一部になお神経質な動きが残っているものの、次第に落ち着きを取り戻しつつある。この間、為替市場をみると、円の対米ドル相場は、震災後、一時的に 76円台まで円が上昇したが、3月18日の協調介入の実施を契機に、円安方向に動いており、ごく足もとでは 85 円台で推移している。4.海外金融経済情勢米欧の金融資本市場をみると、北アフリカ・中東情勢の緊迫化に加え、日本の震災に伴い、投資家のリスク回避姿勢が強まったことから、主要国の株価は一時下落し、長期金利にも低下圧力が加わった。その後は、日本の震災が世界経済に与える影響は限定的であるとの見方が拡がるにつれ、株価、長期金利ともに持ち直し、前回会合対比では横ばい、ないし幾分上昇している。国際商品市況については、非鉄金属や穀物などに調整の動きもみられたが、原油価格は、新興国の需要拡大、世界的に緩和的な金融環境、北アフリカ・中東情勢の不透明感を背景に、上昇している。実体経済面をみると、世界経済は、回復を続けている。
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米国経済は、回復を続けている。輸出が新興国向けを中心に増加を続け、設備投資も緩やかに増加している。個人消費も、財政刺激策の効果などを受けて堅調に推移しているが、バランスシート問題は引き続き家計支出の重石となって作用している。住宅投資は、なお低水準で推移している。物価面では、財市場や労働市場の緩和的な需給環境に伴う物価押し下げ圧力の拡大が抑制される中、国際商品市況上昇の影響がやや強まってきている。ユーロエリア経済は、国ごとのばらつきを伴いながらも、全体としてみれば、緩やかに回復している。輸出が増加を続けているほか、個人消費や民間設備投資も緩やかに増加している。物価面をみると、緩和的な需給環境や賃金の伸び鈍化が、なお物価押し下げ圧力として作用しているが、既往のユーロ安や国際商品市況上昇の影響を受けて、総合ベースの消費者物価の前年比プラス幅は拡大している。中国経済は、高成長を続けている。輸出と生産が増加を続けているほか、個人消費も、家計の所得水準の向上などを背景に、堅調に推移している。NIEs、ASEAN経済も回復を続けている。物価面をみると、これらの国・地域の多くで、生産要素の稼働水準の高まりや国際商品市況の上昇を受けて、インフレ圧力が強い状況が続いている。
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なお、日本の震災の影響については、短期的には、自動車や電機関連におけるサプライチェーンの障害が、アジア諸国を中心に、生産活動を下押しする可能性がある。今後、生産ラインの復旧や製品代替が進むことで、震災の影響は長期化せず限定的なものにとどまるとの指摘もあるが、この点に関する不確実性は高い。5.国内金融経済情勢(1)実体経済生産は、震災後、生産設備の毀損、サプライチェーンにおける障害、電力供給の制約などから、一部の業種や地域で大幅に減少している。企業からの聞き取り調査などによると、震災により直接被害を受けた工場の生産停止に加え、被災地以外の工場においても、自動車を中心に、被災地工場からの部品供給の停止や停電の影響などから、大幅な減産を余儀なくされた先が多い。先行きの生産については、当面、低水準で推移するとみられるが、供給面での制約が和らぐにつれ、増加していくと考えられる。輸出は、震災後、大幅に減少しているとみられる。先行きは、当面、
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低水準で推移するとみられるものの、海外経済が改善を続けるもとで、供給面からの制約が和らぐにつれ、増加に転じるとみられる。公共投資は、減少幅が縮小しつつある。先行きについては、被災した社会資本の復旧などから、徐々に増加していくとみられる。国内民間需要をみると、震災前まで持ち直していた設備投資は、震災後、生産活動の低下から一旦弱めの動きになっている可能性が高い。先行きについては、被災した設備の修復もあって、徐々に増加していくとみられる。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。個人消費については、震災の影響により、一部の必需品への需要が高まっている一方、マインドの悪化による消費抑制傾向がみられる。住宅投資は持ち直しつつある。先行きについては、被災への対応などから、徐々に増加していくと予想される。物価面について、国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況高の影響などから、上昇しており、先行きについても、当面、上昇を続けるとみられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、マクロ的な需給バランスが緩和状態にあるもとで、下落幅は縮小を続けている。先行きは、当面、小幅のプラスに転じていくとみられる。(2)金融環境震災後のわが国の金融動向をみると、金融機能は維持されており、資金決済の円滑も確保されている。
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わが国の金融環境は、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。コールレートがきわめて低い水準で推移する中、企業の資金調達コストは、低下傾向が続いている。実体経済活動や物価との関係でみると、低金利の緩和効果はなお減殺されている面がある。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、改善が続いている。社債市場では、信用スプレッドが幾分拡大する中、発行を見送る動きがみられるが、CP市場では、良好な発行環境が続いている。資金需要面をみると、震災後、大企業を中心に、運転資金需要の増加や手許資金の積み増しといった動きがみられており、銀行に対する借入れ要請が増加している。企業の資金繰りをみると、総じてみれば、改善している
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が、震災後、中小企業を中心に一部で資金繰りが厳しくなったとする先がみられている。この間、マネーストックは、前年比2%台半ばの伸びとなっている。Ⅱ.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要1.経済情勢委員は、今回の震災の影響を中心に、わが国の経済情勢について議論を行った。わが国経済の現状について、委員は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にあるとの認識で一致した。多くの委員は、震災の直接的な影響として、東北地方を中心に生産設備が大きく毀損されていると述べた。また、委員は、被災地の工場で生産されていた部品や素材の供給に大きな制約が生じたため、被災地のみならず、広い範囲にわたって生産活動が低下しているとの認識を共有した。何人かの委員は、こうしたサプライチェーンの障害による生産活動の停止や縮小の動きは、自動車を始め、一般機械、電子部品、化学など、幅広い業種で生じていると指摘した。更に、発電設備の毀損に伴う電力供給の制約が、関東・東北地方を中心に、生産活動の下押し要因となっているという点でも、委員の認識は一致した。そのうえで、委員は、現時点で全貌を把握することは難しいものの、ミクロ情報などを踏まえれば、3月の生産は大幅に減少した可能性が高いとの認識で一致した。委員は、こうした生産活動の低下が、輸出や国内民間需要に相応の影響を及ぼしているとの認識を共有した。
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このうち、個人消費の動きについて、多くの委員は、3月の新車登録台数が前月比3割近く落ち込んだことや、家電販売や百貨店売上高、外食、旅行サービスの売上などが震災後に大きく減少していることを指摘した。複数の委員は、停電や商品不足の影響に加え、自粛ムードの拡大や、原発問題などに伴うマインドの悪化が消費の減少につながる需要ショックの様相が一部に表われてきているとの認識を示した。わが国経済の先行きについて、委員は、当面、生産面を中心に下押し圧力が強い状態が続くものの、その後は、供給面の制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、緩やかな回復経路に復していくとの認識を共有した。何人かの委員は、リーマン・ショック時のように需要が蒸発している訳ではないため、今後、供給面の制約が解消していけば、基本的には、需要に見合うかたちで経済が回復していくとの見
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方を示した。供給面の制約解消に向けた動きとして、複数の委員は、既に多くの企業が、被害の小さい生産施設の再稼働、西日本の生産設備の活用、代替調達先の確保など、様々な取り組みを進めていることを指摘した。何人かの委員は、サプライチェーンの復旧に向けた努力の結果、夏前には、多くの企業で生産体制を再構築できる可能性があるとの見方を示した。もっとも、多くの委員は、今後、サプライチェーンの復旧が順調に進んだとしても、夏場にかけて、電力のピーク時需要予想に対する供給能力の不足が問題となり得るため、現時点では、供給制約が全体として解消する時期を見極めることは難しいと述べた。委員は、需要面の動向について、次のような議論を行った。多くの委員は、海外経済は、新興国・資源国の高成長に牽引されるかたちで回復を続けていることから、今後、供給制約の解消とともに輸出が増加し、日本経済の回復を支える原動力のひとつとして作用してくるとの見方を示した。また、複数の委員は、足もとの円安方向の動きが今後も継続すれば、輸出の増加を後押しするとともに、企業収益やマインドの改善を通じて設備投資にもプラスの影響を及ぼす可能性があると指摘した。更に、何人かの委員は、資本ストックの復元に向けた復興需要も次第に本格化してくるとの見方を示した。
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この間、何人かの委員は、先行きの設備投資や個人消費については、供給制約の解消時期や原発問題の帰趨に影響される面もあると述べた。ある委員は、こうした問題が長引けば、マインド面への影響や、企業収益や家計所得への持続的な下押し圧力を通じて、景気は全体として、震災前に想定していた回復経路よりも下方にシフトした経路を辿る可能性が相応にあると指摘した。一方、ある委員は、やや長い目でみると、今回の震災を契機に、企業が様々なリスクを意識して生産・物流拠点の移管や複線化などを行うようになれば、サプライチェーンの復旧や毀損ストックの復元といったレベルを超えて、新たな需要が生まれる可能性もあると指摘した。そのうえで、複数の委員は、震災からの復興に当たっては、今後再構築される社会基盤や産業活動を、わが国の生産性や成長力向上にどう結び付けていくか、といった視点が一層重要になるとの認識を示した。以上の議論を経て、委員は、震災がわが国経済に及ぼす影響については、不確実性が非常に大きく、今後とも、供給制約の解消に向けたプロセスや、内外の需要動向など、様々な視点から丹念に点検していく必要があるとの認識を共有した。
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このほか、委員は、海外の金融経済情勢や、それに関連したわが国経済の先行きを巡るリスクについても議論を行った。米国経済について、多くの委員は、回復を続けているものの、労働市場や住宅市場の動向を踏まえると、家計部門のバランスシート問題は、引き続き同国経済の重石として作用していると指摘した。ユーロエリア経済については、多くの委員が、輸出主導で高い成長を続けるドイツなど主要国と、ソブリン問題を抱える周縁国のコントラストが一層拡大していると指摘した。何人かの委員は、インフレを懸念する欧州中央銀行が、今後、金融引締めの姿勢を強めた場合、結果として、周縁国の財政問題が更に深刻化する可能性があるため、これが先行きの欧州経済や国際金融市場にどのような影響を与えるか、十分注意してみていく必要があると述べた。この間、多くの委員は、中国経済は依然として高成長を続けており、NIEs、ASEAN経済についても、内需が堅調なほか、輸出も勢いを取り戻しており、回復を続けているとの認識を示した。こうした中、何人かの委員は、多くの新興国において金融緩和策の修正が進められているものの、景気過熱やインフレに対する懸念は、なお払拭されていないとの見方を示した。以上の議論を経て、委員は、新興国・資源国経済の強まりなどは、これまで同様、わが国経済の上振れ要因であるとの認識を共有した。
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また、下振れ要因として、国際金融市場の動向や、一頃に比べて低下しているとはいえ、引き続き米欧経済の先行きを巡る不確実性があるという点でも、委員の意見は一致した。このほか、多くの委員は、原油価格を中心に国際商品市況が引き続き上昇していることについても、注意が怠れないとの認識を示した。何人かの委員は、国際商品市況高の背景にある新興国・資源国の高成長は、わが国の輸出の増加につながる可能性があるとの認識を示した。一方、何人かの委員は、為替相場が円安方向にある中、今後、国際商品市況の上昇が続いた場合には、交易条件の悪化に伴う企業収益の減少や実質購買力の低下が、国内民間需要を下押しする可能性があると指摘した。委員は、日本の震災が海外経済に及ぼす影響についても議論を行った。ある委員は、日本からの素材や部品の調達が困難化するなど、サプライチェーンを通じた影響は国際的にも及んでおり、米国やアジアの新興国などでは、自動車など一部業種において、生産計画の下方修正を余儀なくされていると述べた。もっとも、別のある委員は、アジア新興国については、生活必需品などの日本向け輸出が増加するとの
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指摘もあり、現時点では、プラスとマイナスのどちらの影響が勝るかを見極めることは難しいと述べた。このほか、複数の委員は、震災直後に不安定化した米欧の長期金利や株価が、その後、落ち着きを取り戻し、概ね震災前の水準に戻ったことを踏まえると、グローバル投資家は、日本の震災が世界経済に与える影響は限定的との見方を強めているのではないか、との見解を示した。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、下落幅が縮小を続けているとの認識を共有した。複数の委員は、国際商品市況の上昇や、アジア諸国のインフレを背景とした被服などの輸入品価格の上昇が、国内物価の押し上げ要因となっており、足もとの物価は、一頃の予想よりも幾分上振れ気味で推移しているとの見方を示した。先行きについて、委員は、国際商品市況の動向などを踏まえると、消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくとの認識で一致した。今回の震災が物価に及ぼす影響について、何人かの委員は、供給面でのボトルネックが生じたり、原発事故を契機に化石燃料への回帰の動きが拡がり、これが原油価格の一段の上昇につながれば、先行きの物価押し上げ要因となる可能性があると指摘した。
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先行きの物価に関連し、マクロ的な需給バランスの動向について、複数の委員は、震災の影響により一時的に供給面での制約が厳しくなるものの、そうした制約が和らぐにつれ、需給バランスは再び緩和方向に戻る可能性があるとの見方を示した。一方、ある委員は、供給面での制約が厳しくなるとともに、企業収益や家計所得への持続的な下押し圧力などを通じて、それ以上に需要が減退する可能性もあると述べた。こうした議論を経て、委員は、供給ショックの持続性と、それが需要面に与える影響の度合いによって、物価に及ぼす影響も異なり得るとの見方を共有した。また、ある委員は、需給バランスと物価に関する議論は、経済を中長期的に分析する場合には重要であるが、今回のように、サプライチェーンの寸断や電力不足が生じている状況にまで、そうした議論を当てはめることは必ずしも適当ではないとの意見を述べた。2.金融面の動向震災後の金融動向について、委員は、わが国の金融機能はしっかりと維持されており、資金決済の円滑も確保されていることを確認した。複数の委員は、日銀ネットや全銀システムなど、主要な決済システムは正常な稼働を維持し、金融市場における取引も通常どおり行われているほか、被災地の金融機関も、現金需要を満たすための預金引出な
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どに円滑に対応していると述べた。何人かの委員は、金融・決済システムと金融市場が頑健性を維持していることは、厳しい経済情勢を金融面から下支えし、人々の安心感を確保するうえで、大きな意義を有しているとの認識を示した。わが国の金融環境について、委員は、総じて緩和の動きが続いているものの、中小企業を中心に一部で資金繰りが厳しくなっているとの認識を共有した。短期金融市場について、多くの委員は、震災後、予備的な資金需要の高まりを背景に金利がやや強含んだが、日本銀行による大量の資金供給を受けて、最近では、再び落ち着きを取り戻していると指摘した。長期金利について、何人かの委員は、震災後一旦低下したものの、その後は、海外金利上昇の影響に加え、復興財源の調達に伴う国債増発への警戒感の強まりもあって、足もとでは再び 1.3%前後まで上昇していると述べた。CP市場の動向について、多くの委員は、震災直後に発行スプレッドが幾分拡大したものの、日本銀行によるCP買現先オペの実施などを受けて低下に転ずるなど、足もとにかけて良好な発行環境が確保されていると述べた。一方、社債市場について、多くの委員は、信用スプレッドが幾分拡大する中、発行を見送る動きがみられていると指摘した。
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その背景として、複数の委員は、従来ベンチマークとなっていた一部電力銘柄のスプレッドが急拡大し、市場全体として社債レートの目線が定まりにくくなったことなどから、企業や投資家が様子見姿勢を続けているとの見方を示した。もっとも、何人かの委員は、投資家による狼狽売りなどはみられず、流通スプレッドも全体としては落ち着いていると述べ、市場機能が著しく低下し、取引自体が停止したリーマン破綻後の状況とは大きく異なると指摘した。そのうえで、ある委員は、今後、新たなベンチマークと適切なスプレッドの模索が進んでいくにつれて、社債の発行環境も再び改善していく可能性が高いと述べた。このほか、ある委員は、J-REIT市場は比較的堅調を保っていると指摘し、その理由として、被災地物件の組み入れ比率が小さいことと、日本銀行による買入れに伴い市場に安心感が拡がっていることを挙げた。企業の資金繰りについて、委員は、総じて改善しているものの、最近のアンケート調査などをみると、震災後については、中小企業を中心に一部で資金繰りが厳しくなったとする先がみられているとの見方で一致した。何人かの委員は、今後は、被災地以外の地域でも、売上
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の減少や売掛金の回収困難化などにより、資金繰り不安が表面化してくる可能性があることに十分警戒する必要があると述べた。Ⅲ.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、委員は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の方針を維持することが適当であるとの見解で一致した。委員は、前回会合で決定した「資産買入等の基金」の増額の効果についても議論を行った。何人かの委員は、リーマン破綻後の状況に比べ、CP、社債市場が落ち着いていることや、震災後に一旦下落した株価などが、その後再び持ち直してきていることを改めて指摘した。こうした点を踏まえ、多くの委員は、今回の基金の増額は、市場に対して安心感を与え、企業マインドの萎縮や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりを回避するという点で、これまでのところ、一定の効果を発揮しているとの見方を示した。そのうえで、何人かの委員は、現時点では、こうした金融市場の動きが実体経済に及ぼす影響を含め、基金増額の効果を見極めていくことが大事であるとの認識を示した。
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複数の委員は、供給制約自体を金融政策で解決することはできないが、日本銀行としては、供給制約に起因するマインドの悪化や企業収益、家計所得の減少が、経済に対して持続的な下押し圧力を及ぼしたり、それが顕在化する可能性が高まったりすることがないか、今後ともしっかりと点検していく必要があると述べた。このほか、多くの委員から、今回の震災の影響の大きさや被災地の金融情勢を踏まえ、日本銀行として、金融面から更なる貢献を行うことを検討すべきとの問題意識が示された。何人かの委員は、中央銀行が有する機能を踏まえると、被災地における金融機関の活動を流動性の面から支援し、金融機能の円滑な発揮を支えることが考えられると述べた。また、多くの委員は、今後、被災地では、当座の生活資金や運転資金、復旧・復興のための資金に対する需要が高まると見込まれる一方、被災地金融機関の主たる資金調達源である預金の吸収力は低下していく可能性があると指摘した。これらの点を踏まえ、委員は、現在の市場への潤沢な資金供給に加え、被災地金融機関に対して長めの資金供給を行うことにより、今後予想される復旧・復興に向けた資金需要への初期対応を資金面から支援していくことが適当であるとの認識で一致した。何人かの委員は、こうした目的に照らせば、資金供
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給を極力早期に実施することが必要であり、それにより、被災地金融機関の安心感を高めることにも資すると付け加えた。なお、ある委員は、資金供給を行う場合でも、財政政策や公的金融との違いを明確にする必要があり、個別企業に対するミクロの資金配分に直接関与したり、過度のリスク負担を負うことのないよう、留意する必要があると述べた。以上の議論を経て、委員は、被災地金融機関に対し、長めの資金を供給するための新たな枠組みを導入することが適当との認識で一致した。更に、多くの委員は、今後の被災地金融機関の資金調達余力を確保する観点から、担保適格要件の緩和を図ることも併せて検討することが望ましいとの認識を示した。何人かの委員は、阪神・淡路大震災の際に実施した復興支援貸出と、それに伴う担保適格要件の緩和について言及し、現在とは状況が異なる面もあるが、これらの措置も、今回の検討において参考となり得ると述べた。続いて、委員は、新たな枠組みに関する具体的な論点について議論を行った。多くの委員は、被災地の復旧・復興に向けた取り組みを効果的に支援していくためには、資金供給の対象先を、被災地に営業所を有する金融機関とすることが適当であるとの意見を述べた。
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また、何人かの委員は、地域経済との結びつきが強く、今後の復旧・復興に向けて重要な役割を担うと考えられる系統金融機関に対しても、取引先金融機関を通じて資金供給を行う仕組みを検討することが望ましいと述べた。貸付の方法について、ある委員は、既存の仕組みを可能な限り活用する観点からは、共通担保を担保とする資金供給オペレーションの仕組みをベースに検討していくことが適当であるとの意見を述べた。貸付総額について、多くの委員は、被災地金融機関の安心感を高める観点から、十分な規模を確保することが適当であるとの認識を示した。そのうえで、何人かの委員は、今回の震災の被害見込み額が、阪神・淡路大震災の2倍程度であることを踏まえると、当時の復興支援貸出の限度額の2倍に相当する1兆円程度とすることが考えられると述べた。ある委員は、被災地における資金需要の動向は見極め難いため、当初定めた貸付総額が足りないことが判明すれば、事後的に増額していくことも考えられると述べた。対象先毎の貸付限度額について、何人かの委員は、被災地金融機関の活動を効果的に支援していく観点から、特定先に資金が集中しない工夫として、被災地における対象先の貸出実績等を踏まえて定めることが適当との意見を述べた。
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このほか、何人かの委員は、金融機関の安心感を醸成するような、貸付条件面での一定の配慮が必要との認識を示した。この点について、多くの委員は、被災地金融機関の長めの資金ニーズに対応できるよう、貸付期間は1年とし、貸付利率は、現在の政策金利を踏まえた十分低い水準として、年0.1%とすることが考えられると述べた。貸付の受付期間については、多くの委員が、復旧・復興に向けた資金需要への初期対応を支援するとの趣旨を踏まえて設定することが適当との認識を示した。なお、複数の委員は、被災地金融機関の安心感を確保する等の観点からは、相応の受付期間を設けることが適当であると述べた。担保適格要件の緩和について、多くの委員は、新たな資金供給の導入と一体的に検討を進めることが適当とし、その際には、要件緩和の対象となり得る金融資産の実情や、日本銀行の実務面への影響についても調査・検討する必要があると述べた。こうした議論を経て、委員は、新たな資金供給オペレーションの基本的な枠組みを骨子素案として取り纏め、会合後に公表することが適当であるとの認識で一致した。議長からは、被災地金融機関の実情やニーズを調査したうえで具体的な制度設計を行うため、新たな資金供給オペレーションと担保適格要件の緩和の2つの措置について具体的な検討を行い、次回の金融政策決定会合において報告するよう、執行部に対して指示がなされた。
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最後に、先行きの政策運営について、委員は、引き続き、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていくとの方針を確認した。なお、複数の委員は、今後の復興の過程では日本経済の成長力の底上げを図っていくことが重要であり、そうした観点から、現在の「成長基盤強化を支援するための資金供給」の枠組みを今後どのように活用していくことが適当か、しっかりと検討していく必要があると述べた。また、ある委員は、最近、復興財源を捻出するため、日本銀行が国債を引受けるべきとの主張が一部に聞かれるが、そうした取り扱いは、初めはうまくいったようにみえても、早晩、激しいインフレを招き、国民生活に大きな打撃を与えたというのが歴史の教訓であり、この点について、広く理解を得る努力を続ける必要があるとの認識を示した。これに関し、複数の委員は、中央銀行による国債引受けが行われ、通貨への信認が毀損すると、長期金利の上昇や金融市場の不安定
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化を招き、現在、円滑に行われている国債発行が困難になる惧れもあるとの認識を示した。このうち一人の委員は、通貨への信認は、わが国の金融・経済にとっての重要なインフラの一角をなすものであり、国民生活の安定のためにも、そうしたインフラをしっかりと維持することがきわめて重要であると付け加えた。Ⅳ.政府からの出席者の発言財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。 わが国の経済情勢をみると、震災の影響として、民間企業設備の毀損、サプライチェーンの障害、電力供給の制約等の問題が生じており、先行きも不確実性がきわめて高い状況にある。 震災発生後、政府においても予備費を活用した物資の緊急支援等を行うとともに、政策金融において相談窓口の設置や金利の優遇等を決定する等、対応を進めてきた。3月29日には平成 23年度予算が成立したが、今後の財政運営においても、震災対応に全力を挙げることを第一とする必要がある。今後とも必要な対策が判明次第、予備費や補正予算によって速やかに対応していく。 日本銀行におかれては、前回会合において資産買入等の基金を増額するとともに、市場への潤沢な供給を行うなど、震災発生後、迅速かつ適切な対応をとられていることに、感謝を申し上げる。政府としても、震災の被災者支援や復旧・復興に全力を挙げて取り組んでいきたい。
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日本銀行におかれても、今後とも、震災が経済や市場に与える影響や復興の状況等を踏まえながら、果断な金融政策対応をお願いしたい。本日ご議論のあった被災地の金融機関に対する支援制度については、震災の復旧・復興に資する取り組みとして歓迎しており、今後、制度の実施を通じて被災地支援が進むよう前向きにご検討頂きたい。 復興財源を日本銀行の国債引受けにより調達するとの報道等があるが、政府としてそのような検討は全く行っていない。財政法第 5条において、歴史的な反省から、公債の市中消化の原則を定めていること等を踏まえれば、国債の直接引受けについては慎重に考えるべきであると考えている。また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。 持ち直しに転じてきたわが国の景気については、震災の影響が懸
§30
念される。今回の震災によるわが国経済への被害は、阪神・淡路大震災のそれを上回ると考えられる。 先行きについては、部品供給の停滞や電力供給の制約、原発問題等、震災の影響による生産活動等の停滞が広範囲にわたって長期化する惧れがある。金融資本市場の変動や原油価格上昇の影響といった景気の下振れリスクもある。加えて、物価は現在デフレ状況にある中で、震災が物価に与える影響は、現時点では測りがたく、これを十分見極めていく必要がある。 政府は、震災の影響を踏まえながら、国民生活および経済活動の安定に総力を挙げていく。このため、まずは、被災者支援、雇用の確保、産業復旧の準備等のため、平成 23年度予算の一部の執行を停止し、補正予算の中身を今月中に固めたいと考えている。更に、被災地の復興に向けた取り組みを進めていく。これらに当たっては、財政に対する市場の信認をしっかりと確保していくよう取り組んでいく。 日本銀行におかれては、地震発生以降、リスク性資産を中心とした資産買入等の基金の増額を含め、迅速に対応頂いている。引き続き政府との緊密な情報交換・連携のもと、金融市場、金融システムの安定を確保するとともに、本日ご議論のあったように、被災地の便宜を特に重視し、生活や企業の経済活動をしっかり支えるよう、万全の措置を講じて頂くようお願いする。
§31
Ⅴ.採決以上の議論を踏まえ、委員は、当面の金融市場調節方針について、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の金融市場調節方針を維持することが適当である、との考え方を共有した。議長からは、このような見解を取りまとめるかたちで、以下の議案が提出され、採決に付された。
§32
金融市場調節方針に関する議案(議長案)1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとすること。記無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.対外公表文は別途決定すること。採決の結果賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員反対:なしⅥ.対外公表文(「当面の金融政策運営について」)の検討対外公表文(「当面の金融政策運営について」<別紙>)が検討され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。Ⅶ.議事要旨の承認議事要旨(3月14日開催分)が全員一致で承認され、4月12日に公表することとされた。以上
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2011年4月7日日本銀行当面の金融政策運営について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注1))。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.東日本大震災の発生後、日本銀行は、金融市場の安定確保のため、市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行ってきた。また、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、金融緩和を一段と強化した。こうした措置に加えて、本日、日本銀行は、被災地の金融機関を対象に、今後予想される復旧・復興に向けた資金需要への初期対応を支援するため、長めの資金供給オペレーションを実施することが必要と判断し、別紙の通り骨子素案を取り纏めた。また、日本銀行は、今後の被災地の金融機関の資金調達余力確保の観点から、担保適格要件の緩和を図ることが適当と判断した。議長は、執行部に対し、これら2つの措置について具体的な検討を行い、次回の金融政策決定会合において報告するよう指示した。3.わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にある。
§34
すなわち、震災後、生産設備の毀損、サプライチェーンにおける障害、電力供給の制約などから、一部の生産活動が大きく低下しており、輸出や国内民間需要にも相応の影響が及んでいる。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。震災後の金融動向をみると、金融機能は維持されており、資金決済の円滑も確保されている。金融市場は、全体として安定している。この間、金融環境は、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に、一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。4.先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、当面、生産面を中心に下押し
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(注1)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員。反対:なし。(別紙)
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圧力が強い状態が続いたあと、供給面での制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられる(注2)。5.リスク要因をみると、景気については、上振れ要因として、旺盛な内需や海外からの資本流入を受けた新興国・資源国の経済の強まりなどがある。一方、下振れ要因としては、国際金融市場の動向や、一頃に比べて低下しているとはいえ、米欧経済の先行きを巡る不確実性がある。さらに、震災がわが国経済に及ぼす影響については、不確実性が大きい。この間、国際商品市況の上昇については、その背景にある新興国・資源国の高成長が輸出の増加につながる一方、交易条件の悪化に伴う実質購買力の低下が国内民間需要を下押しする面もある。物価面では、国際商品市況の一段の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。6.日本銀行は、引き続き、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。以上 (注2)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。
§37
(別紙)「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」の骨子素案1.対象先被災地に営業所を有する金融機関で、共通担保資金供給オペ(全店貸付)の対象先のうち希望する先系統金融機関については、共通担保資金供給オペ(全店貸付)の非対象先や非当座預金取引先についても取引先金融機関を通じて資金供給を行うことを検討(注)被災地は、東日本大震災にかかる災害救助法の適用指定を受けている地域(岩手県、宮城県、福島県の全域、青森県、茨城県、栃木県、千葉県の一部)2.資金供給方式共通担保を担保とする貸し付け3.貸付期間1年4.貸付利率0.1%5.貸付総額1兆円6.対象先毎の貸付限度額、貸付受付期間対象先の被災地での貸出状況等を踏まえ、対象先毎の貸付限度額、貸付受付期間を定める