金融緩和の強化について(13時31分公表)
全文
§1
2011年10月27日日本銀行 金融緩和の強化について
§2
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、資産買入等の基金を 50 兆円程度から 55 兆円程度に5兆円程度増額し、金融緩和を強化することを決定した(賛成8反対1(注1))(注2)。資産買入等の基金の増額に当たっては、長期国債を対象とすることとした(注3)。2.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致(注4))。3.日本経済は、供給面の制約が解消されてきている中で、持ち直しの動きが続いている。金融環境をみると、CPや社債の発行環境が良好な状態を続け、企業の資金調達コストも緩やかに低下するなど、緩和の動きが続いている。日本経済の先行きについては、当面、海外経済の減速や円高の影響を受けるものの、その後は海外経済の成長率が再び高まることや、震災復興関連の需要が徐々に顕在化していくことなどから、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。4.しかし、物価の安定が展望できる情勢になったと判断されるにはなお時間を要すると予想されるうえ、国際金融資本市場や海外経済の動向次第で、経済・物価見通しがさらに下振れするリスクにも、注意が必要である。
§3
日本銀行は、8月に強化した金融緩和措置のもとで、金融資産の買入れ等を着実に進めているが、物価安定のもとでの持続的成長経路への移行をより確かなものとするためには、金融緩和を一段と強化することが必要と判断した。
§4
(注1)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:宮尾委員。(注2)本日の金融政策決定会合では、宮尾委員より、資産買入等の基金を10兆円程度増額し、60兆円程度とする議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:宮尾委員、反対:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、森本委員、白井委員、石田委員)。(注3)基金の内容等については別紙参照。(注4)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。反対:なし。
§5
5. その際、上記の金融環境のもとで企業の資金調達が基本的には円滑に行われている現状を踏まえ、資産買入等の基金を5兆円程度増額する対象は長期国債とし、それを通じて金融市場全体に緩和効果のさらなる浸透を図ることが適当と判断した。なお、日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、銀行券需要の趨勢的な残高に概ね見合うよう、安定的な資金供給を行うという観点から、現在、年間 21.6 兆円の長期国債を買入れている。6.日本銀行は、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、今後とも、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。こうした日本銀行の取り組みが、日本経済の中長期的な成長力の強化に結びつくためには、民間、政府を含め各方面が、緩和的な金融環境を活用しつつ、それぞれの役割に即した取り組みを続けていくことが重要と考えている。以上 (別紙) 今回の「資産買入等の基金」の増額について 1.増額の内容従来の規模今回の増額幅増額後の規模総額 50兆円程度+5兆円程度兆円程度資産の買入れ 15.0 +5.020 .0
§6
長期国債(注) 4.0 +5.09 .0国庫短期証券 4.5 ― 4 .5CP等 2.1 ― 2 .1社債等 2.9 ― 2 .9指数連動型上場投資信託 1.4 ― 1 .4不動産投資信託 0.11 ― 0 .11固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション35.0 ― 35 .0 期間3か月20.0 ― 20 .0期間6か月15.0 ― 15 .0 (注)日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、年間 21.6 兆円の長期国債の買入れを行っている。 2.2012年末を目途に増額を完了する。 以上 (参考) ・開催時間――10月27日(木)9:00~13:26 ・出席委員――議長白川方明(総裁) 山口秀 (副総裁) 西村淸彦(副総裁) 中村清次(審議委員) 亀崎英敏(〃) 宮尾龍蔵(〃) 森本宜久(〃) 白井さゆり(〃) 石田浩二(〃) 上記のほか、藤田幸久財務副大臣(9:00~12:48、13:00~13:26)大串博志内閣府大臣政務官(9:00~12:48、13:00~13:26)が出席。 ・議事要旨の公表日時――11月21日(月)8:50以上