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日本銀行議事要旨2011年9月12日

金融政策決定会合議事要旨(8月4日開催分)

全文

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2011.9.12日本銀行政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2011年8月4日開催分)本議事要旨は、日本銀行法第 20 条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2011年9月6、7日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。公表時間9月12日(月) 8時50分 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 (開催要領)1.開催日時:2011年8月4日(11:15~13:55)2.場所:日本銀行本店3.出席委員:議長白川方明(総裁)山口廣秀(副総裁)西村淸彦(〃)中村清次(審議委員)亀崎英敏(〃)宮尾龍蔵(〃)森本宜久(〃)白井さゆり(〃)石田浩二(〃)4.政府からの出席者:財務省櫻井充財務副大臣内閣府梅溪健児政策統括官(経済財政運営担当)(執行部からの報告者)理事山本謙三理事中曽宏理事雨宮正佳理事木下信行企画局長門間一夫企画局審議役梅森徹企画局政策企画課長神山一成金融市場局長青木周平調査統計局長前田栄治調査統計局経済調査課長関根敏隆国際局長大野英昭(事務局)政策委員会室長飯野裕二政策委員会室企画役橘朋廣企画局企画調整課長千田英継企画局企画役奥野聡雄企画局企画役河西慎

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Ⅰ.金融政策決定会合の日程変更の承認冒頭、議長は、このところ、海外経済の先行きに対する不確実性が大きいもとで、為替市場においてドル安円高が進行しているほか、株価も不安定な動きとなっており、本日には、為替市場における一方向に偏った円高の動きが、経済・金融の安定に悪影響を及ぼしかねないことから、財務省が朝方から市場への介入を実施していると述べた。また、そうした状況を踏まえると、日本銀行としても、わが国の経済・金融情勢を点検したうえで、金融政策運営方針を速やかに決定・公表していくことが、為替・金融資本市場の安定を確保し、企業のマインドの下振れを防ぐ観点から重要であると述べた。そのうえで、当初2日間を予定していた会合の日程を変更し、本日中に会合を終了するよう議事を進めることを提案した。本提案は、全員一致で承認された。Ⅱ.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要1.最近の金融市場調節の運営実績金融市場調節は、前回会合(7月11~12日)で決定された方針1のもとで、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期した。こうした中、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、概ね 0.07%台で推移した。2.金融・為替市場動向短期金融市場は、日本銀行による潤沢な資金供給のもとで、落ち着いて推移している。GCレポレートは、 0.1%近傍で推移している。

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ターム物金利をみると、短国レートは、1年物まで含めて、総じて0.1%程度で推移している。長めのターム物の銀行間取引金利は、横ばい圏内の動きとなっている。長期金利は、イールドカーブが全体としてフラット化する中で低下し、足もとでは 1.0%程度で推移している。株価は、足もと、米国株価が軟調に推移しているほか、為替円高の進行もあって幾分弱めの動

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1 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。」

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きとなっており、日経平均株価は9千円台後半で推移している。為替市場をみると、円の対米ドル相場は、米国経済の減速懸念の高まりから米国金利が低下していることなどもあって、月初にかけて本年3月以来の 76 円台前半まで円高が進んだが、本日の為替介入の実施を受けて円安方向に戻しており、直近 79 円台で推移している。3.海外金融経済情勢世界経済は、減速しつつも回復を続けている。米国経済は、減速しつつも回復を続けている。輸出は増加を続け、設備投資も緩やかに増加している。こうしたもとで、生産は、減速しつつも増加基調を維持している。一方、個人消費は、バランスシート問題が引き続き重石となる中、既往の原油高による実質購買力の低下を受けて、横ばい圏内まで伸びが鈍化している。住宅投資については、住宅価格が軟調に推移する中、なお低水準で推移している。このように、家計のバランスシート問題が残る中、米国経済の減速が長引くリスクは以前よりも高まっているとみられる。物価面では、財市場や労働市場の緩和的な需給環境を背景に、エネルギーと食品を除いたベースの消費者物価の上昇テンポが緩やかなものにとどまっている。総合ベースの消費者物価については、既往の国際商品市況上昇の影響から、前年比プラス幅が拡大している。欧州経済をみると、ユーロエリア経済は、国ごとのばらつきを伴いながらも、全体としてみれば、緩やかに回復している。

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輸出は、海外経済の減速を受けて増勢が鈍化しているが、個人消費や民間設備投資は緩やかな増加を続けている。物価面をみると、緩和的な需給環境や賃金の低めの伸びが、なお物価押し下げ圧力として作用する中、総合ベースの消費者物価の前年比プラス幅は幾分縮小している。この間、英国経済は、減速しつつも回復基調を辿っている。アジア経済をみると、中国経済は、高成長を続けている。足もとでは輸出に減速感が窺われるものの、固定資産投資が高い伸びを続けるなど、内需は全体として堅調に推移している。インド経済も、高めの成長を続けている。NIEs、ASEAN経済は、輸出の増勢鈍化もあって生産が足もと減少しているものの、内需は底堅く推移していることから、景気の回復基調が続いている。物価面をみると、これらの国・地域の多くで、国際商品市況の上昇を受けた食料品・原材料価格の上昇や、労働や資本など生産要素の稼働水準の高まりから、物価上昇圧力の強い状態が続いている。海外の金融資本市場をみると、欧州周縁国のソブリン・リスク問題

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や米国の連邦債務上限問題を巡る不透明感、更には米国の景気減速が長引くリスクに対する懸念の高まりなどから、米欧の株価は前回会合対比で下落し、長期金利も米国を中心に低下した。欧州各国の国債利回りをみると、ギリシャに対する追加金融支援策の合意を受けて、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの利回りは低下しているものの、イタリア、スペインの利回りは上昇を続けている。4.国内金融経済情勢(1)実体経済震災後に大きく落ち込んだ生産や輸出は、供給面の制約が和らぐ中で、増加を続けている。先行きについては、生産は、供給面の制約が更に和らぐにつれ、持ち直しを続けると考えられる。そうしたもとで、輸出も、海外経済の改善を背景に、引き続き増加するとみられる。公共投資は、振れを伴いつつも、このところ下げ止まりつつある。先行きについては、被災した社会資本の復旧などから、徐々に増加していくとみられる。設備投資は、被災した設備の修復もあって、総じて持ち直しており、先行きは増加していくとみられる。雇用・所得環境は、震災の影響もあって、厳しい状態が続いている。個人消費は、一部で弱い動きが続いているが、生産活動が回復し、家計のマインドも幾分改善するもとで、全体としては持ち直しつつある。先行きは、生産活動が回復するにつれて、家計のマインド改善もあって、持ち直していくとみられる。

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住宅投資は、震災の影響により弱めとなっていたが、このところ持ち直しに向けた動きがみられる。先行きは、供給制約の緩和や被災住宅の再建などから、徐々に増加していくと予想される。物価面をみると、国際商品市況は、やや反落したあと、高値圏での横ばい推移となっている。国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況の反落により、上昇幅が縮小している。先行きについては、国際商品市況の動きを反映して、当面、横ばい圏内の動きとなるとみられる。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、小幅のプラスで推移している。ただし、今月予定されている基準改定では下方改定される可能性が高く、新たな指数でみると、当面、若干のマイナス領域を含めゼロ%近傍で推移するとみられる。

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(2)金融環境わが国の金融環境は、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われるものの、総じて緩和の動きが続いている。コールレートがきわめて低い水準で推移する中、企業の資金調達コストも低水準で推移している。実体経済活動や物価との関係でみると、低金利の緩和効果はなお減殺されている面がある。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、改善傾向が続いている。CP市場では、良好な発行環境が続いている。社債市場では、全体としてみれば、良好な発行環境となっており、発行体の裾野に拡がりがみられている。資金需要面をみると、運転資金需要が増加する動きがみられている。以上のような環境のもとで、企業の資金調達動向をみると、銀行貸出は減少幅が縮小している。社債、CPとも、残高は前年を上回っている。こうした中、企業の資金繰りをみると、中小企業を中心に一部で厳しいとする先がみられているが、総じてみれば、改善した状態にある。この間、マネーストックは、前年比3%程度の伸びとなっている。Ⅲ.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要1.経済情勢委員は、海外の金融経済情勢について議論を行い、海外経済は、減速しつつも、新興国・資源国の高成長に牽引されるかたちで、緩やかな回復を続けており、先行きも回復を続けていくとの見方を共有した。

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そのうえで、委員は、①米国では、債務上限問題が決着をみた後も、市場では、財政健全化を巡る懸念は払拭されておらず、最近では景気の下振れ懸念が高まっている、②欧州周縁国のソブリン・リスク問題は、全体としてみれば、依然として緊張した状態が続いている、③新興国・資源国では、物価安定と成長を両立することができるかどうか、なお不透明感が高い、との認識で一致した。米国経済について、委員は、回復を続けているものの、足もと減速しているとの認識を共有した。多くの委員は、1~3月期の実質GDP成長率が年率 1.9%から 0.4%へと大きく下方修正された中、4~6月期も年率+1.3%にとどまるなど、最近公表された経済指標に弱めのものが多いことを指摘し、米国経済の減速感が強まっているとの見方を示した。また、何人かの委員は、債務上限問題に関連し、今後の歳出削減により実体経済が下押しされる可能性があるとの見方を示した。

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ユーロエリア経済について、委員は、国ごとのばらつきを伴いながらも、全体としてみれば、緩やかに回復しているとの認識を共有した。ある委員は、経済活動に減速感が垣間見えるとの見方を示した。多くの委員は、欧州周縁国のソブリン・リスク問題について、ギリシャに対する金融支援策は合意されたものの、ギリシャ以外の国を含めて財政状況に対する懸念は払拭されておらず、問題が伝播するリスクは引き続き高いとみられると指摘した。新興国・資源国経済について、委員は、輸出の減少や金融引き締めの影響から、成長テンポが鈍化してきているが、堅調な需要を背景に、全体としては高めの成長を維持しているとの見方で一致した。そのうえで、委員は、新興国・資源国の中には、国際商品市況高や生産要素の稼働水準の上昇を背景としたインフレ圧力が十分に沈静化していない国も多く、物価安定と成長を両立することができるかどうか、なお不透明感が高いとの認識を共有した。こうした海外の金融経済情勢を踏まえて、わが国の経済情勢に関する議論が行われた。景気の現状について、委員は、震災による供給面の制約が和らぐ中で、着実に持ち直してきているとの見方で一致した。また、景気の先行きについて、委員は、生産活動が回復していくにつれ、輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、緩やかな回復経路に復していくものとみられるとの認識を共有した。

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一方、景気の先行きを巡るリスクについては、委員は、経済見通しを巡る不確実性は高く、このところ、景気の下振れリスクにより留意すべき情勢となっているとの認識を共有した。委員は、米国の財政問題と景気下振れ、欧州のソブリン・リスク問題、新興国・資源国の物価安定と成長の両立といった海外の経済・財政を巡る情勢や、それらに端を発する為替・金融資本市場の変動が、わが国の企業マインドひいては経済活動にマイナスの影響を与える可能性があるとの見方で一致した。多くの委員は、やや長い目でみて、電力供給を巡る不確実性や、円高の進行などを背景に、企業の海外シフトが加速する可能性にも注意する必要があると指摘した。複数の委員は、特に、震災に伴う供給面の制約を克服しつつあるこの時期に円高が進むことは、企業マインドを大きく悪化させる可能性があると述べ、別の委員は、日本経済の成長期待の低下に繋がる可能性もあると述べた。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、マクロ的な需給バランスが基調的に改善していく中で、小幅のプラスで推移するとの見方で一致した。また、委員は、消費者物価の前年比が、今月

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予定されている基準改定により下方改定され、若干のマイナス領域を含めゼロ%近傍に一旦戻るとみられるとの認識を共有した。委員は、消費者物価の前年比が下方改定される可能性が高いことを踏まえると、新たな指数でみた場合に、「中長期的な物価安定の理解」に基づいて物価の安定が展望できる情勢になったと判断されるまでには、なお時間を要するとの見方を共有した。多くの委員は、実際に下方改定が行われた場合には、人々の物価観に影響を及ぼす可能性があることを指摘した。何人かの委員は、基準改定が物価の実勢に影響を及ぼす訳ではなく、需給ギャップが縮小するもとで、デフレ脱却の方向に向かっていること自体は変わらないという点について、丁寧にコミュニケーションを図る必要があると述べた。2.金融面の動向わが国の金融環境について、委員は、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われるものの、総じて緩和の動きが続いているとの見方で一致した。短期金融市場について、委員は、日本銀行による潤沢な資金供給のもとで、落ち着いて推移しているとの見方を共有した。企業金融について、委員は、CP市場、社債市場ともに、全体としてみれば、良好な発行環境となっており、銀行貸出は前年比減少幅が縮小しているとの認識を共有した。

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企業の資金繰りについて、委員は、中小企業を中心に一部で厳しいとする先がみられているが、総じてみれば、改善した状態にあるとの見方を共有した。Ⅳ.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、委員は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の方針を維持することが適当であるとの見解で一致した。資産買入等の基金の運営について、委員は、足もとおよび先行きの景気・物価情勢を踏まえ、震災からの立ち直り局面から物価安定のもとでの持続的成長経路への移行を、より確かなものとする観点から、長めの金利低下やリスクプレミアムの縮小を更に促すべく、基金を増額し、金融緩和を一段と強化する必要があるとの認識で一致した。委員は、増額の規模について、先行きの様々なリスクを念頭に置いて、この時点で十分な緩和を行うという日本銀行の政策姿勢を明確に示す観点から、インパクトのある金額とすることが適当との見解で一致し

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た。多くの委員は、過去の増額幅である5兆円を上回る 10 兆円とすることが適当との考えを示した。議長は、こうした委員の意見を踏まえて基金を増額するとした場合、具体的にどのような案が考えられるか、執行部に説明を求めた。議長の指示を受けて、執行部は以下のとおり説明を行った。 基金の増額幅を 10 兆円程度とすると、長めの金利低下およびリスクプレミアムの縮小を更に促す観点からは、固定金利オペと資産買入を、それぞれ5兆円程度増額することが考えられる。固定金利オペについては、オペ先からのニーズがある6か月物を増額することが考えられる。資産買入については、長期国債・国庫短期証券とリスク性資産の割合は、基金導入時と同じ割合で、それぞれ 3.5 兆円程度、1.5 兆円程度とすることが考えられる。長期国債と国庫短期証券の内訳は、短期金利がかなり低下していることを勘案して、長期国債にやや厚めに配分し、長期国債 2.0 兆円程度、国庫短期証券1.5 兆円程度とすることが考えられる。リスク性資産のうちCP等と社債等の買入額は、基金導入時と同様、合わせて1兆円程度とすることが考えられるが、CP等は買入余地が乏しいことから、社債等に厚めに配分し、CP等 0.1 兆円程度、社債等 0.9 兆円程度とすることが考えられる。

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指数連動型上場投資信託と不動産投資信託の買入額も、基金導入時と同様、合わせて 0.5 兆円程度とすることが考えられるが、不動産投資信託は買入余地が乏しいことから増額幅を 0.01 兆円程度にとどめ、指数連動型上場投資信託を 0.5 兆円程度増額することが考えられる。なお、指数連動型上場投資信託と不動産投資信託の買入を増額するには、改めて日本銀行法上の認可を取得する必要がある。 基金の増額幅を 10 兆円程度とする場合には、基金の残高の積み上げ期限を半年程度延長し、平成 24年12月末までを目途に残高の積み上げを進めることが適当と考えられる。こうした執行部の説明を受けて、多くの委員は、対象資産ごとの内訳について、当該資産の市場規模や日本銀行の財務の健全性を考慮に入れつつ、固定金利オペの拡大や幅広い資産の買入を行うことが適当との見方を示した。先行きの金融政策運営について、委員は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく必要があるとの考えを共有した。複数の委員

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は、今回、金融緩和を一段と強化する場合には、海外経済を含めて、先行きの様々なリスク要因を前もって相当意識したうえで、十分と考えられる措置を講じるのだという点を、改めて確認しておきたいと述べた。Ⅴ.政府からの出席者の発言財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。 わが国の経済情勢をみると、このところ上向きの動きがみられるが、依然として厳しい状況にある。また、電力供給制約等の影響、海外経済の減速、金融資本市場の動向等により、景気が下振れするリスクには引き続き注意が必要である。特に、円高の進行による企業収益やマインドに対する悪影響を強く懸念している。最近、一方向に偏った円高の動きがみられるが、日本経済が震災から漸く復興に向かいつつある中、こうした動きは経済・金融の安定に悪影響を及ぼしかねないことから、先程為替介入を実施した。 先般、平成 23年度第2次補正予算が成立した。政府としては、これを着実に執行し、一刻も早い復旧・復興の実現に努めていく。更に、7月29日には、「東日本大震災からの復興の基本方針」を決定した。今後、「基本方針」に基づく具体的な復興事業の内容確認作業を関係省庁間で早急に進め、本格的な復興予算を編成していく。 本日、資産買入等の基金の増額について提案されたことは、現下の経済・金融情勢の変化に適切かつ迅速に対応されたものと、政府として評価させて頂きたい。

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大震災の影響等により依然として厳しいわが国の経済状況を踏まえると、今後のマクロ経済運営には細心の注意を払う必要がある。日本銀行におかれては、現下の厳しい経済状況に対する認識を政府と共有し、今後とも内外経済の動向や金融資本市場の動向等を踏まえ、果断な金融政策対応をお願いしたい。また、内閣府の出席者からは、以下の趣旨の発言があった。 わが国の景気は、このところ上向きの動きがみられる。先行きも、生産活動の回復に伴い、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、海外経済の悪化懸念、欧米諸国の金融リスクの高まりや急速な円高の進行等、景気の下振れリスクには十分留意が必要である。 物価については、コアCPI上昇率は3か月連続のプラスとなっている。ただし、今月の基準改定により、下方修正の可能性があることには留意が必要である。また、エネルギー価格やその他特殊要因を除いた物価の基調は下落が続いているなど、わが国経済は依然と

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して緩やかなデフレ状況にある。こうした中で、供給制約やエネルギー価格等の高騰によるコスト上昇圧力が実体経済に与える影響については、十分注意していく必要がある。 政府としては、平成 23年度第1次および第2次補正予算を迅速に執行していくとともに、「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づき、復興に向けて全力で取り組んでいく。また、電力制約に対し需給両面からの万全の対応を図るとともに、新たな成長を実現する取り組みを強化し、潜在的な成長力の回復に努めていく。更に、財政への信認を確保するため、「社会保障・税一体改革成案」に示された取り組み等を着実に進めていく。 ご提案のあった資産買入等の基金の増額については、現下の景気下振れリスクに鑑み、時宜に適ったものと評価する。日本銀行におかれては、引き続き被災地金融機関支援オペを着実に実施頂くとともに、デフレからの脱却を実現するため、政府との緊密な情報交換・連携のもと、適切かつ機動的な金融政策運営により経済を下支えするようお願いする。Ⅵ.採決1.金融市場調節方針以上の議論を踏まえ、委員は、当面の金融市場調節方針について、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という現在の金融市場調節方針を維持することが適当である、との考え方を共有した。

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議長からは、このような見解を取りまとめるかたちで、以下の議案が提出され、採決に付された。金融市場調節方針に関する議案(議長案)1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとすること。記無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。2.対外公表文は別途決定すること。

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採決の結果賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員反対:なし2.「資産買入等の基金運営基本要領」の一部改正等に関する件資産買入等の基金の残高の増額幅について、委員は、上記執行部説明どおり、長期国債を 2.0 兆円程度、国庫短期証券を 1.5 兆円程度、CP等を 0.1 兆円程度、社債等を 0.9 兆円程度、指数連動型上場投資信託を 0.5 兆円程度、不動産投資信託を 0.01 兆円程度、6か月物の固定金利オペを 5.0 兆円程度、それぞれ増額することが適当であるとの認識を共有した。そのうえで、「『資産買入等の基金運営基本要領』の一部改正等に関する件」が、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、適宜の方法で公表することとされた。Ⅶ.対外公表文(「金融緩和の強化について」)の検討以上の議論を踏まえ、景気の見通しを巡る不確実性が高く、このところ、下振れリスクにより留意すべき情勢となっているとの認識のもとで、資産買入等の基金を 40 兆円程度から 50 兆円程度に 10 兆円程度増額し、金融緩和を強化する、という金融政策の運営方針に関する記述を含んだ対外公表文(「金融緩和の強化について」<別紙>)が検討され、採決に付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表することとされた。

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Ⅷ.議事要旨の承認議事要旨(7月11、12日開催分)が全員一致で承認され、8月9日に公表することとされた。以上

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2011年8月4日日本銀行金融緩和の強化について1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、資産買入等の基金を 40 兆円程度から 50 兆円程度に 10 兆円程度増額し(注1)、金融緩和を強化することを決定した(全員一致(注2))。2.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致(注3))。3.わが国経済は、東日本大震災による供給面の制約が和らぐ中で、着実に持ち直してきている。先行きについても、生産活動が回復していくにつれ、輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた需要の顕現化などから、緩やかな回復経路に復していくものとみられる。4.しかしながら、こうした見通しを巡る不確実性は高く、このところ、景気の下振れリスクにより留意すべき情勢となっている。海外経済をみると、米国においては、債務上限問題が決着をみた後も、市場では、財政健全化を巡る懸念は払拭されておらず、最近では景気の先行きに関する見方も慎重化している。欧州周縁国のソブリン・リスク問題は、全体としてみれば、依然として緊張した状態が続いている。新興国・資源国では、物価安定と成長を両立することができるかどうか、なお不透明感が高い。

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こうした海外情勢や、それらに端を発する為替・金融資本市場の変動が、わが国の企業マインドひいては経済活動にマイナスの影響を与える可能性がある。この間、物価面では、当月に予定されている基準改定に伴い、消費者物価の前年比が下方改定される可能性が高い。物価安定の実現までにはなお時間を要するとみられる。5.日本銀行は、上記の景気・物価情勢を検討したうえで、金融緩和を一段と強化し、

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(注1)増額の内容等については別紙参照。(注2)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:なし。(注3)反対:なし。別紙 これを通じて、震災からの立ち直り局面から物価安定のもとでの持続的成長経路への移行を、より確かなものとすることが必要と判断した。6.日本経済は、急速な高齢化のもとでの成長力の強化という積年の課題に加え、震災からの復旧・復興という課題にも直面している。先行き、新たな発展の基盤を築くためには、民間、政府を含め各方面の積極的な取り組みが不可欠である。日本銀行としても、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、今後とも、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。以上

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(別紙)今回の「資産買入等の基金」の増額について1.増額の内容基金の残高(従来)今回の増額幅基金の残高(増額後)総額 40 兆円程度+10 兆円程度50 兆円程度資産の買入れ 10.0 +5.0 15 .0長期国債(注1) 2.0 +2.0 4 .0国庫短期証券 3.0 +1.5 4 .5CP等 2.0 +0.1 2 .1社債等 2.0 +0.9 2 .9指数連動型上場投資信託(注2) 0.9 +0.5 1 .4不動産投資信託(注2) 0.1 +0.01 0.11固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション30.0 +5.0 35 .0期間3か月20.0 ― 20 .0期間6か月10.0 +5.0 15 .0(注1)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。(注2)指数連動型上場投資信託および不動産投資信託の増額については、日銀法上の認可取得を条件とする。2.2012年末を目途に増額を完了する。以上